さてと。五等分の花嫁 84話 の感想(ごと嫁 感想)です。令和最初の週刊少年マガジンですね。
そんな五等分の花嫁ですが,この度めでたくアニメ第2期が決定しました。素晴らしい。
アニメ五等分の花嫁2期の製作が決定しました!
— 春場ねぎ 4/17⑨巻発売 (@negi_haruba) May 5, 2019
1期だけではお届けできなかった五つ子の魅力満載な作品になると思いますのでぜひよろしくお願いします! pic.twitter.com/NmMLpDvcxH
原作の盛り上がりぷりといい,今ノリに乗っている「五等分の花嫁」。ますますの飛躍を期待したい。
さて。
前回,風太郎に嘘を完全に見破られて「お前を信じられない」とされた一花さん。彼女の策謀は全て暴かれ,それぞれの想いを抱えた五人姉妹は空中分解寸前です。「乱世の一花」も地に堕ちたものである。
しかしそこはそれ,最後の良心が残っていたのか。自らの策謀の結果,告白の機会をおじゃんにしてしまった三玖に,風太郎と二人きりにさせる機会を設けるというリカバリーショットを放った一花さん...。それを受けて三玖は...というところで前回の引きでしたね。
詳しくは過去感想に書いてあるので,どういうことなのか気になる人はそちらをご覧くださいませ。
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中野一花は償いたい
さて,風太郎と同じEコースに組み込まれた三玖さん。
Dコースだったはずの彼女がEコースになっていたのは一花からの申し出によるもので確定。風太郎がEコースと知っていてあえて譲ったのだから,やはりこれは計画的だったわけですね。 一花は最初から三玖に譲るつもりでEコースを選んでいた。
ふむ。
となるとやはり一花はここまでの自分の行いを反省して,三玖に告白の機会をお膳立てしてあげるつもりなのね...。
というのもだ。今回の三玖に対するケアのあり方は,明らかに風太郎や武田・前田を超えた「何か」が働いていなければ起きようがない事象が生じている。
持ち前の臆病な気持ちから,風太郎に合わせる顔がないと思い込み,逃げまとう三玖が再び風太郎と自然に接するようにできたのはなぜか。それは「戦国武将の着付け体験」という,三玖の琴線に触れるような呼びかけがあったからである。
よく見てみると,この吹き出しは二人の人物によって声をかけられている。
その後の描写から鑑みて,それを発したのは武田と前田ではない別の人物である。
もっとも,その後の武田の風太郎と三玖に対する声掛けから判断して,武田・前田が「協力者」であることは推察できる。風太郎をその気にさせて誘導した上なら三玖も乗る可能性が高くなるからである。
それを裏付けるように,風太郎が着替えてみれば出てくるのは三玖のみ。武田と前田はとうの昔に立ち去っているのである。
班行動で一緒に行動しているはずの武田・前田が先に立ち去り,三玖と風太郎を二人きりにさせているのは明らかに不自然である。そこに五姉妹の誰かの意図が働いているのは明白であろう。
二人で武田らを探しながら,徐々に気持ちが落ち着いて普通に接せられるようになる三玖。写真を撮ってと風太郎に甘えてみたり,いつもの距離感を取り戻しているのがわかります。その上での池(?)への押し込み。明らかに人的な作為を感じるわけである。
二人の距離感が近づき,三玖が普通に話せるようになったことによって形成される「スムーズな告白の空気」。ずぶ濡れになった三玖にとっさに渡される「出発前に五月が買った大人な下着」の提供。
女子更衣室における出来事から判断しても,それを行ったのは武田らや風太郎ではない。明らかに五姉妹の誰かである。
極めつけは,二人で休憩していた時に突然生じた「三玖のパン」である。
例の寺で落としたはずのパンが,都合よくたまたま腰掛けたベンチに置かれるはずもない。あの時,三玖は脱兎のごとく逃げ出し,五月はそれを追っている。そのすぐ後に四葉と風太郎が三玖を追いかけている。
したがって,あの落ちたパンを拾える可能性があったのは,あの場に残っていた一花・二乃だけである。
そんなふうに考えると,今回の三玖の告白のお膳立ては完全に五姉妹の誰かが行ったものと見做して良い。
最大の動機があるのは一花である。そして次点で四葉。Eコースを譲った段階で一花は確実である。それと自ら責任を負いたがる四葉もまたほぼ確実であろう。
武田と前田については,一花から「お願い」をすれば協力してくれる可能性は高い。詳しい事情は抜きにして,三玖と風太郎を二人きりにさせてやってほしいという依頼が行われたものと推測できる。
とはいえ,実際のところは二乃・五月も含めて姉妹全員でサポートした可能性が高い。「三玖は戦国武将が好き」と確実に知っているのは「二乃」である。そして替えの下着を持っていたのは「五月」である。
そうなるとこんな「構図」が見えてこないだろうか。
- 三玖に対して行ってしまったことに対して償いたいと思っていること。
- 姉妹の絆を壊しかねない自らの行動を反省した上で,三玖の告白の機会を設けてあげたいこと。そのために姉妹に協力してほしいということ。
そんなことを一花は二乃・四葉・五月にお願いしたんじゃないかな。
