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「かぐや様は告らせたい」の感想を書いている漫画感想ブログ

『五等分の花嫁』 第82話 シスターズウォー 五回戦 感想

さてと。五等分の花嫁 82話 の感想(ごと嫁 感想)です。

 

はれぇ?

『現実逃避』が五等分の花嫁の感想を書くなんてどういうこと? とまあ思われる方もいらっしゃるかもしれませんが,ブコメ大好きayumieさんである。当然コミックスも買っているし,マガポケも定期購読しているぜ!

 

ただまあ月曜日に「ぼく勉」,木曜日に「かぐや様は告らせたい」の感想を書いている都合上,間に「五等分の花嫁」の感想を書くには生活時間の余裕があまりにもありません。一応社会人だし? 家庭持ちだし? 趣味に使える時間は限られている。

 

しかしまあ今週は諸般の事情で書く時間ができたので,ずっと書きたかった考察を踏まえて最新話「シスターズウォー 五回戦」の感想をば送り届けたい次第であります。

 

という訳で,今週の話に限定せず雑多に話が飛びますが,ご笑読くださいませ。

 

 

 


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「五等分の花嫁」は大乱世

さて「五等分の花嫁」世界ではいま大乱世であります。

 

同級生が家庭教師,教え子は五つ子という特殊状況下。そんな中,勉強嫌いな五つ子たちも,風太郎の良さを認めて家庭教師として不可欠な人材にまで存在が大きくなった今日この頃。

 

始めに三玖が惚れ。次に一花が惚れ。最後に最もツンしていた二乃が惚れ。あっという間に姉妹の伍分の参が同じ男に惚れるという状況になっております。まさにシスターズウォー。大姉妹戦争が勃発中なのである。

 


 そんな惚れた張れたのアレコレは世の一対多型ラブコメ(いわゆるハーレムもの)の定番であり,その定番ともいえる物語構成にいつもの定食屋でいつもの定食を食べているような安心感を抱きつつ,その葛藤に読者は一喜一憂する。そういうもんであります。

 

しかしこの「五等分の花嫁」はちょっと違います。

この五等分の花嫁,何が他のラブコメと一線を画しているのかと言えば,その特徴(今更でありますが)はずばり「ヒロインは五つ子姉妹」ということである。

 

姿形は基本的に同一。「容姿の区別」という分かりやすいラブコメポイントを潰している点も画期的な事ながら,加えてヒロイン全員を「姉妹」とした点が画期的と言えるであろう。これは設定の勝利である!

漫画表現的に区別できるよう,髪型等で変化はつけているけれども顔立ちもスタイルも基本的に同一である。そこに差異はない。ゆえに「中身で勝負」というところが潔く,物語性を高めている。

 

 

そして「姉妹」であるが故に,その恋の駆け引きは「友情」を上回る苛烈さを極めたものに相成るわけであります。

 

後天的に形成される友情はどんなに深くてもそこは友達同士の信頼関係に依拠する。友達と同じ人を好きになってしまった(はわわ...)というのはよくあるラブコメの常道でありますが,そこはそれ友人と言えども最後は他人である。どこかで潔く人間関係を整理できる部分がある。

 


 しかし「姉妹」はそうはいきません。血縁関係です。切りたくても切れるもんではない結びつきがそこにある。ましてや姉妹,五つ子です。一つ身が五つに分れし彼女たちにとって,普通の姉妹以上に切っても切れないモノがあるというもの。そこに「綺麗ごとではない」恋の駆け引きが生じる遠因となっているわけであります。

 

普通の友人関係ならばもろく壊れて雲散霧消してしまうもの。それが姉妹であるならば壊したくても壊せない関係がある。そこに「五等分の花嫁」の面白さがあるような気がしますね。

 

 

 


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平時の三玖,乱世の一花,大乱世の二乃

話を本編に戻します。

 

  • 一歩一歩「告白の環境を整えて」から告白に至ろうとする三玖
  • 相手に向かって「気持ち一直線」,ごと嫁界の日向小次郎こと二乃
  • 勝利のためならば「できる策を全て用いる」権謀術数の極みたる一花

