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漫画感想のブログ

『ぼくたちは勉強ができない』 115話 感想( 問.115 機械仕掛の蛍は[χ]の淡雪に焦がる② )


さてと。週刊少年ジャンプ 2019年第29号』ぼくたちは勉強ができない 115(ぼく勉 115 )の感想です。

 

前回,「自分が嫌い」と言ってのけた緒方理珠さん。その真意が語られる本編。

なぜ自分が嫌いなのか,その理由について「分かっている」ようで「分かっていない」そんな緒方さんの姿が描かれています。

 

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問.114より


前回感想を書いた後に,今回のエピソードタイトル「機械仕掛の蛍は[x]の淡雪に焦がる」の元ネタは都々逸の「恋し恋しと鳴く蝉よりも、鳴かぬ蛍が身を焦がす」 なのではというツイートを拝見してなるほどと思ったのですが,まさしくこれがドンピシャだったようで。

 

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そんな恋愛の心情を綴った歌のように身を焦がす緒方理珠さん。他人の気持ちが理解できないのではなく,自分の気持ちが理解できていない,そんな緒方理珠の恋する姿をとくと御覧じろ,な一話。というわけで感想です。

 

 

 

桐須真冬は変えさせたい

時に緒方理珠高校1年生のころ。

まだ前任者が普通に怠慢先生だった頃のお話である。

 

ふむ。教育係は1年生の春に呼び出されてあてがわれているので,その初代たる桐須真冬先生が指導しているわけですけれど,それでも半年ぐらいは面倒見ていたのか...。え,割とすごくね...? 全ステ逆振りの二人を面倒見続けて成績が向上しなかった!というのは(おい)

 

しかし褒めるべきは,半年ぐらいは「志望分野を変えろ」とは言わなかったのはなかなか根気があったとも言える。思っていたより面倒見てんじゃん,真冬先生...。ま,最後はキレるんだけれどな!

  

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Dr.ストーン

 

はっはっは。いやいやいや。

そうはならんだろ。

 

JKのスカートなんて改造後はゴム止めなんだろうから,まあさっくりと脱げるだろうけれど,タイトスカートは脇のファスナーを降ろさない限り脱げないだろ(そこ?)とかいう,お約束のつっこみはどうでもいいとして,Wタイツがくっそエロいですね。今週もサービスサービス!である。

 

一方,スカート下ろし野郎(野郎ではない)であるところの古橋さん,桐須先生に対して割と謙虚というか,反発していないと言うか。緒方理珠がストレートに戦争を選んだのに対して,自分を卑下する形で接しているのである。

  

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礼は忘れないが容認はしない

 

しかしまあ,考えてみると成幸が「志望動機変えたら」と最初に述べたときも理珠が反発したのに対して,文乃は相手から立ち去るというスタンスでしたね。この辺りが性格の違いなのかも知れない。

 

緒方理珠はなりたい

さてそんな古橋さんは緒方理珠にとって「ともに教育係をつけられた自分と対極の人」である。確かに文理属性というコントラストなキャラ作りでありますが,ことコミュ力という点に関しては「他人の気持ちを悟る天才」古橋文乃の独壇場である。

 

人当たりも良い。誰からも好かれている。そして美人。

 

陽キャパリピな人々とはまた違った意味で,陽の当たる場所にいる人のように見える存在である。いや緒方理珠も可愛いし,好きだという人もたくさんいた(例;関城紗和子)わけですけれど,「人当たりの良さ」って点に関しては,まあ違いが際立っているのは確かですね。

  

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意図の読めない理珠

 

「出会って半年たつから食事をともにする」という文言の中から「そろそろ友達らしく関係性を深めてもいいんじゃね?」という古橋さんの意図が読み取れない。もちろん,それが読み取れれば最初っから「心理学を学ぼう」という動機づけが必要なくなるので,ま,そうなるのはやむを得ないところですけれどね。

 

 

しかしそんな一人部屋でカードゲームのシミュレーションをしていた緒方理珠の実家にまでやってきてうどんを啜る古橋さんがアレなのであった。空腹と友情を満たすべく両方をゲットしに来るコミュ力の塊,古橋文乃の面目躍如である。

