現実逃避 - hatena

「かぐや様は告らせたい」の感想を書いている漫画感想ブログ

『かぐや様は告らせたい』第192話 秀知院は見送りたい 感想 : 桜の樹の下に埋まっているものは...

さてと。 かぐや様は告らせたい 192話 の感想(かぐ活)です。

 

ついにやってきた卒業式。

ラブコメ的にはようやく石✗つばの結論が出るという一つの過程プロセスでありますが,しかしそう単純なものでもないですよね。

 

「卒業」によって学園の1/3の人間がいなくなる。そして春には新入生が入ってきて,大きな入れ替わりになるわけですけれど,それで大勢の人間が巣立っていくということはその人達と関わった者たちとの秀知院学園における「人と人のつながり」が解消されることを意味する。

 

それぞれが所属していた公式・非公式の集団内での結びつきが切れる。たまたまある時期・ある役割・ある目的でつながっていた人の結びつきなど,一度それが途切れれば再び交わることはそれほど多くない。大学生,社会人となってみれば嫌というほど思い知る真実である。

 

ではだからといってそこに確かに存在していた関係が無意味なものであったかというと,そんなことはなくて。秀知院で共に過ごした時間,そこで起きた出来事はきっと生徒たちの人生にとって意味のあったことなんだろう。そんなことが分かる,別れと見送りの卒業式です。

 

 

 

 

   

最新コミックス 【単行本】  

 

 

 

 

それぞれの結末

①風紀委員は見送りたい 

「風紀を保つ」そんな目的のために委員会活動で頑張ってきた風紀委員の諸先輩らも卒業です。自由で闊達な高校生活が一般的になった今日,風紀委員なんて漫画の世界の中でしか存在しないような気もしますけれど,この秀知院学園においてある種の良識あるストッパーとして機能しているのは確かなんでしょうね。

 

卒業式後に羽目を外す生徒が多い,そうなんだけれど。気のせいでしょうか。卒業して真っ先に羽目を外していそうなのが,この「かむろ」みたいなおかっぱ頭をした風紀委員長(?)なんじゃないかという予感がするのは。こいつは単行本の余白が楽しみである。

 

f:id:ayumie:20201001003124p:plain

別れの流儀

そんな風紀委員の別れににおいて,大仏さんが寂しいけれど本質をついた発言をしているのが「大人だなあ...」って感じですね。社交辞令的な再開な約束よりも,きちんと区切りをつけるほうが誠実である。だからこそ伊井野さんも感傷的に流されずに同意したんでしょうしね。

 

②TG部は見送りたい

そして秀知院の異時空発生機ことTG部でも別れの時が。読者的にはここに来てモリモリに盛ってきたメガ子先輩の情報にお腹いっぱいです。

 

今回の新情報

 

  1. メガ子,留年していた
  2. メガ子,FPSゲーでプロ顔負けのガチ勢だった
  3. メガ子,進路がまさかのプロゲーマー
  4. メガ子,校長が祖父だった
  5. メガ子,名字が寺島だった

 

 

ちょおっと待って!

 

こんなんお腹いっぱいですわ。

ゲーマー云々はまあいいんですよ。TG(テーブルゲーム)部だったのにFPSゲーの達人てのもまあツッコミどころ満載なんですけれど,まあ分からなくもないしね。あんな癒やし顔しておいてTG部に入って後輩から渾名呼びされるようなパイセンですもの,まあそんなこともありの。

 

でも祖父が校長というのは意外だったわ。意外ッ!それは校長ッ!ってやつである。こんなん波紋法を習得したジョナサン=ジョースターだってビビるわ(意味不明)。「卒業に人間関係あり」とは書いたけれど,そんな属性付与は流石に想像しておらんわ。つか,校長の孫なのに留年しているとかありえへんわ。寺島半端ないって!

 

冗談はさておき,秀知員のエゲツない人にメガ子が入っている理由がよくわからなかったんだけれど(TG部だしな),そういう経緯だったのね...。なるへそ。

 

 

というか名字が寺島...(察し)

 

 

f:id:ayumie:20201001003147p:plain

その名は「寺島」

な,なるほど。

 

寺島テラ子

テラ子からギガ子に格下げ

ギガ子からメガ子に格下げ

 

そういう歴史かい!TG部に歴史ありというけれど(言ってない),ここにきてまさかの渾名の由来判明である。

 

しかしまあ卒業に関する大仏こばちや校長の話じゃないけれど,この作品においてもう一度メガ子が絡むことが有るのかよくわかりませんが(むしろ無くて普通),これだけ濃ゆいキャラ属性をもったからにはどこかで再登場されることも期待したいところである。

 

なんなら「推しの子」とかでカメオ出演しても面白いかもしれないね。昨今,芸能人がゲームやる番組も多いし。裏方に徹するつもりだったアクアがいつの間にか「アクアマリeeeee!」とかいう冠番組もっているかもしれないしな!(あるいは「重曹ちゃんのありえない世界」)

 

