現実逃避 - hatena

「かぐや様は告らせたい」の感想を書いている漫画感想ブログ

『かぐや様は告らせたい』第169話 早坂愛のモーニングルーティン 感想 : だけど信じてる 信じてる どうか信じさせて

さてと。 かぐや様は告らせたい 169話 の感想(かぐ活)です。

 

修学旅行&石上デート編という,かぐや様史上最大の二正面作戦に突入した「かぐや様は告らせたい」。先週は石上のデートの行く末が気になる大仏こばちの暗躍で幕引きとなり,そっちの方もごっつぅ気になるところなんですけれど,今回はもう一つの主題である修学旅行編,そのフロントラインとなる早坂の話となります。

 

 

 

京都本邸の母からのメールにより,かぐやのお付き人「解任」が決定した早坂愛。かぐや視点から見れば,幼少の頃からの欠かせない付き人であり,姉であり,友人でもあった早坂解任というのは大事件である。

 

解任の事実をかぐやに告げる直前で前回は引きとなっているわけですが,その背景にある早坂の想いは...そしてかぐやは...という今回のお話。

 

 

 

最新コミックス 

かぐや様は告らせたい 17 ~天才たちの恋愛頭脳戦~ (ヤングジャンプコミックス)

かぐや様は告らせたい 17 ~天才たちの恋愛頭脳戦~ (ヤングジャンプコミックス)

  • 作者:赤坂 アカ
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2020/01/17
  • メディア: コミック
 

 

 

 

 

早坂愛のモーニングルーティン

今回はその付き人を解任された早坂愛の日常を振り返るところから始まります。ルーティーンじゃなくてルーティン。繰り返し繰り返し行われる日常生活のことである。

 

日頃我々が眼にする早坂は,かぐやのお守りとしてしょうもない悩みにつきあったり,主の気まぐれを満足させるために献策したりという部分が大きいわけです。しかしながらそれは早坂の生活のごく一部分に過ぎない

 

今回明らかになった早坂の日常で言えば,我々読者が見てきたのはそのほんの一部分。早坂が見えないところで一日頑張り抜いて,その一日の最後の直前に繰り広げられる仮想的な姉として,友として接する時間に過ぎなかったわけである。

 

それにしても,これは酷い。

朝5時に起床し,6時からフル稼働。主人とズレ登校した後は学業をこなしつつ,バックグラウンドで蓄積されていく予定のタスクスケジューリングを行う。下校時はすでに高校生としてではなく最長使用人として家政をとりしきり,かぐやの「公的業務」を支える。我々が眼にするかぐやとの戯けた時間は21時過ぎ。ブラックもブラック,超ブラック企業じゃねぇか,こんなの。

 

 

 

毎日15時間労働!その後にかぐやのしょうもない話を聞いてあげたり,マウント話を付き合うという苦行をこなす。23時にはもうくたくたである。それを十数年間!児童労働とか長時間労働とかそういったレベルじゃない。「搾取」としか言いようがない人生をずっと歩んできたわけですね。

 

 

いやね。

今回の「解任」の話って,ぶっちゃけ本家筋の思惑が強いんだと思っていたわけですよ。(いや,実際にそうなのかも知れないけれど。) 例えば,最近秘密裏に会長とお付き合いを始めたことや,スタンフォードに留学を考えていることなど,四宮雁庵を始め本家筋と対立するような行動を取るかぐやに対し,その「防護壁」たる早坂愛を排除しようとする動きなんじゃないかと思ってね。

 

でもこんな仕事内容を見たらそんなんじゃないんじゃないかって思えてきた。気が狂いそうに成るハードワーク。それをこなせる程度の優秀な頭脳と才能。早坂愛とて四宮家と争えた程度の早坂家の息女である。無能なはずがない。

 

それが考えることを停止したがごとく働きづつける毎日。ルーティンワークと言うけれど,これは本当にそうである。仕事に疑問を持っては駄目。何か考えてしまっては駄目。立ち止まった瞬間全てが崩壊しそうな毎日ですよ。まさしく,早坂愛は自分を殺して毎日仕事の流れに身を任せ,十数年過ごしてきたに違いない。

 

