さてと。かぐや様 139話 の感想(かぐ活)です。
まずは実写映画「かぐや様は告らせたい」情報から。追加戦士,もとい追加キャストが公開されました。詳細はツイートのリンク先へ。
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— 映画『かぐや様は告らせたい』公式 (@kaguyasama0906) May 20, 2019
追加キャスト発表
◢#柏木渚/#池間夏海#藤原千花/#浅川梨奈#早坂愛/#堀田真由#翼/#ゆうたろう#白銀の父/#髙嶋政宏#田沼正造/#佐藤二朗#かぐや様は告らせたい#映画かぐや様#若手実力派勢揃い#ベテラン俳優#9月6日公開 pic.twitter.com/vVyJbhqjq7
やはり個人的に気になってしまうのは柏木渚ちゃん役の池間夏海さんですかね。実写映画『ニセコイ』でみんな大好き小野寺さんを演じてくれた絶賛売り出し中の若手女優さんである。
よりにもよって今回のキャストは柏木さんである。
当初お話の題材的にちょろっと出てきた柏木さん,ちょっとかわいい系女子といった様相だったのにいつの間にか指数関数的成長を遂げることに。結果,柏木さんから柏木邪神と呼ばれるまで進化したその経緯は読者も身震えが止まらないでしょう。
キルバーンさんも言っている。彼女は進化する魔人だ...いまきっちり息の根を止めておかないと,眞妃ちゃんが廃人になってしまう!
そんな柏木さん役にですよ。
一部からは「大天使」と呼ばれている小野寺小咲を演じさせた後に,邪神・柏木渚を演じさせるとは...。「柏木クエストⅡ 悪霊の神々」ってやつです。なんつーか,振り幅がものすごいことになっています。おらワックワクしてきたぞ!
そんな映画実写版は9月6日公開。僕も行くから君も行け!(by ス〇パ斎藤)。そんなノリでお友達と一緒に見に行こう。ちなみに僕はヤマカムの山田さんと観に行く予定。楽しみである。
さて,そんな映画実写版について作者の赤坂アカ先生がコメントされております。
何かと実写化には傷つくようなコメントが付いて回る昨今です。
— 赤坂アカ@かぐや様BD&DVD (@akasaka_aka) May 21, 2019
というかこの漫画の実写化が叩かれないわけないんだから、うちのファンにはキャストやスタッフを守ってあげなきゃ位の気持ちで居てくれたら嬉しいです。
原作サイドからは以上になります。
原作者にとってアニメ化も映画化もものすげぇ嬉しいことなんですよ。自分の作品が漫画とは別の形で表現され,広がっていく。これって「凄いこと」だと思いませんか?
オリジナルの漫画を面白く感じるのはファンであったら当然である。そこから派生する様々な作品世界について,その是非をどう思うのかもファンの勝手である。それはそれとして,僕は少なくともアニメも楽しかったし,実写映画も楽しみです。
すべての人が同じ感覚ではないのは当たり前ですから,「こうしろ」「ああしろ」とは一ファンとして思いません。強いて言えば出来上がった作品を食う・食わないは個々の判断だと思う。
なので一ファンとして実写映画に期待したいところというか,みんなに「食ってほしい」と思う部分は『かぐや様は告らせたい』という作品の世界観というか。作品の空気というか。
ラブコメディとして超絶的に面白いあの原作「かぐや様は告らせたい」が持つ「間」というか「空気感」,そこがどのように実写で表現されるかって部分なんですよ。
かつて「のだめカンタービレ」って漫画がゼロ年代にはやったんですけれど,それも実写化されたんですよね。あれは漫画の実写化として大成功の部類だったと思いますが,なぜあの作品が実写で成功したのかというと「のだめ」という世界観をきちんと再現できていたところだったと思うのです。
言い換えれば表現方法が漫画だろうが実写だろうが,面白い部分というのは「そこ」なんだと思います。
作品の持つあの独特の間。テンポよく小気味よいギャップの赤坂空間。そこはかとなくお可愛くおバカな恋の駆け引き。ぼくたちが漫画で面白いと思う作品の空気が感じ取れれば,それは『かぐや様は告らせたい』なんだと思います。
実写映画を観ようと思っている人はぜひそこを「食って」ほしい。一ファンとしてそんな風に思います。
白銀御行はツッコミたい
さて本編。
ウルトラロマンティックな告白からかぐや(氷)の社会的側面の出現,白銀御行の入院を経てついにやってきました「クリスマスイブ」。白銀御行・四宮かぐやにとっても正念場であります。
なんといっても四宮さんの場合面倒くさい家に所属していますからね。正月は京都の本家に行かなければならないということもあり,せっかくの四宮かぐや爆誕祭はともに祝うことができなさそうなスケジュールです。白銀にとっても決めるんだったら「ここだ!ここで決めるんだ!」とまあ松山光君の心境でありましょう。
そんなイブのパーティー会場は以前なし崩し的に了解を得て決定された藤原家であります。表札に彩られた愛犬・ペスのマークがお可愛い,アットホームな邸宅です。
って草ァ!
