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『かぐや様は告らせたい』第181話 四宮かぐやの無理難題「燕の子安貝」編⑤ 感想 : 子安つばめはどうしたい

さてと。 かぐや様は告らせたい 181話 の感想(かぐ活)です。

 

前回は伊井野さんの切なすぎる独白で終わり。石上なんて嫌い。嫌いなはずなのに,なぜか鼻の奥がツンとなって胸が苦しくなるのはなぜ...。まるで昭和の少女漫画のような切なさを見せつけられて,読者諸兄も胸の痛かぁぁぁ!な日々を過ごしたのでしょう。

 

 

あの後伊井野に対して白銀はなんと答えたのか。伊井野ミコは誰も観ていないところで一人で泣く。伊井野ミコはきっと一人自宅の部屋に戻り,大きなぬいぐるみにもたれかかりながら,幼き頃から握りしめてきたブランケットに包まりながら暗い部屋で一人咽んでいたのかなあとか。

 

全米が泣いた先週から明けて今週,さあどうなる!...って思うじゃん?

初手白銀家で白銀父が来るとか,あいも変わらず赤坂先生の動きはトリッキーで良いわ...。え,前回のあの引きから親父がVチューバー!? どうなっているのと混乱するじゃん。それがきちんと話につながってストンとくる当たり,まぁよく構成されていますわ。

 


 

 

いやね。先日,赤坂先生がお酒を召し上がった結果,気を開放なされたわけですよ。まあ読者と直のコミュニケーションを取ってくださったわけ。

 

僕は普段,漫画感想を書いている漫画家さんに直接リプライは極力しない人なんですけれど,この時ばかりは乗っかってしまいましたね。「待っていぜ!この瞬間ときをよぉ!」「乗るしか無い,このビックウェーブに...」とどこかで思ったんでしょうね。ただまあ,リプライしづらいことや,物語の流れに直接関係するような質問は答えられないだろうと思って,とっさに出てきたのはコレ。

 

 

それに対して赤坂先生がくださったのがコレ。

 

 

吾輩は白銀父である。名前はまだない。

それだけで一つの情報なわけですが, 「そのうち決めなきゃいけない気配ある」というのね。

冒頭,母との関係の清算についていつもの子どもたちからの無情なツッコミといい,今回明らかになった白銀父の5億の借金の件といい,結果的にユーチューバーで成功して「目立って」しまったことといい...。

 

いろいろ白銀母や四宮家とのからみも動きそうな塩梅である。田沼正造先生も名前が出るまでしばらくかかりましたけれど,近々名前を出してお話に絡むこともあるかもね!とか思ったやりとり。個人的にちょっとタイムリーなタイミングで,今回の181話のお話です。

 

 

  

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白銀圭は抗いたい

さてアラフィフVチューバーデビューは流石に息子らに否決されて,譲歩的要請法によってユーチューバーの身に収まった白銀父。これが「数ヶ月前」の話ですから,ちょうどクリスマス直後,子安つばめ先輩が白銀父に占いで相談していたころか,その前後ですかね。これは面白い。

 

それぞれ悩める子羊とその相談相手の構図を見ると,

 

石上優→四宮かぐや

伊井野ミコ→白銀御行

子安つばめ→白銀父

 

という風になっている。恋に悩める面々が三竦状態ならぬ2.5竦状態になっているのさることながら,相談相手たちの強弱関係も三竦ならぬ2.5竦状態になっているの面白いなあ。

 

伊井野ミコは石上優に,石上優は子安つばめに,子安つばめはその気持ちの持っていきどころに戸惑っている。一方,白銀御行は白銀父に強く,白銀父は四宮かぐやに強く,四宮かぐやと白銀御行は状況に応じて強弱関係が変わる。こういう人間関係図が面白いのもかぐや様の特徴である。

 

閑話休題。

親父のユーチューバーでありますが,ヒカキンごっこと息子に蔑まれていたかと思いきや,まさかのチャンネル登録数5万人である。こいつは白銀御行もファッ!ですよ。

 

  

配信者!!

