現実逃避 - hatena

「かぐや様は告らせたい」の感想を書いている漫画感想ブログ

『五等分の花嫁』 第85話 シスターズウォー 七回戦(裏) 感想

さてと。五等分の花嫁 85話 の感想(ごと嫁 感想)です。

 

前回,ついに自らの思いを風太郎に告げることができた三玖さん。積もり積もったからこそ思いを伝えることができたことに読者のカタルシスも最高潮という告白でしたね。三玖らしい,いい告白でした。

 

気になるのはそれに対する風太郎のお返事ですが,それについては今回は描かれず。今回のお話はそんな三玖の告白のAnother  Side,SIDE-Bを描いたもの。作者の春場ねぎ先生は言います。

 

「今回のお話を書いてから前回のお話を書きました」

 

なるほど。

三玖の告白の背景が最初にあって,その上で行われたのが実際の告白だったというわけなのねえ。ある意味前回の感想の答え合わせ的な展開。幾分に興味深い。

 

とりま過去感想は以下の通りなんで,興味ある方はどうぞ。

 

関連記事 

 

ayumie.hatenablog.com

 

   

 

 


?


 

 

 

中野一花は償いたい

さて本編。

 

前回,「一花は三玖に対して申し訳ないと思っており,償うために三玖の告白をお膳立てしている」と予想したのですが,それはドンピシャその通り

 

85話を読んだ今ならそうなるよなあ...と思いますが,割と先週の話が出たときは「いや,まだ一花は何かを企んでいる」という声もちらほらあったように思えますが,この部分については掛け値無く一花さんの禊だったわけですね...。

 

ただ詳細については色々違っていて,そこにはキチンと「意味」があった。今回,四姉妹全員が三玖の告白を陰から支える形になったのですが,それは「一花がお願いして行ったものではない」ということですね。

  

まあ考えてみれば当然かもしれない。一花としては他の姉妹にお願いなどできる立場ではない。自分がしでかしたことを考えれば,反省したからでは済まない問題である。自分の失敗は自分一人で償おうと考えても不思議ではないね。

 

それなのに,二乃,四葉,五月もまた三玖と風太郎の下に集まったのは,思惑の違いはさておき「三玖の告白」を何らかの形で実現させようとしたためですよね。それぞれの思惑については後述するとして...まず一花の件。

 

一花の目的は「三玖の告白を実現させること」です。他ならぬ自分の悪だくみで三玖の気持ちが伝わらないようにしてきたこと。その自覚があるからこそ「告白の実現」は彼女の償いにとって絶対必要である。

 

故に,三玖が逃げ出そうとすれば道をふさいで進路妨害し。脱兎のごとく走る足を止めんと,咄嗟に三玖の興味を引きそうな「戦国武将の着付け体験」なる者を呼びかける。

 

 

 

はい。

この声掛けは「一花」てのは予想通りだったけれど,もう一人が「二乃」てのは予想外だったかな。三玖のサポートをしそうな人物ということで四葉を予想していたのですが,そっちは外れ。

 

この後一花と二乃は協力し合う形になってサポートをしていくことになるのですが,そこには意味があるんだよね。なぜなら二乃にとってもまた,一花はあったかもしれない「もう一人の自分」だったからです。その件については後述。

 

で。

そこではっきり一花の口から今回の「意図」がはっきり語られます。

 

私のしたことは許されないとしても

最終日が終わる前に少しでも罪滅ぼしをさせてほしいんだ

きっとこれが私たちの最後の旅行だから

 

とりあえずこれで「さらに裏の姦計がある」という疑惑は否定(まあ読者はもうそこに疑問は持たないでしょうが)。

以後,三玖の告白成立のために「着付け体験」に誘導したり,二人に邪魔が入らないように「人払い」をしたり,三玖の告白の切り札である「パン」を持ってきて渡したりしています。

 

 

そんな一花の行動の裏にあるのは,「自分のしでかしたことに対する反省と後悔」,そして姉妹との別離の決意が感じられますね。「これが最後の旅行」と言ったその裏は,この償いの後にはこれまで通りの姉妹関係ではいられない,という想いがあるのでしょう。

 

3つ前の感想で書きましたが,「姉妹だからこそ友達関係以上に遠慮のない人間関係がある」わけで。それが通常のラブコメよりも強烈な恋の鞘当てを実現させたのですが,それも姉妹としての信頼関係があってのこと

 

自分自身が自分を許せないような出来事を行ってしまった以上,もはや自分が出ていくしかない...といった心境にあることが想像されますね。

 

 

 


?


