現実逃避 - hatena

「かぐや様は告らせたい」の感想を書いている漫画感想ブログ

『五等分の花嫁』 第108話 最後の祭りが四葉の場合② 感想 : 四葉の「最後の思い出」は何に区切りをつけたのか

最新コミックス12巻は11月15日(金)発売とか。

 

 

 

表紙は結婚式場の風太郎ですね。差し出すのは指輪のように見えます。ふむ。そうなると13巻は指輪を受け取る花嫁か。たぶん背を向けた状態で描かれるでしょうけれど。そうなると14巻が誓いのキスになるのでしょうかね。実際の結婚式の時系列はキスが先のはずですけれど。

 

さて前回,竹林さんと出会って直後がブラックアウトだったわけですが,そんな竹林さんと四葉との会話からReスタートです。

 

 

 

最新コミックス  

五等分の花嫁(11) (講談社コミックス)

五等分の花嫁(11) (講談社コミックス)

 

 

 

 

竹林さんは確かめたい

突然現れて中野家の姉妹達に絡んできた竹林さん。その目的はというと,やはり風太郎が変化する「きっかけ」となった相手・6年前に京都で出会った女の子を確かめにきていたというわけか。

 

 

この短いやり取りの中で,なかなか面白いことが明かされています。竹林さんは6年前の京都の出来事を覚えていた。あの修学旅行の時に頭をぶつけた同じ顔4つの女の子たち。そう,あの時四葉は既に逸れていたので「四つ子」と会ったという認識だったわけですね。

 

しかし重要なのはその直前ですよ!「五つ子の方を拝見するのは今日が初めてで」って,パンケーキ屋であったのは二乃,五月である。その後合流したとして三玖まで。そして今対面している四葉です。じゃあ,一花さんとはどこで会ったのかな?

 

 

もちろん4つ子としての一花は6年前に会っていますけれど,わざわざ「五つ子の方を拝見するのは今日が初めて」と断っていますからね。現在の五つ子と会ったということにほかならない。別れの時に「五つ子の皆も良い子だった」と言っていますしね。やはり現在の一花にもどこかで会っているわけだ。

 

弊ブログでは2つ前ほどの感想から「一花と共演したのが竹林さんではないか」という説をとっているわけですが,いよいよもってその気配が濃厚になった気がしますね。そもそも3年生になってはじめて風太郎に会いに来るあたり唐突すぎるのである。これはやはり五つ子に関する情報を学外で入手したから来てみた...という方が間尺に合うんだよなあ...。

 

やはりあれでしょうか。本当の京都の子である四葉に対する「配慮」から,一花さんが竹林さんに何かを促した可能性。ありそうな気がするんだよなあ...。風太郎と四葉に対する触媒としてさ。

 

 

話が逸れました。

竹林さんから得た情報としては,「風太郎は四葉との約束を大切にしてきてくれた」ということです。それは現在の風太郎の努力の結果から明らかなわけですけれど,こうして「写真で嫌というほど見せられた」ということであれば,風太郎が感謝しつづけてきた同じ誓いの女の子として「京都の女の子」を見てきたことは伝わります。

 

 

竹林さんの視点からすれば,風太郎にとって大恩ある四葉のことを風太郎が知らないことに違和感がある。そしてもう一方の当事者である四葉がそれを隠すことにも違和感がある。それを確かめるためにやってきたということなんでしょうかね....。

 

 

 

そんな四葉が隠す理由はこれまで「風太郎との約束をはき違えて姉妹達に迷惑をかけた」という側面が強調されていたわけですが,今回もう少し掘り下げて説明されました。

 

約束を守れなかったことにたいして「がっかりされたくないこと」

誰かに必要とされる自分になりたいと誓い合った約束を,今もって「実現できていないこと」

 

 

他者に対する迷惑もさることながら,なにより自分自身が大好きな風太郎との約束を守れていない嫌悪感が彼女にブレーキをかけている。以前より示されていたことですが、改めて示された模様。

 

 

上杉風太郎は伝えたい

だが上杉風太郎は知っている。

 

四葉は誰からも必要とされていない人間などではないと。風太郎に認められたいことが動機付けだったかもしれないけれど,今回四葉が張り切って頑張ったこと。そのことは手伝ってもらった人たちは感謝している。

 

 