  

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迫りくる胃袋

 

ふむ。

なるほど...。こうやって古橋さんから歩み寄る感じで二人の距離は縮めていったのか...。まあ,それしか無いと思いますけれど。

 

 

実際のところお店のお手つだいの時に古橋さんが言っていることは,心理でも何でも無い「状況からの類推」でしかないわけですが,そんな何気ない好意でさえも緒方理珠にとっては驚異の出来事である。

 

人の気持ちがわかりたい

 

そんな想いを抱いている緒方理珠にとって,相手の気持が分かり,自分の気持をきちんと伝えられる古橋さんはとっても眩しい存在であったわけだね。そうでありたい自分。そうなりたい自分。そうなれない自分。

 

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なりたい自分。なれない自分。

 

そんな存在であるところの「古橋文乃」に緒方理珠はなりたい。そんな思いを文乃に抱いていたというのか... 理珠は。

 

緒方理珠は分からない

無論そんな事はできないのは「分かっている」。古橋さんは他の誰でもない古橋文乃。緒方理珠ではない。分かっているからこそ,自分自身が「人の気持ちをわかるように」なることで自分を認められるようになる。はずだったのに...

 

ああ...でも...

 

緒方理珠は「分からない」。

人の気持ちに聡くなれれば...あの古橋文乃のような他人の気持ちが分かるようになれれば,自分は自分を認められるだろうか。自分を好きになれるんじゃないか。

 

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嫌いな自分

 

なのに見えてくるのは「嫌いな自分」である。

 

他人の気持ちをちょっとずつ読み取れるようになり。自分の気持をちょっとずつ伝えられるようになり。この数ヶ月の緒方理珠には「成長」があったにもかかわらず,見えてきたのは好きになれない自分。

 

 

うむ。

緒方さんは結局「分かってない」わけなんだね。

 

自分が唯我成幸に対して想う気持ち。それが恋心であることは殆どわかっていて。そんな唯我成幸と他の女の子が仲良さそうにしているとヤキモチを焼いてしまう。そんなヤキモチを抱く心が自分の中にあることが分かっていて,なおかつそれが「あたり前のことだと分かっていない」

 

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嫉妬するのは当たり前

 

好きであるならば。好きであるからこそ。

自分がその人と結ばれたい。他の誰でもない,自分だけを見てほしい。

 

そんなの恋をしていれば「当たり前」のことじゃん。当然のことじゃん。そんな秘めた恋に恋い焦がれ,身を焼き尽くしそうな蛍のように。言葉にできないその想い,その気持ちは否定したり自分を貶めたりする必要がないことなのに。

 

「嫉妬する自分」を嫌いになる。それは相手を理解できないということではない。相手のことも,自分のことも「分かっている」からこそ嫉妬するんじゃん。そんなことが緒方理珠には「分かってない」

 

そんなことが見て取れた問.115でした。まる。

 

天才どもは恋したい

さて,物語がこういう構造ということになってくると,やはり最後は「緒方理珠が自分の気持ちは否定するようなものではない,そんな自分であってもいいんだ」と認めるところが落としどころとなりそうですね。

 

それはきっと,直接の恋の相手である唯我成幸がなんとかすると言うよりも,唯我成幸に間接的に示唆された古橋さんあたりが緒方理珠に「気づかせる」。そんな構造になるんじゃないかなと思ったり。

 

というのもですね。古橋さんもまた,同じような悩みを抱えているわけですよ。緒方理珠と武元うるかの恋心に気がついていて。同時に自分の気持にも気がついている。にもかかわらず,一歩踏み出せないのは理珠と同じである。それが「嫉妬」か「友情」かという違いであって,本質は一緒である。

 

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本質は一緒(問.113より)

 

そういう構造であることを鑑みると,やはり最後はお互いにお互いの恋心を認めていくしかないのだろうし,それができるのは古橋さんしかいないんだろうなと。古橋さんの恋心を承認するのが緒方さんしかいないように。

 

