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「かぐや様は告らせたい」の感想を書いている漫画感想ブログ

『かぐや様は告らせたい』 第228話 石上優は誘いたい 感想 : この一歩は二人にとって小さな一歩だが...の巻

 

 

さてと。『かぐや様は告らせたい』第228話の感想です。

 

みんな大好き四条眞妃!

 

最近は生徒会役員共も恋に浮かれっぱなしで一部フジワラを除き陽の者だらけとなりつつあります。そんな中,本作品において孤高の女王のごとく燦然と輝く女帝・四条眞妃さんが出てくるだけでなんでしょう...読者にとっては砂漠の中のオアシスのように落ち着きが得られますね。

 

 

しかし石上眞妃ちゃんか...。

かのヤマカムさんも石上ルートの対象として選択肢に挙げている石×眞妃という組み合わせは案外珍しい。だいたいここに会長が入っていますからね。しかも場所は例の会長・四条帝・翼のエロい会話がなされた屋上への階段の踊り場というのも業が深い

 

ある意味二人は似た者同士である。

ともに本命馬には振られて傷心の身。「一人ぼっちで惨めな自分」というカテゴライズで石上が括りたくなるのも分からなくもないです。二人の恋は既に終わっているからね。

 

そんな「終わり人」である四条眞妃さんを見ていると「ああ,この人が本当に幸せに成ることってあるのかなぁ...」と読者的には感情移入してしまうわけです。何しろ眞妃ちゃんが幸せに成れるかどうかは作者ですらわからないのですから。

 

 

そんな人のことを心配している場合じゃないけれどもお人好しな四条眞妃さんによって暴かれる石上優の本心を描く,第228話感想です。   

 

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四条眞妃は見透かしたい

というわけで,ボッチ同士の巨頭会談と相成ったわけであります。片や不幸が定時運航している眞妃ちゃんはいつものように柏木さんと翼くんとのイチャつきからの現実逃避なのは言うまでも無いのですが,問題は石上優である。

 

最近の石上は大友問題の誤解も解け,応援団を始め諸々活動の場を広げて「居場所がない男」ではありません。教室に行けばオンゲー仲間の不知火さんもいますし,生徒会に行けばいつもの安定面子による安息の地が得られる。にも拘らずのこの逃避行の原因 is 何...? といえば教室にも生徒会室にも存在する「あの方」が問題なわけですよ。

 

 

ふふん。

あっさりと悩みを看破する眞妃ちゃんである。この辺り,やはり四宮かぐやと同等と言われるほどの卓越した能力者たる所以である。石上の「誰からも逃げていない」という言い訳からのフランス校主催の社交パーティーの件は実際に石上が抱えている問題であるわけですが,その本質は「誰をパートナーに誘うか」という部分に焦点が当てられているわけですよ。

 

実際ね。眞妃ちゃんの言うとおり,今の石上であるならば誘える相手はいると思うんですよ。ちょいと高根の花でいけば不知火ころもさんだってアリじゃないですか。距離感だけなら石上が試みたように四条眞妃さんでも,あるいは小野寺麗さんでもいいわけじゃないですか。でもそうはしない。なぜか。

 

 

四条眞妃はお安くない

それは「つばめ先輩」が理由ではないわけだよね。そうやって石上が糊塗しようとするのもわかるし,実際のところ失恋がダメージになっているのは事実ですけれどもね。

 

 

この軽妙かつコミカルなやりとりは「いつものかぐや様」のコメディなんですけれど,その裏にあるものの意味は結構深かったりする。お互いが相手の失恋を「早く忘れろ」「先に進め」と言いあうあたり,双方向性ブーメランでこれだけでゲラゲラ笑えるわけですけれど,その実二人の抱えている悩みは似ているようで違う。

 

片や四条さんがいつまでも本命を忘れられずにその恋を抱え込んでいるが故に先に進めないのに対して,石上優はその恋を忘れて先に進むことに対することに対して不誠実感というか自己嫌悪を抱えているわけで。二人は似ているようで全く違うのである。

 

 

 

それを四条さんも分かっているからこそのこの表情である。

 

 

石上優の「逃げ」と分かるそのお誘いに乗っかる程,四条眞妃はお安くないのである。国の心臓たる四宮家...に匹敵する四条家長女を口説くには「本気」でなければ駄目なのである。当て馬なんかにされる気は一切ない四条家ご令嬢の気高さに一瞬「おおっ」っと思わされるシーンでしたよ。

 

そうやって謝絶することでそっと石上の背中を押してあげる。なんだこの先輩...めっちゃええ人やん...。なんでこんなにいい人なのにあんなに不幸なんだろう死んだ子の歳終わっている恋をいつまでも数えているからです)