そんな早坂が唯一感情を見せられるのが朝のシャワーを浴びている一時である。

信頼される長年のバディであり,主を支える従者であり,時にかぐやを見守る姉のようであり,同級生の友達のようであり...そして四宮本家のスパイであり。

 

 

 

うむ。

四宮かぐやの「約束」にある,秘密を漏らさない者しか信じないという強固な信念。その厳格な基準に表向きは完璧に従ってかぐやの信用を得つつも,与えられたその役割はかぐやの秘密を本家に伝達する「監視者」なのであった。

 

 

思わず背筋が凍りますね。

かぐやから寄せられた圧倒的な信頼と裏腹に与えられている裏切りの役割。どんな精神をしていればそれに耐え続けられるのか。否,考えてしまったらそこで終わりである。だからこそ早坂愛は一日の最後がすぎるまで,その一つのルーティンワークをやり遂げるのである。

 

しかしそんな早坂の唯一のプライベートの時間,仕事に入るまでの準備時間でありプライバシーが保証されている時間,そんなシャワーを浴びる瞬間には溢れ出す罪悪感で涙を流す。

 

 

長く,深く,四宮かぐやと繋がってきたからこその恐るべき秘密。四宮かぐやの信じるものから最も遠い行為である主への裏切りをタスクとされた十数年間,毎日のように泣き続けてきたのだ。それが早坂愛のモーニングルーティン

 

 

早坂愛は......

こんな重いものを背負い続けた十数年間である。どれだけ辛く苦しい時間だったことか。

 

単に労働という肉体的頭脳的疲労だけではなく,信頼されているものを裏切り続けるという精神的ストレスは前者の比ではあるまい!そりゃあ,いろんなものをプレスで潰す動画とか見まくりたくもなるわ。やめて!早坂愛のライフはもう0よ!を十数年間続けてきたのだから。

 

 

そう考えると,今回の「解任」は早坂にとってそんなに悪い話ではないのかも知れない。偽りの自分を,主を裏切り続けている苦悩をもう味合わないで済むのである。解任の連絡をくれたのは早坂母でしたけれど,これは単に「早坂がガードしていると本家に真相が伝わらない」とかそういうのを懸念した行動じゃないとわかります。

 

 

ある意味早坂にとっては開放である。

これで主殺しの直接的責任を負うこと無く,(従属者であることは変わらないにせよ)一人の早坂愛として四宮かぐやと接することができる。それも,四宮さんの間諜をしていた秘密がばれなければの話ですが。

 

 

だがなあ...。

四宮かぐやにとってはそういうわけにはいかないんだよなあ。

 

幼い頃より二人三脚でここまで歩んできた近侍にして最強のバディである早坂。それを失うことは,頼れる従者と精神的な姉と友人をいっぺんに失うことにほかならない。ただですら味方の少ないかぐやである。早坂の喪失は白銀御行の喪失に比する大事件である。

 

 

だからこそ,これまで絶対にその関係をひた隠しにし続けてきたにも関わらず,堂々と,衆目の前で早坂愛の袖を握り続けるのである。幼い子供が母や姉の袖をギュッと掴んで離さないように。四宮かぐやにとって,早坂愛は体面とかこれまで演じてきたロールプレイとか関係なく,失うわけにはいかない存在なのである。

 

そんな甘ったれな,友人であり妹であり主でもある四宮かぐやの「手を振りほどく」こと。それが早坂愛の最後の仕事。

 

 

むう。これはつ令和。もとい,辛いわ

四宮かぐやの手を振りほどくのは簡単である。これまで自分がしてきたことを滔々と述べるだけでいい。自らの秘密を本家にペラペラ喋り続けたことを明らかにすれば,四宮かぐやの「絶対の約束」によってかぐやは早坂を手放すしか無い。

 

しかしその時には,二度と早坂愛は四宮かぐやと交わることはない。二度と信じられず,言葉をかわすことも,ともに時間を過ごすこともできない。それ以前と同様の関係は構築できないのである。それは早坂にとっても,かぐやにとっても悲劇であろう。

 

関連記事

ayumie.hatenablog.com

 

  

 

四宮かぐやは......