 

三者三様のアプローチで恋する風太郎に想いを伝え,その心もぎ取らんと全力を尽くすその様はまさに大乱世である。

 

前回,再び三玖に扮して自らに有利な状況を作り出そうとした一花でしたが,それは四葉と三玖に知られたことで失敗。一方,四葉の偶然の失言により,自らの告白のお膳立てをぶち壊され三玖は遁走。自らの悪行を姉妹に知られ,二乃・四葉からもその行為を否定されて,孤立無援となった一花。

 

状況は最悪である

同じ人を好きになったがゆえに。皆が公平にその想いを伝えられるようにとの思いがあった故に。姉妹はまさに空中分解寸前。あわやハプニング解散という姉妹戦争の現況である。

 

そんな中,動くのはやはり「大乱世の二乃」なんですよね。

前回,一花が三玖に扮してその想いが伝わらないように工作を図った際に二乃さんは言いました。

 

 「たとえ あんたが選ばれる日が来たとしても 私は... 祝福したかった!」

 

自らの気持ちに素直で直情的であるけれども,同時に姉妹5人の絆を大切にしている,二乃らしい言である。他人を蹴落としてでも...という気概とは別に,血縁という五人の絆を守るという一線は越えないところが彼女の良さである。

 

 

だから二乃は三玖を訪れる。

 

ハプニングにより自らの想いが風太郎に伝わってしまい。自ら練りに練ってきた告白の機会は失われてしまった。一生懸命作ったパンは渡すこともできなかった。三玖はいま傷ついている。

 


 

三玖を慰めに来たのではない,そう言いつつもそこにあるのは三玖への配慮である。愛情である。「私がフー君をもらってく それでいいわね」とわざわざ宣言するのは三玖が大切にしてきた「公平に戦いたい」という気持ちを汲んでのことである。

 

私は行く。そのうえであんたがどうするかは自分で考えろ。

 

二乃はそうやって三玖に機会を与える。既に告白まで済ませ,回答は保留にしてある。今,風太郎の気持ちは自分に向いていない。けれども必ず振り向かせて見せる。そのために全力でアプローチする。

 

そんな「気概」を三玖に見せつける事によって,三玖がまだ戦う意思があるなら戦場に立ちなさい。そう発破をかけにくるのが二乃という女の子なのである。ほんま,ええ子やないか...。

 

 

”可愛くて社交的で人気者で,自分の夢を持っている。他者を蹴落とす気概もある(おい)。” そんな一花に自分なんか勝てるはずもない...。フリーザの前でがくがく震えるベジータのように,戦う意思を喪失した三玖に対して

 

「あんたも可愛いに決まってんじゃん!」

 

とエールを送るその姿は,やはり傑物という感がありますね。二乃には。まさに大乱世の風雲児である。

 

 

 

そんな二乃にエールと「公平な競争の機会」を与えられた三玖は何を想うのか。

 

「二乃...ごめん...」

 

という力ないその言葉からは諦めのようなニュアンスを感じますが,三玖はまだ「諦めたくない」とも言っている。

そうなるとこの三玖の心境は戦線撤退を表しているのではない。自分をライバルと認定し,そんなライバルの自分に自信と公平な競争の機会を与えてくれた二乃に対する感謝交じりの詫びの言葉,敵に塩を送られた武田信玄の心境

 

 

皆が風太郎を否定してきたころから,最初に風太郎に好意を抱き,こつこつと好意を伝える環境づくりをしてきた「平時の三玖」。彼女はまだ死んでいないと思いたい。

 

 

 

一方その頃。

一花は再び三玖に扮して風太郎に接触するのであった...。ふむ。

 

なるほど。

一花として「三玖の話を聞いてあげてよ」とお姉さんポジを活用して機会を設ける。そのうえでハプニング告白(代理)となってしまった三玖に扮し,状況を動かそうという訳か。ふうむ。

 

 

あの状況から三玖に再び扮し,自らの恋に有利な立場を作り出そうとする。まあそういうことになりますよね。こいつは中々の胆力ですよ,みなさん。

 

