現実逃避

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「かぐや様は告らせたい」の感想を書いている漫画感想ブログ

『五等分の花嫁』 第106話 最後の祭りが三玖の場合② 感想と考察 : 三玖はもう迷わない

というわけで三玖の文化祭,二日目〜三日目。

 

初日のたこ焼き屋の小火でクラスの男女の仲直りをしそびれてしまった三玖。思わずへたり込んでいましたが,二日目もなんとか参加できた模様。例の「入院」の件は二日目の出来事ですから,やはり倒れたのは三玖じゃないでほぼ確定ですな。

 

今回の冒頭,時系列的には竹林さんを発見する直前。クラスの惣無事も達することができず,己の無力感に浸されている三玖さんの「フータローに会いたい」というその乙女心ば支えてほしいという気持ちの表れでしょうか。

 

 

しかしこうしてヒロインたちが風太郎を求める描写を見るたびに,彼と結ばれるヒロインはたった一人であるという事実を思い起こさせる。決着がついてしまえばそれは受け入れるしか無いわけですけれど,結ばれなかった気持ちはどこに行くのか。何度ラブコメを読んでもやるせない気持ちになります。

 

果たして三玖は「結ばれる側」になれるのか。なれるなれないは別として,三玖自身はどう想うのか。そんな三玖ちゃんの想いの深さがわかる今回の物語。

 

 

 

 

 

 

中野三玖は信じたい

 

さて目下の懸案「クラスの男女の仲」の方も気になりますが,まずは竹林さんの方も気になる三玖さんである。風太郎を発見&竹林さんを補足するや否や尋常じゃない顔をする三玖,相変わらずの嫉妬センサー感度抜群であります。

 

 

フータローが知らない女と文化祭デートしている(ように見える)。さりとてフータローは私達5人が好きだと言ってくれたし,その言葉は信じたい。 三玖も四葉も風太郎を信じたいという気持ちが表れていますね。

 

 

そんな気持ちを落ち着かせるように思い出された言葉。

 

自分が好きになったものを信じろ

 

他ならぬ三玖が想像するように,家庭教師として認めてもらうために必死になっていただけなんですけれど,意外なところで返ってきた感じ。あながち苦しい言い分だっただけではなく,三玖の中で信じるに足る言葉だったというのは面白いですね。

 

 

 

自分が好きになったもの。姉妹。戦国武将。そしてフータロー

フータローのことが好きという思いは誰がいようと変わらない。そこは真実である。

 

ま,結局このあと思わず乱入しそうになる三玖と四葉がそこに有ったわけですが,「フータローを信じる」ということと「己の想いを抑える」ということは全くの別問題なんだな...ということなのでしょうね。

 

 

三玖を成長させたのは何か

 

そんな三玖の好きなものに加わったものの一つが「クラスメート」。好きだからこそ,男女別れての現在の状況がもどかしい。その引き金を引く形になった自分もやるせない。

 

3年生,最後の学園祭において嫌な思い出は作りたくない。客観的に見るとなぜ男女が争うのかわからない。

これまで同じクラスで過ごしてきた仲間である。たまたま文化祭の出店で意見が食い違い,分裂出店となったけれどもお互いが憎いわけでも相手の営業妨害をしようとしているわけでもない。ここまでこじれたのは単なる「意地」である。

 

準備からこっちのいがみ合いに一体何の意味があるのか。天は食い物の上に食い物を作らず。また食い物の下に食い物を作らず。パンケーキとたこ焼きに上も下もあったもんじゃない。男女がいがみ合う必要もない。溜まりに溜まったストレスが開放された時,これまで三玖が抑え込んできた「本音」が爆発する。

 

 

すげっ...。

三玖も本当に変わったよなあ...。これまでだったらストレスを抱えたまま縮こまっていただろうに。それがこうやって「自分の気持ち」をはっきりと言葉で相手に伝えられるようになる。この成長はフータローとの関わり合いの中で得たものだよね。

 

小さな努力の積み重ねから,ついに修学旅行で告白できた。一度は冗談めかしたけれど,その思いが本当であることを水族館で伝え直すこともできた。その返事を聞く覚悟もできた。そんな三玖の恋の経験がなかったら,きっとこんな風に「本当の気持ちを相手に伝える」ということはできなかっただろうし。

 

私を信じて

 

と言えるだけの「裏付け」をとれる勇気と自信がなければこんな事は言えないだろうし。「信じて」というからには男の子も女の子も説得してまとめ上がる意思があるということだからね。実際,3日目には裏方で女子のパンケーキを手伝う男子の姿が有ったわけですから三玖はやり遂げたということですし。

 

 

