現実逃避 - hatena

現実逃避 - hatena

漫画感想のブログ

『五等分の花嫁』 第83話 シスターズウォー 六回戦 感想

さてと。五等分の花嫁 83話 の感想(ごと嫁 感想)です。平成最後の週刊少年マガジンですね。

 

前回戯れに感想を書いてみましたが,今週もなかなかの展開で面白かったのでつい感想を書いてしまいました。信じられるか...明日はかぐや様の感想もあるし次のジャンプは土曜日発売なんだぜ...。進行がヤバすぎる

 

それはさておき。

大乱世となった五姉妹の修学旅行編。既に恋の大乱闘に参戦している一花,二乃,三玖に加え,思うところありそうな五月,我が身を捨てて「惣無事」を唱える四葉と空前の大姉妹戦争,混乱の極みとなっております。現況を整理しておきましょう。

 

一花 二乃・三玖・四葉に謀略が知られている。風太郎自身も偽三玖に気づいている。ほぼ詰み状態。

 

二乃 勝利を譲るつもりは無いものの,姉妹だれが結ばれても祝福する度量を示す。三玖に対して「公平な」勝負をすることを告げる。

 

三玖 ハプニングにより自らの恋心を風太郎に知られ,考えていた告白作戦は全てとん挫。現在,穴熊のごとく引きこもる。

 

四葉 他の姉妹の恋心に振り回され,自らの気持ちを偽りつつ「公平な」応援を試みる。全てを手に入れようとして,全てが手に入らない現実に直面中。

 

五月 風太郎と二人きりになろうとするが,その意図は京都の真実を風太郎に告げるため。最終目的はむしろ他人のためのように見えるが...

 

詳しくは前回の感想に書いてあるので,どういうことなのか気になる人はそちらをご覧くださいませ。

 

関連記事 
ayumie.hatenablog.com

 

 

 

上杉風太郎は信じない

 

まずは追い詰められた一花から。

三玖の気持ちが風太郎に知られたことにより,「三玖は一花を応援する」と偽装した自らの嘘がほぼ崩壊している。しかも一花は知らないことですが,風太郎は既に「三玖の気持ち」に自ら気が付いているし,「三玖偽装の件」も把握しています。

 

詰んでいる。完全に詰んでいる。

再び三玖に偽装し風太郎を誘い出したものの,そこから先には暗黒の淵しか待っていない。あっさりと風太郎にバレてました。しかも一花であることまで特定されている。

 

 

f:id:ayumie:20190424001630p:plain

完落ち

ふむ。

追い詰められていたとはいえかなり行き当たりばったりで適当な策でしたからね。バレて当然である。そもそも三玖なら黒タイツだろ...とか表面的な偽装の荒さはさておき,状況からも一花が下手人であることは一目瞭然であった。

 

二乃と三玖は自分が好きと気づいているので除外。四葉・五月はそもそも自分を好いていると思っていないので除外。だいたい,三玖の姿で「一花は風太郎が好き」「私は応援する」といった段階でほぼバレバレである。その嘘で利するのは一花だけである以上,状況的に該当者は一花しかいない。

 

さっくりウィッグを外されて万事休す,立ち往生である。もはや一花にできることは「誤魔化す」ことだけですが,それすらも通じない。

 

  • 今回の偽装に対する追求においてもあっさりバレた。
  • 学校の廊下で「一花を応援する」といった嘘もバレた。

  

とっさに「嘘」で誤魔化しても容易に見抜かれてしまう。ここまで嘘を積み重ねて来て自らの恋を成就させようとしてきた「乱世の一花」の没落である。加えて最後の切り札であった「小学生時代に京都で出会った子」ネタもと断定された。

 

f:id:ayumie:20190424002322p:plain

信じられない

「すまん 今は お前を信じられない」と振り返りもせず立ち去る一花の胸に去来するのはどんな想いなのか...。事実上の失恋に等しい状況。しかしどうなんだろうな。

 