は?
「まず聞こうか」,は読者のセリフですよ。ここはクリパ会場じゃなかったんですか?
日本を公式に支配する政治家一家の藤原家の豪邸で,闇料理大会・ブルーでも最上位の料理人たちがディナーを振る舞い,ホームバーではバス江がコーラのお湯割りを作る。そんなオシャレで完璧なクリスマスパーチ―は一体どこへ....?
はっはっは...いやいやいや...
さすがは赤坂先生ですね。俺たちが想像しなかったことをやってのける!そこに痺れる憧れるぅ!って奴ですよ。さすが実写版・岸部露伴との誉れも高い赤坂先生である(いや,誰もそうは言っていない)。
誰かー!早く言ってー!早く突っ込んでー!
ありがとうございます。
愛すべき白銀御行君が読者の心の声を代弁してくれました。なぜだ...どうしてこうなった...。
正解は長女のおふざけげきっかけで,藤原家のクリスマスは正月との合併号になってしまったとのこと。分かる。分かるぞ...漫画家先生だって,年末年始のことを想えば「ゆっくり休みたい」というアンサーがでてくるものな! 合併ついでにイベントも合併したくもなるでしょう(違)。
いや駄目だそれは。そいつは「混ぜるな危険」なやつである。クリスマスなのにそこら中に散見される正月感。圭ちゃんが寿司屋の湯飲みで茶すすっているじゃないですか。なんだよもう...落ち着いちゃうじゃないかよ,こんなん。
四宮かぐやは動じない
一方の四宮さんといえば,落ち着いたものである。
考えてみれば,藤原さんとはそこそこの期間の付き合いですからね。この家のクリパが「異教徒の奇祭」みたいなものだということを知っていたのかもしれないなあ...。
とは言えだ。
より本質的なことを言えば,かぐやさんは別に「特別なクリスマス」とか「お洒落なクリスマス」などというものを求めていないんだよね。かぐや(氷)が柏木さんに漏らしたように,特別なものなんていらない。特別扱いならいつも受けているから。
むしろ四宮かぐやにとって切に願っているのは「普通であること」である。...て,いや確かに藤原家の惨状も別の意味で「普通じゃない」んですけれど,高級なものを並べ立てたりとか,形作られた彩りの演出とか,そういうのはノーサンキューなんです。
いま,四宮かぐやが切に願っているのは,「普通の生活」。そんな普通なのに努力の努力で背伸びしちゃっている人である白銀御行が「演じていない」「あるがままの自分」を見せてほしいということです。
だから四宮かぐやは動じない。
はたから見れば狂気のサバトのような「混ぜるな危険」なクリ正月においても,普通であろうとするわけです。好きな人と同じ場所で同じ時間を過ごして。好きな人同士で贈りたいものを贈り合って。
世間一般のどこにでもあるようなそんな他愛もない高校生の恋愛。そんな普通の恋愛を,大好きな会長と過ごしたい。そして御行に強さも弱さも全て見せてほしい。だからこそ,藤原姉妹の凶行も受け流し,会長と自分の世界を作ろうといつもと同じようにその叡智を使おうとする。平常。ごく平常なクリパを楽しもうとしているんですよ。
本当,そんな単純で簡単なことができればいいんですYO...
