現実逃避

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「かぐや様は告らせたい」の感想を書いている漫画感想ブログ

『かぐや様は告らせたい』 第127話 秀知院は後夜祭 感想

さてと。かぐや様 127話 の感想(かぐ活)です。

 

白銀御行と四宮かぐやが「言葉にできない」想いを伝えあうクロスカウンターを打ち合っていたその頃。下界では関係者たちがそれぞれの想いを抱きながら後夜祭を堪能していたという,長きに渡った文化祭シリーズの〆にあたるお話。

 

 

下々には下々なりのドラマや想いがあるというわけで,今回もニヤリングの嵐ですよ,皆さん!

 

みんな覚悟はいいか?俺はできてる。

 

 

 


 


 

早坂愛は気恥しい

主を送り出した早坂近侍。てっきり時計台の陰から見守っているのかと思いきや,キャンプファイヤーを遠巻きにしながら時計台周辺を舞うハートの風船を見上げておりました。

 

彼女が主に行った献策ではキャンプファイヤーを眺めながらかぐや様がハートのアクセサリーを贈り告白,のはずであった。であるからに,時計台を下から眺めていたってのは勇気を持った主を信じて結果を待っていたということになりますかね。

 

 

しかし実際にそこで起きたことは早坂の想定とは異なる,大量のハートの風船が時計台周辺を舞うという事象であった。明らかに想定外の事態である。

 

ふむ。

この表情から鑑みて,早坂さんには何が起こったのか想像がついたのでしょうね。こんな大仕掛けができるのは主の四宮かぐやかそのカウンターパートナーの白銀御行である。そしてかぐやは急造立案のハートを贈る作戦しかもっていない...。であるならば,これは会長から主・四宮かぐやに対する告白が行われたということ...

 

偏差値77の秀知院学院に集う生徒たちの中においてかぐやたちには及ばずとも聡い早坂さんがそこに想いが至るのは当然かもしれませんな。

 

 

しかしそれは周囲もまた同様。

唐突に語り始めるマッキー先ハイとTG部員の妄想がすべてを説明してくれる。

 

これは懸命なる誰かの計略。

風の流れを計算。

そのための上昇気流発生装置としてのキャンプファイヤー

告白のシチュエーション。

ウルトラロマンティックな告白。

 



すべてが計算ずくで,それを実行する権限を持つ人物なんて生徒会の人たち位で~...でもう駄目だった。自分で想像するのはいい。でも人に説明されるともう駄目。気恥しくて聞いちゃいられない。

 

ハッ..ハッ..と上気した顔で喘がれますと,なんというかその...アレですよね,はい(なんだよ?)

 

 

そんな早坂愛さんがお可愛いくもあり,TG部が底知れぬ闇を見せてくれた後夜祭の開幕と相成ったわけであります。

 

藤原千花は明かしたい

 

同時刻。

白銀の策謀によってまかれた餌に食いついた猟犬・藤原は「ありもしない謎」を解かんと,マスメディア部のかれんとエリカを引き連れて構内を駆け巡っているのであった。

 

もとより謎なんかないのである。ありもしない謎から全力で妄想を駆使し,真理を見出そうとするそれはまさしくラブコメ感想書きに似ている。それを現実逃避という(おい)

 

 

かれんとエリカがさすがに怪しんで突っ込んでいますけれど,藤原書記がやったことはつまりこういうことらしい。

 

1.藤原書記が時計の数字から緯度に換算(124話)

 

2.ポリュビオス解読(→数字からアルファベットへの変換)

ja.wikipedia.org

 

3.スキュタレー(→ピタゴラ暗号棒化)

ja.wikipedia.org

 

 

 

結果,図書室らしき場所にたどり着くと。なるほど。

 

試していないけれど,例の予告状の数字を緯度経度に変換して,それをポリュビオスの暗号表にあてはめ,スキュタレーしたら「LIBRARY」とでもなるのかしら。あるいは,かれんが触れた「本のタイトル」にでもなるのかしら。

 

 さすがに僕は今からその謎解きはやらないけれど,お暇な人はぜひ挑戦してみてほしい。そしてその時歴史が動いた

 

はっはっは。

先のマッキー先ハイたちもそうですが,TG部には非論理的活動から真実にたどり着く何かの力が働いているのかしら。まあ「作者の力」は働いていますけれど,ええ,まあ。

 

 そんな「作者の構成力 かみのちから」に導かれてたどり着いた場所は見張り台らしき謎の小部屋。 変な吊り輪っかがありますけれど,時計のレバーか何かなのか,はてさて。ぼかぁ最初何かの拷〇器具かと思いましたよ(まて)

 

 

そんな見張り台からの眺めに入ってきたのは禁断の光景であった。尊い

尊みが深すぎて「ぼくたちは表現ができない」。

 

 

