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『かぐや様は告らせたい』 第136話 私達の仮面(かぐや編①) 感想

さてと。かぐや様 136話 の感想(かぐ活)です。

 

2週間ぶりのかぐや様,皆さんいかがお過ごしでしたでしょうか。会長がぶっ倒れるという壮絶な最後を遂げた前回(死んでない),2週間が長かったですね。

 

  • 会長は意識を失ったのか? 
  • 保健室に担ぎ込まれたのか?
  • 自宅に連れ帰って看病になるのか?
  • あるいは病院に担ぎ込まれるのか?

 

 様々な憶測がなされた前回のラストからーの今回,答え合わせも含めて久々のかぐや様を堪能しようではありませんか。

 

というわけで平成最後の「週刊ヤングジャンプです。

 

 

 


 


 

白銀御行は目覚めない

というわけで答え合わせ。

会長が気張ってなんとかしようとしたものの,極度の睡眠不足とストレスによってぶっ倒れてしまいました。で,どうなった...というと案の定,病院に担ぎ込まれていました。

 

 

まあ四宮さん的にはそうなるわな。

 

もとより文化祭の準備期間からぶっ続けで過労気味の会長である。ただですら短い睡眠時間を削り,加えてウルトラロマンティックな告白の演出で費やした智力・体力・時の運。でもって今回の四宮かぐや(氷)によるプレッシャーのかけ方です。普通の人間だったらとっくの昔にカミーユ・ビダンばりに精神崩壊である。

 

生きているだけでもありがたい...というのは冗談ですが,常人ならばそう言われても仕方がない死線を越えたきた白銀会長ですからね。四宮の名にかけて最高の治療を施そうと思うのは当然至極のことなわけであります。

 

四宮かぐや(氷)について

 

さてその四宮さんである。

会長をここまで追い込んでしまったことに流石に凹んだのか。自らの内面と向かい合うわけであります。

 

「会長からキッスをしてほしい」

 

そんな四宮かぐやの一面が再び目覚めさせた氷の社会的仮面ペルソナこれは数ある四宮かぐやの仮面の中でも最も基本形。幼少のころより四宮流人材育成によって形成された,感情を排し,人を頼らず,使い,操り,そして切り捨てる。そんな浅ましい四宮の家訓に基づいて形成された「かぐやの原型」

 

そんなかぐや(氷)の恋愛観は,自らキッスをするようなそれじゃない。況やベロチューなんて問題外である。自分に恋い焦がれる殿方よりロマンティックにキッスをされたいのである。たったそれだけの願望が再び呼び起こしたかぐや(氷)さんですが,事ここに至って観念しました。

 

 

自分がいると白銀御行を傷つけてしまう。そんな事実を再び認識したところで,ついに諦めた。自分が表に出ていると,愛する白銀御行を傷つけてしまうばかりか嫌われてしまうと。

 

ふむ。

なるほど。今回は四宮かぐや(氷)の社会的仮面ペルソナがどのように形成されたのかということを含めてのお話展開か。

 

 

優秀であることが当然であり,人の上に立って支配することが当然であるように育てられた四宮さんから見れば,偏差値77の良家の子息であろうとも凡庸にすぎない。できるのは当たり前。その質が四宮より劣れば「真面目にやっていない」ことになる。

 

それは致し方がないことである。そのレベルでできていなければ真面目にやっていないと鞭で手の甲を叩かれるような四宮流育成である。褒美はなく罰だけがある。そんな恐怖に寄る才能育成に慣れた四宮さんからすれば,「できない」ことは分からないのである。

 

 

人の気持ちがわからない。できない人の気持ちがわからない。

 

できるのが当たり前,という意味では「五等分の花嫁」の上杉風太郎もそうでしたね。でも彼は自ら課した枷により形成された性格であって,強制的に能力の限界まで引き上げられるように育てられた四宮さんとは違います。

 

人に寄り添うことに価値観を置く,「ぼく勉」の唯我成幸とは全く真逆の生き方です。それはある意味仕方がない。子どもは親と教師を選べない。かぐや(氷)の人格形成はそうした四宮家という特殊環境下において行われたのですから。