舞台で欠けてしまった女王役を引き受けてもらったり。自分たちの催しや活動に対する様々な援助をしてもらったり。クラス委員として獅子奮迅の手伝いをしてくれたり。四葉がお世話をしたことはきちんと誰かのためになっている。

 

四葉は「誰からも必要とされていない人間なんかじゃない」。

四葉がいてくれたことを,四葉が助けてくれたことを感謝している人たちがいる。代役を買ってくれた陸上部の部長も,衣装を縫い直してくれた被服部の二人も,みんな四葉のしてくれたことに対する感謝の念を示している。だから今度は四葉のためにみんなが力を託してくれる

 

ずっと四葉が追い求めていたもの。

風太郎との約束を守り,「誰かに必要とされる自分」となりたい。それを認めてくれている人がいる。そしてそれは上杉風太郎にとってもそうである。

 

 

これな...すっげぇ意味深である。

 

 

俺もお前の世話になった一人だ

 

というこの言葉は当然文化祭における四葉のサポートを受けてのことである。だがそれだけだろか。風太郎はそれ以上のものを四葉からもらっている。6年前の京都の出会い。そこでの会話から得た変わることができるかもしれない自分という想い。

 

 

思い出されるのは竹林さんの言葉である。

 

 

自分は無意味で必要ない人間だと同じようなことを言っていた人を知っています。そしてその人は今前を向いて歩き始めています

あなたも過去から踏み出せますように

 

上杉風太郎が前に進めるようになったのは四葉がいてくれたから。四葉が変わるきっかけを与えてくれたから。感謝の想い抱く6年前に出会った女の子のことを,上杉風太郎が正しく認識しているのだとしたら。俺もお前の世話になった一人だ,の意味も重みも変わってきます。この後のシーンの意味においても。

 

今回のエピソード,四葉にとっても過去との決別・区切りでしたけれど,もしかすると風太郎にとってもこれまでの感謝の気持ちを伝える一つの区切りだったのかもしれないね。

 

 

そして四葉は想い出に区切りをつけた

風太郎が今の自分を認めてくれたこと。そのことが四葉に過去との決別・区切りをつける勇気を与えてくれた。区切りをつけるために。過去と決別するために,6年前のあの日のように四葉は呼びかける。「風太郎君」と。

 

 

逆光にうつる四葉の姿は特徴的なあのリボンを隠して認識させない。疲れ切って微睡んでいる中で,「風太郎君」という呼びかけに「零奈」と認識する風太郎が何とも言えないですね。四葉の区切りという大きな出来事の中で,肝心の風太郎が四葉と認識していない。

 

そのことを四葉は分かっている。でも多分それでいいと思っている。

これから四葉が話すことは,6年前に出会った京都の女の子としての言葉である。それを四葉が五月に頼んだ「零奈」として認識しているのならば四葉としては同じことである。これから別れようとしているのは,6年前に出会った京都の女の子としての自分なのだから。

 

 

 

ずっと約束を覚えてくれてありがとう

私は守れなかったよごめんね

  

ずっとずっと言いたくても怖くて言えなかった言葉をついに四葉は紡ぎ出す。感謝と謝罪と。四葉が言いたくても言えなかった想いがここに凝縮されている。そんな四葉の言葉に対して,風太郎は言う。

 

 

そんなことは気にするな

昔の事より大切なのは今だろ

 

 

それは四葉にとってどんな風に響いたのだろうか。

 

許されたという安堵の気持ちだろうか。いまの自分を認めてくれたという充足感だろうか。あるいは,これから自分が捨て去ろうとする6年間の「京都で出会った約束の女の子」としての思い出に対する寂しさだろうか。

 

 

 

 

そして四葉は上杉風太郎にキスをした。

 

 

 

 

四葉が込めたキスの想い。

柱の陰で照れながら,これが「最後の思い出」と自分に言い聞かせながら整理するその気持ちはいかなるものか。自分と風太郎を繋いでいた大切な想い出に頼るのをやめ,誰かに必要とされる自分ではなく,自分がなりたい自分でありたいと前に進む決意をしながらも四葉は涙をこぼす。

 

 

 

