現実逃避

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「かぐや様は告らせたい」の感想を書いている漫画感想ブログ

『かぐや様は告らせたい』 第105話 伊井野ミコは愛せない① 感想

さてと。それでは『週刊ヤングジャンプ2018年第331号』かぐや様は告らせたい」 第105話 伊井野ミコは愛せない① の 感想(かぐ活)です。


先週はまさかの休載でした。普段,休載の時は「来週はお休みです」的な案内が書いてあるのでてっきりあると思ってヤングジャンプ買ったわけですが,載っていないと知ってがっかりしつつも少しほっとしたり。先週はちょいと忙しかったもので。

それにしても2週間ブログほったらかしだったのに,毎日こんなブログを見に来てくれる人が大勢いることに感謝である。というわけで2週間ぶりの「かぐや様は告らせたい」の感想です。
 
 

 


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......というわけで,秀知院文化祭もついに開催直前までやってまいりました。白銀会長の尽力もあり,二日間開催をもぎとり例年に無い大規模開催だそうです。
あ,そうなんだ...二日開催って高校の文化祭だとデフォだと思っていたんだけれど,進学校だとそんなもんなんですかね。


しかしまあ例年にない規模ということもあり,準備もその分大変であるという流れからの文化祭実行委員会(文実)に対する生徒会役員共からの派遣社員ならぬ派遣委員として伊井野さんと石上が任じられるという今回の流れになります。



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それにしても今回は小野寺さんがなかなかいい味出していましたね。


文化祭実行委員会はパーティーピーポーでリア充なウェーイ系の面々の集合...という,石上優が応援団でも見たような表面的な評価がまずあるわけです。なるほど。「人は見かけが9割」とか言う人もありますし,その外見や言動からそんな風に感じ取ることもあるかもしれない。


 


かぐや様は告らせたい」世界における小野寺麗さんは,そんなウェーイ系の記号的象徴として描かれています。そんな彼女が提案する文化祭のスローガン案は相変わらずのウェーイ系でありますし,それを迷わず肯定するつばめ先輩を含めて,伊井野さんとは異なる世界の住人のように感じる。


とはいえだ。とは言えだよ?

かつて石上優が体験したように,そして今回伊井野ミコが理解したように,実際のところ「その人の外見や言葉遣いをみるだけでその人のすべてを表している」と捉えるのは間違っているわけですよね。


次から次へと繰り出される一見カスのように見えるスローガン案。真面目な伊井野さんにとってはわるふざけとしか思えない議事進行である。思わず反発して口を挟むあたりが石上と違うところですけれど,そんな伊井野さんに対して小野寺さんは言う。


 


「いや真面目なんだけれど」
「そうやって自分と違う価値観否定ばっかしてたら話進まなくない?」



それな!
なかなかに含蓄深いですよ,この突っ込みは。

一見ふざけたような意見や議事進行であっても当の本人たちは実に真剣なのである。文化祭を楽しくしたい。盛り上げていきたい。その気持ちは嘘偽りの無いものである。それが単に伊井野さんの価値観とは異なるというだけで。


そして続けて伊井野さんに意見を促すあたり,小野寺さんの言動は実に公平(フェア)である。多分聞くまでも無く伊井野さんと小野寺さんの考え方は違う。それでも自分と違う価値観を否定するだけではなく,相手の意見を聞いた上で判断しようとする。


ぱっと見派手なギャルで,言っていることもノリと勢いだけに見える彼女が実にしっかりと考えている。相手をきちんと見据えて発言している。

実は成績がよいという風に描かれている小野寺さんですが,こういう表現の出し方が良いですよね...「かぐや様」はキャラをしっかり描けているというか。設定だけじゃないというか。



それは議題がキャンプファイヤーになった時,突如豹変する伊井野ミコさんに対する反応にもきちんと現れています。


キャンプファイヤーに思い入れのある伊井野さんは,これまでの慎重論を配してキャンプファイヤーの実現を熱く主張するわけです。

小野寺さんにスローガン案を出してみろといわれて黙した時とは異なり,「自分の意見」を自発的にしっかりと主張している。「ちゃんとしているか・していないか」ではなく「やりたいか・なぜやりたいか」で主張している。

これ,小野寺さんが示した「議論の指針」に沿っているんですよね。お題目ではない,中身がはっきり伴った意見。


 


だからこそ,小野寺さんは冷静にツッコミを入れるわけです。やりたいことはわかった。じゃあ,それをどうやって実現するのか,と。


子安先輩もそうなんですけれど,ウェーイ系のノリと勢いで決めている連中という印象論とは異なり,小野寺さんたちは本当に真面目に議論しているわけですよね。最初から最後まで。