 

 

その結果,死屍累々と積み上げられた「心の何か」を破壊された同級生たち。世界の破壊者・ディケイドもびっくりな四宮かぐやはいつしか人と関わることを疎い,突き放すことで人を傷つけないように試みたのであった。しかしそれすらも,人を傷つける形でしかできなかったのである。

 

むうう...。

「私(かぐや氷)は人を傷つける」というのはそういうことであったか...。

 

古典的人間形成論では「遺伝と環境」がその人となりを形作っていくという話でしたが,もとより四宮家という優秀かつ冷酷な人間性を積み上げてきた「遺伝子」をついでいるだけではなく,それを強化する形で四宮流教育という「環境」がむき出しのナイフのような人間に育て上げてしまったというわけか...。

 

そりゃ誰とも接しないでボッチ生活をしていたほうがましという気持ちにもなるわ...。

 

四宮かぐや(氷)は引っ込みたい

 

そんなかぐや(氷)が変わった理由。変わろうと思った理由。それは

 

 

ふむ。

これは...。四宮(基本形)さんが髪を束ねるときに用いているリボンを掲げる会長であるな。なかなかに意味深である。

 

我々は知っているのである。白銀御行が最初に四宮かぐやに惚れてしまった理由を。

 

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場違いな学校に入学したと不貞腐れていた白銀の前で,見返りを求めること無く人を助けるために飛び込んだ四宮かぐや。動くべき時動ける人,「自分を持っている人」であるところの四宮かぐや,そんなかぐやと対等に立ちたいという原動力こそが白銀御行の恋の原点なのである。

 

 

そんな四宮さんの姿を彷彿するように,池の中に飛び込んで四宮さんのリボンを拾い上げる会長の姿。「1年生・夏」で何があったか目に浮かぶようではありませんか。なるほど。四宮かぐやもまた白銀御行という「自分を持っている人」に惹かれたということなのね...。複雑に絡み合った因果関係がなんとも言えないのである。

 

 

それだから。それゆえに。

四宮かぐや(氷)はもうこれ以上白銀御行を傷つけたくないんだね。

 

優しくなりたくても優しく慣れなくて。好きなのに冷たいことを言ってしまい,嘘で騙し,何度も何度も陥れて籠絡しようとする。そんな四宮流しかしらないかぐや(氷)はそうーーーーー

 

 

絶望しているんだね

 

会長が好き。愛されたい。会長からキスされたい。

そんな普通の乙女心を持ちながら,白銀御行に優しく接する術を知らない。

 

 

ここな...。

本当にじんわりきますね。望んで出来上がったわけではない氷の社会的仮面ペルソナは自分自身にまで嘘をつこうとする。鍛え上げられた四宮流人格により涙一つ流さないその表情の仮面の下の心では,そんな自分に絶望して涙流していたのであった。

 

またそれを優しく指摘するのがかぐや(アホ)ってところがなんとも言えませんよね。かぐや(氷)とは別に形成された,四宮かぐやの会長に対する純粋な愛情が生み出した無邪気な恋の象徴・かぐや(アホ)は,そんな氷の社会的仮面ペルソナを労るように,優しく包み込むように静かに告げる。すっげぇじんわりきて,本当にかぐやが愛おしくなる

 

 

氷の自分には持っていないもの。優しい気持ち。慈しむ気持ち。会長にその感情を素直に伝えられる自分。 四宮かぐやが後天的に形成した,優しい自分。それはたしかにそこにある。

 

だからこそ。

自己中心的で攻撃的で,嫉妬深くて嘘つきで。他人が怖くて臆病で,それ故に人を傷つけて。これっぽっちも優しくない,そんな自分はもう引っ込みたい。なぜか。

 

 

これ以上会長を傷つけたくない。そんな人を傷つける優しくない人間であるところの自分が表に出ていたら,会長に嫌われてしまう。それだけは耐えられないんだね。

 

大好きで,愛おしくて,そばに居てほしくって。

自分にはない,打算のない優しさを持つそんな輝いて見える人。

 