その上で恋のレースの号砲をならし,武元うるかも含めて「公平に」お話を進めていく。そうしていくしか無いんじゃないかな...。それぞれの想いを殺さない形で恋を決着つけるには。

 

個人的には誰とくっつこうと構わないのですが,どんな形で決着づけるにせよ「お互いの気持ちに気づかないまま結論が出る」とかそういうのはもうあんまり見たくないと言うか。

ちょっとお話がご都合に寄りすぎてしまうので,うるかも含めて恋する乙女たちの気持ちを相互承認した上で進められると「最後気持ちよく」終われそうな気がしますね。

 

それが特定の特別な誰かと結ばれるのか。はたまたマルチエンディングになるのか。あるいは全然関係ない第6のオンナが掻っ攫っていくのか。物語も終盤に差し掛かり,ラブコメとしても楽しみなのである。再度まる。

 

余談

今回,これまで明らかになっていなかった緒方さんと古橋さんの馴れ初めがあきらかになったわけですが,それに合わせてついに古橋さんのブレザー姿が解禁ですよ,奥さん。

 

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古橋文乃,ブレザーを羽織る

 

3年生になってから頑なにブレザーを羽織らず常にセーター姿だった古橋さん。こんな寒そうな冬ですらブレザー羽織らないなんで...という疑問があったのですが,なんだよおい...可愛いじゃねぇか(オルガ)

 

 

そんな理由がなんとなくですがわかった気がしますね。

これを見てほしい。見事なストレートであります。まあ1年生なんて成長期だから仕方がないですよね。「私の成長期はここからだからねっ」「来年再来年にはきっとすごいことに!!」という悲しい遠吠えが緒方家の夜にこだまするわけですが...。

 

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Dr.スットン

いやさ。

これ,ブレザーの前きっちりしめると「さらし巻いている」みたいな圧があるじゃん?そんな「圧」の存在が彼女のあったかも知れない可能性の邪魔になっているのかもしれない...。そう考えてブレザー着るのを辞めたのではないか説。あると思います!

 

なお結果は(パンパンパンッ←銃で打たれる音)

 

 

次。

婆ちゃん,ゲームを作るだけ作っておいて理珠たまとは遊ばなかったという。え,そうなの... なんで...?

 

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祖母はなぜゲームで遊ばなかったのか

 

「ばーばに勝てるくらい強くなってから出直しといで」

 

というセリフからは強者の余裕を感じます。

まあゲーム弱者の理珠に勝っても弱い者いじめみたいですからね。普通に考えて勝負をしないであげたのでしょう。でも本当にそうだろうか。

 

この強気の言い回し...。初期の緒方理珠さんに似てなくもないのである。祖母は実際のところ「ゲームめちゃくちゃ弱かった」んじゃね? 負けず嫌いと,自分みたいな弱いやつに勝って喜ぶ理珠の姿をみるのはちょっと...とかいう心理が働いて勝負を避けた可能性。あると思います!

 

そのへんの真相は,両親あたりが知っているのかも知れないなあ。と,期待したり。

 

最後。

その両親の片割れ,全く出てこないですが今回思い出の中できちんと出ていました。普通に入学式に参加しているな...。

 

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そこに母はいる

 

そう考えると特段葛藤があるとか,そんな感じでもなさそうである。するとあれか...。うるかの父同様に「記号的存在としての母」なんだろうか。まあそうかもしれないし,これから「ばあばの真相」を明らかにする時に登場するのかも知れない。どっちに張っても良さそうなポジではある。

 

ただまあ,明らかに母は緒方家の系列じゃなさそうだよね。祖母の店→長男の理珠父が継ぐというふうだったので,母は緒方家と血のつながりがあるわけではないさそうである。まあ結果を見るまでは確定と言い切れないけれども。

 

そう考えると,「他人の心がわからない」という理珠の気持ちが理解できるかどうかよくわからない。母としての想いはあるだろうけれど,果たしてお話に絡んでくるのかどうか。気になるところである。

 

ということで,三度まる。

 

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*画像は「ぼくたちは勉強ができない」問.115 ,問.114,問.113 より引用しました。