現実逃避

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「かぐや様は告らせたい」の感想を書いている漫画感想ブログ

『かぐや様は告らせたい』 第134話 かぐや様は許したい(氷) 感想

さてと。かぐや様 134話 の感想(かぐ活)です。

 

アニメ「かぐや様は告らせたい最終回視聴しました。

家庭の事情でリアルタイムでは視聴できなくて,録画はしていたけれどもなかなか見ることができず,結局動画配信時に観るみたいな生活だったんですが,それはそれとして最高でしたね

 

www.nicovideo.jp

 

 

漫画で既に読んでいるし,その時の感動は今も覚えているのですが,アニメで再びこうしてあの時の感動を追体験できるのとっても幸せだと思いませんか。とても幸福な3か月間だったと思います。

 

期待した二期発表は無かったのですが,キャストさんもやる気満々といった感ですし,作者の赤坂先生も「アニメ化は漫画家の夢」と言われているくらいです。原作で言えば36話(YJ)という,本作の「さわりのさわり」しかやっていないわけなので,二期もぜひ期待したい。

 

ついでに,弊ブログ的に言うとアニメ放映中の2月3月は,毎日のように大量の読者が感想を読みに来てくれました。ブログ感想なんてコンテンツの素晴らしさと比すれば単なるコバンザメみたいなもんですが,感想の共有という観点の役割はある程度果たせたのかなと思います。

 

アニメは終わってしまいますが,原作感想は引き続き(なるべく)書いていきたいと思いますので,よろしかったら引き続き是非弊ブログもよろしくお願いします。

 

 

 

 


 


 

かぐや様(氷)について

さてまだまだ続くかぐや様(氷)編

 

世上では氷かぐや様なんか違う...という意見もあるようです。人それぞれなのでそれはそれでよいと思います。ぼく個人としては「仮面が変わっているだけで中身は一緒」という印象なので,あまり気になりませんが。

 

そんなかぐや様(氷)の「定義」が改めてなされました。

 

 

ふむ。

だいたい僕の解釈通りである。社会的仮面ペルソナはあくまでその時その時の場面でかぐやの表象にでてくる仮面でしかない。計算高く警戒心の強い氷と,心を開いた相手に対する興味や楽観性を持ったアホ。そのバランスの上でいつもの「かぐや様」が出来上がっている。

場面・局面において性格のどの部分が強く出ているのかという話であって,傍目にはかぐやは「いつもどおりのかぐや」なんだな...というのが今回改めて示されました。

 

それは恋愛相談を引き受けた柏木邪神の接し方を見ても分かる。髪を下ろしたかぐやに1年次の「かぐや(氷)」の姿を重ねながらも,接し方は「かぐやちゃん」である。

 

 

柏木さんの四宮さんに対する距離感はどんどん詰まってきていたわけですが,かぐやが氷となっていようとも普段のかぐやちゃんに対するように振る舞っているところがポイントですよね。

読者視点では「かぐや(氷)」に見えていても,作中人物からしてみればいつものかぐやさんなんです。社会的仮面ペルソナてそういうもんだということ,そしてそんな氷の仮面をかぶっても「積み重ねてきた人間関係による距離感」は急に変わらないということですね。

 

 かぐやさんと直接の利害関係の薄い人間ほどその仮面とのギャップに気づかず,ウルトラロマンティックな告白を経てその決着がついていない会長が一番戸惑っている。うまい表現ではありませんか。

 

 

さてそんな「かぐや様(氷)」ですが,裁判長(幼)より一定の期限が示されました。全治1巻(10話)のようです。なるほど。このあたり,氷かぐやにザワつく読者さんに対するケアなのかもしれませんね。

 

かぐや様は尋ねたい(氷)

 

というわけでかぐや様(氷)から柏木邪神への恋愛相談です。

 

しっかしアレですね...。かぐや(氷)さんの属性が「ロジカルな一面が極端に出た」というだけあって,様相がいつもと異なりますね。なにこれ...めっちゃ素直でお可愛いじゃん。

