現実逃避 - hatena

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漫画感想のブログ

『ぼくたちは勉強ができない』 108話 感想( 問.108 砂上の妖精は[χ]に明日を描く② )


さてと。週刊少年ジャンプ 2019年第21号』ぼくたちは勉強ができない 108(ぼく勉 108 )の感想です。

 

ぼく勉アニメ放送,動画配信さんのおかげで毎週きちんと見れています。TVを自在にあやつれないタイプの家庭人にとっては動画配信は慈雨のごとく大地にしみわたりますね。

 

さてそんな「ぼく勉」OP「セイシュンゼミナール」のノンクレジット版が配信されています。

 

 

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OP最後にちょっと変調?した感じで終わる所(タイトルクレジットが出る部分)の曲調が好きで耳に残り,何度も聴いてしまう。EDもそうですが,ぼく勉のOP/EDは曲がいいですね。5月末に発売らしいので,よろしかったら是非。

 

 

そんな中,ちらりとカットがはいる小美浪あすみ先輩

 

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妖精は甘くない

チョコをほおばる横顔がなんとも小悪魔的である。原作では夏休みからの戦力投入だったあすみ先輩,動くのはいつか気になります。

 

 

そして黒板アニメもお可愛いED「Never Give It Up!!」ノークレジット版が登場。ずいぶん気前がいいな!

 

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みんな大好き関城さんもしっかり描かれているのが嬉しい。未登場キャラも含めお可愛いは正義であることが確認できます。こちらも一見をば。

 

 

小美浪夫妻は寄り添いたい

さて本編。

前回は颯爽登場したかすみ母さんにかき回されつつ,小美浪先輩の夢を再確認した唯我成幸。あすみ先輩の「夢の根源」は小美浪診療所で自分も医者になることであり,それは小学生時代からの長い長い夢だったわけです。

 

にもかかわらず。

突然発せられた父の閉院方針。聞かせるともなく知ってしまったあすみ先輩でしたが,その理由とやらがいまいち読者にはよくわかんなかったんですよね,先週は。あすみの夢であることを父・ 宗二朗ちゃんは知っているわけですし。どんな判断なのかと。

 

その理由が今回明らかにされました。

 

  • 近所に大きな総合病院ができて,患者激減
  • 体力もない老齢の自分より,最新設備も整う若い医者揃いの病院のほうが患者の為になる
  • 「患者さんにより良い診療所を」という信念からも,もう小美浪診療所は畳んでよい

 

という判断。なるほど。

もともと客足が伸びない病院だったわけですが,病院間競争の問題,設備・体力の問題,もろもろが重なって「患者により良い診療所を」「患者のための医者でありたい」という自分の信念からももう終わりにした方が良いと。そういうわけか。

 

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患者のための医者でありたい


 思うに宗二朗があすみに病院を継がなくてよいと言い続けたのも,そういう医療経営的な見通しがあったからなのかなと。そう考えると急にゴールがなくなったわけじゃなくて,ゴールがなくなってしまう可能性を見越しての親心だったというわけなのね...。

 

それでも「医学部を受けるな」と言わなかったところに宗二朗の人の好さというか,があったと僕は思うのですよ。宗二朗的には「患者のためによい診療をする」こと自体は是なのである。であるならば,もしあすみが本当に医者になりたいのなら,それを止める必要はない。

 

そこには「患者さんによい診療をする」ということと「どこで診療する」ということは別物という判断があったんだと思うのですよね。大切なのは患者を想う心である。そこに患者がいる限り,しっかりと診療してあげる。その人が早く治る手助けをしてあげる。

 

医者の本質をそんな風に捉えているからこそ,自分は小美浪診療所を畳む。けれどもあすみが医者になりたいのならそれは本気で止めはしない。

 

宗二朗の目からみるとあすみには学力的にその適正がないように判断している側面も初期にありましたけれど,そんな彼女の頑張り自体は否定しないし,夢を追うことも強く否定してこなかった。そこに愛はあるのだなと思います。

 

 

そんな医師としての姿勢は母であるかすみにも共通しているようなんですよね。今回かすみちゃんも医師(海外でボランティア的に活動)していることが明らかになったわけですけれど,さもありなんである。

 

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かすみの戦場はここじゃない

別居しているけれどラブラブカップル。そんな不思議な関係がどうして成立しているのかというと,彼女もまた「患者のための良い診療を」というスタンスを多分持っているからなんだよね。たまたま彼女のやりたい診療は日本ではなく世界だったというわけで,夢の場所が違っても医師としての「やりたいこと」は変わらない。

 

そんなことが示されていて,今回の小美浪さんの夢に対する「壁」に対する答えの一つを示唆しているように思います。

 

小美浪あすみはどうしたい

しかし,そんな親の信念とは別に,自らのゴールを失った小美浪先輩は方向性を見失いつつあるのであった。

 

