現実逃避 - hatena

「かぐや様は告らせたい」の感想を書いている漫画感想ブログ

『かぐや様は告らせたい』第180話 先輩くんと後輩ちゃん③&伊井野ミコは愛せない⑤ 感想 : Re:天才たちの恋愛頭脳戦

さてと。 かぐや様は告らせたい 180話 の感想(かぐ活)です。

 

僕はあまり気にしなかったのですが,前回こばちゃんこと大仏さんの伊井野さんに対する姿勢があんまりではないかという議論があった風な。

 

個人的には,大仏さんがオタクの推しとしての意地で「友達だけれど石xミコは推さない」と言っているのは半分正しくて,半分隠していると思ったんですよね。冒頭,伊井野ミコの振りに対してすべてを否定するように「うん上手く行くと良いよね」と答える姿は,友情よりも推し!というふうに見えてしまうかもしれません。

 

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大仏こばちは...

 

でもそうなのかな?

「まずい。このままじゃミコちゃん気づいちゃう」と危惧していたのは,本当に自分の推しの信念として「石☓つば」推しだからってだけだったのかしら。カップリングという意味ではそのとおりなんでしょうけれど,やはりそこには伊井野ミコに対する「友情」「愛情」がある。

 

そんなふうに感じた第180話です。

  

 

 

  

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白銀御行は確かめたい

さて,どうして僕がそういう結論に至ったかというお話をする前に,白銀サイドのお話です。

 

前回の様子からみて,こりゃあ「先輩くんと後輩ちゃん」来るでしょ... と思ったら間髪入れずに入ってきましたね。まあこれはむしろ当然か。四宮かぐやが「石xつば」という原理原則に立ち返った方針を推し進めた以上,全くモノローグのない娘・伊井野さんの心情を推し量れるのはポエム仲間(笑)の会長しかいない。

 

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恋愛強者・白銀

 

会長が生徒会室にはいって伊井野さん一人の状況で,おいでなすった感がMAXパワーでしたよ。とはいえ,流石にこの流れも3回目ともなると,御行もなれたもので,ミコちゃんの対面に座らずに同じ側に座る当たり,手慣れたものです。その席には「彼女持ち」「恋愛相談経験豊富」な立場じゃなきゃ座れませんよ!

 

モンスター童貞だった会長が翼くんの恋愛相談をしてから幾月か経ちましたが成長したなあ...と思いますね。この子は読者わたしが育てた...と思わず勘違いしてしまいそうなくらい視線は母親目線です。育てたのは赤坂先生なんだけれどね

 

 

ほほう!

これは驚きました。恋愛戦闘力が43000まで上がりましたよ。さすが彼女持ちといったところですかね。 

 

恋愛相談!

 

これまでは「恋愛相談を持ちかけられる側」だった白銀御行が,自らの意思で地雷に踏み込んでいく様は,本当に無茶しやがってー(AA略)って感じです。案の定むちゃし過ぎちゃいました(てへ)

 

この互いが勝手にギャップを抱きつつーの,すれ違うのーも,経験の積み重ねですかね。かつて「白銀御行は告らせたい③」ですれ違った甲斐もあったというものです。

 

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先輩くんと後輩ちゃんの間にもいつのまにかある種の人間関係が出来ていた。まあ,そういうことなんでしょうか。石上をからかったときみたいに,こんなふうに伊井野さんが会長をからかってみたり,四宮さんとの関係を理解していたり...となかなかの成長が見られる。

 

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伊井野ミコは...

 

ふふ。

はいここ!このコマ,覚えておいてくださいね。後でもう一度取り上げるから!

 

伊井野ミコは逃げ出したい

こんなふうに重要な一コマをさり気なく入れておきながら,そこから般若心経の流れが秀逸すぎるんだよなあ...。赤坂先生,引き出しが多すぎて怖い。マキマさんと同じくらい怖い(ちょ)。漫画の悪魔と契約しているのではなかろうか。

 

 

般若心経!

 

ええ...。

教養が幅広すぎてアマゾン川より幅あるだろ...。赤坂先生の教養の幅は大西洋並ですか!(そこは太平洋じゃないのかと突っ込まないで)

 

人間関係による恐怖や苦しみ...そんな気持ちを「空」,存在するようで存在しないもの。「一切苦真実不虚」とばかり本質ではないと言い切っているそのお目々は真っ黒だー!!!

 

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真っ黒なコウノトリが般若心経を唱えるよ

 

これ,心のなかで真っ黒なコウノトリが翔んでいるやつじゃん。ミコの心のなかにはもう誰もいなくって,それを灰色の人間があざ笑うかのように喜んでいるやつじゃん!怖!

 

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朗らかに,ポエム仲間をみつけて水を得た魚のように喜ぶその笑顔といい,漆黒のまんまるお目々といい,言動も感情も全部「現実逃避」しているやつじゃん!心が死んだ生きる屍ってやつである。

 

そんな白銀が伊井野ミコに同調してたどり着いたのがこれですからね。

 

羯諦羯諦 波羅羯諦ぎゃーていぎゃーてい はーらーぎゃーてい

(行こう,行こう,悟りの境地へ行こう)

 

悟りの境地か...。一見すごくマトモなこと行っているように見える。誰につくとかつかないとか,そんなことに囚われるのはやめて...。なるほど。見たくないものから目を背け,何事もなかったように心の安定を図る。それは心がパッキパキに折れちゃって,このままだったら命を絶ちかねない奴だけが許されるやつじゃん。現実逃避による究極の避難じゃん!