文化祭のイベントについて検討するにあたり,その実現性を検証し,どうやったら実現できるか考え,具体的にアクションする。物事を進めるときに当然行われるプロセスですけれど,きちんとそれを確認するために小野寺さんは物言いを入れたわけです。

決して伊井野さん個人に対する反発や,意地悪から出たものではなく。



それがはっきり分かるのは,具体的なアクションに至った時の小野寺さんの言動ですよね。


 


キャンプファイヤー実現のために近隣の住民の皆さんに一人ずつ頭を下げ理解をいただく。伊井野さんが文化祭でやりたいことを示したこと。その実現のために身を粉にして行動すること。

そんな伊井野さんのやりたいことと実現のためのプロセスに共感できたから,自分もまたキャンプファイヤーを楽しみたい」という気持ちがあったから,小野寺さんは伊井野さんと一緒に頭も下げる。一緒にがんばる。






決して相容れないと思われたウェーイ系の記号的象徴だった小野寺さんと,堅真面目系の記号的象徴であった伊井野さんが最後に同じ方向を見て同じように行動する。





 


最後に表面的ではない,お互いの本質を理解した上での気持ちとアクションの一致に至ったところに,今回のお話の奥深さを感じたのでありました。まる。



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......



そんなわけで今回の主人公は実質,小野寺さんと伊井野ミコさんだったわけですが。もう一つ柱が石上優だったのかなと思ったり。


文化祭実行委員会に伊井野さんと一緒に派遣という,めっちゃ気乗りしない案件だったにもかかわらず,子安つばめさんが実行委員長と知ったらコンマ秒でOKというノリ。

それを表層的に捉えてしまうとアレなわけで,その実,石上優と伊井野ミコ,石上優と子安つばめの関係性を浮き彫り立たせたお話だったなと思ったり。



石上優の子安先輩に対する気持ちはもちろん本当に好きなんでしょうし,そこに偽りは無いのだと思います。一方で,その気持ちはどこまで愛を伴ったものなのかなという点も気になるところではある。


 


子安先輩は確かにお可愛い。そして石上優にも分け隔てなく接してくれる。石上優を立ち直らせてくれたもう一人の恩人であり,「いい人」である。

でもそれってどうなんだろうね。
石上の気持ちは恋で間違いないだろうし,真剣そのものだとは思う。でもじゃあ子安先輩と石上優が結ばれることはあるのかというと,「竹取物語の設定」というメタ的な視点をのぞいても無いというのが明確に分かる。


石上優が彼女に惹かれた属性の一つ,誰に対しても分け隔てなく接してくれる「いい人」の側面。それは石上自身が分かっているように,自分だけに対してではなく誰に対しても振舞われるものである。


 


今回,伊井野さんが小野寺さんに突っ込まれて注目されアガってしまった時に対するフォロー。それは石上優に向けられるものと同じである。そこからも分かるように,子安つばめ先輩は石上優に対してなんら恋愛感情はない。そこにあるのは「いい人」としての属性である。


石上もまた,子安先輩にいいところを見せようと一夜漬けの知識を駆使して他の男子とマウント合戦したり,柄にも合わない愛想を振舞ったりとしてる。しかしそれも高嶺の花の女子に対する憧れや好かれたいという気持ちに過ぎなくて,そこに描かれる描写は気持ちが乗っかるほど重いものでもない。



それに対して伊井野さんに対する石上の距離感・言動には「重み」があったように感じます。


一見反発し合い,相手を認めていないように見える二人の距離。しかし石上優の伊井野さんに対する姿勢にはある種の思いやりがこめられている。そんな風に感じます。


キャンプファイヤーをやりたいのに,子安委員長や小野寺さんに反証され注目されて自分の意見を言いよどむ。そんな時,石上優は伊井野さんのフォローに入るわけです。


 



「助けてやろうか?」というその言葉や表情には優しさや愛情は感じないかもしれません。しかしそこには石上の思いやりがこめられている。



多分,石上は直接的に伊井野さんに代わり,何かキャンプファイヤー実現のための提案するつもりは無かったのでしょう。この発言は伊井野さん自身に発言させる環境を作るためのものに過ぎない。

こういえば,伊井野さんは自分に対する反発心から緊張が解け,自分の言葉で意見を述べることができると考えたからです。事実,伊井野さんはとうとうと自分の意見をみんなの前で述べ,果てには実現までたどり着けた。

これは相手を深く理解していなければできませんし,相手を思いやっていなければできないことですよ。そこに石上優の伊井野ミコに対する気持ちが見て取れます。


それは頑張ったなという白銀会長のねぎらいに対する石上の反応にも見て取れます。個人的な好き嫌いは抜きにして,石上優は伊井野ミコのいいところを「認めている」。そんな姿勢は,伊井野さんのいうところの「高い目線からの評価」となっていることは否みませんけれど,そこは問題じゃない。


 


石上優は子安つばめ先輩よりも深い意味で伊井野ミコを理解しているし,(恋愛感情ではないにせよ)気持ちを向けていることがはっきり描かれているからです。


そんなことを鑑みると,やはり石上優は子安先輩とは結ばれないのだろうし,石上のカウンターパートナーは最初から最後まで伊井野さんなんだろうなあ,ということが改めて確認できたのでした。


...
......