 

いつもだったら「これは友達の話」と枕詞をつけるのに,自分と会長の話であるとはっきり断言するとか。「会長からキッスしてほしい」と欲望をストレートに言語化するとか。あまつさえ, 

 

「私が会長の事......好き ...だからに決まってるじゃない」

 

とか言ってしまったり。

え。なにそれ。あっさり自ら「好き」って気持ちを言語化して他人に伝えているじゃん。どうなってんの,これ。この言葉を言わせるために死ぬほど苦労している白銀御行,サポートしてもサポートしても素直に認めずようよう言わせることに成功した早坂愛。彼らの苦労が偲ばれます。

 

無論,理由はある

いまかぐやは非常にロジカルな思考を組み立てられるかぐや(氷)状態です。論理的であるならばその思考過程に感情が入る余地はない。したがって「恥ずかしい」という側面は無くならないにせよかなり後退する。ゆえに,柏木さんには「会長が好き」という事実を伝えることができるわけですね。

 


 というかむしろこの有様である。欲望に忠実すぎるセリフをどんどん言語化するかぐや(氷)ちゃん,あとでかぐや(アホ)が爆発すること間違いなしであります。

 

でも。

そこまでロジカルに,率直に自分のやりたいことを言えるのに。会長に対しては素直になれない。うーん,いいですねえ。そこに「好きな人」に対する想いが見え隠れして。どんなに理詰めでいこうとも抑えきれない感情が表に出て来て

 

言い換えれば,かぐや(氷)であろうとも感情が抑えきれないくらい会長の事は好きで好きでたまらないってことですよ。冷静につぶやくその表面の下にはマグマグの実もびっくりな熱くなったマグマのような感情が収まっているということですよ。一番最初に好きになったのは私,の言にたがわぬ熱々ぷりである。

 

そんなかぐや様(氷)に対する柏木邪神の反応がこちらになります。

 

 

 分かりみが尊すぎてマジぽよ深み~である(意味不明)。

くっそお可愛いやんけ,かぐや(氷)ちゃん。

  

白銀御行は尋ねたい

柏木渚が四宮かぐや(氷)の相談を受けていたその頃。白銀御行もまた恋愛相談をしていた。

 

 

あ,はい。

 登場するだけで笑いが取れる四条眞妃さん,ズルすぎるよね。

 

まず人選が間違っています。次に人選が正しいです。言っていることが矛盾しているような気がしますが全く持ってそのとおりなのでぐうの音も出ません。そして木陰で寝転がるそれはかつて会長と石上優の間で行われた恋愛相談を模しているところもネタ的に美味しいですね。

 

さてそんな四条眞紀さんとの相談。 

まず圧倒的に間違っているのは,恋愛マスター(笑)に相談を持ち掛けているところですよね。自分の恋愛が一度も上手くいったことが無い,その段階で恋愛相談相手として間違っています。素直になれなくて意地を張った結果,失敗してしまった「あったかもしれないもう一人の四宮かぐや」。ぶっちゃけ問題解決につながる気がしない。

 

一方でこれ以上に正しい人選は無いのである。「意地を張りすぎて失敗した」わけですけれど,基本的にその思考・行動は再従祖伯叔母である四宮かぐやに果てしなく近い。四宮さんの心理を分かりたい白銀御行にとってはまたとない人選である。

 

 

そんな白銀の悩みはかぐや(氷)の言動が読めないこと。

ウルトラロマンティックな告白を経てようやくこれからと思っていたのに距離を取られて雑魚メンタルに。

いつもの天才ぶりはどこへやら,動揺が先立つその感情が表に浮かび上がっているのが分かりますね。とてもじゃないけれどロジカルに考えられないのである。自明なことに気づけない。そんな白銀にやさしく諭してあげる眞紀ちゃんマジ天使である。

 

 

面白いのは普段だったら理知的に論理的に分析できる努力の努力の天才たる白銀御行が「表面的に捉えたかぐや(氷)」の言動に対し,眞妃ちゃんが簡単にその裏にある心情を説いているところですよね。