 

小学生が憧れる職業No1にして,通常は社会の荒波に揉まれたアラフィフが家庭を背負って挑戦するものではない,もはや博打というか宝くじを買うぐらいの確率でしか成功できない,突破者の世界である。そんなユーチューバーの世界において,気が付かないままに親父は成功していた。

 

 

てか借金5億もあるし,その理由も騙されたからのか...。物事をストレートに表現せずに小出しにコマに置いてくるあたり構成の妙である。そしてそうした背景情報から,白銀父という人物と今に至る過程が透けて見えてくる。

 

そして今回のまさかの収益化成功!当たれば大きいが本気でそれだけ目指せ無いのは,当たる確率が低すぎるからなわけです。

 

が,これまで積み重ねてきたスキルと波乱万丈の人生トークに加え,Vチューバー企画案の際に見せた謎のデジタルリテラシーの高さと編集力・構成力をもちいて成功する当たり,やはり白銀父もまた凡人ではないということなんだよなあ。そりゃそうだ,御行と圭の父であり,あのやり手ぽい白銀母と結婚したんだもの。

 

と同時に見えてくるのは白銀父もまた「努力の努力」の人なんだろうなあという部分である。秀知院出身らしい件,資格マニアである件,良家で上昇志向ぽい白銀母を口説き落とした件,四宮かぐやを手玉に取る程度の素質...。やはり親子というか,白銀父もまた努力を積み重ねてやってきたんだろうなということが伺える。

 

 

数年ぶりに「お父さん」と呼ばれる姿にオッサン世代としては涙するわけですけれど...。この流れのまま一家の生計の主たる稼ぎ手がユーチューバーで行くとも思えないのですが,だってねぇ...。

 

 

 

ハァハァ...。

カメラの前を横切るたびに赤スパ1万の投げ銭がくる。新聞配達何百軒分,数時間の労働がちょっと自分がカメラの前でよぎるだけで1万円。いけない...いけないわ...このままじゃいけないと分かっているのにどうして...(四宮かぐや)状態ですよ,こんなん。

 

借金5億背負っていて,究極に切り詰めたところに「息子がスタンフォードに留学する件」てな状況ですしね。数時間分の労働が,自分のビジュアルを切り売りするだけでいちまんえん。原理はわかりやすいけれど,構図は女性が身体美を用いて稼ぐ構造とあんまり大差ない。完全にアカンやつである。

 

妹が道を外さないように諭さねばならぬ兄としての立場と。無限にも見える借金5億返済への一助となるという現実と。抗わなければならないのが分かっているのにやめられない,そんな社会病理が垣間見えましたね...(いや,そういう漫画じゃない)。

 

気がつけば圭ちゃんがショールームを立てているのでしょうか。いや,普通に校則違反ぽいけれど。つか,普通にこれは「プライベートの切り売り」だから同時に色んなものを失っているわけで,最終的にアカンところに落ち着くのでしょうけれど。その理由はまた後ほど。

 

子安つばめは見つけたい

さて本題。

石上,伊井野と1年生たちとともに当事者となっている子安つばめである。生徒会視点...ついでに言えば第三者でしかない読者視点では割と「うまくいっている」ように見える石上とつばめ先輩の関係でありますが,じゃあ実際のところはどうなのよ...というと,相変わらず子安つばめは「真実の愛」とはなにか向かい合う心の旅人だった。

 

 

ふむ。

一見,距離が詰まっているように見えるつばめ先輩と石上の距離感であるけれども,その本質はかつて白銀父につばめ先輩が相談した時と何も変わっていないのね。 

 

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石上優のことは「好き」だけれど,それが何の好きかわからない。動物に向ける慈愛や庇護愛,家族に向ける家族愛。いろんな「好き」があるけれど,友だちと思っていた人が異性に対する「好き」とわかった時にそれがどういう「好き」なのかわからない。

 

友達に相談しても分からない。

わからないどころか,より混沌とする一方である。かつてインチキっぽい占い師のアルバイトをやっていた白銀父は言った。真実の愛を探すならまずスタートラインは越えなければならない。石上優とデートしてみたのも,相手を理解してみようと試みるのも,子安つばめはまずスタートラインを越えてみた結果である。

 

しかし走っては立ち止まり,立ち止まっては思案する。

なまじ石上優が「好き」だから。正義感があって,まっすぐで,優しくて,そして自分を想ってくれている。石上が自分に向けてくれるのは異性に対する好きであり,その真面目な態度から言って「真実の愛」に近いものを感じる。

 

だからこそ,慎重にもなる。自分の気持ちが石上と同じ異性に対する「好き」なのか。この気持ちは真実の愛なのか。悩んで,もがいて,苦しんで。でもわからないから相談して。現状,子安つばめは迷える子羊である。たまり溜まったストレスを発散するために衝動買いをしてみれば,気がつけばあの占い師のオッサンの姿を探す子安つばめの姿があった。ていうか,そこにはいなかった。からーの...

