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『かぐや様は告らせたい』 第141話 ファーストキッスは終わらない 感想

さてと。かぐや様 141話 の感想(かぐ活)です。

 

「普通でいいなら」

「やっぱこうじゃないのか」

 

特別な演出も,特別なプレゼントもいらない。貴方がそこにいてありのままの姿を見せてくれる。普通の恋人がクリスマスイブの夜に自然に唇を重ねるように,そんな普通の口づけを交わす。ただそれだけなのに,あの二人がついにここまで...という感慨に浸った読者の皆さんも多かったのではないでしょうか。

 

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普通でいいなら

 

 

2週間ぶりの「かぐや様は告らせたい」は,そんな普通のロマンティックのB-SIDE。その時かぐやがどう思っていたのか,というお話です。

 

 

 

 

 


 


 

四宮かぐやは隠さない

なかなかに文章化が難しい感情に洗われる,そんなモノローグから始まる今回のお話。

 

文化祭のウルトラロマンティックな白銀御行からの贈り物は,本当に綺麗で,感動的で。思わずべろちゅーかましてしまうくらいロマンティックな出来事で。そんな会長が作ってくれた特別のロマンティックに酔いしれることもできたのだけれど,どこか感じるもの寂しさがそこにある。

 

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寂しさ

会長が見せてくれたものは会長の半分だけ。自分が相手に見せているのも自分の半分だけ。

 

そんな半身同士の気持ちのつながりでは,本当に結ばれたように思えない。そこにかぐやの寂しさがある。情熱的に,燃え上がるような文化祭でのファーストキッスは,演出の先にあった激情に伴うもの。それは素晴らしかったけれど,それだけでは寂しい。

 

思えば二人の恋愛頭脳戦」はいつもそうだった。

全力で虚勢を張り,全力で相手を陥れ,相手に気持ちを言わせようとする。そんなゲームのような毎日は,毎日起きている事象なのにどこか「作り物」のようになっている。自分の弱みをみせていないから。自分の弱みを見せるのが怖いから。

 

そんな臆病な二人がようやく一歩踏み出せた文化祭の出来事は,二人にとって偉大な飛躍だったのでしょうけれど,このまま本当の自分を隠したままでは結ばれない。だから四宮かぐやは隠さない。

 

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かぐや様は隠さない

 

自分の弱さも相手の弱さも全部見せて,受け入れて。

演じているだけの半分の自分ではない,強さも弱さも全部お互いに受け入れてほしい。「四宮かぐや」を受け入れてほしい。自分も「白銀御行」を受け入れるから。

 

そんな何も隠すことなんてない,四宮かぐやが白銀御行にあげられるロマンティック。そんな「普通のロマンティック」。

 

四宮かぐやが白銀御行と再び唇を交わしたそのキッスは,少し触れるだけの優しいキスで。静かな月明かりの下の公園のベンチで交わされる,どこにでもあるような普通のキッス。でもドキドキする,新鮮で初めてのキッス。

 

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ファーストキッスは終わらない

 

自分の知らない白銀御行を知るたびに感じるであろう,そんな「初めてのキッス」が永遠に続く予感。そんなことを,あの時四宮かぐやは思っていたのでした。

 

四宮かぐやは寄り添いたい

そんな軽く,静かなロマンティックの中で,四宮かぐやと白銀御行にとって大切な話が続きます。

 

ようやくつながれた手を握りしめたまま。

「がんばる自分」「駄目な自分」について白銀御行の葛藤は続く。

 

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やっと,繋がれた手

 

白銀御行は考える。

いま,こうして二人がお互いをさらけ出して気持ちが通じ合ったのは「がんばった自分」がいるから。努力の努力を貫いて,そんな背伸びを精一杯してきたから。そんな自分がいなければ,きっと四宮かぐやと並び立つことは出来なかった。自分はかぐやの運命の人なんかじゃないから。

 

 