その人に嫌われてしまったら...そんなことになるくらいなら,この社会的仮面ペルソナなんて消し去りたい。四宮かぐや(氷)の渾身の魂の叫びでしたがーーーーかぐや(アホ)は静かにそれを否定するのであった。

 


 

四宮かぐや(わたしたち)はキスされたい

四宮かぐやはいくつもの社会的仮面ペルソナを持つ。その中には純粋な気持ちで会長に向かい合えるかぐや(アホ)もいれば,そのアホの遺伝子を組み込みながらバランスよく恋愛頭脳戦を繰り広げてきたかぐや(基本形)もいる。

 

彼女たちはその思いを会長に示すことをもはや恐れないし,素直にも優しくもなれる。彼女たちが表に出ていれば,何ら問題はない。そうやって氷の自分を隠してしまえば...醜い自分を隠してしまえば...

 

だがアホはそれを明確に否定するのである。なぜならかぐや(氷)の願いがかなっていないから。会長からキッスをしてもらっていないから

 

それは四宮かぐや(氷)にとっての心残り。殿方からキスをしてもらう,恋とはそうあるべきだという価値観と現状を照らし合わせて上でアホどもを押しのけて浮上してきた社会的仮面ペルソナである。そうやって切り捨てられるくらいならば,最初からかぐや(氷)は表に出てこないのである。

 

そしてそうした四宮かぐや(氷)の気持ちは,アホにとっても基本形にとっても「同じ願い」である。そりゃそうである。氷もアホも皆「四宮かぐや」である。社会的仮面ペルソナとはあくまで対人・状況によって使い分けている仮面に過ぎない。

 

 

白銀御行からキッスされたい,それは全かぐやの宿願なのである!

 

そんなキッスを,面倒くさくて可愛くない「四宮かぐやの半分」に会長がしてくれたなら...そしたら...幸せすぎて死んでしまう。そう「四宮かぐや」は思っているのである。

 

 

 

なんて顔...してやがる...四宮ァ!

 

 この絵が素敵すぎて,こんな状況なのにちょっと幸せな気分になってくるのである。四宮かぐやたちからかぐや(氷)に対する優しいエール。これもまた,四宮かぐやには既に優しさも,可愛らしさもあるという証左なのであろう。

 

四宮かぐや(氷)が背負った業の深さと,そんな彼女の消え去りたいというほどの気持ちの深さと,そんな彼女を認める「四宮かぐや」の内面達の姿を見て感情の起伏のジェットコースターみたいな感じなっている場面からの会長の意識回復。からーの....

 

 

これ。

 

  

畜生!

くっっそ吹いたわ!

 

ずるいよこんなの。「ギャップの赤坂」とわかっていてもこんなの予想していないよ!こんなのってないよ...あんまりだよ...人前で思わず吹き出してしまった俺の立場を返してよ!(ちょ)

 

この後しばらくナッパよろしく「ちっくしょ〜〜〜〜!!」って心の中で叫んでいましたからね。それくらいの衝撃がありましたね。「ヤブ医者が来たわ!」じゃねえよ。ディープインパクト,まさに世界の崩落であります。

 

ここで来ましたか,田沼先生。やっぱりなあ...。病院という段階でそうだろうとはおもっていたんですけれど,ここで来るとは思わないじゃん?「話は聞かせてもらった」って,それは何を聞いていたのよ(笑)

 

救急患者の医師の診断? 病理医ヤ◯デル先生の診断?

もしかしてあれですかーーー? かぐや(氷)の心の葛藤(独り言)ですかーーー!?(YES, YES, YES...)

 

 

最後の最後でズルすぎる。

こんなん笑い転げて続きが気になって,こっちが会長ばりに寝不足になってしまうわ!