フータローとの恋,最後の最後がどうなるのかわかりませんが,この「恋」が三玖を大きく成長させたのは間違いない。そんな事が分かる一幕でした。

 

三玖はもう迷わない

そんな三玖の成長を驚きを持って一番感じているのは他ならぬ風太郎なんでしょうね。自分自身は諦めていたクラスの融和。それを成し遂げんと本音をぶつけられた三玖。クラスメートを動かした三玖。まさに見事だ...である。

 

ただ風太郎にとって意外というか虚を突かれた形になったのは,その「本音のぶつけ方」が自身への恋にまで適用されるとは思っていなかったからでしょうね。まさに侵掠すること火の如くである。

 

押し倒した。

 


気分は完全に「はれぇ...!?」な上杉風太郎である。日常から一気に魔界れんあいへ...何が起こったかまるで理解していないエリナ・ペンドルトンの心境である。中野三玖,フータローに意識を向けたら4秒で合体!ってやつである。

 

この三玖の言動が完全に「浮気の現場を抑えた妻」なんですよね...。

 見ているこっちが思わずニマニマしてしまう。一方で,しどろもどろのフータローの姿がまんま「言い訳する夫」みたいで可笑しかったり。「幼馴染」「友達です...」という言葉に対し「ならよし!」と言う流れ,これは正妻の器ですよね。

 

 

 

またここからの流れが秀逸すぎる。

もう我慢なんかしないし,「俺に遠慮するなよ」とか言われているし。この間の三玖さんの心情,おそらくは「え,今なんて言った?俺に遠慮するなよって言った!? よぉし,言質取ったからね!」てなもんですよ。侵掠すること火の如くは伊達じゃないですよ。

 

 

思わず漏れる「キスしたい」が本音過ぎていっそ清々しい。かぐや様で言うならば「抑圧された欲望が...」「一気に開放される...!?」(花火回)ってな感じですよ。

 

 

 

そうなるとどうなる?

つまりこうなる。

  

 

「あと少しで三玖が我慢をやめる」

 

「我慢をやめるとどうなる?」

 

「知らんのか?」

 

「三玖がキスをする」

 

 


 

ズキューーーーン!(3人め)

 

やりおった!

それもただのキッスじゃない。熱烈キッスです。唇をつけたら離さないやつです。本当にありがとうございます。

 

 

キスするけれどいいよね? 答えは聞いていない! 

 

まさにそのノリ。

何事にも消極的で,自分を出さずにやってきた自分。己の魅力と力を卑下し,姉妹たちには敵わないと決めつけてきた三玖がこんな風に本音を風太郎にぶつけられるなんて,隔世の感がある。

 

気持ちが通じるかもわからない。自分の前にある越えられない壁が再び立ちはだかるかもしれない。だからといって自分の気持ちに偽りはないし,いまここにある「フータローが好き」という気持ちは揺るがない...

 

 

「もう迷わない」という言葉からは,この先何があろうとも自分の信じる道を進めるようになった三玖の成長を感じました。まる。

 

考察

この後もっとめちゃくちゃ何かした三玖ちゃんですが,いいんでしょうか...。ひょっとかして舌入れてレロッってやっちゃったんでしょうか。四宮かぐやもやらかしちゃったやつ...

 

一体全体「風太郎の意志」とは。

ここまでは皆さんすべからく風太郎の気持ちはお構いなしに,自分の気持ちに素直になってしまっていますが,良いのだか良くないのだか。風太郎の決断を前に,最後の意思表示という意味ではアリだと思いますし,一読者としてはお話が混沌としてきて面白いんですけれどね。

 

 

かくして一花,二乃,三玖と風太郎とキスしたわけですが,ここで時系列を整理しておこう。

 

2日目・夜・病院にて 二乃さんフー君にキスをする。

2日目・夜・公園にて 一花さん風太郎にキスをする。

3日目・朝(昼)・屋上にて 三玖ちゃんフータローにキスをする。NEW

 

 

うん。なかなか酷いな(笑)。誰ひとりとして遠慮なんかしない。迷わず自分を信じて一直線である。改めて「風太郎の意思」とは。

 

風太郎もそりゃ混乱しているんでしょうね。3日目に結論を出すと宣言したばっかりに,かくも五姉妹たちが積極的に動くとは思ってもいなかったでしょうし。ぶっちゃけ,選ぶのは自分のつもりだったでしょうからこんな展開が来るとは思っても見なかったでしょうね。

 

 

さて,こうなると残る2人も当然キッスすることになると思われます。相変わらず五月がどうやってキスするのかわかりませんが,それこそ鐘キッスのように「偶然性の高いもの」になるのか。あるいはあの鐘キッスに感じた「偶然を装った必然のもの」になるのか。興味深いところ。

