現実逃避 - hatena

「かぐや様は告らせたい」の感想を書いている漫画感想ブログ

『かぐや様は告らせたい』 第223話 四宮かぐやの無理難題「仏の御石の鉢」編⑧ 感想 : 女の子は面倒くさい...! の巻 【追記あり】

 

 

さてと。『かぐや様は告らせたい』第223話の感想です。

 

結局四宮かぐやの無理難題「仏の御石の鉢」って何なのさ?という疑問が迷走するままにここまでやってきた今回の長編。まあその答え合わせが開示されたわけですが,いや本当にブロガーはつ令和。

 

漫画感想なんて全力で漫画を楽しんで,そこから生じたアウトプット(妄想)を掻き連なっているだけなんですよ。そこは恋愛脳のayumieさんですからね,基本恋愛脳で読み解きます。大仏さんの背景が開示されたから,てっきりここからの恋の三角関係をどう泳ぎ切るか的な観点で読みたくなるわけなんですが,いや,これ全然違ったわ

 

 

深読みも妄想も全く要らなかったのね...。

大仏さんが「この好きは恋じゃない」といっていたのも文字通りだったし,いまさら石上を巡ってミコちゃんと取り合う気もないというのも言葉どおりだったわけです。僕が先週まで言っていた「伊井野ミコの恋の障壁になる」というタイプの妄想は一切不要だったわけね...。これは恥ずかしい奴ですわ。得意満面に烏骨鶏の鶏がらスープの蘊蓄を垂れた藤原千花並に恥ずかしい奴ですわ。

 

はあ...めっちゃテンションが下がってきましたね(羞恥心で)。

 

いや,もともと漫画感想なんて妄想の垂れ流しじゃないかと。空振り上等,当たればホームランぐらいの気分でここまでラブコメ感想書いてきたわけですからね。いまさら妄想という名の予想が外れたところで何だと言えばなんですが...。作者がこの駄ブログを読んでいないであろうことが唯一の縋り処ですね(ちょ)

 

はい。

という訳でテンション低めですが,第223話の感想です。

 

 

 

新刊コミックス 【単行本】

 

 
 

 

 

 

四宮かぐやは裁きたい

さて,そうなると焦点は「伊井野ミコと大仏こばち」の関係がどうなるかに当てられてくる。前回,四宮さんは「大仏さんの言い分」を聞いたわけですけれど,そこには一定の妥当性があった。

 

なるほど,大仏さんは勝手に石上を推し,勝手にミコちゃんのために引き,勝手にミコちゃんが支えなかったことを怒った。そんなものの見方もあるかもしれません。ですが僕はあまりそうは思わなかったんですよね。

 

だって彼女は自分が抱えていたこのクソデカ感情を伊井野さんに伝えるつもりなんか無かったし,それが伝わってしまったのは単にハプニングからです。彼女にとってはそれは伝えるつもりが無かった静かな怒り。だからミコちゃんの邪魔をするわけでもなく,単に「ミコを推さない」という消極的な方法で黙したまま意思表示していたわけですよ。

 

伝わってしまったのはハプニング。事故だからこそ,大仏さんは「その関係をーー断つ!」(檀黎斗)という判断をさくっと下したわけです。

だって思っていたことは事実だし。彼女の静かな怒りはミコちゃんに「謝る筋のものじゃない」。少なくとも「伊井野ミコは石上に支えてもらったのに支え返さなかった」のは事実ですからね。そのことについて不満を抱くのは大仏さんの立場ではどうしようもないじゃないですか。

 

 

それに対して伊井野ミコの反応はどうか。

「そういうことならそれで良い」とばかりに関係を断ったのは,大仏さんの「上っ面の友達」発言があったからです。陰口を言われたから信頼できない。友人ではいられない。そういう反応です。

 

これ,かつての四宮かぐやの反応と一緒ですよね。

自分の秘密を他者に漏らす者は信じないというルールを徹底してやってきた四宮さんの生きざまに相通じるものがある。となると四宮さんは伊井野さんの肩を持つーーーと思うじゃん?(米やん先輩)