中野一花は信じられたい

 

というのもだ。

これに先立つこと,風太郎から新たに開示された「五年前の京都の出来事に関する情報」との突合問題である。

 

小学生の時に零奈と出会い,振り回されるがままに散策した想い出。お守りを買い,気が付けば日が落ちて夜になって「零奈が泊ってた旅館の空き部屋」で迎えを待ちながらトランプをしたという。ふむ。

 

f:id:ayumie:20190424001710p:plain

旅館でトランプ

今回,風太郎が「一花=小学生時代に出会った零奈」ではないと断定したのは理由がある。あの時の女の子は自分であると主張する一花に対し,風太郎はしばし沈黙する。なぜか。

 

ここまで嘘を積み重ねてきた一花の言葉を信じるのは難しい。さりとて,もし一花があの時の女の子であったのならば「自分を必要」と言ってくれた大事な想い出の女の子である。確かめる必要がある。

 

故に風太郎は一花に対して真贋を見極める「罠」を仕掛けたわけだ。

 

「五年前俺とここで買ったお守りを覚えているか?」

 

との問い。それに対して一花は「覚えているし,今でも持ってるよ」と答えたのであった。

 

ここで肝要なのは,風太郎の零奈に対する認識である。風太郎視点では「五年前小学校時代に会った京都の零奈」=「先日公園で出会った零奈」である。その零奈(五月)は風太郎に自らのお守りを渡しているのであった。風太郎視点ではいま零奈はお守りを持っていない。

  

f:id:ayumie:20190424001739p:plain

上杉風太郎の判断

故に「嘘」と断定したわけです。

 

しかしまあ,これはなかなか複雑な問題である。というのはこれは「写真の女の子」=「最初に風太郎と出会った零奈」=五月だった場合に成立する話である。

 

しかし五月の思わせぶりなセリフ(「こんな事どうやって説明したらいいのか」),思わせぶりな行動から鑑みて五月=写真の女の子とは思えないからである。個人的には前回論じた通りだと思っております。

 

そのあたりの理由は前回感想に書いたので省きますが,もちろん一花が写真の女の子の可能性も微粒子レベルで存在する。(例の写真を手に拾いながらの言動を鑑みると違うと思いますが)

 

ただ今回一花が

 

「嘘じゃないよ...信じて...」

 

と言った部分に先立つ言葉の一部には真実が含まれていたと思っている。

 

 

f:id:ayumie:20190424001804p:plain

その言葉の中にある真実

五年前のその子が私たち五人の誰かだって...

私...私だよ...

私たち五年前に会ってるんだよ...

 

まず「五年前のその子が五人の誰かだって」 ということは,現在の零奈(五月)にも確認済なので「真」。ただ最初に出会った写真を撮った女の子が「私(一花)」というのは上記に示したように,状況証拠的には「偽」なんでしょう。

 

でも「私たち五年前にあってるんだよ...」については一部に真実があるのではなかろうか。前回推察したように,五年前に五姉妹は入れ代わり立ち代わり風太郎に接触していた可能性がある。

 

高校時代,あれだけ五つ子であることを利用して入れ替わり風太郎をだましてきたのである。子ども時代,そうやって「遊んだ」可能性はありそうである。

それが「いつ」「どこで」でという点について確証がなかったのですが,今回の風太郎の思い出話で語られた「旅館でトランプした」という出来事。これこそが入れ替わりのチャンスだったに違いない。

 

途中トイレとかで中座すれば余裕で入れ替わることができる。今以上に五人がソックリだった当時,服も髪型も性格も一緒だった故に風太郎は気づかなかったに違いない。

 

最初に出会った零奈(四葉?)が連れて帰った男の子と遊ぶ中で,他の姉妹も「気づくか試してみようよ」的に入れ替わって風太郎と対峙した可能性。あると思うんだよなあ。

 

もしそういうことがあったのだとしたら,今回の一花の言葉は必ずしも嘘ではないわけだ。「私たち」が風太郎と一花だけではなく五姉妹を指しているのだとしたら。ともにトランプをして遊んだのが一花だったのなら。

 

その意味では一花の言葉は嘘ではなかった可能性が微粒子レベルで存在する!