そして四宮かぐやも考える

 いま,こうして二人がお互いをさらけ出して気持ちが通じ合ったのは「愛されようとする自分」がいるから。自分の本質のどこかにある,合理的で打算的で,傷つくことが怖くて相手を傷つけてしまうような側面を隠そうとして。優しくなったことがない人間が,優しくあろうと努力して。そんな自分がいなければ,きっと白銀御行と並び立つことは出来なかった。自分は御行の運命の人なんかじゃなかったから。

 

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手を伸ばせば

 

「人は愛されたいと望むから背伸びをする」

「私たちはお互いに背伸びをして 一歩ずつ歩み寄って 手を伸ばし合ったから」

「今こうやって手を重ねているのだと思っています」

 

月に手を伸ばしたその手を再びおろしながら,今度はかぐやから御行の手を握りしめる。そんな仕草に二人の歩み寄り,手を伸ばしたが故の「今」が感じられます。

 

 

だから白銀御行は考える

二人がこの先一緒にいるためには,これまで同様に倒れそうになるくらいまで頑張って背伸びしなければならない。

きっとそれは「そのとおり」なんでしょう。立場が違う。才能が違う。努力して初めて並び立つことができた人だからこそ,この先も一生懸命がんばってしまうのだろう。それはかぐやも分かっている。「そんな白銀御行」もかぐやは好きなのだから。

 

 

けれど四宮かぐやは考える

いつも全力ではなくってもいい。ぽっきりと折れそうなとき。疲れたとき。そんなときは少しだけ一緒に休みたい

 

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疲れたときは休んでいい

 

強がりをやめて。寄り添い支えあう。

倒れそうな時は側にいて,二人で力を重ねあう。

 

 

冷たい掌も二人で重ねあえば温かいように,そんな普通のお付き合い。自分の強さも弱さも見せあえる,お互いがお互いを支えあう普通の恋人同士。そんな風にかぐやはなりたい。

 

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「付き合う」ということ

 

四宮かぐやはお可愛い

そんなかぐやの言葉に,頑なに自分の弱い部分,醜い部分を見せようとしなった御行の心が解けていく。

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支えあえば...

そんなちっぽけで弱っちい部分も含めて自分を好きになってくれる。そんなロマンチックなかぐやの想い。ここまでひたすらに気持ちを隠しあい,化かしあいを続けてきたとは思えないくらい素直な四宮かぐやがとってもお可愛い。

 

 

 

...からーのこれ

 

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告白...電話...うっ,頭が...!

 

ふう。

やっと力が抜けましたぜ,旦那。こんなポエミーな感想を延々と書く方もお恥ずかしいんですよ!言わせんなよ,恥ずかしい...。

 

こういう時,本当に藤原って便利だよねぇ。電話一本で空気を換えちゃうんだもの。告白前の電話は悪い電話。告白後の電話は許される電話。藤原千花は美味しいところを持って行った...。

ていうか,このかぐやの着信音,最初「笑点のテーマ」かと思ったよ(んなわけねぇだろ)。時々いるよね,電車内でいきなり笑点のテーマ鳴らしちゃう奴...。

 

 

でもいいんです。

こういうの,付き合っているカップルだったら普通にあることでしょ。ちょっといいムードだった時,いきなり水を差されることなんてさ。

 

 

普通。それでいい。

特別な日常を過ごしている四宮かぐやだからこそ,普通に憧れる。

 

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普通に憧れる特別な人

 

自由に笑ったり泣いたり叫んだり。そんな感情に赴くままに振舞える可愛い人間

人を疑ったり嵌めたりするのではなく,無条件に人に優しくできる人間

 

そんな普通の人間になりたい。

遠い昔,四宮流育成術の過程で切り捨ててしまったかもしれない,「あったかもしれない普通の自分」になりたい。可愛くなりたい。あの優しい人たちと同じように。普通にお話して,普通に笑いあって,普通に恋をする。そんな自分になりたい。

 

会長がくれた普通のクリスマスプレゼント。そんなプレゼントの中に敷かれていた布地は一級品と言えども単なる布地に過ぎないけれど,そんな何気ないものでも嬉しい。そんな何気ない物でもその身にまとえばお可愛い。

 

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お可愛いこと...!

 

奇跡的存在!マリアージュ!