それだったら,今回のような「三玖に都合の良い状況の出現」の説明がつくんだよね。これは一花を中心とする姉妹による場のセッティングだったに違いない。
その根底にあるのはたぶん「贖罪」の気持ち。
シスターズウォーを収束させるための前提として一花が払った賠償金。もしかしたら風太郎は三玖の気持ちを受け入れてしまうかもしれない。そのリスクを取ってでも,きちんと償いたかった。仮に三玖と結ばれても,二乃のように,「祝福してあげよう」と思った。
そんな背景が一花にあったんじゃないかなー... と推測してみたり。
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中野三玖は伝えたい
さて三玖ですが。
散々作戦を立てて設けることができなかった二人きりの時間。それがついに訪れたわけですが,得物たるパンも無く,自分の気持は既に風太郎に知られています。ぶっちゃけ告白どころではない。
でもいいんだ
最後にフータローと過ごせた それだけで
という言葉は文字通り,そのことだけに満足できたということなんでしょう。そこに三玖の告白しようという気持ちはあまり感じられない。
駄菓子菓子。
突如置かれている「三玖のパン」によって事態は急変する。
このパンこそは三玖が風太郎に食べてもらおうと願って作っていたパン。そして「このパンを食べてもらった時告白する」と決めていたわけで。
そのパンがそこにある。
三玖が作ったとわかった途端,おもむろにそれを属する上杉風太郎。
2日前に作られた,多分風味も香ばしさもあったもんじゃないヘタレたパンを食して風太郎は「うまい」と言い,その上で
お前の努力
それだけは味わえた
頑張ったな
と声かける。
それだけで三玖は十分に報われているわけです。自分が作った最高のパンを風太郎に食べさせる。どんな味かまともに判断できないような舌であっても,その言葉だけで三玖にやりたかったことはきっちり実現しているんです。
だから三玖は溢れる涙を抑えて喜んでいるわけです。頑張ってきた自分を認めてもらえて。一番認めてほしかった人に認められて。
自分のパンをきっかけに「母のパン」について語る風太郎に触れてさらに風太郎を知りたくなる。風太郎を知りたいという気持ちと同時に風太郎に自分を知ってもらいたいという気持ちが溢れ出てくる。
そんな「伝えたい」が表した三玖の行動と風太郎の受け止め方がとっても良いんだ...。
端的に言って最高であった。
自分が好きなスポットを教える三玖。
そうだろうなと言いながら,「知ってる」と返す風太郎。
あれも好き。これも好き。たくさんの好きを風太郎に教える三玖。それを聴きながら受け入れて,「知ってたが」と返す風太郎。
そして上杉風太郎を指さしながら伝える三玖。「好き」と。
頬を染める三玖をまっすぐ見つめながら,「ああ,知ってるぞ」と返す風太郎。
三玖の気持ちを知りながら。
三玖が伝えたいことを理解しながら。しっかりと三玖の気持ちを受け止めた風太郎が格好良すぎて。そんな風太郎を本当に愛しそうに見つめる三玖が幸せそうで。
自分の作った最高のパンを食べてもらって告白するという三玖の告白,遅ればせながら三玖の願いどおりの「告白」が最高に美しかった,シスターズウォー七回戦・第84話でした。まる。
上杉風太郎はどうしたい
さて。
これで三玖の気持ちははっきり本人から伝えられたわけですが,その結果はどうなるのかというのが皆さんの関心事ですよね。
風太郎は三玖の気持ちに気づきつつ,自らは特にアクションを起こしてきませんでした。その意味では「待ち」の姿勢です。三玖の気持ちを肯定的に捉えつつも,積極的に自ら動かなかった点から鑑みて「俺もだ」という風には簡単にはいきますまい。
一花,二乃の気持ちを知りながらも受け入れなかった風太郎。多分にそれは,恋というものに対する関心は以前より高まりつつも,特定の誰かに恋をするところまでまだ至っていないというのが実情なのでありましょう。
もちろん,零奈という幼い頃の思い出はある。しかしそれは既に一区切りついている。そして家族旅行の際の「キス」の件もある。あれ以来「彼女を特別に感じた」ということから,あれ以降五姉妹の誰かを特別な思いで見ていることは示唆されている。もっとも,その人物が誰なのか,「今の」風太郎は恐らく認識していない。
そう考えると,一花の告白も,四葉と五月の気持ちもはっきりしていない現在,風太郎が三玖の気持ちを率直に受け止めるようには思えないのである。今は。
ですから多分,今回の三玖の告白はしっかりと受け止めた上で,「とりあえず保留」という風になりそうな予感がしますね。ここではっきりと断るには風太郎はまだ恋に未成熟すぎる。
.......とまあとりあえず予想してみたのですが,こればっかりは次号を読んで見るまでわからない。三玖の告白に対する上杉風太郎の返事はどうなるのか。気になって夜も眠れないのである。
というわけで,再度まる。
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*画像は週刊少年マガジン2019年第23号『五等分の花嫁』 84話, 同83話,81話より引用しました。
画像引用は中止しました。