現実逃避

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「かぐや様は告らせたい」の感想を書いている漫画感想ブログ

『かぐや様は告らせたい』第174話 早坂愛の友達③ 感想 : 私達の関係は罪悪感を中心に回っている

さてと。 かぐや様は告らせたい 174話 の感想(かぐ活)です。

 

久々に0時更新じゃないかぐや様感想です。既に皆様方御存知の通り,コロナウイルスが社会を席巻しており,つい昨日には緊急事態宣言が出されています。僕も仕事は家でやって,外出は避けている状況です。なにせジャンプ編集部ですらコロナウイルス感染という事案が発生したくらいですからね。(編集者,漫画家の皆様,関係者の皆様が健康であることを祈ります)

 

そんなわけで今回は「早売り」が買えませんでした。基本的に僕は早売り買って,漫画感想は漫画の正式配信時間の直後に公開していますが,今回はどうにもならなかったです。ちなみに最速感想にこだわっているのは,誰も感想を書いていない状況で無人の雪原に足を踏み入れるような,「ファースト」な気分で感想を書きたいからなんですが,物がなければ読めないし感想も書きようがないですからね。ま,しょうがないですね。

 

おかげさまで久しぶりにヤングジャンプを他の方と同様に配信直後に読みながらかぐや様を堪能いたしました。今回もなかなか盛り沢山ですね。というわけで,遅れ馳せですが感想です。

 

  

 

  

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母の七回忌における会話にみる早坂の「友達」認識

というわけで今回のお話ですが,この一連のシリーズのメインテーマである「友達とはなにか」というのが174話も貫かれてしましたね。

 

  • 母の七回忌におけるかぐやと早坂の会話
  • かぐやによる「早坂との思い出の場所」めぐり
  • 白銀御行と早坂の逃避行

 

いずれの場面においても主題は「友達とはなにか?」です。

肝心の早坂愛自身は友達というものに何の幻想も抱いていなくて,自身は友達を有するに値しないと言わんばかりの態度で振る舞っています。前回,同じ班の女の子に対しても情報収集のための利害関係といった表現をしていたのはその代表例です。

 

でもなぜ彼女はそんなふうに思うのでしょう?というのは今回のお話を読んでも明確に示されています。追って見ていきましょう。

 

 

母の七回忌で涙する四宮かぐや。そこでかぐやが妾の子であることが明らかにされました。まあ最初からそんな空気は漂わせていましたが,立場が弱いというのは単に末っ子の女子というだけではなく,やはり出自の弱さにあったんですね。 母である名夜竹さんは妾じゃったか...。

 

まあそうだろうなあ。

何も期待しない絶望した目の持ち主。望まぬ相手との子どもを産んだのであれば,そんなうつろな気持ちにもなるわな。かぐやの「はれものを触るような扱い」ともマッチする。四宮との唯一のつながりが死別によって切れたので,かぐやの立場が弱くなったというのはそのとおりなんでしょう。

 

そんな悲しい出来事に関連して,例の「秘密を守る人しか友達とみなさない」というかぐやの絶対ルールが誕生します。その場に早坂もいたというのはなかなかの因果である。「秘密を守る人としか友達にならない」と誓うかぐやに同意する幼き早坂。この「そんな人は許されてはいけないんです」という虚ろな目がすべてを物語っていますよね。

  

 

早坂は己を知っているわけです。

後で出てくる「旦那様」の指示により,かぐやの一挙一動を報告する毎日が義務付けられる。早坂はかぐやと出会ったその日から,四宮かぐやの秘密をバラすことを職務としているわけです。そんな自分に罪悪感を抱いている。だからこその「許されてはいけない」という言葉ですよ。早坂は自分がかぐやに対して許されないような行為をしてきているという自覚がある。

 

かぐやがかわいい,かぐやが好きというその思いとは裏腹に,客観的に見れば姉であり友だちでもあるように見える早坂の位置取りのなかで,早坂自身が「友達」と認識しない理由。それは自分がかぐやの(そして自身も思うところの)友達の定義である秘密を守れる人間から最も遠い存在であるためなんですよね。

 

 

白銀御行との会話にみる早坂の「友達」認識

そんなわけで,七回忌があった場所には早坂はいなかった(当たり前だ)。奈央さんの遠慮しないツッコミもキレッキレである。

 

一方の早坂と御行の方はというと,バイクで逃避行です。キャー!まるで上杉風太郎みたい!とかいう冗談はさておき,ここでも友達に関する会話がなされていますね。「俺は困ったら人を頼る」と御行は言っていますが,そもそも相互扶助の関係こそ友達という価値観を示したのは御行です。

 

バイクを借り,タンデムで逃避行する最中の会話がコメディタッチですが面白い。御行が「助け合いは大事」と説くその裏には件の友達とは相互扶助の関係であるという価値観に基づいているわけですが,御行がペーパードライバーとしるや自分で運転するという早坂の切り返しもまた「助け合いって大事」である。

 

 

もちろん早坂は白銀の価値観を含めていっているのではない。コメディの文脈で描かれる何気ないこのやりとりは,シリアスな物語の文脈の中で一つの清涼剤のようなコメディパートになっているわけですけれど,その早坂の切り返しが(本人の友達というものに対する価値観とは別に)白銀の友達感とかぶった発言(助け合いって大事)になっているのが面白いと僕は思いました。心ならずとも,友達とは何かという白銀の価値観と同じ言動をしているところに,早坂の友達観が変化していきそうな伏線配置を感じます。

 

「早坂の家出の思い出」に見る四宮かぐやの認識

母親に対する反発から家出をした早坂と,それを追いかけて見つける四宮かぐやのエピソード。これもなかなか面白い。

 

早坂を発見したかぐやは言います。

 

私は貴女の主人で

貴女は私の使用人

それ以外に理由が必要?

