さてと。かぐや様 149話 の感想(かぐ活)です。
衝撃の文化祭,そしてクリスマスにかわされた「普通の恋」への想い。ついにお互いの気持が通じあったようにみえる四宮かぐやと白銀御行ですが,かぐやにはまだ伝えたいことがある。
周囲の喧騒をよそにこれから一歩ずつ進んでいかなければならない二人に一体全体何が起きたのか。時間は12月27日に戻り約束の「デート」の日と相成ったわけであります。
しかしあれですね。
今回のタイトルもまた意味深である。「かぐや様は」で途切れている。通常であればこここに「〜たい」となるわけですが,それが略されている。ここから先は何が当てはまるのか。この特殊シリーズを終えた時,読者にそれがわかる。そんな仕掛けなのかもしれない。
四宮かぐやはデートしたい
というわけでデートです。
なかなか感慨深いですね...。相手から告白させることに全力の駆け引きをしてきた二人が,駆け引きなく「普通に」待ち合わせしてデートしている。いや,好き会っている二人なら当然のことなんですが,この二人だとその事自体が「奇跡」のように思えてきますからね。読者として訓練されすぎているのかもしれない。
そんなデートの待ち合わせ,初手から飛ばしてますね...。デートだって当然制服で来るだろうと思っていた四宮かぐやと,かつてなけなしの金をはたいて用意した私服を着てきた白銀御行。お互いの気遣いが生み出したすれ違いなんだよなあ...。
みてのとおり白銀の服装は中等部の文化祭を見学する際に,白銀家がその財力を結集して用意した「無難コーデ」である。同じ服ということなかれ。そこには数年分の圭ちゃんのお年玉やら記念硬貨が化けて実現した奇跡のコーデである。12月27日にしては寒そうなその格好は白銀家の総戦力が投入されているのである。
それはすべて「四宮かぐやとデートする」ために再び着ることになったのですから,その重みを軽んじてはいけないのである。
一方の四宮かぐやはいついかなる時も学ランである白銀御行を気遣っての制服コーデである。白銀御行の最高級品が純金飾緒を備えし秀知院の制服であることは明らかであり,会長はその選択肢「しか」無いと読んでいたからこその制服コーデである。
そこには相手に対する気遣いが確かに存在するわけで,その重みを軽んじてはいけないのである。
からの御行のこのセリフが乙女心をくすぐりますね。特別な日だからこそ,特別なコーデで応えようとする。白銀御行とかぐやのデート,初手は合格点である。
白銀御行はつなぎたい
そんな初々しい生まれたてカップルにとって大問題は「初デートでどこまで許されるのか問題」である。ぶっちゃけた話ベロチューまでしているわけですから,そこは悩まなくても良い気がするが,そこで葛藤が生まれてこその白銀御行である。
って...そうはならんだろ!
既に思いは通じ合っていますしキッスまで済ませているじゃん。なぜそこでその妄想を繰り広げる...? 長年の恋愛頭脳戦の弊害,ここに極まれりですね。ここまできて四宮かぐやがそういう反応をするわけないというのは自明のような気がするのですが,それは...。
そういえば結局,白銀御行が「お可愛い」という言葉を死ぬほど恐れる理由はまだ明らかになっていませんよね...。その辺は1年生・夏 以降のエピソードで描かれるのかな,とか思ったり。
閑話休題。
そこからリカバリーがなかなかにどうしてよ。男女交際のために必要な「理由」と「ストーリー性」を紡ぎ出すために秀知院学園最高峰のその知力は存在する! 故にこのロジックは完璧! これは「初デートにあらず」と自分の中で納得できれば,それは良いのである!
「手を繋ごうぜ」「ウェーイ!」ですべてを決定できる陽キャ軍団もびっくりな強引なロジックです。しかしそれはそれ,もう一方の当事者である四宮かぐやもまたその類まれなる記憶力から記憶を掘り出してきて「初デートで手つなぎはOK?→オケマル水産!」のロジックを完成させるあたり抜かりはないのであった。
うん。まあ傍から見ると「恋愛頭脳戦の癖が抜けとらんなー」と思わなくもないですが,仕方がないね。つい先日まで毎日が恋の戦争だったわけですし。おすし。
ていうかね。普通にそれは嬉しいし。
ここで駆け引きなく,素直に喜べるところに成長を感じますね...。お可愛いじゃねぇか...(オルガ)
四宮かぐやもつなぎたい
だがそんな夢のような時間は「はい,終了!」。
あー...ありますね。あるある。僕もこうやって手を離しちゃって怒られましたよ。そういう時は女性を自分の方に引き寄せて譲り合ってすれ違うべきだって。
しかし今日の四宮かぐやはそういうレスポンスではなく,自らの欲求に素直なのであった。
はい,可愛い!
四宮さんもお可愛いことながら,白銀御行のこの反応である。お可愛いじゃねぇか...(オルガ)
なんというか,今日の二人はやっぱりいつもと違うよなー。これが想いが繋がりあった証なんだろうか。いつもだったら余計なことを考えて踏み出せないことが,実に抵抗なくスムーズに行うことができる。
それは言い換えれば「素直である」ということでもあるし,「自分の気持ちに率直である」という証なのかもしれない。見ていてこっちがむず痒いくらいお可愛い。
そんな二人のデートの場は映画である。連載開始当初に駆け引きの結果行くことになった映画の思い出。手をつなぎたい白銀御行が強引に「初めてのデート」という既成事実を作りに行っていますが,列違いの映画視聴というちょっと悲しい結末でしたよね...。お互いが駆け引きに奔走した結果生じたディスコミュニケーションの悲劇である。
そんなほろ苦い思い出を打ち消すようにG12とG13を指定する四宮さん。あの時やらかした二人の時間を取り戻すように,かつて会長が指定した席をとりにいく。その表情がとっても良いんだ...。これが「約束された勝利の黒髪ヒロイン」の表情というやつか...。
四宮かぐやは伝えたい
と褒めたのもつかの間,あっという間に元の妄想モードに戻る辺り「発展途上」感がありますけれど。まあこの二人に限らず,付き合い始めとはそういうものかもしれない。距離感を図りつつ,どこまで詰めていくか。そう,やはり恋愛は戦なのである!