 

 

 

 

あーーーーーー 約束の地(カナーン!)!!

  

 

ここでつながるのかよ!

 

なるほど。前回の伊井野ミコの切ない恋心の吐露からいきなしの白銀父で読者困惑〜と思わせておいてこの構成かよ。いやはや,赤坂先生って本当にすごいな...。きちんと伏線が置かれてきちんと回収されるの,見ていて本当に気持ちがいいっていうか読んでいてストンと来るわ。

 

そんな5億円の借金を背負ったイケボなホワイトおじさん(CV子安◯人)  に対するペンネーム恋するウサギちゃんの問いはかつてと同じようで少し違う。知りたいのは真実の愛とは何かではない。知りたいのは「自分の気持ち」。自分の気持ちが恋なのか,そうではないのか...という一歩突破した者の悩みである。

 

 

それに対するホワイトおじさんの答えがマジイケメンじゃないっすか。

やはり白銀父もまた遥か怪物!

 

そういう時はその相手と何をしたいかを考えてみると良い

したい事としたくない事を考えてそれに沿った関係性を選べ

君はその子とどういう関係になりたいんだ?

 

おお...!!

白銀御行が感心したように,これはなかなか的確なアドバイスじゃないっすかね。どこかで読んだけれど,結婚するかしないかを決める時に「こいつの子どもを生みたいか」で決めた,みたいなのありましたけれどまさにそういうことだね。その人とどんな関係になりたいのか,それ即ち自分がそいつをどう想っているかのリトマス紙,PCR検査である。

 

 

何かを悟った子安つばめの目に力が戻るのを感じますね。

子安つばめは今「道」を見つけたのである。

 

 

そんな彼女が取ったたった一つの冴えた答えがこちらになります。

 

 

大友京子ーーーー!

 

 

無理難題「燕の子安貝」

そうきたか...。

これは意外でしたよ?例の「生徒会マル秘ファイル」がここで活きてくるとはね...。

 

大友京子こそは石上優が虐げられてきた案件の直接的な利害関係者である。大友も石上も本質的には悪くなかったあの案件において,双方が一種の被害者になってしまったのは加害者の荻野のせいである。石上は守りたかったものを守り,大友京子は守られた結果自分は荻野に振られたと誤認したまま秀知院を去ったのであった。

 

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しかしここで少し先が読めなくなる。

直接的に読むと「つばめ先輩が石上優の真相について大友京子に語っちゃったら,石上が守りたかったものが壊れちゃわね?」って危惧が生じる。しかし恐らくはそういう流れではないのであろう。

 

 

子安つばめが知りたいのは「自分の気持ち」である。石上優とどういう関係になりたいか。それは異性に対する「好き」と判定できるのか。 確認したいのは自分の気持ちであって,石上優が守りたかったものを壊すことじゃない。なのでそういう流れじゃないと思うんだな。真相を伝えることは自分の気持ちが恋心なのかどうかと結びつかないからである。

 

ただそうなると何のために大友京子と話したいのかが気になる。

自分の気持ちを知りたい時に,大友京子と話す理由。なんだろ。大友京子が石上優についてどう思っているのか...というあたりが導入なのでしょうが,それは石上優と子安つばめの「関係性」のリトマス紙になるんでしょうか。なかなか見えてこない。

 

 

まあ無理やり弄りだすと「こういうこと」なのかもしれない。

 

大友京子の認識上,石上優を否定したい部分はあるでしょう。彼女の認識では自分の恋路を邪魔されたわけですから。彼女が荻野に抱いていたものが「真実の愛」かどうかは知らないけれど,彼女にとって大切なものであったことは事実である。

そうした被害者意識としての石上優に対する思いを聞いてなお,「子安つばめは石上優を守りたいと思うのか」。その辺りがリトマス紙としての大友京子なんですかね。

 

石上優に対する真実とは異なる憎悪を聞かされた時,「違う,そうじゃない」と石上優を庇いたくなるはず。それは友人としての擁護なのか。愛する人を守りたいという擁護なのか。その辺りで関係性を測ろうとしている...とか?