 

石上優は踏み出したい 

で,その背中を押された石上だ。

 

石上が生徒会室に行きたくなかった理由,それは端的に言えば自身の想いの「軽さ」に耐えられなかったからである。子安つばめ先輩に振られた時に流した涙,アレは本気の恋が実らなかった悲しみの涙であった。

そんな苦しくて,思わず「~ポヨ」とか人格壊れちゃうくらいに辛い思いを抱えていたにもかかわらず,いつしか終わった恋が記憶から流れていき別の想いが生まれ出ずることになっていたこと。

 

自身が重く受け止めていたつもりの失恋の重みがわずか数か月でなくなっていたこと。ずっと嫌われていたと思っていた相手が自分に向けて優しい顔を向けてくれるようになっただけで嬉しく思ってしまうこと。自分が抱えてきた思いの「軽さ」が,そんな自分の気持ちの変化が節操がないように感じる。だから生徒会室には行きたくなかったわけだね。

 

 

大したものだな...(大魔王バーン感)

 

子安つばめに恋する石上の背中を見つめながら苦しんできた伊井野ミコ。恋愛は「悪い子でもいい」と方向転換し,伝説のワルイイノに覚醒しながら猛烈なアタックをかます一方で大仏こばちとの関わり人の気持ちに思いを馳せるスキルを身に着ける。

そんな「苔の一念」とも言うべき積み重ねが,石上の気持ちの変化を促したのだから,やはり伊井野ミコは大したものだったんですよ。

 

 

 

結果,石上が勇気を振り絞ってその一歩を踏み出すことになる。

 

ダンスパーティーをどうするのか。相手をどうするのかという石上の切り口を瞬時に理解して冷静に応じるあたり,さすがは伝説のワルイイノさんと化した伊井野ミコさんである。きっと内心では「キタ━━━━ヽ(゚∀゚ )ノ━━━━!!!!」とか思っていただろうに,敢えて自らは話を展開させず,石上に語らせるこのやり口...!  この女子,戦い慣れてやがるッ!

 

 

 

うむ。

 

感無量である。伊井野ミコが種をまき,育ててきた「意識付け」が実となり,刈り取ったその瞬間である。きっと提案した石上もドッキドキだっただろうし,それに対して全のような反発を見せることも当然なく,かといって舞い上がるわけでもなく軽く頬を染めて「.......うん」と答える伊井野ミコもドッキドキだったろう。いやもう,こんなん完全に付き合う直前のカップルじゃないですか。

 

そう,ついに「かぐや様は告らせたい」の裏主人公と裏ヒロインは白銀Xかぐやと同じ恋愛頭脳戦のスタートに立ったのである!

 

 

天才たちの恋愛頭脳戦,再び?

この一歩は小さな一歩であるが,石xミコにとっては偉大な一歩である!

 

とは言ってもな。

たしかにこれは「恋愛頭脳戦」の体をとっているわけですが,しかし御行とかぐやとはまたちょっと違う様相の恋愛頭脳戦のような気がする。

 

白銀御行とかぐやにはそれぞれ「相手に告白させなければならない」という信念,想いがあったわけですけれど,片や石上と伊井野さんにはそれはありません。少なくとも石上に対して伊井野さんはなりふり構わぬ積極的なアプローチをしてきましたし,対する今回の石上のアプローチも白かぐに比べればはるかに積極的です。「相手に告白させなければ,それ即ち"死"」みたいな悲壮感はこの二人には無い

 

 

まあ強いて言えば石上側には自身の恋の変遷に対する自己嫌悪をどう処理するかという問題がありますが,ぶっちゃけそこは白銀御行が抱えていた闇に比べればはるかに軽い。これが御行だったら最終的に同じプロセスでパートナーを組んだとしても,そこに至るまでの内面的葛藤がとんでもないことになっているでしょうし,かぐやとの駆け引きもあったでしょう。

 

そう言う意味では石上と伊井野さんの恋愛に関しては素直なアプローチで行けそうな気もするんだよな。誰かが「恋愛は相手に告白させた方がいいですよ」とか吹き込まない限り。

 

 

だいたい,いまの白銀xかぐやを見ればわかるとおり,そんな駆け引きなんか無しにしてとっとと付き合ってしまった方が「はるかに幸せに成れる」ことは明白です。賢しい二人ですからその辺は案外素直なアプローチで行くことになるような気もする(漫画的にはそうはならないかもしれないけれど)。

 

なーんてことに思いを馳せながら,終始ニヤニヤしてしまった「かぐや様は告らせたい」第228話感想でした。まる。 

 

 

  

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