しかし,どうなんだろうね。

早坂視点ではそうなるわけですけれど,実際問題どうなのかっては何とも言えないところなのである。

 

なまじ十数年間もの長い間付き合ってきたかぐやと早坂である。そして忘れてはならないのは,四宮かぐやは「天才」だということである。いかに早坂が聡明であるといっても,能力的には常にかぐやが上にある。

 

 

そんなかぐやがですよ。

早坂愛のルーティーンワークに気づいていない...などということがあるだろうか

 

 

四宮かぐやなら早坂の裏の仕事にも絶対に気づく。あの猜疑心つよいかぐやである。人を見たら使え,疑えの世界で生きてきて,早坂を無条件に許容するなどといったことがあるとは思えない。

 

当然,早坂に対しては「本家に漏れても構わない話」をするのである。「本家に漏れては困る話」は偽りの情報を入れて話すのである。実際,かぐやはそうやって親友をテストしてきたではないか。逆に,自分の「偽りの情報」がきちんと本家に伝わっていれば,早坂愛の誠実性が担保されるということである。早坂愛は嘘を言わないことが証明できるからである。

 

我々読者視点ではアホの子としか思えない間抜け面を見せることも多いですが,基本的に四宮かぐやは「天才」である。いずれは兄も雁庵も出し抜こうとしているのである。早坂の間諜行為など折込済で行動してるに違いないんだよなあ...。

 

 



だから早坂がその手を振りほどこうとしても,きっとかぐやは離さない

早坂がその毎朝のルーティーンで涙してきたのと同様に,自分もまた早坂愛という最も信用できる従者であり姉であり友である早坂を欺いてきたのだとしたら「お互い様」である。

 

そんなかぐやの強い想い,早坂の想いが明らかになった時,二人の関係はより強固となって結ばれるのではないか。どん底から救済へもってくる「ギャップの赤坂技法」を考慮に入れてもそんな未来があるのではないかと思いました。まる。

 

 

 

余談:「かぐや様」コソコソ話 in 169話

 

以前,ハーサカとして会長対面した際に早坂は自分の仕事を「四宮家の意向でかぐや様の身辺を調査しろと言われているんです」といっていましたね。

 

 関連記事

ayumie.hatenablog.com

 

 

 

これは「本当の自分を見せる」といった文脈から白銀に話された内容だったわけですが,もじどおり早坂愛のルーティーンそのものをはっきりと伝えていたんですね。「本当の自分を見せる」という早坂の言葉に偽りはなかった。このへんの整合性に感心します。

 

 

さて,こぼれ話。

「生徒会室はプライベート」とありましたが,この時間があるからこそかぐやは早坂に対して「秘密」がもてるんだよなあ。「生徒会室の時間」はかぐやが早坂の監視を逃れる時間でもある。同時に,早坂愛にとっての休息時間でもある。

 

かぐやにとっては自由気ままに振る舞える時間であり,早坂にとっては主人を監視しなくて良い時間。双方の精神衛生上貴重な時間であろう。そんな時間があるからこそ,四宮かぐやは「秘密」を持てる。早坂に対しても,本家に対しても。

 

だから,もし四宮かぐやが白銀御行との恋に関する「核心の部分」は生徒会室で完結しているならば,存外本家には知られていない部分も多いのかも知れない。もしかぐやが寝室でペラペラと喋っていなければ(あちゃー)

  

 

この辺がよく分からないところなんですけれど。

ぶっちゃけ,早坂がこの時間をどう思っているのか。また,四宮さんがどこまでコントロールできているのかは不明である。そこは「アホの子の中にも天才あり!」の精神であってほしいのですが。

 

そんな京都修学旅行,おそらく早坂道祖土の話は序盤の序盤にすぎない印象がありますが,この先予想(妄想)のように展開していくのか,より大きな波乱に巻き込まれていくのか。先々の展開が楽しみなのである。再度まる


  

現実逃避のご案内

Google検索で記事が出なくなったら、検索語に「現実逃避」を付け足すと見つかりやすいです。(もっと簡単なのはブックマーク登録。これを機会によろしくお願いします)
はてなブックマーク→このエントリーをはてなブックマークに追加

 

 

   

 

 

最新コミックスなど

かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~ 17 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)

かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~ 17 (ヤングジャンプコミックスDIGITAL)

  • 作者:赤坂アカ
  • 出版社/メーカー: 集英社
  • 発売日: 2020/01/17
  • メディア: Kindle版
 

 


*画像引用は中止しました。