自分の夢は「小美浪診療所で医者になる」ことである。ただ医者になり,患者に寄り添える病院をやりたいのではない。その場所はこの思い出詰まる小美浪診療所でありたかったわけです。

 

「やりたいこと」と「やりたい場所」。

それはセットの夢だったからこその夢の彷徨。顔で笑って心で泣いて。一晩中泣いて,泣いて,気づいてしまった本当の気持ち。

  

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寂しい

寂しい。

夢のゴールを失ったその気持ちが引き起こさせる,あすみ先輩のとめどない涙。

 

そうだよなあ...。長年の夢のゴールがなくなってしまうのだもの。そりゃ茫然自失にもなるし,泣きたくもなる。そんなあすみ先輩に対して唯我成幸はただ頭をなでることしかできない。泣いている小さい子を慰めるように。

 

 

そんな流れから,本日のHigh Stageのイベントは「ナースさんごっこ」という訳であります。いいですね,この流れ。情緒もへったくれもなく進行するメイドカフェモード,狂気を感じます。

 

とそこに,今日は非番のはずの成幸が。

そこで唐突にあすみに告げられる申し出,その言葉とは————

 

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僕と契約してお医者さんごっこをしようよ!

「一緒にお医者さんごっこをしましょう!」

 

なるほど。全然分かりません。

そうはならんだろ...というツッコミを入れたそうなあしゅみー先輩のレスポンスが控えめで何とも言えませんね。そこで照れるんかい,あしゅみー。

 

これが怠慢先生だったら殺意の波動に目覚めた漆黒の目で成幸をにらみつけるところなんでしょうけれど。目を見開いて照れるだけなんて,攻めは強くても守りに弱いことに定評がある小美浪あすみ的ではある。

 

ま,ここで言っている「おいしゃさんごっこ」って,幼少期に堪能した禁断のアレとは違うわね。あすみはそっちで捉えたんだろうと思うけれど。

多分に成幸の趣旨はそっちじゃなくて,文字通り「医者になり切ることによって医師の本質とは何」ということをあすみに考えさせたいだけなんでしょうねえ。

 

いや,そいつは僕の単なる妄想であって,実際のところ成幸はあすみ先輩の内診をしたいだけという可能性も微粒子レベルで存在しなくもないけれど。でもやっぱりそういう文脈じゃないわね。

 

「小美浪診療所」という「医者をやる場所」の夢が断たれたあすみに対し,「じゃあ医者になりたくないのか?」という問いかけが多分にこれなんだよね。

あすみが医者と想定して,成幸が患者となった時。苦しんでいる患者がそこにいる時に,あすみがもし医者だったらどう向き合いたいのか。そこが小美浪診療所じゃなかったら,医師として一生懸命になれないのか。

 

そこまで逆説的な気づかせではないにせよ,あすみに対して「患者に寄り添える医師をめざしているならば,まだその夢は断たれていないんじゃないか?」と気づかせること,それこそが成幸の目的だと思うのだよなあ...。じゃなかったら成幸のやっていること,ちょっと荒唐無稽でしょ。

 

そんな先々の妄想をしつつ,見えてきた着地点に10点満点で微動することなく着地するのか,硬着陸するのか,そこんところが気になるところである。まる。

 

余談

私服姿のマチコさんがお可愛いのである。てか,やっぱりマチコ,かすみ系だよね...。内巻きのショートボブな髪型と淡いスクリーントーンのせいで違いが分かりにくいのである。

 

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マチコ外伝の登場を期待する


ていうか,黒髪の方はヒムラさんというのか...。ぶっちゃけ認識していなかった...。多分にこの二人,メイド喫茶が本業という訳ではなくて,普段は普通の大学生とかやっていそうである。メイド喫茶は楽しいのと割がいいという,バランスの良さでやっている感がある。

 

 

最後。

雨の中,歯が浮くようなセリフを吐きながらあしゅみー先輩の頭をなでる成幸がなんだかイケメンなのである。漫画の中の話とは言え,多分成幸は落ち込んでいる女の子がいたらこんなことを素直に言える男なんだろうと思えるところが「ぼく勉」的であるわけですが。

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やだイケメン...

一つ間違えると「パーフェクチ楽しゃま」みたいになってしまうのだけれど,これまでの描写の延長線上にこれがあるから違和感があまりないのかもしれない。人に寄り添える教師を目指している成幸だからこそ,こうやってあすみに寄り添っている姿が自然というか。よいですよね。

 

そして泣きながら様々な要求をぶつけていくあすみ先輩がお可愛いのである。コツンと頭を成幸に伏せ,表情が見えないけれど,泣きながら成幸の優しさに少しほっとしているんだろうなあと思ったり。

 

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小美浪あすみはなでられたい

 

これまで「からかう対象」だった成幸に対し,その気持ちがどんな風に変化していくのか。そこも気になるところである。というわけで再度まる。

 

 

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*画像は「ぼくたちは勉強ができない」問.108 より引用しました。