さて。さてさて。

伊井野・石上の双方の成長(?)を見て取れた今回のお話,なかなかに感想の言語化が難しいお話でした。しかし総じて言えば,とても満足できるお話だったといえる。というわけで,余談です。


『伊井野ミコは愛せない』


となると気になるのは今回のサブタイトル,「伊井野ミコは愛せない」とは何なのかということである。




愛せないとは何を指しているのだろうか。

ウェーイ系の人たち?
いやいや,それは最後にある種の心の交流を感じ取ったではないか。多分違う。



キャンプファイヤーの描写に見られる家族との交流こと?

いやいやそれは彼女の大切な思い出であり,いまもな愛する家族とのつながりの強化を深層心理でもとめていることからも,見当違いな話である。伊井野さんは家族を愛しているし,家族もまた伊井野さんを愛しているであろう。仮に親から愛されていない部分があったとしても,それならば「伊井野ミコは愛されない」になるはずだから違うはずである。



それとも石上優のこと?



たしかに石上は伊井野さんを認めているけれど,伊井野さんはそうした影ながらの石上の行動を認めていないようにも見える。とはいえ,生徒会長選のときの白銀の言動を「配慮」と感じ取れたように,石上の配慮が感じ取れない伊井野さんではないと思われる。

ふーむ,これは何なんだろうな?
文脈的に見れば石上の「良いところ」を素直に認められない彼女のその姿を現しているのかもしれませんけれど。

まあ「伊井野ミコは愛せない」とあることからこのエピソードだけでは完結しないことなのだろうし,おいおい分かってくるのだと思いますけれどね。



『奉心祭の前と後』

今回明らかになった,秀知院学園の文化祭名「奉心祭」。ふむ,なかなか意味深ではある。心をこめて物事にあたることとか。心をこめて人と向き合うとか。いろんな意味を含めていそうな名前である。

生徒会の面々一人ひとりが違う意味でこの文化祭と向き合っていくことになりそうですね。




...というか,校長の名前は「山内隆」だったのか。あんな風貌・言動しておいて普通やね...うん,普通。

(訂正)校長の名前は山内さんの下にある筆記体の署名(アドルフ氏)ではないかというツッコミをいただきました。そのとおりでございます。よくみたら公印に重ねてあるし。おすし。多分に山内さんは町内会長さんですね。たくさんのご指摘ありがとうございます。




そんな奉心祭の日程は12/21-22とか。12月とは明示されていないですけれど,冬休み前だから12月でしょう。となると,この後に来るのはクリスマスと正月かあ。なるほど。





この文化祭で四宮かぐやと白銀御行の恋が結実するというのはどうやら本当ぽいなあ。スケジュール的に。恋人同士になれれば当然クリスマスは一緒に過ごしたいですし。おすし。

そこでどっちがどう相手を誘うのかとか,どんなデートをするのかとか,あるいはキッスなんかもあるのかとか,いろいろ盛りだくさんにニヤリング展開が期待できそうである。


そして正月!
一月一日元旦は当然,四宮かぐやの誕生日である。

正月といえば新年というだけでめでたいのに誕生日も伴うとならば,白銀御行一世一代の大仕事になりそうである。とはいえ,四宮家の特殊事情もあるだけに一筋縄ではいかない予感が今からプンプンします。こちらも期待である。




つまり最終的に何が言いたいのかというと,文化祭実行委員の一年生の二つ結びっ娘がお可愛かったということであります。シッポ髪可愛い。

 



(追記)シッポ娘は石上の陰口をかぐや様に言っていた女子ではないかという指摘が入りました。まったく記憶から外れていたぜ...どれどれ。
うーん...似てるといえば似ているような? 一応「陰口とかじゃなくて...」「かぐや様が心配で」と主張してますが...。


まあ同席の男の子が石上を再評価しているように,周囲の子たちも石上を見直しているという観点で捉えてみたいところですね。つーか,内面の話をしているのに(この子に関して)表面的な評価しかしていないというギャグみたいな展開がちょっと面白かったです。ありがとうございます。



という訳で,再度まる。

 

 

 

   

 

 

 





画像は週刊ヤングジャンプ2018年第33号「かぐや様は告らせたい」第105話 より引用しました。
画像引用は中止しました。