四宮かぐやにとって今回のデートの目的は単に会長とイチャコラするだけにあらず!
いや,そりゃ手を繋げば嬉しいし,一緒に映画を見られれば嬉しいし,これが何回目のデート7日その積み重ねを考えるのも楽しい。一方で,まだその段階には早いという恋のABCクッキングの手順も気になってドッキドキである。そうなんだけれど...
それ以前にやらなければならないことがあるんです。
「ちゃんと言葉にしたいことがある」
それは何でしょう?
二人の間で通じ合っているけれど,ちゃんと言葉になっていないこと。どさくさ紛れではなく,きちんと目と目を合わせて言葉にしなければならないこと。それはなにか。
これはやっぱり「好き」という言葉のような気もしますし,あるいは「付き合う」ということを明確に言語化することかもしれませんんけれど。かぐや様は契約主義者らしいから...。
でもやっぱりどさくさに言ってのけた「好き」という気持ちそのものをしっかり言葉にしなければ駄目だと思うんだよなあ。この二人は。
言葉にして相手に伝えられなかったからこそ,ここまで引きずった恋愛頭脳戦。傍目にも当人にも自明に見えた相思相愛の関係が,ここまでずるずると引きづられてこなかったのは「好き」という気持ちを言葉にして相手に伝えてこなかったからです。相手に拒絶されるのが怖かったから。自分に自信が無かったから。
でも今は違います。
相手に拒絶されることもない。自身を失う必要もない。お互いが相手を想い,今日この日のデートがここにある。積み重ねられてきた二人の「恋愛頭脳戦」における積み重ねは,決して無駄ではなかったのである!
だからこそ,だから故,「好き」という気持ちは言葉にして伝えなければならないのである。言葉には意味がある。口に出して告げるからこそ伝わる本当の気持ち。確かな愛の印。好きだからこそ「好き」という言葉を相手に伝えなければならない。
四宮かぐやの言うところの「契約主義」とはまさにそのことで,言葉にして出されたことは「絶対に守られること」なのである。それほどまでに重みをもつからこそ,四宮かぐやは伝えたい。
今日この日,「好き」という想いを言葉に乗せて白銀御行に伝えたい...だが...しかし...。
暗転する世界。
エントランスに世界の破壊者
おのれ
フジワラァァァ !この世界もまた破壊されてしまうのか?
と叫びたくなるような四宮かぐやの表情が痛々しくも笑えます。さらに西エリアには
何かに呪われているのかという試練を赤坂先生は四宮かぐやに与える。
この結果はどうなるのか読者は既に知っているわけですが,それはさておき姐さんピンチである。ていうかアレでしょ。次回は150話で巻頭カラーですし。これ,来週はこいつら全員で実写版「桃ちゃんは考えない(桃缶)」を見るんでしょ。
だってそれしか逃れる術はないもんなあ...。入り口,東西エリアを抑えられている以上,できることは「もう一度映画館に逃げ込む」それだけである。次回,四宮かぐやが急遽「この映画も見たかったんです!」と桃缶を見るために避難するも,全員が同じ映画を見に来てしまう。あると思います!
だって映画「かぐや様は告らせたい」も封切られるんだもんなあ。コラボして盛り上げにかからないはずがないと思うんだけれど。
とりあえず僕の予想が当たることを祈念して,せっかくだから皆も映画を見にいくことにしましょう。映画館で僕と握手!(違)
というわけでまる。
【追記】2019/08/22
コメントいただいたとおり,作中で「桃缶」の実写化についてミドジャンで告知されているのは文化祭直後なんですよね。となるとさすがに12/27のタイミングで「桃缶」実写版が上映されるというのは難しそう。
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ミドジャンの告知が「近日上映」という趣旨だったのだとすればワンチャンありますけれど,どうかなー。再来週の結果が気になります。
余談
一応ここまで会長とかぐや様のデートは「言葉に出したとおり」進んでいるんだよなあ。1回目のデートで手をつなぎ。3回目のデートまでにキスをする。実際にはかぐやの中で色んなご都合が働いているわけで(1回目のデートの意味がすり替わっている),そうじゃないんだけれどかぐやの主観的にには言葉通り進行しているように見えます。
しかしそうするとどうなるのだろうか。
かつて会長は5回目のデートで「ヤる」と言っていましたけれど,この二人が本当にそんな関係になるのかしら。ちょっと想像も付きませんけれどね。青年誌のくせにパンツ一枚見せない漫画ですし。おすし。
まあ「教え込めば夜も凄い」四宮さんですから,最終的にはそうなってもおかしくはないんですけれど,そこはそれ本作品の作中でそういう展開は描かれないような気がするんだよなあ...。たぶん読者もそんなにそれを求めていないだろうし,なにより赤坂先生がそれを描くつもりはないんだろうなという気がしますし。
ま,それはそれとしてそんな妄想で右往左往する四宮さんがお可愛かったということで良いのでしょう。そんな初心な乙女の四宮かぐやさんのお可愛らしさを確認したということで,再度まる。
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*画像はヤングジャンプ2019年第38号『かぐや様は告らせたい』 149話,同140話 より引用しました。
画像引用は中止しました。