白銀御行は分からない
だけど白銀御行はそれが分からない。
退院してすぐにいつもように努力の努力に取り組んだわけですが,案の定文化祭のようには行かないわけであります。そりゃそうである。退院したのが23日夜。白銀が準備に使える時間は残り1日である。秋口から用意していた「ウルトラロマンティックな告白」以上の準備なんてできるはずもないのである。
故に,用意できたプレゼントは無難で面白みのないハンカチーフ。その自信のなさからか,他人がつまらないものを用意することを願うくらいの小物感です。だめだこいつ...本当に準備できていない時はとことん小市民である。
で・も・ね!
実は四宮さんが求めているのはまさにソレなんだよ。努力の努力でなんとかしちゃう,ウルトラロマンティックな特別ぅ...はもう貰ったんです。会長の半身から既に美味しく頂いているんです。お代のベロチューまで払って。
むしろ今必要なのはそんなポンコツ野郎の白銀御行なのである。自分のプレゼントの矮小さを誤魔化すために,周囲が反応に困ってしまうような尖ったものを出てくるのを待ちわびるような,そんなちっぽけで弱っちいただの人間,まさにそれが見たいんだから。
ですからアレコレ面倒くさい事は考えなくって良いんです。「素の白銀御行」を見せてやればいい。
萌葉からもらったクリスマスプレゼントの「手錠」。傍から見れば奇人変人の類の一人である藤原千花をして「うちの家族私以外全員ちょっと変)と言わしめし萌葉の手錠を持って
「すっげぇ嬉しい」
と今日一番の癒やされ顔で微笑んじゃうような,ちょっとオカシイ白銀御行をそのまんま見せてやればいいんですよ。
かぐや様はそれでいい。
白銀御行はそれじゃだめ。
そんな思惑の違い,意識ギャップ。そんな繰り返し。
こうなることを折込済で,そっと「本命のクリスマスプレゼント」を贈る四宮さん。普通。どこにでもあるような,そんな等身大の片思い同士の高校生がやるような,秘め事のようなプレゼント交換。なんだよこれ...かぐやさん,めっちゃ可愛いやん。
そこからの「会長は...無いのですか?」がまた等身大で良いですね。会長ならきっと用意しているはず...なのに無い?
自分がそうしたように,地獄の藤原姉妹の妨害を見越してのセーフティネット。四宮かぐやと対等な知能をもつ会長なら...自分に恋している会長なら...そんな期待感がまたいいじゃないですか。お可愛くて。
そんな期待を寄せられて,もう「石上...こんな時どういう顔したらいいのかなあ...」みたいな絶望顔をした白銀御行と。そんな期待に応えてくれて嬉しくてたまらない四宮さんの顔と。めっちゃ対比的ですね。際立っているのである。
だが白銀御行はここでヘタれてしまう。
完璧なウルトラロマンティックをも上回る「特別」を演出しなければならないおもいこんでいるのに。手元にあるブツはハンカチ以前の「鬼おろし」である(推定)。あの,唯我成幸も怠慢先生の家で踏みつけて足を切ったという...
いやこれ,鬼おろしでしょ。
かぐやへのプレゼントを選ぶ中で,高級品も買えず,つまらないものも買えず,思わず手にとって買っちゃったんでしょ?,会長。箱の形といい,適度な大きさといい,鬼おろしにしか見えなくてしょうがないのである。
あかんわ...
女の子に対するクリスマスプレゼントが「鬼おろし」だとしたら,それはもう一生モンのトラウマである。白銀百大やってもうたイベントの筆頭を飾り,かぐや様が玄孫にまで伝えるであろう伝説となる。
無理だ。
白銀御行の征く道に敗北なし。もしそんなことが起きてしまったら,ソレこそ一生頭が上がらない事態である。それだけは断じて避けねばならない。
苦し紛れにぐだぐだと言い訳する姿が最高に見苦しいですね。これこそ四宮さんが見たがっていた,素の白銀御行である。
(黒ウォズ)
祝え!全白銀の力を受け継ぎ,努力の努力で課題を乗り越え,その叡智と失敗をしろしめすポンコツの王者。その名も白銀御行。
また一つ,やらかし案件を展開した瞬間である!