 なるへそ。

前々回だったかな,感想で予想しておいたけれどきっと藤原書記たちは偶然にも告白のシーンを見ることになって,マスメディア部によって伝説に仕立て上げられるのだろうと思っていましたが,案の定である。ラブ探偵のラッキーパンチぶりがぱないの。

 

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よりにもよって白銀×かぐや派の紀かれんさんに見られるなんて...業が深すぎて尊い

 

 

...てか,ルカによる福音書」1:78~79 まで引用するなんて,前から思っていたけれど赤坂先生教養が深いですね。

僕も素人だから正しく読み取れていないと思うのでツッコミはお手柔らかにお願いしたいところだけれど,これは(新約)聖書における主イエスを産んだマリアの夫,ヨハネの父である預言者ザカリアの預言かな。ちなみに預言と予言は全く違う。神様から与えられた言葉が「預言」だったと記憶。

 

ちなみにザカリアが受けた預言は洗礼者ヨハネの誕生の預言であり,壮年の妻エリザベートが身ごもるという奇跡が起こる。その後,ヨハネと連れ合いになるマリアがエリザベートを訪ね,やがて二人は結婚してイエス生誕へ繋がるわけですが...

 

つまり,かれんにとってはマリアの処女受胎に匹敵する出来事だったということなわけだね。四宮さんと会長のキッスは(恥ずかしみ)。

 

四条眞妃は憎めない

 

さて,天上人たちが約束の地にたどり着いたその頃,地上においては陽キャたちが幸せを噛み締めていた。キャンプファイヤーの炎に照らされて空に舞い上がるハートの風船を眺めながら,いちゃつくカップルの群れ。

 

そんな光景を死んだ魚の目をしたような我らが四条眞妃ちゃんが「呪いの言葉」を吐いている。いとめでたき日になんということだ...

 

 

四宮さんと同じような顔と言動をとっているのに,ちょっと勇気のタイミングが違っただけで天と地もの差が生まれてしまった四条さん。本当は心優しい良い人なのに...。

しかしここは秀知院,勉強も恋も戦ばかりの戦場である。全ての幸せから縁遠い眞妃ちゃんがヴァルハラに足を踏み込んでいるのが悲壮感漂ってますね。

 

そんな四条さんに追いかつおならぬ「追い柏木」である。幼少の砌より友人の持ち物をいつの間にか手に入れ,あとに残された草刈り場に佇んできた四条さんにとって目下乾坤一擲の敵。

 

思わず嫌味の一つも出てこようというもの。

どうせ翼君の方が大切なんでしょ...というヤサグレた心が紡いだ言葉に対する柏木神のクロスカウンターがばっちり決まります。

 

 

なんだよ,おい...

 

こういうとこだぞ,柏木。お前のズルいところは...。具体的にはアシリパさんのはじめてのぶっかけを奪った男・白石ぐらいズルい(まて)

 

自分の好きな人と付き合っている女,自分が恋焦がれるものを奪っていく女,にもかかわらずここ一番でこんなこと言ってくれる友達。強敵とかいて"とも"!ですよ(違)

こういうのがあるとね,世知辛い関係になりがちな「眞妃ー渚ライン」の間にも友情があるんだなとほっこりしますよね。

  

伊井野ミコは喜びたい

白銀御行と四宮かぐやの世紀の「言葉にできない」告白合戦が繰り広げられていた時と時間は前後するが――――そんな舞台を支えてきた文化祭実行委員たちもそれぞれの時間を過ごしていた。

 

 

ふむ。

白銀御行の遠大なる計画・文化祭の私物化という裏の差配があったとはいえ,それぞれが自分の意志でもって「やりたいこと」をきっちりとやっている。なんというかそこに救いと言いますかね,「かぐや様は告らせたい」の良さを感じるわけですよ。

 

なるほど,そこに白銀御行という天才の意思が入ったかもしれないけれど,伊井野さんも石上も「自分でやりたい」という意思をもってこの文化祭を迎えている。そして文化祭実行委員としての務めを最後まで果たしている。自分がやりたい事として。そこがいいと思うんですよねえ。

 

キャンプファイヤーをやりたがっていた伊井野さんの「本当の人の良さ」ってのはこういうところできっちり描かれているというかね。

 


ある意味杓子定規ではある。真面目が服を着ているような女の子,融通の利かない正義の人である伊井野さんはキャンプファイヤーの場に参加するでもなく,周囲の住民と約束した安全確認の見回りをする。

 

貧乏くじである。要領の悪い人である。

でもそんな伊井野さんが「そういう人」だからこそ,大仏さんは伊井野さんのやりたいようにさせてあげる。そこで手助けなり干渉することを「過保護」という。なんかね。こういうの,いいよね。

 

