さてと。『かぐや様は告らせたい』第213話の感想です。
なお今回の(も?)前説は飛ばしていただいて差し支えありません。
年度初めで忙しい。まあそんな状況でもあるのですが,先週はお休みさせていただきました。本当は今週も書くの躊躇ったんですが,もし今週も休んだらもう二度とブログを書く気力がわいてこないんじゃないかと思ってとりあえず書き始めてみた。うーん,後ろ向きすぎる。
そもそも感想なんて「書きたい衝動」に駆られて勢いよく書くものなんですよね。書きたいから書く,それが「書かなきゃ」とおもったタスクになったらもう,それはただの作業になってしまうんじゃないかって。
誤解のないように書いておきますが,かぐや様はこれまで通り楽しんでいるんですよ。先週のお話も藤原さんとかぐやさんの思いもよらないエピソードに驚かされた上に,そんな二人の関係にほっこりしたし。ここで藤原千花のピアノエピソードが入ってくるとは意外でした。
まあ正直なところ,第211話予想で「藤原千花は気づいていたのではないか」なる珍予想をして見事に外れたところもあって,うっわこれは212話感想は謝罪会見じゃん...くっそぉ...(ナナミン)みたいな感じになって書きづらかった部分もあるんですけれどね。
しかしまあ予想通りの人生,もとい作品展開がきて「やったぜ!」という気もちも嬉しいですけれど「意外ッ!それは〇〇!」ってな感じで全く予想を外した展開が来てくれるのも驚きとともに新鮮さがあるわけで。そんなわけで第212話は十二分に楽しめたのでした。
藤原千花がピアノをなぜやめたのか。そもそもやりたくなかったという事実とともにかぐやとのやりとりが再現されたこともさることながら,その後にこれまでの時間を取り戻すために遊ぶための手段としての「ゲーム」がでてきたりして。ちょこちょことこれまでのミッシングリンクが埋まりましたしね。その上での藤原千花の祝福にほっこりしたものですよ。
そんな藤原千花さんの笑顔が今週も続いているのか。気になる第213話感想です。
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藤原千花は虚無りたい
さて前回は親友としての筋を通す意味でのかぐやさんから藤原さんへの真相告白だったわけですが,改めて世界に向けて告知となると照れくさいような気恥しいような気持ちを伴ったものになるわけですよ。少なくとも当事者は。
しかしながら,我らが秀知院学園の秀才どもはそんなことは昔から重々承知だったわけで。石上も伊井野さんもとっくの昔から感づいている感ありましたからね。
分かっていても触れずに見守る。いや,伊井野さんは以前から会長にぶっこんでいましたけれど,「いつごろからそうだったのか」という点に関してはすさまじい精度で感づいておられる。しかしそれを敢えて言わない。そこが良いと思うんですよね,僕は。藤原千花さんも同じ世界線の人だと思っていたんですけれどね...(まだ言う)
しかしまあなまじ「理解っている」者同士のトークだけに,理解っていなかった者の悲哀さが漂います。石上と伊井野さんがいまだからこそぶっちゃける「いつから気付いていたトーク」に精神をぶん殴られて虚ろな目をしているものがいるよ。ていうか,藤原書記だった。
フッフッフ...藤原だ。(唐突なドフラミンゴやめろ)
「え,もう祝福顔からそんな顔になっちゃうんですか?」
「もうちょっと頑張れませんでしたか?」
そんな石上優のアオリトークが聞こえてきそうな表情の藤原さんです。
なんて顔...してやがるッ!藤原ァァァッ!.
まあ完全にこうなることは読者には予想ついたわけですが,案の定の藤原さんの表情にこちらも満面の笑みをこぼれさせざるを得ないですね。 これよこれ! 待っていたところにそのまんま虚無顔の藤原千花がくる。ほしいところに欲しい表情をもってきてくれるよねぇ...赤坂先生は。
藤原千花は譲れない
そんな精神が漂白されたような顔をした藤原千花を放置したまま始まるぶっちゃけトークに千花っとチカチカちゃんはますます精神が虚無になっていくというわけですよ。このあたり,四宮かぐやに対する距離感の違いがはっきり出ましたね。
石上と伊井野さんからしてみれば,四宮かぐやと会長は先輩であり生徒会の仲間であるわけです。そこに一定の親愛関係はあってもそれはあくまで先輩・後輩としてや,生徒会メンバーとしての仲間意識の範疇なわけです。個別にはその絆の軽重はあるでしょうけれど。
しかし藤原さんにとって四宮かぐやは「親友」なわけです。
苦しかった自分を助け出してくれた人。自分の殻を破って解放させてくれた人。その上でともに遊び,笑い,楽しめる友人としての関係を気づいてくれた人なわけですよ。
前回のかぐやさんの打ち明け話はそんな友情を再確認するような「特別な関係」の再確認も含んでいたわけで,それが分かるからこそ前回のラストは率直にかぐやを祝福できたわけですよね。それがいざ,こんな風に自分を蚊帳の外にして親友のかぐやさんが会長への恋愛感情を赤裸々に語るの,これ完全に虚無なんですよね。無限に広がる虚無空間,無量空処ってやつですよ。虚無がいつまでも完結しない!
千花,切れた!!(独歩かよ)
唐突に生まれ出ずる独占欲とも言うべき謎の感情である。
まあ分からなくもないです。性別関係なく相手との距離感を大切にする人にとって「私が一番であること」は重要なんです。
私とかぐやさんは親友なのに。ぽっと出の会長に一番の場所を持ってかれた。寝取られた!その感情がNTR感そのまんまに藤原千花のだらしないボディーをぶん殴っているわけですよ。正確には,伊井野さんの指摘通りBSS(僕が最初に好きになったのに)って感情ですけれど。
こうなったら藤原さんは聞き分け悪いですからね。
私が一番の場所じゃなきゃ嫌だイヤイヤッ!ってだけのことなので,言葉に出していることは単なる修飾語です。会長の事だって加点式で捉えればとてもいい人だと思っている。そりゃちょっと悪いところもあるけれど,その地獄を乗り越えてプラスに転じる加点が白銀御行にはある。そんなの解かっているんです。
にもかかわらず親友の四宮さんは会長への恋愛感情駄々洩れの脳の病みたいなトークしかしないし。そりゃ嫉妬で狂うのも無理ないわ。四宮かぐやの一番は譲れないのである。
まあ冷静に考えてみれば恋愛感情と同性の友情は全く異なるので,自分が一番の座から転げ落ちたわけではないのですけれど。そんなことも見えないくらいにこの下克上に頭に来ちゃっているんだね。千花の六眼から見える二人の関係は間違いなく祝福すべきそれなんですけれど,私の魂が否定しているんだよ!って奴です。
最後の捨て台詞が思いっきり負け犬風でいっそ清々しい。
なんだこの,「今日のところは勘弁しといたるわ!」感...
そんな藤原千花の見事な虚勢ぶりに,とてつもなく愛おしい感情を抱いたらあなたもきっと藤原千花ファン。次回一体,どうなることでしょうか...ってなところで,今回の感想はまる。
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