 

GW前にぶっこまれた笑いの核弾頭に腹抱えて笑いながら,連休明け令和最初のヤングジャンプを待つしかないじゃない。というわけで,今回の感想はまる。

 

余談

"世界の名医十選"が一,田沼正造先生の活躍は以前の感想記事をどうぞ。

 

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「ヤブ医者」呼ばわりは四宮さん的には仕方がないのかもしれませんが,実際のところ田沼先生の診断は全部あたっていたからね。伊達に世界の名医十選ではないのである。ま,かぐや様の案件については名医でなくても誰でもわかったような気もしますが(笑)

 

しっかしあれかあ。

ここで田沼先生が登場ということは,今度は赤裸々に白銀御行の気持ちが科学で暴かれてしまうというわけですかねえ。それはそれで面白そうではある。

 

加えてかぐや(氷)がその様子をながめているとすれば,思わず会長の気持ちを探れるように策を練って示唆したり,そんな示唆を受けてか田沼先生が会長の気持ちを暴き立てるようなシーンがみられるかもしれない。

瞼の裏にじんわりと浮かんでまいります...会長の気持ちを赤裸々に暴き立てた田沼先生を「あら名医じゃない」とか手のひら返しで褒めるかぐや(氷)さんの姿が...。

 

次。

先程は「話は聞かせてもらった」=「かぐや(氷)の葛藤の独り言」という風に解釈してみましたが,実際のところはどうなんだろうな。基本,氷さんとアホさんの対話は内面の出来事である。人物内討議,まさしく横綱・刃皇の領域展開に相当する。

 

 

いくら田沼先生が世界の名医十選が一といっても,人の心を直接覗けるはずもないので,やはり担ぎ込まれた状況を聞いたというだけのこと,というのが普通の解釈なんだろうなあ。かぐや(氷)がぺらぺら独り言呟いていたって方が構図としては面白いけれど。さて真相はどうなんでしょうか。

 

次。

幼少期のかぐや様の進化形態がなかなかアレな構図なのである。初等部の頃のかぐや様,四宮流教育を受けているときの目がちょっと怖いものの,ある意味教育の成果をまんべんなく発揮して実践できているということなのかもしれない。

 

 

隣で泣いている早坂が哀れですね。ここに四宮家と支配下に置かれた早坂家の素養の違いが見て取れますが,そういう意味では早坂はかぐや様ほど「できない」普通の子だってことなんだよなあ...。

 

彼女こそ「ママに言われて仲良くしているだけ」みたいな気持ちがあっただろうに,ここまでついてきたのは主従関係の縛りのせいか,長年つれそったことによるある種の許容なのか...。まあ従者であるがゆえに,そこ(四宮家レベル)まで高いものを求められていないということなのかもしれませんけれど。

 

次。

今回の思い出ばなしの中で,藤原書記がどうやってお近づきになり,どうして離れていかなかったのかということは語られませんでしたね。

 

中学時代からのお付き合いということですから,かぐや様がそれなりに未必・故意を含めて人を遠ざけていった時代ともかぶるわけです。それでも泣きながら離れていかなかった藤原書記って...ある意味,白銀御行以上に胆力があるんじゃね? すごいな...。

 

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その辺はやはり,「かぐやさんが好き」という藤原書記の特性なんですかね。白銀御行が恋に落ちてしがみついてきたのとはまた別の次元で,四宮かぐやを受け止めて(友人として)愛することができたってことなんでしょうか。

 

 

それはきっと,彼女もまた「自分を持っている人」だからなんでしょうなあ...。

 

最後。

 

病院といえば,翼くん(柏木邪神の彼氏)も医者の息子ということで,以前から田沼先生の血縁ではと噂されています。今回田沼先生が現れたということで,そういうつながりも描かれるのかしらん。

 

文脈的には必須の流れではないので,その件については後日になりそうな気もしますが,クリスマスパーティー前に会長が倒れたとならば翼くんや渚,眞紀が顔を出すってのも有っても良さそうである。

 

と書いたところで,眞紀ちゃんはともかく,ナッギー&翼は二人で朝までベッドを軋ませる作業をしなければならないのでクリパは関係ないのであった。病院のベッドを借用するなら話は別ですが(ちょ) 

 

というわけで再度まる。

 

 

 

藤原書記の活躍は何処へ...

 

 

 

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コミックス

 

  


*画像はヤングジャンプ2019年第21・22号『かぐや様は告らせたい』 136話 ,111話より引用しました。

画像引用は中止しました。