 

f:id:ayumie:20190424001840p:plain

中野一花 ———— 完全敗北

 

だがしかし,風太郎には信じてもらえませんでした。まあ自業自得であります。切り札の写真を使う暇もなく,否定されて終わり惨めなもんです。雨に立ち尽くして顔を覆うその時の一花の気持ちはいかばくなものか...。

 

  

中野一花は諦めない

さて戦い敗れて日が暮れて。

一花が部屋に戻り濡れた体をシャワーで温めて出てみれば,そこはバラバラになった姉妹のお通夜会場となっておりました。

 

 

f:id:ayumie:20190424001920p:plain

居たたまれなさすぎる

姉妹故に友達以上にストレートに,えげつなく争いあってしまった今回の五つ子たち。混乱の極みとなった主原因は一花にあるわけですが,それぞれ程度はさておき自らの想いを貫こうとする行動がぶつかりあったわけですからね。

 

とりま,長女らしく場を和ませようと五月に軽く冗談を投げかければ,その前に三玖にきちんということがあるのではと二乃に窘められる。

 

まあそうですよね。三玖に偽装して謀略を巡らせた事実は姉妹に知れているのですから。三玖の気持ちを知りつつ「嘘」をつき自らの恋を有利に立たせようとしたのですから。客観的立場にいる二乃からすればそういう反応になる。

 

f:id:ayumie:20190424001957p:plain

なぜ三玖は「ごめんね」といったのか

 

そんな三玖に声をかける前に三玖は一花に「ごめんね一花」と言う。そんな居たたまれない空間に当の風太郎が乱入する。そこに素っ裸の四葉風太郎にセミヌードをさらしてしまう。まさに混乱の極みである。

 

 

五つの気持ちがあってそれぞれがぶつかり合っている。大姉妹戦争はもはや理にしたがって収拾を図るのは困難である。もはや姉妹同士でブラフを当てあってもどうにもならないので,他ならぬ一花さんが提案を行いました。「運に任せよう」と。

 

この後起きる出来事を見て,「うっわ,一花汚ねぇな...!」と思うのはちょっと早計である。なるほど確かに一花は風太郎がEコースを選ぶことを知っていた。そのうえで自らEコースを選んでいる。とことん懲りない一花さんである...と思わせてからーのこれ。

 

 

f:id:ayumie:20190424002033p:plain

おなかが痛い(意味深)

 

「お腹痛い」はまさに五年前,風太郎が自らの恋心を封印した時につかった「言い訳」である。なるほど。一花は最初から三玖に譲るつもりで正解のEコースを選んだのね。そうやって一花は自分がEコースを選択することによって,「確実に三玖に譲れるようにした」

 

 

これはきっと,三玖に対する贖罪なのであろう。

謝らなければならない自分に対して三玖が「ごめんね一花」と言わせてしまった。そこに至ってついに一花は姉妹に対する気持ちを取り戻したのであろうか。多分,少し違う。

 

ごめんね,と言った三玖の気持ちは定かではないのである。

自分もまた風太郎と結ばれようと策を巡らせていたことには変わらず,その意味でおんなじだよと言いたかったのか。そこまで一花を追い詰めるような状況になったのは自分のアプローチも関係していると思ったのか。

 

ただ「ごめんね」と言わせてしまったことに対して一花が申し訳ないと思ったことは事実であろう。ゆえに一花は三玖に「公平な機会」を与えることで罪滅ぼししたかったに違いない。

 

運任せ,とはすなわち単に誰が風太郎とめぐるかを指しているにあらず。他の姉妹に「公平な機会」を与えたとき,その思いが先に通じてしまうか否かそこは運次第だと。少なくとも三玖にしてしまったことを考えれば,その機会を三玖に与えた上で,まだチャンスがあれば挑戦する