③マスメディア部は見送りたい

大手出版社報道部長の娘であり,子安つばめの級友でもあるマスメディア部長・朝日雫も卒業である。

 

思えば2年前にドブのように汚れた池に落ちた時も,打算的に動いた四宮さんを除いて全員に見捨てられた御方である。そんなことがあったから撚たのか,撚ているから助けてもらえなかったのかはわかりませんが,とてつもなく言っていることが「あ,こいつはヤベェ奴」である。

  

f:id:ayumie:20201001003210p:plain

報道,かくありなん

ま,報道に身を置く者は本来そうなのかもしれない。

公共放送を除けば不偏不党などということはあり得ない。海外で報道といえば記者が独自取材し,自身の見解を含めながら署名記事を書くのは普通の事である。取材対象に対して自分の分析・評価を加えることは,転じてその報道によって社会や何かを変えたいという欲求の現れでもあるからである。

 

そういう意味では実に報道陣らしいスタンスである。部外者から見れば「マスゴミ」とか言われそうなスタンスですけれど,彼女がやりたいのが事実の配信(通信)ではなく,事実に対する論評を含めた報道であるならば,まあそんなもんなのかも。将来政界入りした藤原千花に迫る朝日雫に期待したいところ。

 

そんな「世の中を自分の理想に近づけるためのツール」「正しい情報に主観を添えて世論のバランスを整える手段」の後継者に指名された者たちがこいつらであります。

  

f:id:ayumie:20201001003231p:plain

どどめ色の未来

ひっ...!

こいつらにマスメディア部という公器を与えるとは,朝日雫もやりおるな...。

ドドメ色に染まった秀知院学園の報道はどうなるのか。脳内総天然色の「かぐや様は語りたい」ばりの世界観に染まった報道が行われるのでしょうか。別の意味で期待である。

 

④生徒会は見送りたい

そして卒業といえばもうひとり...。

 

未だ名前も出てこない先代生徒会長である。まあそのうち「一年生・夏」とか「一年生・秋」とかで出てくるかもしれないけれど。

 

f:id:ayumie:20201001003248p:plain

先代生徒会長

思えば秀知院の吹き溜まりで不貞腐れていた白銀御行を拾って成長する機会を与えてくれたのは彼だった。

 

まさしく前回,子安つばめ先輩がやっていたことと同じことである。そこに集う面々もまた,先代生徒会長に対して「僕らにとってこの学園の会長は貴方」という表現をしている。子安つばめに救われた龍珠桃ちゃんもふくめ,この先代生徒会長に救われた面々がこの前々回生徒会メンバーなのかな,と思ったり。

 

そして卒業間際になっても新情報が飛び出してくるわけですけれど,自分を指して「嫌われ者」というあたり不思議な感じである。秀知院生徒会長といえば,あの国の心臓とも言われし四宮かぐやと相立ち並べるほどの権威である。にもかかわらず,まるで石上優がそうだったように「嫌われ者」とはなんじゃらほい。

 

そもそも,生徒会メンバーは白銀世代と上級生で「折り合いが悪い」的な言及があったわけですけれど,こうして先代生徒会長を見送る元メンバー(下級生)は明らかに先代生徒会長に尊敬と感謝の意を示している。

 

「今も昔もやっぱり君たちには敵わない」という表現からもわかるように,なんらかの理由で先代生徒会長は悪役を被る必要があった出来事があって,それを後輩たちに看過されている。ただ周囲はそれを知らないので,かつての石上優状態になっているのかな...とか思ったり。

 

これは前回の生徒総会での大立ち回りと関係しているんですかね。いずれそのへんの話も描かれるんでしょうけれど(「1年生・夏」かな),それはあとのお楽しみということで。

 

f:id:ayumie:20201001003318p:plain

阿部さんなのか?

 

それと今回登場した2名ですが,既出キャラじゃないよな。

女子の方はメガネかけた柏木渚みたいになっていますけれど,多分別人だよな。このあたり,生徒会メンバーだろうと想像されながらも未登場な阿部和音さんか,阿部夜由代さんである可能性。あるんじゃないでしょうか。私,気になります(男は気にしないのか)

  

 

そして石上優にとっての卒業式

そして石上優にとっての卒業式である。

 

思えば秀知院高等部に入ってからの石上優の人間関係の中心は先輩との関わりであった。それは同級生から村八分されるという中等部以来の負の遺産と,それに対して手を差し伸べた者が先輩たちだったということもあるけれど。

 

生徒会然り。応援団然り。

入学当時からは考えられないほど成長した石上優。それは様々な役割や目的を共有する中で積み重ねられた「石上優との関わり」があってこそなんですよね。白銀御行しかり。風野団長しかり。そして子安つばめ然り。

 

石上優もそれをわかっている。自分との関わりの中で相手が気にかけてくれた思いやり。優しさ。励まし。それにどれだけ助けられたかわかっている。

 

f:id:ayumie:20201014104033p:plain

石上優は助けられた



 