ずっとずっと大切にしてきた思い出との決別

「大切なのは今」という風太郎の言葉を噛み締めながら,四葉は6年来の想いに区切りをつけた。その失われたものの大きさに,今は涙をこぼす。区切りをつけたといってもそれはずっと大切にしてきたものである。悲しくないはずもない。寂しくないはずもない。

 

「最後の思い出」とは四葉の6年前の気持ちと別れるための思い出。6年前,京都で出会った男の子との約束と,その間抑えてきた気持ちとの区切りのための思い出。そんな風に僕は感じ取りました。

 

四葉は報われたと言えるのか

再び風太郎と面した四葉の顔には迷いはなく。「もう心配いりません!」と元気に答えるその姿からは,最後の思い出を区切りに「自分で自分の価値を探せる人間」となった姿のように見えます。

 

 

今の四葉を風太郎が認めてくれた。そのこと一つとっても四葉は「報われた」のかもしれない。でも本当にそうだろうか?

 

 

というのもだよ。

先の「京都の女の子としての四葉」との決別の会話,それって風太郎は四葉だと認識していないじゃないですか。あくまで「零奈」と認識し,しかもそこで語られたことは「夢」の出来事と思っている。四葉にとっての「思い出のキス」は風太郎にとっては零奈との空想上のキスになっている。

 

これが完全に四葉が報われるためには「零奈=四葉」と認識してることが不可欠である。しかしながらこれまでの流れから,風太郎は「零奈=五月と認識している。これをどう考えるか。

 

 

当事者の四葉が区切りをつけたからそれでいい...と考えることは出来ます。

でも零奈と誤認された五月の立場からしてみたらどうかな?それは自分が受け取ることができる「区切り」だろうか。

 

そしてもちろん一花,二乃,三玖もまた「零奈=五月」が京都の女の子ではないことを知っている。竹林さんも知っている。もちろん当事者の四葉も。

今回の決別はあくまで四葉視点の四葉による一方的なものとなってしまっている以上,やはり風太郎視点での認識をはっきりさせる機会は必要ではなかろうか。

 

 

風太郎自身も「過去よりも今」と述べてはいるからこそ,置いてきた「過去」は正しく認識しなければならない。それが今の自分を形作る感謝の思い出であればなおさらのことである。

 

 

そうなると,「最後の祭りが五月の場合」が最後に来るのは意味深である。

 

時系列のどの部分が語られるか分かりませんが,どこかで五月は京都で出会った女の子は自分が演じた零奈ではなく「四葉」であることを風太郎に告げる可能性はありそうです。そもそもそれを伝えなかったのは四葉に止められていたからなのだから。

 

そんな事があるとしたら、空白となった初日の夜でしょうか。四葉の区切りの後に起きた出来事になるのでしょうか。どちらでも行けそうですが,そこで一つの風太郎の区切りがあってもおかしくないね。そうでないと四葉の区切りが正しく区切りにならない。このままだど「報われた」と言い切ることができない。

 

  

そして現状,風太郎視点でみるとこういうことになっている。

 

一花=キスされた

二乃=キスされた

三玖=キスされた

四葉キスされていない

五月=(零奈として夢の中で)キスされた

 

この後に五月がキスするかどうかは何とも言えないのですが,ここまで五月は風太郎のことを友人ないし出会ったことに感謝する相手であっても恋心という形では感情を示したことが無い

 

 

いやもちろん「実は好きだった」という処理は出来ますけれど,ここまでの他の4人の姉妹の風太郎に対する想いに対して「実は好きだった」というのはちょっと唐突にすぎて軽すぎる感がある。

 

それならばむしろ,風太郎は「零奈としての」五月に感謝の気持ちがあって...という状態にあり、そんな零奈とキスをした夢を見た。そんな認識の中で五月と接していくも何かおかしい...的な流れが来るのかもしれない(全く違うかもしれないけれど)

 

 

まあそれも変な感じがするんだよね。

「京都の女の子」に感謝しているにもかかわらず,その相手が誰か風太郎もまた正しく認識できていないということになるからね。むしろ四葉との会話の段階で京都の女の子=四葉と認識している方が話としては綺麗な感じがします。

 

そんなわけで四葉が本当に報われたかどうかという点に関しては,風太郎視点で「京都の女の子は誰だったのか」というエピソードがないと収まらない。それを四葉視点でもう一度やるのは明らかに蛇足というか筋違いなので,多分五月視点か風太郎視点でそれは描かれるんでしょうね。