 

加えて面白いのは,この推測は別に四条眞妃さんじゃなくてもできるという点である。なるほど,眞紀ちゃんはかぐやさんとほぼ同様の思考形態かもしれませんが,こんなん客観的に観れば一目瞭然なのである。そんな簡単にわかることがわからない,そんな会長の心理が描かれていますよね。

 

ただここで四条さんを相談相手に選んだメリットがはっきり出るのは,その女の思考過程をきっちりトレースして「どうしてそうなのか」を説明してくれるところですよね。四条さんの分析はそのまんま四宮かぐやの心理・行動様式そのものである。

 

 

ふ。可愛い。

四条さんはどうしてこんなに雑魚可愛いんだろう。まさしくかぐや様と同種のお可愛さなわけですが,こうやって「汲んであげてー!」ってじたばたする四条さんの人の好さがまた良いですね。かぐや様とほぼ同じなんだけれど違うことが強調されて。僕やっぱり四条さん好きだわ。

 

 

こんないい娘がどうしてあんなひどい目に遭うんだろう(遠い目)...。

で。

  

あ...(察し)

 

そこで素直に「大人キッス」の件をばらしてしまうあたり,メンタルぼろぼろの白銀御行である。いつもだったら言わなかっただろうに。脱兎のごとく放たれた猟犬・四条眞妃を放置しては,どこでどんな被害が生じるかわかったものではない

 

下手に四宮厳庵の耳にでも入ったら大変な事態である。あー,でもこれはどこかでポロリやってしまいそうですが。けれど後の祭りである。現状,会長はそれどころではないからして,ここで放置はやむ無しですね。

 

かぐや様は恋したい(普通)

さて場面は少し戻り,かぐや(氷)の相談会の続き。

 

 

ここで柏木さんの初キッスの経緯が明らかになるわけですが,このコマ使い凄すぎるでしょ。叫んでいるのは「会長とかぐや」のことだけれど,隣の柏木さんの初キッスの件と合わせると「翼と渚」のことを知りたくなかったと叫んでいる構図にもつながる。いつか本当に知ってしまってデジャヴ感たっぷりのシーンが入りそうですね。

 

 

そんなかぐやが求めているのは「普通」「普通の恋」

 地位,才能,財産,容姿,全てに恵まれているにもかかわらず「生きていることが苦痛でしかない人生」としか思ってこなかった四宮さん。そんなかぐやが手に入れたくても手に入れられないもの,それが「普通であること」である。

 

立場など考えずにすむ人生。計算尽くしで打算的に人と接する必要のない人生。世にあふれる多くの男女がするような,世界にありふれているはずの自由な恋,ありふれたキッス,普通の恋

 

 

なるほど。

四宮かぐやにとって特別であることは意味がないわけだ。特別であることが日常となっている人間にとって,むしろ希少性を感じるのは普通であることである。

 

自分には決して手に入らなかったありふれた日常。そんな日常を生徒会という学校内の隔絶された空間の中で初めて体験した四宮かぐや。初めて好きになった身近にいる,特別だけれど普通の人。その人のすべてが愛おしくて,せつなくて,心苦しくなるような人だからこそ,「普通に恋したい」

 

 寒い日にそっと手を握ってもらったり。別れ際にさりげなくキッスをしてもらったり。そんなキッスを大好きな殿方からしてもらったり。

 そんな恋はもう直前まで見えてきている。もう少し自分が歩み寄れれば...相手が歩み寄ってくれたなら...。そのちょっとした歩み寄りを「恋愛頭脳戦」によってできないままで来た四宮かぐや。その最後の一歩を踏み出す後押しがここにある。

 

 

立ち返れば,そもそも「白銀御行が好き」という想いを持つのは四宮かぐやである。

 

  • 最初に好きになったかぐや(氷)
  • そんな好きになった人への愛情を止めることができないかぐや(アホ)
  • その二つが交わりあったかぐや(普通)