 

違うんだよなぁ。

ここで下される四宮かぐやの裁定である。

 

 

伊井野ミコは裁けない

かぐやさんが鋭く指摘したように,伊井野さんの判断は「相手の行動」の是非だけで行われているんだよね。表面上の善悪によって下される幼い正義判定。それは読者の僕たちもずっと気にしていたと思うのですけれど,伊井野ミコの「正義判定」はルールやモラルに照らし合わせて是か非かしかないんですよ。彼女の価値観・倫理観という自分の中にある物差しで測っているだけで,客観性が無い。

 

客観的判断をしたいのであれば,そこに「なぜ相手はそのような行動をとったのか」という過程を見ることが必要です。それがなくして表面的な正義だけを裁くことになんの意味があるだろうか。

 

(BGM)Excite by 三浦大和

 

「伊井野ミコッ!

なぜ君が大仏こばちに弁解もされずに....絶交されたのか。

なぜ人は君の裁定に逆らうのか,なぜその行動を揶揄されるのかァ!」

 

それ以上言うな!

 

「その答えはただ一つ...!」

 

やめろォォォ!

 

「ハァァァ....伊井野ミコ!

君が!幼い正義を振りかざすだけで! 正しい順序を見付ける能力が無いからだァァーーーーーハッハッハッ!アーーッ!ハッハッハッ!」

 

 

脳内に思わず「宝生永夢ゥ!」パロが流れるくらい明白です。

 

 

それくらい伊井野さんの正義単純で,独善的で,人から支持されるとは限らないものだったわけですね。

 

これをかぐやが指摘するのはなかなか面白い。

割と四宮さんは自分で定めたルールや価値観に忠実な人です。例の友人テストなんかその最たるものでしょう。にもかかわらず彼女は藤原千花と友人であり続けたし,自分の情報を幼い頃から黄光に流し続けてきた早坂愛とも親友になっています。

 

それは彼女が「相手がどうしてそういう言動をしたのか」その過程を含めて裁定しているからなんだよね。もし彼女が相手を知ろうとせずに単純にその場の出来事の善悪ですべてを裁定していたら,彼女らとの友人関係は築けていない。

 

「過程を見られるか否か」

それこそ四宮かぐやが伊井野ミコが不足していると思っていた部分,大仏こばちの言い分に妥当性があり,伊井野ミコに問題ありとした部分の背景だったわけです。

 

 

四宮かぐやの無理難題「仏の御石の鉢」

それに対する伊井野ミコの答え。

 

 

ふむ。

わかっとったんか...。自分が石上に支えられてきたのに,表面上の反応で石上を支え返さなかったことを。

 

まあ分かった上で,大仏こばちと仲直りしに行けないのはまだ幼さを感じますけれど。すくなくとも四宮かぐやのお眼鏡には叶ったようです。からーの,かぐやさんの無理難題。

 

 

 

 

 

来たか。

これが四宮かぐやの無理難題「仏の御石の鉢」

 

大仏こばちとの仲直り。これはなかなかの難題である。

伊井野ミコがやらかした案件は「過去」の出来事である。起きてしまったことを反省することは出来ても「無かった」ことにはできない。あの時支えられなかった自分はバカだったと大仏さんに謝ったところで,大仏さんの気持ちがどうなるかは分からない。言葉だけ言うなら簡単ですからね。

 

伊井野さんが反省しなければならない相手はそもそも当事者の石上でもあるわけで,そういった経緯を無視して問題が済むとも思えませんですし。おすし。

 

その辺のプロセスこそ予想が困難である。伊井野ミコ一世一代の奇問・難問である。なまじ人の気持ちや立場が分からなかった子だけに,苦労しそうな予感がします。「長編シリーズ,ここからが本題!」のアオリが波乱を予想させる。

 

友人との関係恢復と石上への恋の挑戦権。そして生徒会長後継への道。

 