三玖の姿で一花の想いを伝え,三玖は応援するというスタンスを取ったのが前回の策。なのに三玖が風太郎を想っているというのであれば,明らかにそれは「嘘」であることが風太郎に分かってしまう。

よっていま一花がやろうとしていることは,その「矛盾」を解消するためのものであろう。三玖が自発的に勝負を降りているように一花からは見えることもあり,この機に乗じて「三玖は風太郎が好きではない」という説明をしようという策略であろうか。まさに「乱世の一花」の面目躍如である。

 

 

しかし一花の策は既に尽きていることもまた明白である。

なぜなら風太郎は三玖の気持ちに気づいているからである。そして一花を応援しろといった三玖が「三玖ではない」ことに気づいているからである。もはや一花の行く先には落とし穴よろしく広がっている塹壕の穴しかない。

 

 

どんな説明をするにせよ,三玖の気持ちを否定したり,一花を応援するそぶりを見せた瞬間,風太郎は「偽物」であることに気づく。いやさ,たぶん最初から気づいているのである。

 

家族旅行の時に「三玖」を見分けることができた風太郎。その風太郎が違和感たっぷりの言説を繰り広げる一花を三玖と誤認するのは文脈的に「無い」のである。その嘘はたぶんあっさり見破られるし,三玖に化けた一花の正体にもさっくり気づくだろう。

 

だってそうである。来てほしくない方に「こっちに行かない方がいいよ」なんて言説,そんなことをするのはそういう嘘をつくことで「利」がある人物こそ犯人である。

そんなことは頭脳明晰な風太郎でなくてもだれでも分かることではないか。一花に利益誘導しようとした瞬間,正体はほぼバレたも同然である。

 

なので一花が窮地に立つところまでが予定調和なんでありますが,そこで彼女が使わんとしているのが例の「写真」である。これがどう状況を動かすことになるのでしょうか。興味が尽きない所である。

 

五分の二の「花嫁候補」

さて。

姉妹バラバラとなって筒音を響かせあう修学旅行編でありますが,残る四葉と五月の行動も気になるところである。

 

既に「現在の」零奈が五月であることが明らかになっているのですが,さてでは「小学生の頃京都で出会った」零奈は誰だったのかなという点ですね。これも既に定説に近い推測がなされていると思いますが,それは四葉である

 

現在の零奈となって風太郎に接触した五月がもっていた件の写真。いま一花が切り札に使おうとしているあの写真に写っているのは四葉と推定される理由。

 

写真の女の子と現在の5つ子の写真,同じポーズでピースをしているのは「四葉である。これは分かりやすく表現されているから,実は写真を撮っていた二乃でしたーではなく額面通り四葉でよかろう。

 

 

その上で,五月の行動である。

一端は零奈に扮し,風太郎から過去の思い出を消し去ろうとしたわけです。そこに「小学生の頃合った零奈」を否定する意思がある。一方で,改めて零奈に扮し,風太郎に京都の出来事を思い出させようとしている。風太郎自身も指摘しているが,五月の行動は明らかに矛盾する。

 

 

今回も五月は「小学生の時に出会った零奈」を通じて風太郎に何かを思い出させようとしているわけです。腕をとって写真を撮ろうとしたり,思い出話をしようとしたり...。そこにあるのは一見,「昔であった"自分"を思い出させ,恋愛的に結びつこうとする五月」であるようにみえます。でもそうじゃないね。

 

 

そもそも五月がおかしくなったのは,京都であった出来事の「真相」を風太郎に伝えたいためです。そこに恋愛感情は無い。

少なくともこれまでの五月の風太郎に対する態度に恋愛感情は無かったし,そもそも一花・二乃・三玖が揉めている原因が「風太郎が好きだから」ということに気づいたのも直近です。そういう意味では五月は「恋愛脳」になっていない。

 

 

つまり何が言いたいのかというと,五月は自分のために零奈に扮したり京都の出来事を思い出させようとしているわけじゃない,ってことですよ。彼女がそうやって動いているのは,「他人」のためである。

 