風野団長は,石上優が本当に悪いやつではないことを知っていた。知っていたからこそ,応援団に入った時もそれとない優しさを向けてくれていたのだけれど,団長としてみれば「石上が悪くないことを知っていたにもかかわらず,その解消のために動かなかった」という想いがある。少なくともつばめ先輩が行ったようなことを思いつかなかったわけですから。

 

その負い目がこの発言につながっているわけですけれど,石上からしてみれば風野団長は十分自分に気をかけてくれていたわけですよ。総スカンな状況において,偏見もなく接してくれる。体育祭の団体リレーにおいて,自分に託してくれた。

それはあるがままの自分をみとめてくれていたからである。「この人達はいい人たちだ」と石上が感じた気持ち,それに感謝こそスレ「詫び」を言われる筋合いではない。

 

そんな石上の言葉によって,風野先輩もまた救われているわけですよね。自分は何もせず石上をあるがままの状況に見捨てていたわけではなかった。自分の気持ちが,接し方が,きちんと石上優にとって糧となり励みなっていた。そのことを知ったからこそのこの顔である。 

 

f:id:ayumie:20201001003401p:plain

守られたい。この笑顔。

 

この先,石上優と風野団長がもう一度交わる機会があるかどうかはわからない。「また遊ぼうな」の言葉は社交辞令かもしれないし,つながり続けるかもしれない。

それはどうなるか分からないけれど,少なくともこの半年ちょっとの間,応援団を軸とした交流の中で石上の人生を変えるような影響を与えてくれたことは確かなんですよね。だからこそ感謝感謝の別れである。胸熱ですね。

 

 

そして石上優に影響を与えた最大の人がもう一人...

 

f:id:ayumie:20201001003429p:plain

桜の樹の下に埋まっているのは...

 

桜の樹の下で待つその人の出す答えは何なのか。文化祭のハプニング告白のあとに交わした告白の期限,3月。今日がその最後の機会である。

 

あの日,「櫻の樹の下には死体が埋まっているんだよ!」(梶井基次郎)を引いた樹の下で,子安つばめは石上優の何を見て,自分の心の「好き」に何を見出したのか

 

かつて占いおじさんこと白銀パッパは「その人と何をやりたいか,関係性で選べ」と助言しました。そして子安つばめが贈った「贈り物」は石上優を孤独にさせないこと,正当に評価されること,隣人愛の精神で包み込むことでした。

 

「これからどうゆう答えが待っていようとも泣く事はない」がフラグを掻き立てます。しかし,ドラマは終わるまでわからない。次号,つばめ先輩から贈られる「一番の贈り物」を石上優はどう受け取るのか。そんな「告白の返事」の受け止め方こそ,最大の焦点のような気がします。

 

ドキドキが止まらないわけですが,こればっかりは座して天命を待つしかなかない。気になる引きで,まる。

 

  

余談:【今週の推しの子】

最近の「推しの子」のラブのコメっぷりが半端ないな!

「推しの子」半端ないって!あいつ半端ないって!こんなんできひんやん,普通...

 

重曹ちゃんこと,有馬かなをアイドルユニットに誘うことを画策したアクア。かつての兼ね合いもあって,ルビーとの相性はあんまよくないわけですが,それでもそこは惚れた弱みと姉妹(と自身の復讐)のためである。ようけまあ,とうとうと語るもんである。

 

f:id:ayumie:20201001003538p:plain

たらしめが...


 

たらしめが...(by 尾形 fromゴールデンカムイ)ってやつである。

 

芸能界の損得勘定よりも,惚れた男のそばにいられる環境を優先した重曹ちゃん。芸能人としてもポンコツですけれど,恋する乙女としてもポンコツですね。まるっきし,いいように利用されている風でもある。

 

このままだとアクアがちょっとアレな中身50代の知的犯罪者みたいになってくるわけですけれど,そこはそれ,救いもあるのであった。

 

別に嘘はついてないんだし。

 

f:id:ayumie:20201001003554p:plain

良し!

 

"別に嘘はついてないんだし!"

 

 

 

ほいきた!

 

嘘はついていない。有馬かなは「可愛い」。そこらのアイドルより「ずっと可愛い。」有馬かななら,大事な妹を預けられる程度には信頼している。

 

素晴らしいね。

ここで「本音」を混ぜ込んでくることで,アクアの悪人感が薄らぐばかりか,ラブがコメる予感がプンプンと増してきます。こういうところだよなあ...赤坂先生の脚本がうまいところ。本当にドラマとか映画とかシナリオ書けそうである。

 

謎解きと陰謀仕立てなところが「かぐや様」のようなラブコメとは作風を全く異にしてきますけれど,これはこれで面白い。今後のアクアとロリ先輩の関係にも注目である。というわけで,再度まる。

 

現実逃避のご案内

Google検索で記事が出なくなったら、検索語に「現実逃避」を付け足すと見つかりやすいです。

 

 

   

 

 

最新コミックス【電子書籍】

 

 

 


*画像は週刊ヤングジャンプ2020年第44号 『かぐや様は告らせたい』192話,『推しの子』20話より引用しました。