みんな四宮かぐやなのである。

 

柏木神の素直な一言に押されて思わず漏れたその言葉。

恋する人がみな持つ普通の警戒心。臆病な恋心。そんなかぐやの漏らした言葉は虚ろな意識の中で白銀御行に届いたのでしょうか。

 

 

そんな思いが込み上げてくる「かぐや様は告らせたい」第134話でした。まる。

 

余談

実際のところどうなんだろうな。本日の勝敗「かぐやの敗北」となっている以上,「好き」と告げた言葉は会長は聞こえていたと解釈してよさそうである。会長がもしきちんと聞こえていたとしたら,「言葉にして好きと言ったのは四宮かぐやが先」ということになる。

 

白銀御行にとってかぐやさんから告白させたかったのは,先に自分が口にしてしまったら二度と同じ立場で並び立てないという気持ちからである。もし白銀が聞いていたとすれば,会長側が抱いていた心理的障壁はこれで消失するというわけですね。

 

 

一方で,かぐや(氷)さんの方からしてみれば,会長は睡眠不足から眠りこけていたという認識であろう。絵面的にも会長が目覚めたときには「かぐやがいなかった」こともあり,曖昧な表現にとどまっています。それ故に自分が最初に好きと言ってしまった認識はたぶんないはずである。これはなかなかうまい落としどころだなと思います。

 

御行からしてみれば,自分だけしか理解していなくても「四宮かぐやから先に好きと言ってもらった」ということは残ります。

一方でかぐやはその認識がないので,この後動けるようになった会長からキッスされて好きと言ってもらえば「会長から告白された」ことになる。本作の作品タイトルでもあるかぐや様は告らせたいとの整合性をとることもできる。

 

 

ほらほら,アレですよ。子どもが両親に「どっちが先に好きになったのー」という時に,「お父さん」(母),「お母さん」(父)という齟齬が生まれるケースが多々あるじゃないですか。まさしくあれですよ。認識ギャップというやつ。

 

仮に会長が記憶を基にかぐやを問い詰めても,かぐやさんは「白銀会長はあの時意識を失っていたじゃないですか。朦朧として幻聴でも聞こえたのでは」と切り抜けることができる。その辺の後処理はどうとでもなるわけです。

重要なのは,白銀御行が「好き」と気持ちを言語化すること,その思いを自分から男らしく示せる「キッス」ができること,その環境(先に四宮さんから好きと言ってもらったと認識する)が整うことです。

 

とりま,会長が聞こえていたとしてその環境は整いました。あとは行動に移すだけです。もっとも,文化祭準備期間からの連戦,メンタル的にへこんでいた状態,いざという時に表に出す羞恥心...いろんなものが重なってなかなかすぐに決着とはいかないのでしょう。具体的にはあと7話ぐらいコミック1巻? かかりそうである。

 

 

次。

かぐや様の柏木評,なかなか意味深である。

 

普通の恋がしたい,という話の前にこの一言が入るの,なかなか上手いのである。柏木さんのかぐや様に対する呼び方がどんどん変化していって,距離感が詰めてこられているのをかぐやが認識していることもさることながら,それを「嬉しく」思っていることがこれでわかりますね。

 

かぐやにとって得難い「普通の友達」という位置づけ,柏木邪神相変わらずすごすぎるのである。

 

 

 

最後。

四宮かぐやと白銀御行のせいで,やばいものがヤバいところまで広がっている。完全に巻き添え喰らっている石上優がいと哀れすぎるのである。石上のセリフ回しが秀逸すぎてこんなん腹抱えて笑うしかないだろ。

 

 

石上逆境ハーレムのあんまりさに,四条眞妃さんではなくても「く・さ・は・え・る」のであった。  再度まる。

  

 

藤原ママはいつまでも

 

 

 

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コミックス

 

  


*画像はヤングジャンプ2019年第18号『かぐや様は告らせたい』 134話 より引用しました。

画像引用は中止しました。