てなもんですよ。
はい。
そこでついに四宮さんキレました。あんなに見たがっていたほのかに弱気でポンコツナス姿を無視してまでの叱責である。本音である。
「わからない人ね
完璧じゃなくても良いと言ってるのよ」
ですよねー。
普通でいいんですよ,普通で。背伸びしていない,素の白銀御行がいいんですよ。それが末代まで笑われるようなポンコツ案件だといって,四宮さんはそんな素の白銀御行が見たいんです。くれるものがたとえ「鬼おろし」であっても(まだ決まっていない)
だって頑張っている白銀御行が,頑張ることができないくらい困っている御行が何とか用意してくれたプレゼント。そのプレゼントが受け取れるだけで,四宮かぐやはとてつもなく幸せなんですから。
というわけで今回の感想はまる。
余談(追記しました)
いろいろ書きたいことはあるんだけれど,時間不足なのではい。後で追記するかも。
とりあえず,今回の四宮かぐやはたしかにベースは「氷」何でしょうけれど,ほとんど素のかぐやとなりつつある状態なんですよね。いつものように策略を巡らせて,いつものように喜怒哀楽を表現する。かぐや氷でもアホでもない,素のかぐやがそこにいるんだよね。
だから今回のタイトルは「かぐや様はこれでいい」なんです。(氷)がつかない今回のタイトル,表情は氷ちゃんでも中身は殆ど「素のかぐや」です。そんなことがタイトルからも窺えますね。
次。
田沼医師が恐れた通り,17の夜にロイヤルスイートで決めている翼くんがそこにいますね。
「ちゃんとして」れば4代目爆誕とはならないはずですが,若さって怖いからなあ...。ついつい先走っての青春の暴走が妊娠,カンパ,退学への「ロード(第2章)」になってしまうというわけですよ...。
しかしそんな事態になれば,さしもの四条眞妃さんも諦めがつくんですかね...。こっちの行く末も気になるところである。
次。
同時進行中のつばめ先輩のクリパの方はえらく真っ当ですが,なんでバーテンダーみたいなことを石上もやってんですかね。妙に二人がお似合いだけれど。
一方で,伊井野さんと小野寺さんも来ているはずなのですが,これ中央左側の髪を下ろした女の子は伊井野さんなのかなあ? 表情は似ていますが,こんな肩出しドレスを着るタイプとも思えないし,となりに立っているモブも誰だお前?て感じですよね(文実の一員だったかな?)
なにより伊井野さんだったらソフトドリンクよりも食い物抱えて食べている方が絵になるんだよなあ...。そこんところがちょいと気になります。
最後。
藤原三姉妹の闇が深いですね。あの藤原千花がまともに見えてくるって,どんだけなのよ...。
まず長女の豊実。
自由奔放な巨乳ギャルである彼女はとにかく破天荒みたいっすね。「クリスマスと正月を混ぜたら面白そう~→もみの木角松」とか狂気の発想でしょ。ノリだけで全世界とかかわっている感がパないです。
こんな子が将来議員とかに立候補してトップ当選しちゃうんだぜ...。「名家・藤原家の後継者は巨乳美人」とか娯楽誌の見出しになるところまで目に浮かびます。
そして三女の萌葉。
前々からヤベー奴であることはバレているわけですが,四宮かぐやと張り合うその姿勢と言い,会長に手錠をはめて拘束したいという発想といい,こいつからもまた猟奇性しか感じない。近づくだけで泣き出すかぐや(氷)と張り合うって,どんだけですか,こいつ。
面白いのは圭ちゃんがそんな萌葉に対して気を許していないというか。普段「うっさいしね!」とか邪険に反抗してしまう兄を心配してガードに走るあたり,意外な兄妹愛がみられたのが収穫である。
そんな不可思議すぎる藤原家に入ると,藤原書記が真っ当に見えてしまう不思議。でもきっちりゲーム(クソゲー?→スコットランドヤードというゲームだそうです)を用意して人格を疑われるプレイをして皆を困惑させる当たり,相変わらずの藤原千花で一安心である。
今は会長とかぐや,石上とつばめ&ミコの動きが気になって仕方がないところですが,そろそろ彼女の本格的な話も見てみたいところである。
というわけで,再度まる。
ポクポクポクポクポクポ...
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*画像はヤングジャンプ2019年第25号『かぐや様は告らせたい』 139話 より引用しました。