 

その時早坂の弱さを認識したかぐやですが,これが本心ではなく照れ隠しであるのはその直前の表情を見れば一目瞭然ですよね。主人だから逃げた使用人を見つけて取り戻す。そんな単純な構造ではないことは幼いかぐやの表情をみればわかります。

 

 

かぐやにとって早坂は使用人であるとともに,唯一プライベートの時間において自分をさらけ出した会話ができる相手である。それはある意味姉のようであり,友達のようである。きっとかぐや自身にとっても早坂愛という存在を厳密に定義しきれていないのでしょう。このときも,そして今も。

 

 

使用人と定義されて冷静さを取り戻す幼い早坂の表情がなんとも言えないですが,それは使用人と主人以上の関係を主人であるところのかぐやが認識しているのではないかという「怖れ」から出ていますよね。

 

早坂にとって自分は裏切り者であり友人でもなんでも無い存在である。一方,四宮かぐやはその心配する表情からも,それ以上のものを自分に求めているようにも見える。しかしそれは早坂にとって喜びをともなうようなことではない。なぜなら自分は友達に値しない人間だから。だから早坂はかぐやに「使用人」と呼ばれてある意味安堵としての冷静さを取戻したわけですよね,この時。

 

 

であるから,ここが早坂にとっての思い出の地であるはずはないですよね。むしろそれはネガティブな出来事であり,本来かぐやが抱いている認識とは異なる解釈を早坂に植え付けただけですから。

 

 

そして早坂のことを理解できていない自分に思い耽る四宮かぐやのこのシーン。なかなか意味深である。一緒にいる時間が長いにも関わらず理解できていない自分に自信を失いかけている。そんな早坂との関係に対する思い入れと。

 

もう一つは,親兄弟であるにもかかわらずともに過ごす時間もなく,お互いに理解し合うこともない自分の家族関係と。

 

私達の関係は所詮...

 

とつぶやくところの「関係」とは,もちろん早坂のことですけれどダブルミーニングで四宮家の家族のことも掛かっているんだろうなあ... とか思ったり。

 

そして思い出の地の決戦が始まる

待ち合わせの場所は四宮家所有の山。

ふむ。ここで早坂とかぐやの関係は始まったのか。

 

主人として「かぐや」を指定され,その信頼を勝ち取り一挙一動を報告するように義務付けられる。この後,恐らく作られたタイミングでかぐやと早坂は引き合わされたのでしょう。早坂の仮面人生はここから始まった。

 

 

「旦那様」と呼ぶその相手は四宮雁庵なのか...と思いきや,禿頭ですね。四宮雁庵はたしか髪の毛フサフサでしたから,この相手は雁庵ではなさそうです。目つきの感じといい,そこまで年寄りに見えませんし。これがかぐやが仲が良いという義姉の夫(長男か次男)ですかね。なんとなくですが。

 

というのも,かぐやの情報を得る必要性があるのは,あくまで跡目争いの競争相手のはずなんですよね。雁庵はかぐやに関心はないけれど,実子である以上なにかの偶然でかぐやが跡目を継ぐ可能性は0じゃない。少なくとも味方につけられれば自分の跡目争いのプラスにはなる。

なので,この人物は雁庵ではないと予想。立場的に強そうな長兄か,対抗馬として猫の手も借りたい次兄か。そのあたりですかね。

 

四宮かぐやを可愛く思い,その人物に惹かれ,守りたいと思うその気持ちは本物。

一方でそんなかぐやの支援者として,友人として振る舞うことが出来ない自分の立場も本物。

 

私と四宮かぐやとの関係は罪悪感を中心に回っている

 

というのが偽らざる気持ちであることは先に示されているわけですが,今回の物語の落とし所は「それでもかぐやにとって早坂との関係は友達だし,早坂にとってのかぐやも友達」というところで落ちるはずなんですよね。それを実現するためには主従関係を断つ必要がある...というのが早坂側の論理。

 

この辺りの落とし所がどうなるでしょうか。気になるところである。まる。

 

余談 

さてその前に三男の雲鷹の問題がありますね。

この局面,早坂を救う立場にならなければならないのはかぐやですが,かぐやと奈央だけではどうにもならない部分もあるのでやはり他の友人達もからんでくるのでしょうね。早坂サイドからは前回かぐやとマウント合戦した同じ班の女子。かぐやサイドからは藤原千花たちでしょうか。

 

まあ四宮家という大きな存在がありますから,そこで動ける人間は限られてくるでしょうけれど,そこでお互いを「助け合える」のが友達であるならば,その辺りの人間は動いてくれそうな気もします。

 

もう一つ,気になるのは白銀御行が三男サイドに抑えられた案件ですね。ここはかぐやの弱点でもあり,竜の逆鱗ともなりうる部分である。早坂が絶対に秘密にしなければならないとするかぐやとの関係性。そこに感づかれるわけには行かない。このあたり,早坂と白銀の「偽物の恋人」ごっこといった展開も期待できそうですが,さてどうなるでしょうか。

 

捕まえているのがなにげにあのやる気のないけれどえげつない天野八雲であるところも気になりますが。当面こっちがどうなるのかも気になります。

 

というわけで,今週末にはアニメ第2期もはじまる「かぐや様は告らせたい」。

ますます期待大である。再度まる。

 

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