 

f:id:ayumie:20190424002107p:plain

まだ中野一花は死んでいない

そんな思いがこの不敵な表情として表れたのかなあ,と思ったり。

 

 

私たちはどうしたい

という訳で,来週は三玖のターン。

積み重ねてきた準備は全て水泡に帰してしまいました。食べてもらうはずだったパンはもうありません。顔を合わせるのが気まずいと逃げようとしていた三玖に与えられた,想いを伝える千載一隅のチャンス

  

f:id:ayumie:20190424002136p:plain

三玖さんはこの先生き残れるのか

 

戦いに勝利する武将は機を逃さない。戦国武将オタクにして(現時点で)最初に風太郎を好きになった中野三玖は戦えるのでしょうか。戦えないのでしょうか。

 

想いは既に伝わっている。それを自分の言葉で伝えなおした上で,風太郎がどう返すかという問題。

二乃もまた保留状態となっておりますし,現状,保留になるだろうなという予感はします。が,まずは自ら想いを伝える「勇気と愛気」が持てるかってことですよ。

 

中野三玖の長い長い「川中島の戦」はまだまだコレからだ!

 

 

一方他のヒロインたちですが...。

気になるのは前回,隠し事を問い詰めた四葉と答えに窮した五月である。どうやらあの後文字通り水入りとなったため,その答えは保留となったようである。

 

f:id:ayumie:20190424002209p:plain

五月の真意は

 

まず五月の方ですが,ここに来て五月もまた風太郎と二人きりになる目的があることについて「否定はできません...」と認めました。

 

ふむ。

しかしこれは前回の考察でも述べたように,告白とかそういう話ではないよね。五月の目的は5年前の京都の出来事を風太郎に思い出してもらうことである。くしくもこの時四葉がシャワー室にいったん隠れたのが面白いタイミングですね。四葉は五月が何を狙っているか聞いていない。うわぁ...タイミングが良すぎるぅ!

 

ふむ,やはり五月は風太郎に「五年前の京都の出来事」を思い出させることを通じて「写真の女の子は誰か」をきっちり伝えたいってことなんだろうなあ。そして恐らくは,その女の子は四葉ということなんだろうなあ。実に暗喩的である。

  

f:id:ayumie:20190424060621p:plain

あまりにも暗喩的なタイミング

 

その四葉ですが。

彼女の狙いは他者の幸せである。姉妹全員に幸せになってほしいが,全てがそううまくいかないことは他ならぬ風太郎に指摘されている。恋,なるものはまさにそうである。

 

そんな彼女ができることは,せめて「公平な戦い」になるように応援することである。

 

その融和策が結果的に今回の混乱を助長させている側面も無きにしも非ずですが,そこに五月との認識ギャップがある。四葉はほかの姉妹のことを考え,五月は恐らく四葉のことを考えて行動している。他人のために動く二人。

 

最終的に四葉もまた自分の気持ちに素直になるよう示唆される時が来るのでしょうし,それは風太郎だけではなく,五月や他の姉妹たちから背中を押されるのでしょう。それはまだ来ないと思いますが,五月が伝えようとしている五年前の京都の真実がどう転ぶのか。目が離せないのである。

 

というわけで,今回の感想はまる。

 

現実逃避のご案内

Google検索で記事が出なくなったら、検索語に「現実逃避」を付け足すと見つかりやすいです。(もっと簡単なのはブックマーク登録。これを機会によろしくお願いします)
はてなブックマークこのエントリーをはてなブックマークに追加

 

 

最新コミックス   

五等分の花嫁(9) (講談社コミックス)

五等分の花嫁(9) (講談社コミックス)

 
五等分の花嫁(9) (週刊少年マガジンコミックス)

五等分の花嫁(9) (週刊少年マガジンコミックス)

 

 

 


*画像は週刊少年マガジン2019年第21・22号『五等分の花嫁』 83話より引用しました。