いろんなものが積み重なったこの無理難題,どう解決していくのか気になるのである。ということで,今回の感想はまる。 

 

追記

感想上げた後に,「かぐや様が伊井野さんに厳しいのでは」という意見をお見受けし,いろいろやりとりさせていただきました。

 

まず四宮さんは,大仏さんから聞いた話,(そして恐らく自分自身がみてきた大友事件に関する知識も踏まえて)客観的に事実整理した。そこが前半ですね。そこでは特に伊井野さん・大仏さんに対する肩入れはありません。実際「私はどちらにつくべきなのでしょう」と言っていますから,肩入れの意識はないはずです。

 

その上で大仏さんに対しては特になく,そのまま伊井野さんとの会話で伊井野さんに対する物言いが厳しかった件をみて,「伊井野さんに厳しすぎる」「なぜ責める筋合いでもない大仏はスルー」みたいな感情を得た人もいたようです。

 

大仏さんに対して何の助言も指導も無かったのは,直接的には彼女の物語が終わっているからだと思います。石上に対する想いも過去のもの。伊井野さんが石上を支えなかったという不満も過去のものです。

 

彼女はそんな不平不満を持ちつつも,自分が勝手に下りて,自分が勝手に伊井野さんに自分がやりたかったことを期待しただけだという自覚がある。だから,伊井野さんに対して何年間もその話はしなかった。友達付き合いを断つでもなく表面上はうまくやってきた。まさしく「上っ面の関係」です。

 

今回,それが伊井野さんに伝わったのはあくまでハプニング。伝えるつもりも無かったことが伝わってしまったので,じゃあこの関係はここまでにするしかないですねと断ち切った。

 

このような状況をリアルタイムで四宮さんは見ているので,「現状大仏さんに対してどんなアクションを取るべきか」といった時に具体的なアクションが出てこなかったのでしょう。なぜなら大仏さんの気持ちはもう終わっていて,石上に対しても伊井野さんに対してもアクションを取るつもりが無いからです。だから直ぐに「こうしろ」「ああしろ」という話は出なかった。

 

 

一方で伊井野ミコ。

話の流れで過去に伊井野さんが石上を支えなかったという事実があるという認識があります。そしてその理由が彼女の持つ幼い正義感に基づいているからだということも分かっています。

 

伊井野ミコがなんやかんやで支持されなかったのは,今回のお話でも明らかなようにその正義の物差しが自分の自己認識の範囲内にしかないからです。客観的な物差しでなく,「正しいか正しくないか」という近視的な感覚でしかとらえられない。それは僕も以前から感じていました。

 

そして今回の大仏さんとの絶縁の遠因が,伊井野ミコの欠点と結びついている。いずれは生徒会長を任せるような相手なら,広い視野で相手の気持ちを理解しながら客観的な判断ができる人物であってほしい。それは伊井野さんが大仏さんと異なり直説的に生徒会というつながりのある関係があり,彼女を生徒会に声かけた時の経緯も踏まえれば「成長してほしい」という期待値をかけるのは当然のことです。

 

だからこそ,まずは彼女の狭い正義の物差しを広げるよう助言した。大仏こばちと仲直りを求めた理由は,それができれば「相手の立場や気持ちを知り,なぜ彼女がそうしたのかその過程を理解した上で相手の行動を判断できた」という証拠になるからです。

単純に伊井野さんに謝れと言っているのではなく,彼女自身がなぜ大仏さんがそのような行動をとったのか理解できたのか,その上で大仏さんの行動は本当にただの陰口とすませることなのかを解るかどうか。そこを試しているのだと思います。

 

そんな風に読み解けば,今回の四宮さんが与えた「無理難題」の意図が見えてくるんじゃないかと思います。

 

  

現実逃避のご案内

Google検索で記事が出なくなったら、検索語に「現実逃避」を付け足すと見つかりやすいです。

 

 

 

 

   

 

新刊コミックス

 


*画像引用は中止しました。