それは単純に風太郎に小学生時代の真相を伝えたいという気持ちから生じているのでしょうけれど,重要なのは小学生時代の真相=「最初に」風太郎と出会ったのが四葉ということでしょ。写真からもわかるように。

 

 

ここから先は「推測交じりの妄想」なんで真面目に受け止めなくていいんですけれど,風太郎にとってある意味(正確には竹田さんが初恋の子ですが,思い出に残るような意味での気になる人という意味で)初恋の子だった「小学校時代に出会った零奈」は四葉。そして四葉にとっても多分初恋の人だったんじゃないかな。それを五月は知っている。

 

ただ話がそう単純に終わりそうにないのは,あの写真を一花も知っていたという事実である。そして五月の「こんな事どうやって説明したら」という言。

今以上に五つ子が髪の長さも性格も何もかも同一だったあの時,この五姉妹達は「入れ替わって」風太郎と接触したんじゃなかろうか。写真を撮った時は確かに四葉だった。でもある時は五月だったり...といった複雑な事情が背景にあるんじゃなかろうか。

 

 

忘れてほしかった「零奈」は自分のこと。思い出してほしかった「零奈」は四葉のこと。そう考えると五月の行動が説明つくんだよなあ...。ただまあ,いまひとつ彼女が恋愛脳ではないので,四葉の初恋がこの行動の原因かどうか分からないんですけれど。なんか違う気もするし。

 

 

ただまあ,これまでの四葉の言動と照らし合わせると五月がそう行動したくなるのも分からんでもないのですよね。

 

今回四葉が三玖と一花に挟まれてどうにも動けなくなったのは,基本彼女が自分を殺し,姉妹を優先しようとするからです。落第しかけたとき。班決めをするとき。いつも彼女は自分を殺し,姉妹を優先しようとしてきた。きっと恋についても。

 

だって四葉,明らかに風太郎が好きじゃんね。

出会った時から風太郎に反発しなかったのは四葉だけだった。元の性格が良いってのもあるけれど,風太郎のことが好きだった「京都で出会った零奈」が四葉ならさもありなんである。初恋の人を否定する必要は無い。

 

そしてクラス委員として一緒になった時の五月のセリフ。

 

「どうかしてます...あんな人を好きになるなんて...」

 

という言葉からも五月に風太郎に対する恋愛感情がないと考えられる。ただこのセリフを発した状況を思い出されたい。

四葉が推薦したのも間違いじゃなかったですよね」というセリフからのつながりでこの言なのである。あんな人を好きになっている,それは三玖ではない他の誰かである。暗示されているのは四葉のことであろう。

 

加えて風太郎と四葉が付き合っているという噂が立った時の「まさか本当に私のことを!?」からの「ねーよ」という切り返し。その後にクラスメートに再び揶揄された時の四葉の反応

 

「ないよ」

「ありえません」

 

というその表情は明らかに寂しげで,何かを達観した目でした。他の誰かを好きになっても全力で応援するというそのスタンスといい,そこにあるのは恋しているのにその恋すらも他の姉妹に譲ってしまおうとする四葉の姿である。

 

 

そういう意味では四葉と五月には共通性がある。

「平時の三玖」「乱世の一花」「大乱世の二乃」が自分の恋のために行動しようとしているのに対し,四葉と五月は他人のために行動しようとしている

 

四葉は自分以外の誰かの気持ちが伝わるように。五月はそんな四葉の恋を実らせてあげられるように。 そんな風に見えてしまうのである。一花の手に残った「爆弾」である写真がどう風太郎に使われるかも含めて,ドキドキが止まらないのであった。まる。

 

(追伸)

本当は家族旅行の時にキスしたのは誰,という考察も書く予定だったのですが時間切れ。一つ言えるのは候補者の一人は「四葉」です。どうぞよしなに。

 

 

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五等分の花嫁(9) (講談社コミックス)

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五等分の花嫁(9) (週刊少年マガジンコミックス)

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*画像は週刊少年マガジン2019年第20号『五等分の花嫁』 82話 ,81話,80話,78話,77話,75話,72話より引用しました。

画像引用は中止しました。