 

 

一方の四葉ですが,四葉のイベント候補としては「文化祭クラス委員」「演劇部」という要素があるわけでその辺りを軸に進めていくのでしょうか。

 

問題は「6年前の京都の件」。これを文化祭(2話分)で回収するには些か尺が厳しい気がしなくもない。ただ風太郎自身が京都の女の子であると気づいていたという情報開示はあってもいい気がします。

 

例えば例の竹林さんが「五つ子も良い子だった」という謎発言をしていますが,これは多分に五つ子の誰かと会話している前提と思われる。ここまでの三人は竹林さんと絡まなかった。残る四葉・五月で言うならば,「かつての想い人であった竹林」と「その竹林問題がキッカケで出会って変化した京都の女の子=四葉」が絡むというのが自然な感じがしますね。

 

 

その流れで6年前の京都絡みの件=四葉と風太郎が気づいてくれる→「思わずキス」ってのはあるかもしれない。

 

(追記)コメントいただきました。

 

(以下引用)
竹林が会ってた五つ子の一人は十中八九一花やと思いますよ。一花が、共演してる女優のシルエットがそっくりです。

竹林は、一花から、五つ子の姉妹の話と風太郎の話を聞いて、風太郎と五つ子に会いたくなったと考えてます

 

その可能性は全く考えなかったな...

 

 

背丈が同じぐらいでロング髪,まあ可能性が無くもないですね。

なんとなく彼女は勉学一本で生きているイメージがあったので,女優になっているという発想はなかった。ありがとうございます。

そういう因果だったらなかなか面白いですね。

 

 

 

あるいは,この京都の女の子の件は五月の「零奈」の件とセットで処理という可能性もあるのかもしれない。可能性は微妙ですが,風太郎が「零奈=京都の女の子」と誤認したままだったらその後に「本当の京都の女の子は」という話が持ってこれる。そんな作劇があってもおかしくない。

 

その場合は風太郎が零奈としての五月を竹林さんに紹介する→竹林さんが何かに気づく→風太郎は...みたいな流れになる可能性もある。ま,ただの妄想ですが。

 

このあたり,風太郎の決断にどう影響するか面白いところなので,そのくらいの複雑な構成はあってもいいのかもしれない。

 

 

さて四葉にある程度枠が振られるとなると,尺的に「入院ネタ」は五月に振られる予感がします。

 

 

空腹のせいか,勉強のし過ぎによる寝不足か,はたまたハプニング(謎の訪問者の件)かもしれませんが。これまで恋愛絡みがまったくなかっただけに,五月のキスをどう処理するのかも見ものです。

 

とりあえず次回はナンバー通り四葉なんでしょうが...。(ここで五月を先に出すと何か意味が出るし)。ここまで我慢に我慢を重ねてきたのは四葉も同じ。どんな風に彼女の感情が開放されるのか。そこも見ものである。

 

余談 

こぼれ話。例のパンケーキ問題。

 

たこ焼きに参加していたはずの二乃がなぜ店当番やっているのかなと疑問だったわけですが,なるほど...マルオが来るかもしれないと思って三玖と交代していたのね。マルオに振る舞うつもりで準備していたわけか。

 

 

そしてなぜ母のパンケーキのレシピではなく,三玖がパン屋に教わった生地づくりをしていたのかという点も疑問が晴れました。

 

お父さんが言っていた...。三玖のパンケーキがお母さんの味にそっくりだったということを。(天道総司)

 

てわけだったのね。

二乃が作りたかったのは母のパンケーキ。であるからして,三玖の生地をベースにパンケーキ作りをしていたというわけね...。合点した!

 

こういう整合性がきちんと描かれるところは「五等分の花嫁」らしいですよね。そしてねぎ先生は割と細かく伏線はきちんと「描いて」おくので,花嫁のヒントもどこかに描かれているのだと思います。もうすぐそれが読者にも開示されるのかもしれないと思うとドキドキしますね。

 

というわけで今回の感想はおしまい。再度まる。

 

 

(追記)二乃が三玖を押しのけて自分がマルオの応対をしたがるだろうか,という意見を拝見しました。確かに微妙なところですね。

家族愛の強い二乃なら三玖にお願いすることはありそうな気もしますが,それなら五月と交代して二乃と三玖で作る方法もありますし。その辺の謎が明らかになるのか,気になります。

 

 

   

 

 

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五等分の花嫁(11) (講談社コミックス)

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*画像は『五等分の花嫁』第106話,102話,100話,3話 ,『コブラ』12巻p.314 より引用しました。引用は中止しました。