 

   

中野二乃は確かめたい

さて,二乃です。

風太郎に対する想いをだれにも譲る気がない。そんな確固たる思いを抱きつつも,姉妹に対する想いを一花に吐き出した二乃さん。最近二乃さんの姉妹愛がうなぎのぼりである。 姉妹喧嘩の果てに家出した娘さんとは思えませんね(ほっこり)。

 

恋のライバルであっても祝福する。その意気やよし。故に二人を見まもろうって...ああん?

  

 

ちょっと変じゃね。

四葉も五月もそうなんだけれど,「なんで一花がEコースを譲ったこと」を知っているの?もともとEコースだったのは一花である。

一花が三玖と交渉して「Eが三玖」になったからこそ,前回の予想は「その上で一花がみんなに協力を願った」から全員揃っているものだと思っていたわけですが。

 

実際には一花は単独で償いをするつもりだったわけで,どういうことなんでしょうね。筋が通る解釈としては「5人で話し合って決めた際,その場でEコースとDコースの交換交渉をしたしかないかな。

その後,各姉妹とも風太郎がEコースであることを確認し,ペアとなったのが三玖とわかったので見守りにきた...? そういうこと?

 

ふうむ。多分そうなんだろうなあ。二乃たちも三玖が心配できた的な雰囲気だからそうなんだろうけれど。でも,どっちかというとEが誰であろうと「風太郎がいるからEに来た」って方が筋が通るんだけれどなあ。二乃と五月に関しては。

 

ちょっと釈然としないが,三玖の告白を見守ろうと思った二乃の気持ちは本当ですし,だからこそ「戦国武将の着付け体験」というありもしないデマを言ってまで三玖を引き留めようとしたんでしょうし。

 

実際に二乃が行ったサポートとしては,武田と前田を排除するために二人をだましてお化け屋敷に誘導したり。一花に指示して三玖を誘導させたりしているわけで実に三玖に対して協力的であったわけですしね。。

 

 

一方で三玖と風太郎がいい雰囲気になっているのを見れば思わず嫉妬心が出てしまうのも二乃らしい。思わず走り出して風太郎の背中に飛びつくそれは,隠しようもない恋心「譲ったわけじゃないんだから...」というその独白には「君臨すれど統治せず」ならぬ,

 

応援すれど譲渡せず!

 

といった強い気持ちが表れていますね。これなんだよなあ...。

 

 

三玖が一花に謝った理由。四葉が一花に謝った理由。全部これに繋がってくる。

 

  • 一花は自らの恋心の行き場がなくなることを恐れて三玖を妨害し。
  • ニ乃は譲れない気持ちが抑えられなくて風太郎に飛びつき,結果的に三玖を妨害し。
  • 三玖は自ら宣言した「公平な戦い」に基づく宣戦布告が,一花を心理的に追い詰めた。
  • 四葉はそんな消極的な三玖を応援する気持ちのあまり,同じ想いを持つ一花をないがしろにした。

 

そこにあるのは三人の「上杉風太郎が好きという想い 。その思いは一花もニ乃も三玖も同じ。そのことに姉妹は気がついたわけですね。だから二乃・三玖・四葉は一花に謝る。一花もまた三玖やほかの姉妹たちに謝罪の気持ちを抱く。

 

 

 そんな内省が,ニ乃の一花に対する謝罪だったのかな,と思ったり。

 

 

 みんな同じ気持ちを抱いて風太郎と向き合っている。そこに差なんかない。どの想いもみんな同じ気持ち・大切な気持ちなんだから姉妹同士で争わず,ともに大好きな人について話せる,そんな姉妹になれる。

  

戦い終わって山河あり...じゃなかった,「雨降って地固まる」な締めを綺麗に持っていてくれた二乃△□×(さんかっけーしかくなし)でした。

 

中野四葉は守りたい 

次。四葉です。

「三玖の応援をする」ことを決めていた四葉の心理いろいろと明らかになりましたね。なるほどなあ...。

 

「結果的に三玖の告白妨害をしてしまった」ことが四葉を三玖の応援に傾倒させた側面はあるわけですが,だからこそ他のヒロイン以上に「三玖を助けたい」という気持ちが強く出ていたのかもしれない。

 

というのもね。今回何気に重要な一言を放っているわけです。

 


4人示し合わせてやって来たわけではないだけに,「本当のところ」はいろんな想いがあったであろう四姉妹。でもそういう思惑はひとまずおいておいて,三玖の応援という方向に進めたのは四葉「皆で三玖をサポートしよう!」と断言したからですよね。

  

そんな四葉が三玖を応援した理由

普段消極的な三玖が積極的に動いているから。能動的な姉たちに隠れ,自分の気持を殺しかねない姉だからこそ助けてあげたくなったわけだね。そこには,自分で動ける一花・二乃の遅れを取りそうな三玖に対する「公平にするためのサポート」という精神が見て取れる。