 

 

好きな人のちょっとした誉め言葉にとてつもなく揺れ動く乙女心。そんな乙女心も再び結ばれた四宮かぐやのその表情も最高にお可愛い「普通のロマンティック」な夜でした。まる。 

 

余談

というわけで,ついに「四宮かぐや(氷)」編も終了ということに相成ったわけですが...。

 

最後にきて脳内頭脳戦の仕組みを解説してくれる赤坂先生が優しい。

 

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かぐや(猫娘バージョン)←違


 

ていうか,みんな分かっているんだろうけれど,時々よく分からないという人もいるのでしょうからの最後の解説かな。

結局のところこれはあくまで揺れる心のデフォルメ。同じ人物の中にいろんな社会的側面があるように,そんな心の揺れ動きを漫画的に表現しただけのものだったということで。みんな分かっていたと思うけれどな!

 

 

さて,再び髪を結び,これまでの四宮かぐやのような風貌には戻りましたけれど,やはりこれまでの「かぐや」とはちょっと違うのでしょうね。

 

可愛くありたいというかぐやがいる。同時に冷静で合理的なかぐやもそこにいる。優しくありたいというかぐやもいれば,負けず嫌いなかぐやもいる。いろんなかぐやの内面を包み隠さず白銀御行に見せられるかぐや。「本当のかぐや」がこれからは描かれていくのでしょうね。

 

同様に,白銀御行についてもこれまでどおり頑張るのでしょうけれど,時にふっと力を抜いたり,かぐやに甘えたりすることあるのでしょう。この先,白銀御行が通る道はいばらの道でしょうけれど,そんな過程でも二人で頑張り,時に寄り添いあい,支えあう。そんな二人が見られると思うとニヤリングが止まりませんね。

 

 

さてこぼれ話

かぐやにとって「普通の女の子」の象徴が藤原千花というのは意外でもあり,また当然でもあるのかもしれない。なるほど,ちょっと素っ頓狂でイカレたところもありますけれど,彼女はとにかく「素直」です。自分の感情の赴くままに表現し,行動する。

 

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かぐやの象徴たち

そんな自由奔放な象徴が藤原千花だったんですねえ。

なるほど。どんな風にふるまっても決してそばを離れなかった藤原千花もまた,自由と優しさの象徴だったんでしょうなあ...。二人が「友達」であり続けてきたのも頷けるのである。

 

ま,こんな奴なんですけれどね(ちょ)

www.youtube.com

 

 

次。

その藤原書記からの電話でいっていた「ドブル」って何?と思ったので調べてみました。

 

hobbyjapan.co.jp

 

ほほう。おフランス生まれのボードゲームですか...

そんなんあるんだ。思わず欲しくなっちゃいますね。当然緒方理珠の家にはあるのでしょうが,僕も買って今度オフ会に持っていこうかな...とか思ったり。

 

 

最後。

 

会長の冬休みを一日ください,というかぐやがお可愛い。なんだよ...夏休みはあんなんだったのに...素直でお可愛いじゃないか。自分から「デート」に誘ってさ。

 

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かぐや様は伝えたい

 

そんなかぐやの言う「ちゃんと言葉にしたい事」とはやはり改めての告白ということなのか。あるいはかぐやが抱える様々な問題なのか。「好き」という言葉は流れでお互いに言いあったけれども,きちんとした言葉としては伝えきれていない。

 

契約主義者でもある四宮かぐやにとって,「言葉にすること」は大きな意味を持つ。頬を染める優しい表情と向こうに何を想うのか。楽しみとドキドキが重なり合うのであった。

 

というわけで,再度まる。

 

 

お礼ー「かぐや様は告らせたい」について

毎回新鮮な驚きと笑いとドキドキを与えてくれる作者の赤坂アカ先生に感謝申し上げたい。素晴らしい作品をいつもありがとうございます。

 

お体に気を付けて,先生の描かれたいお話を描いていただければ一読者として嬉しく思います。これからも楽しみにしております。

 

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コミックス

 


*画像はヤングジャンプ2019年第28号『かぐや様は告らせたい』 141話 ,140話より引用しました。