 

だが...しかし....

 

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現実


 

現実逃避をしたところで問題が解決するわけでもなく,自らの心の苦しみが消え去るわけではなかったのであった。いま,確かにそこにある想い。逃げ出したくても逃げられない,目の前にある「現実」

 

好みのタイプは平野◯耀。真面目で,ちゃんとルールを守って,自分より勉強が出来るような完璧超人。なのに,二人を見ると心がざわつく。真面目じゃなくて,ルールも守れなくて,頭も悪い。でも優しい。そんな石上優を想うと鼻の奥がツンとなって苦しくなる

 

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ツンとする痛み

 

どうしようもない。気づいてしまった本当の気持ち

伊井野ミコは...どうしようもない現実に向き合わざるを得ないのでした。まる。

 

 

無理難題「仏の御石の鉢」

伊井野ミコの現実逃避につきあってから,伊井野ミコの本心に気づくこの一連の流れ。白銀御行がある意味無心な気持ちで,完全に中立な立場で問いかけた核心のシーンがめっちゃ綺麗でしたね。

 

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白銀御行は...

 

 

困りきった果ての心の告白。まるで少女漫画のワンシーンでも見ているようでしたよ。

 

ほぼ完全に気づいているその気持ち。「私どうしたら良いのでしょう」という問の先に,白銀御行に答えはない。たぶん。前回,当事者抜きで周囲が喧々諤々の論争をやッていましたけれど,こうやって白銀御行の立場にたてばやはり部外者・中立者でしかないわけで。

 

石上がつばめ先輩が好きという気持ちも,伊井野ミコが石上優を好きという気持ちも,どちらも重さを比べることなんてできないことなんですよ。最初に白銀が言っていたように,中立の立場で見守って「なるように任せる」しかないのです。

 

恋愛は戦である。

己の気持ちに相手を振り向かせたければ,「相手を好きにさせなければならない」。その点,伊井野ミコの戦いは最初から負けている

 

想い人には好きな人がいて,その人も石上をかなりポジティブに評価している。お互いが好きという確定条件からスタートした白銀と四宮さんの恋愛頭脳戦とは違います。100円しか持っていない伊井野ミコが,1万円を持っているつばめ先輩と1000円の値札がついている石上を競っているようなもんですよ。はじめから負け戦である

 

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大仏こばちは守りたい

 

そんなこと最初から分かりきっているから,「だから」大仏こばちは伊井野ミコの気持ちが成長しないようにしていたんでしょ。だから友達が傷つかないように,最後に思いが通じなかった痛みを味わくて済むように回避させようとしていたんでしょ。百戦錬磨の恋女・大仏こばちである。勝負なしと見て「友達を守る」ことに徹しよう...。

 

だから周囲も撤退戦に持ち込めるように空気を作ったんでしょ。友達なのに。「石xつば」派という主張を周囲に行うことで,周辺が伊井野ミコを絶望的な戦いに駆り出さないように。あれは大仏こばちによる惣無事令,高度な恋愛撤退戦だったんだよ。

 

 

しかし今,伊井野ミコは気づいてしまった。

かくしてこれまでの「なんちゃって恋愛相談」以上の重さをもつ相談をうけることになった白銀ですが,さてなんて答えるのでしょうか。

 

かつて四条眞妃ちゃんはタイミングを外して告白の機会すら失いました。伊井野さんにはまだ告白の機会はあります。勝ち目はともかくとして。恋愛が戦であり,伊井野ミコが自由の女神・子安つばめと戦うならば,白銀の立場としては否定はできないでしょう。自分自身,己の恋心を結ばせるために死闘を繰り広げて来たからです。

 

だが,伊井野さんはどうなのかな。すでにヒントみたいなものがでているからな。

会長との戯言の流れにでてきたこのセリフ

 

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横恋慕はしない

 

横恋慕なんてしないので安心してください

 

まあ,そういうことなんだよなあ...。

正義マンな伊井野ミコとしては横恋慕なんて出来っこないのである。すでに出来上がりつつある二人の間に割って入って相手の気持をこちらに向けさせる。そんな事ができるなら,幼い正義心を振りかざしたり,ブランケット症候群になんてならないんですよ!

 

だがまだ分からん。

それでも自分の気持ちには嘘はつけないし。3ヶ月たてば落とし物は欲しい人がもらって良いことになっているし。石上優がつばめ先輩につたえたタイムリミットが3月。伊井野ミコが奉心祭で石上から「預かった」ハートをもらおうと思えばもらえるのも3月。

 

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3か月と三月

 

すべてが測ったように間尺が合う。

伊井野ミコは撤退するとみせかけて,戦いに挑めるのでしょうか。「別にいらないけど」との言葉通り放棄するのか。その時石上優は。無理難題はクリアできるのか。興味は尽きないのである。

 

再度まる。

 

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離したくはない

 

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*画像は週刊ヤングジャンプ2020年第26号 『かぐや様は告らせたい』180話,130話,148話より引用しました。