 

その描かれ方によっては,風太郎が「今」好きな女の子は誰なのか。あの鐘キッス以来特別だった女の子は誰だったのかが明らかになるのではないかと思ったり。まる。

 

 

【参考】文化祭タイムテーブル(四葉関連Ver2.0)

 

 2日目

(100話)文化祭2日目

午前

  • 竹林,入場時に放送部のインタビューを受ける
  • 風太郎,仕事がなくなり隙となる。竹林に捕捉される。
  • 四葉,パンフレットを運んでいる途中で三玖に声掛けされる。「(風太郎と)ただ一緒に回りたかっただけ」と言われる。
  • 四葉,「私も最後に思い出作りしておいたほうがいいかもね」と言う。
  • 三玖,男子がパンケーキ屋を勧めて居るところを見る(106話)。
  • 四葉・三玖,フータローが竹林と文化祭巡りをしているのを補足する
  • 四葉,「上杉さんを信じよう」と三玖に言う(106話)
  • 竹林,二乃・五月のパンケーキ屋で話をする。竹林,「これではっきりしたね。私とあなたたちどちらがより親密なのか」と煽る
  • 四葉,飛び出して「私の方が上杉さんのこと...」と言いかける
  • 五月,「しかしその深さでは負けるつもりは有りません」と竹林に告げる
  • 竹林,二乃・五月に6年前の京都の件について尋ねる(108話)

 

 

11時55分

  • 四葉,竹林さんと遭遇する(107話)
  • 四葉,竹林さんに「京都の子」であることを確認される(108話)

午後

  • 四葉 107話)が倒れて入院する(102話)。
  • 風太郎,演劇部に代理謝罪する。(108話)
  • 被服部の二人が衣装を直す(108話)
  • 代役に陸上部部長がなり女王を演じる。(108話)
  • 二乃,三玖に店当番を代わってもらう(106話)

 

2日目終了後

  • 竹林,「5つ子の皆も良い子だった」「頑張りなよ風太郎」と独り言を言う(100話)
  • 風太郎,二乃をバイクに乗せて病院に向かう(103話)

 

(102話)2日目夜

  • 二乃,パンケーキを作りマルオに食べてもらう(104話)。
  • 二乃,フータローににキスをする(104話)
  • 二乃,四葉を見舞う(107話)
  • 四葉,目を覚まし風太郎と会話。倒れた以降の出来事を話す(108話
  • 一花,四葉のお見舞いをする
  • 二乃,風太郎が病室の前で一花に会う
  • 二乃,四葉をお見舞いに来た三玖と出会う。パンケーキ屋の当番を交代したことに触れる(106話)。
  • 二乃,三玖に「何か(マルオ?キス?)」を報告する(106話)。
  • 一花,夜の公園でフータローにキスした相手は女優と告げる。
  • 一花,風太郎にキスをする

 

(106話)3日目

 午前

  • 三玖,風太郎に付添を頼み,男子女子の和解を促しに行く「仲良くして」。
  • 三玖さん野獣と化して問い詰めた後,熱烈キッスをする。

 

 午後?(108話)

  • 四葉,「風太郎君」と声をかける。風太郎,零奈(=五月)と誤認する
  • 四葉,約束を守れなかったことを謝る。
  • 風太郎,「昔のことより大切なのは今だろ」と告げる
  • 四葉,「もう君との思い出に頼らない」「自分で自分の勝ちを探していくよ」と誓う。
  • 四葉,最後の思い出に風太郎にキスをする。
  • 風太郎,一連の出来事を「夢」と思う
  • 四葉,思い出と決別し号泣する。
  • 四葉,風太郎の「平気か?」の声掛けに「もう心配いりません!」と答える

  

現実逃避のご案内

Google検索で記事が出なくなったら、検索語に「現実逃避」を付け足すと見つかりやすいです。(もっと簡単なのはブックマーク登録。これを機会によろしくお願いします)
はてなブックマーク→このエントリーをはてなブックマークに追加

 

 

   

 

 

最新コミックスなど

五等分の花嫁(11) (週刊少年マガジンコミックス)

五等分の花嫁(11) (週刊少年マガジンコミックス)

 

 

 

 


*画像は『五等分の花嫁』第108話 より引用しました。

引用は中止しました。