キャンプファイヤーを楽しみにしていた伊井野ミコはキャンプファイヤーに参加しない。皆に楽しんでもらうため。無事にキャンプファイヤーを終えることでみんなが楽しい気持ちのまま文化祭を終わるため。

 

そんな伊井野さんという人物を「分かっていて」,伊井野さんを「一番の功労者」と認めてあげる。そんな伊井野さんが見たかったであろう,キャンプファイヤーを楽しむ生徒たちの姿を動画に撮って見せてあげる。それが石上優という男なのである。

 

これなんだよなあ(何度目だ)

こういう物語構成が本当にいいのである。仲がめっちゃ悪いし,石上は伊井野さんのことを好きなわけじゃないし,でも放っておかず,彼女の良さを認め,彼女を労おうとする。これこそまさに「加点評価」である。

 

 

石上×伊井野ペアは史上最悪なレベルで仲が悪い。

でもそんな二人の関係において,伊井野さんがどちらかというと減点評価多めだったのに対して,石上は割と最初から「加点評価」だったんだよね。頑張っている奴が笑われるのが許せないという正義感からくるものか。そんな石上に根付いた精神が,やっぱり「いい奴」なのである。

 

 

 

そんな石上に対する伊井野ミコのコペルニクス的転換。価値観の変化。減点評価から加点評価への移ろい。

 

届けられた落とし物は四宮かぐやが白銀御行に贈るつもりだった,ハートのアクセサリーである。一瞬焦る伊井野さんが見せるのはいつもの硬い表情である。そもそも焦る必要なんかないのである。石上は「子安つばめ」に告白したことを知っているのだから。

 

 

でも最後にみせたその表情は,いつになく和らいだその表情は,「文化祭でハートの形を贈るという愛の告白」の象徴である四宮かぐやの落とし物であるハートのアクセサリーを見つめるその表情は,いつもの伊井野ミコとは異なる気持ちを抱いた表情だったのでした。まる。

 

 

伊井野ミコはときめきたい

 

しかしまあ,まさかこういう展開になろうとは思いもよりませんでしたね。

 

奉心伝説について知らない石上が,今好きな相手である子安先輩にまさに奉心伝説のフォーマット通りの告白をする。 そして今回,石上は「落とし物を伊井野さんに届ける」形で同じく奉心伝説のフォーマット通りの行動を伊井野さんにとっているわけです。

  

 

これまで物語を読んできて,どこかで最後は石上×伊井野なんだろうという物語の冗長性はあったわけですが,一番の「壁」は他ならぬ伊井野ミコの石上に対する態度にあったわけですよね。

 

石上は伊井野さんのいいところを認める。伊井野さんも石上のいいところをどこかで認めているんだけれど,それを言葉や態度で示すことができない。

であるからして,このままやっていく限り石上と伊井野さんが交わる世界線は思い浮かばなかったんですよね...。そうなるだろうという予兆だけは感じつつも。

 

 

これまで石上が何かをすれば「上から目線」「余計なお世話」という否定的感情からの評価しかしてこなかったにも拘わらず,今回のレスポンスが違ったのは「奉心伝説と同じ行為をされた」ということが要素の一つだったのだろうな。

 

つまり色恋めいたことと誤解するようなことをされたことにより,これまで認識することもなかった「石上を恋愛対象として評価の尺度に載せる」という行為をしてしまったんだよね。

 

 

 

その直後に,自分にとって本当に嬉しかったこと,みんながキャンプファイヤーを楽しむ姿を見れたこと,それが「石上優が自分に対する気遣いでやってくれたこと」によって見れたこと。そしてそれを伊井野さんと石上の二人で共有したこと。

 

 

 

そこで,伊井野さんは思いにもよらず,石上優を恋愛対象としての尺度で「評価」してしまったわけだ。それも「加点評価」を。

 


 

 

さぁ,面白くなってきましたでー!

 

実際ね,最後のページ見たときに思わず膝を叩いて「よし!」と叫びましたからね。ええ,心の中でですが。先週,一つの恋の決着を見せられたかと思ったら,今度は一つの恋の始まりみたいなものを見せられちゃうのかよ。

 

「二つの告白」って,白銀御行と四宮かぐやの「言葉にならない想いを伝える告白」と,石上優の子安つばめと伊井野ミコに対する「本当の気持ちを乗せていない告白」

儀式の二つを指していたというわけかよ...

 

なんだよもう...昇竜拳をガードしたと思って解除したら昇竜烈破だったみたいなこのやり口。もうやだ。赤坂先生は天才かよ! 

 

 

どうにもならないので,今週もエンディングテーマ「チカッとチカ千花」で脳みそを蕩けさせていただいて,感想は御仕舞い。再度まる。

 

 

   

   

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*画像は『かぐや様は告らせたい』 126話,125話 ,122話,111話,50話,27話,21話,1話より引用しました。

画像引用は中止しました。