 

そんな八方美人な価値観は,風太郎によって「無理」と断言されているのですが,事ここに至っても皆の幸せを願って行動する四葉ちゃんが尊いである。

 

  

 

だからこそ,四葉は一花に謝ったんだね。

三玖に肩入れする理由はあれど,風太郎に恋する気持ちは一花も(二乃も)同じ。そこに上下なんてない。

 

なのに自分は三玖に肩入れしてしまった...一花の気持ちをある意味蔑ろにしたと四葉は思ったわけだね。公平性を担保するために不平等な応援をしてしまったから。そんな四葉の心遣いが痛々しいのである。

 

こんなぐう聖な四葉にもかかわらず,見え隠れする四葉の闇が重いですよね。四葉は常に他の姉妹の事ばかり考えて,自分のことを顧みない。そんな四葉のことを多分心配しているのは,五月なんだろうなあ...。

 

例えばだ。今回,一花の感想の中で例の「5年前の京都の出会い」について回想が出てきましたけれど,案の定,複数の姉妹が...多分に五姉妹全員が...上杉風太郎と五年前の京都で接触していました。「京都・入れ替わり説」,ドンピシャである。

 

まず前々回の風太郎の回想にあった「トランプをした女の子」が一花であることが,一花の涙ながらの回想で確認されました。ですが注目したいのは,最初に出会った女の子...「零奈オリジン」ともいえる女の子である。

  

「今日ね!すっごく面白い男の子にあったんだ!」

「それから一緒にこのお守り買ったんだ その子今も大広間にいるんだって」

 

例の写真の女の子のポーズが四葉だったことは既に示唆されています。写真を撮ったのは,お守りを5つ買った直後です。故に,「零奈オリジン」=四葉という図式が成り立ちます。

 

加えて今回の「零奈オリジン」の言い回し。こういう明るくハキハキしながら姉妹に報告しそうをしそうなのはやっぱり四葉ぽい。

元気よく姉妹に今日会った出来事をペラペラしゃべるその物言い。後でその子を取り合いになるとか考えない,裏の無さ。姉妹みんなで思い出を共有しようとするその精神。やっぱり四葉っぽいんだよなあ...。

 

零奈の扮装をした五月の可能性もゼロではないですが,それにしては「お守りの入手方法を忘れていた」(もらったか・買ったか曖昧)な点に疑問が残る。こんな思い出を抱いていたら,一緒にお守りを買ったことを忘れるはずがないですからね。

 

まあ5年前は「皆同じ姿・同じ考え方を共有していた」ということですから,それすらもフェイクかもしれませんけれど。これまでの描写を突合すると零奈オリジンこと「最初に会った子」=四葉なのかなと思ったり。

  

そんなこと鑑みながら改めてこの「だからごめん」って言う表情をみると,なかなか意味深ではないですか。どこか本心を隠している眼差し。風太郎と付き合っているか確認された時にクラスメートに「絶対ありえません」と述べたときと同じ色を感じます。

 

今回のエピソードを通じて,風太郎が好き」という気持ちに「差なんかない」ってことに気づきながらじゃあお前の気持ちはどうなのかと。明らかに,自身の気持ちは封じ込めている感が満載じゃないですか。

 

同じことは自分にも当てはめることができるのに,風太郎に惹かれる自分の気持ちは隠し通そうとして。姉妹のために自分は殺そうとしているようにしか見えないんだよなあ...。

 

 

そんな雰囲気は例の「5年前の京都の一件」からもうかがえます。

学業お守りを五本買った意味。「五倍頑張ろうってこと!」「私はみんなのお手本になるんだ」という言葉からは,一見みんなの母親役になろうとしていた五月を想起させます。でも違う気がする。

 

 

一番できない自分だからこそ,五倍頑張らなければならない。そういう風に読んだほうが自然な気がするんだよなあ...。

勉強が一人一番できず,結果として留年の危機・転校というきっかけを作ったのは四葉である。そんな四葉が五倍頑張らなければ,そうして自分がきちんとしなければと考えるのは理解らなくもないんだよなあ...。

 

実際のところ,どうなんでしょうね。

 

 

中野五月は確かめたい

最後,五月です。

五月もまた意図があって風太郎に接触をしようとしています。

 

今回のEコース合流についても「三玖が気になる」という部分はあったにせよ,当初から考えている「五年前の京都の真実」風太郎に気づかせようとすることに力点があったことは否めなまい。

 

というのも明らかに五月だけ「引いて」いるんだよね。三玖の気持ちを慮るのは,「五人がいつも一緒にあらなければならない」という母の言葉を受け継ぐ五月なら当然のことですが,それにしてはあまり積極的に三玖のサポートをする感じでもなく。