 

まあ書いていて余り納得していないと言うか,それこそ「違う,そうじゃない」な気持ちなわけですけれど,気になるところで次週はお休みである。2週間の間にせいぜい妄想をたくましくして,答えを探る遊びに勤しむことにしますか。思いついた人はコメントよろしく!赤スパ大歓迎!(そんな機能無いです)

 

まる。

 

余談

子安つばめ先輩の相談相手。秀知院上位グループにいる子安先輩ですから,部長連辺りとは当然友人なわけですけれど,ここでまさかのオカルト部・部長の亜天坊ゆめ先輩とマスメディア部・部長の朝日雫が登場ですよ!

 

子安先輩を間に挟んでも対局的すぎてこれは草である。

すべてをエロ思考で語る抑えきれない巨乳・亜天坊先輩。男に惚れたこともない共感性ゼロの報道人・朝日先輩。相談相手として最悪の部類である。

 

マスメディア部長が共感性低いのは日頃から取材対象に思い入れしていたらアカンからなのかもしれませんが,もう一方のエロ詩吟のほうがねえ...。子安先輩に「無理にでも関係を進めろ」とか巫山戯たアドバイスしたのはお前かい!

 

 

道理であの時の子安先輩のロジックがわからねぇはずだよ!

これまで描かれてきた子安つばめの人格と全く一致しなかったもの。当時も相当混乱していたのが思い出されます。全部お前のせいじゃねぇか!>亜天坊パイセン

 

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ちなこのコマ,表現面白いね。

一見,朝日先輩と亜天坊先輩のセリフが逆ぽいけれど,視点が上のコマと逆になっているからからこういう表現なのね。赤坂先生,時々こういう表現をする。

 

それはさておき,「このロジックが間違っているとは今でも思ってない」という亜天坊先輩のセリフ,落ち着いて考えてみると「まずスタートラインは越えなければならない」という白銀父のアドバイスと本質は同じなんだよな。ヤッてみて分かる関係性。思考が下すぎるだけで

 

そのアドバイスは実らなかったわけですけれど,こうやってみると登場人物の主張に一本筋が通っている感じがして好き。

 

 

次。白銀家ユーチューバー問題。

 

職業ユーチューバーが認知される時代,赤坂先生もまふまふさんと交流があるくらいですし,白銀父がユーチューバーになって稼ぐこと自体はあまり問題なさそう。ただ少し気になる点がある。

 

結局これはプライベートの切り売りを兼ねているわけで,圭ちゃんが嵌りそうな罠ともそうなんだけれど色々危険をはらんでいるよなあ。つまり配信を見た側の存在である。

 

 

まず御行・圭ちゃん的には家庭の清貧ぶりというか借金生活という事実を世間に暴露されてしまうわけで。混院でありながら今は立場あるとはいえ,秀智院の同級生らに「借金家族」「父・ユーチューバー」てのはリスキーだよなあ。いや,それでも圭ちゃんが動画に映らなければ無問題だったかもしれないけれど,思いっきり姿晒しましたからね。目先の1万に負けて

 

それと,これをみた実母の反応も気になりますし。おすし。

ユーチューバーになった父を稼げるようになった男と見直すとも思えませんが,圭ちゃんあたりを引き取りたくはなるかもしれないね。赤坂先生もそろそろ名前を決める気配あるようですし,そのうち白銀両親の話はありそう。

 

もう1点,白銀家と四宮家の問題である。

二人がお付き合いしている事実と,白銀家の借金問題及び父はユーチューバー。ううんこの...という懸念しか出てこない。かぐやと御行の関係が明らかになったとたん,同時にこの白銀家の環境も天下に知らしめしてしまっているわけで。愛する人の実家ということもあり,かぐやの弱点,晒しまくりである。どうなんだろ,これ。

 

まあそもそも「だまされた借金」という段階で,だましたのは四宮家じゃないのかという疑念があるわけですが。その辺も含めて,このユーチューバー生活どこまで続くのか,気になるところである。

 

 

 

最後。

Vチューバーを目指している時に白銀父がキャラ想定したイラスト,思いっきり四条眞妃ちゃんが妄想したドラマのオッサンと同じやん。

 

 

これは第◯期でCV子安さんで再生されるの待ったなし。

整合性と言うほどじゃないけれど,こういう細かいところに細かい芸を入れてくるのも「かぐや様は告らせたい」なんだよなあ。やっぱ面白れぇ...てなる。

 

というわけで,再度まる。

 

 

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