 

 

一応万が一のためにセクシーなおぱんつも用意は役に立ちましたけれどね。多分にこれは偶然の賜物である。気持ち的には三玖も心配だけれど機会があれば「風太郎に5年前の京都の出来事の真相を伝えたい」という思いはあったのだろう。

 

特に彼女が執心しているのは「5年前最初に出会った女の子(零奈オリジン)」に関する記憶風太郎に思い出させようとしている点である。ただ,多分にそれは五月本人のことではない。

 

なるほど,確かに五月は風太郎を友達だと思っていますし,ここまで姉妹の勉強を見てくれて,五人が一緒にいられるような結果を出させてくれていることに感謝している。少なくとも「風太郎は自分たちに必要」と考えている。

 

でもそれって恋愛ではないし,当初は風太郎を好きという他の姉妹たちの気持ちに驚いていましたからね。そんな五月が零奈オリジンで,自分を思い出させたいと思うだろうか。(厳密には違うが)ほぼ風太郎の初恋の相手であるとわかっている女の子のことを。

 

でも,それがもし「四葉」だったとしたならば,分からなくもな。だってね。

 

四葉最初から風太郎が好きじゃん?

 

零奈オリジンと思われる四葉は,多分に5年前の京都で出会った時から,独りぼっちの自分(あれは文字通り落ちこぼれの自分をさしていたのだと思いますが)と同じ「独りぼっちの風太郎」に惹かれていたのでしょう。最初は違ったかもしれないけれど,別れた後にその思いが強くなったのかもしれない。

 

そんな気持ちをだれかと共有することってあったのかな? と考えたとき,四葉はそれを内に秘めるタイプだと思うんだよね。たぶん。

ただ,もしかすると四葉「妹」である五月にはそんな話をしたのかもしれない。年下(と言っても五つ子ですが)の子には気を許すことがあるからね。

 

だとしたら「五月の暗躍の理由」も理解できます。

四葉が普段消極的な三玖を応援してあげたいと思ったように,五月もまた自分の気持ちを殺そうとしている四葉を応援してあげたいと思ったのでは?

 

 

明確に風太郎に対する恋愛感情を示していない五月だからこそ,そういう反応はあり得るのである。それを示唆するのが例の四葉と五月のやり取りである。四葉に隠さなければならない五月の事情。

 

もし四葉の本意とは関係なく,5年前の真実を風太郎に告げることによって,「風太郎の意識をオリジン零奈=最初に京都で出会った,5年前に風太郎が感謝した女の子」であろう四葉に向けようとしているのなら間尺が合うんだよなあ...。

 

実際のところ積極性という意味では零奈オリジンは二乃でも通じます。ですが,「敢えて五月が手助けしてあげなければならない」という視点で見ると,恋心を認めて動いてる一花・二乃・三玖ではないように思える。やはり四葉なのだろうなあと思ったり。まる。

 

余談

ざっくり見るとそんなに間違っていないのだけれど,細かいところは「ちょこちょこピントがずれていた」てのが前回のぼくの感想ですかね。まあ仕方がないね...。読者は作者じゃないのだから,想像ですべてを中てに行くわけにもいかない。

 

「五等分の花嫁」は割と考察というか妄想しがいがあるラブコメですが,「同一現象についていろんな解釈ができる場合,その妄想が正しいとは言い切れない」ということを再確認させてくれたということでしょう。

 

いわゆる一対多構成のラブコメ,通称「ハーレムもの」はどうしても推し同士で解釈対立が発生しやすくなるわけですが,五等分に限らずどれが本当なのかなんて結局は作者しかわからないという前提を受け入れた上で楽しまないとだめなんでしょうねえ。

 

いまぼくが読んでいるラブコメには特に推しヒロインはいませんが,そんなことを肝に銘じて感想を書いていきたいと思います。

 

というわけで,再度まる。

 

現実逃避のご案内

Google検索で記事が出なくなったら、検索語に「現実逃避」を付け足すと見つかりやすいです。(もっと簡単なのはブックマーク登録。これを機会によろしくお願いします)
はてなブックマークこのエントリーをはてなブックマークに追加

 

 

最新コミックス   

五等分の花嫁(9) (講談社コミックス)

五等分の花嫁(9) (講談社コミックス)

 
五等分の花嫁(9) (週刊少年マガジンコミックス)

五等分の花嫁(9) (週刊少年マガジンコミックス)

 

 

 


*画像は週刊少年マガジン2019年第24号『五等分の花嫁』 85話, 同84話,83話,35話より引用しました。

画像引用は中止しました。