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『かぐや様は告らせたい』 第237話 石上優は言い出せない 感想 : これが俺たちの物語だったら...!の巻

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さてと。『かぐや様は告らせたい』第237話の感想です。

 

前回は湿度高めのバカップルが恋愛一直線からーの,唐突な四宮さんの秀知院退学話...という急展開。話が一気に動いてきたところでの今回のお話です。2週間が長かったぜ,本当...。

 

 

 

しかし作中の時系列は  「長かった」どころじゃぁない。

え,会長は来週にはスタンフォード大学に向かっちゃうタイミングなの...?

 

 

ふむ。

まだまだ先は長いみたいな話だったのに,時系列的にはかなり緊迫したタイミングだったのね...。

 

こうなってくると,陽気にふるまっていた白銀御行に対する同情というか,憐憫の感情が強く湧き上がってきます。数年間という間,四宮さんと白銀は別に過ごすことになるわけですが,その直前の最後のいちゃつき期間・恋愛の黄金時間ゴールデンタイムをこんな形で別々に過ごすことになったわけですからね。

 

 

 

 

ですが白銀目線で見てみると,これは事前に予測された通りの進行であって,ある意味想定内の出来事ということだったのかもしれないんですよね。第199話「夢」(コミックス21巻・第209話)で四宮かぐやは言っています。

 

自分は「四宮家の中で力を得て自由になるためにアメリカには一緒に行かない」と。四宮家と縁を切り,四宮かぐやが素敵な家族と言った白銀家に加われるようにするために,「今は少し違う道を歩く」ことを提案し,合意したわけですから。

 

 

いま四宮かぐやはその戦いの中にいる。思っていたより少し早いけれど,そのために京都で彼女は戦っている。そう考えていたんじゃないかしら。だから別れまであと少しというこのタイミングにおいても白銀御行は「じたばたしていなかった」んじゃないかと思っていたわけですが...。

 

事態はさてどう展開していくのか。

というわけで,かぐや様第237話の感想です。

 

 

 

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後輩たちは居たたまれない

そんな背景があるからこそ,冒頭,割と落ち着いた感じというか能天気に恋人を懸想していた白銀御行だったと思うんですよね。何と言うかですね,これはもうある種「覚悟してきている人」ってことだと思うんですよね。

 

しかしそんな裏事情をしらない後輩バカップル・石上優と伊井野ミコは生徒会室で完全に居たたまれない状況にあるのであった。

 

 

 

そうだよなあ...。

四宮さんが学校をやめるとか言っている現状において,四宮家の教育方針に疑問を抱いているとか能天気にもほどがあるわけで。その事実を知らない白銀が「早く戻って来いよな...」なんて呟かれちゃった日にはうぉぉぉぉぉぉっ!ってなっちゃうのも無理ないですよ。完全に居たたまれない空間がそこにある。

 

 

なんて顔...してやがる...白銀ぇっ!

 

こんなんオルガ=イツカじゃなくても叫びたくなる状況です。僕が御行の後輩だったら叫び出して逃げ出したくなるかもしれない。そんな魔空間に取り残された後輩二人石上と伊井野が右往左往する様は,絶望と頼りなさしか出てこない。

 

いずれ先輩たちが引退して,伊井野・石上体制となった生徒会では様々な難題をクリアしなければならない状況があると思うんですよね。四宮さんがこの難題を石上にぶつけてきたのは「白銀御行に直接伝えたくない事情」があったことは間違いないですが,加えて言えば二人の後輩に対する試金石みたいなものもあったんじゃないかなという気がしますが。それはさておき。

 

 

そうなると導き出される推論としては,「好きあっている二人を離れさせたい人物がいる」ということになる。それは正しい。

 

先ほども挙げた第199話「夢」の中で,四宮黄光は白銀といちゃつくのは構わないが,連れ合いになることは許さないという方針を示しました。妹は然るべき時,然るべき家に嫁がせて「駒」として使う。それは黄光にとって既定路線であり,それに対して抗するための四宮かぐやの戦いだったわけですから,この二人の推論は「そのとおり」なわけです。

 

四宮かぐやは諦めたい...?

それを裏付けるのが柏木渚の言である。

 

かなーり生々しいお話でありますが,これまでの四宮家の動きとも整合しますしね。これは特段四宮家に限ったことではなく,クラースな方々にとっては自明の理ということなのかもしれない。

 

 

ねえ。

田沼翼とのお突き合い...もといお付き合いにせよ,四宮さんとの交流にせよ,そうした「打算」が入っていたというのはある意味「本当」なんでしょうね。

 

あれだけの恋愛と厚い友情に裏付けられていたように見えた関係性も「打算が入っていた」と聞かされれば読者的には衝撃的ですが,その事実がなおさら社交界の常道とやらの信憑性を増している感はあります。もちろん,実際に柏木さんの気持ちは「それだけじゃない」とは思いますけれど。

 

実際,この後に渚と帝とのやり取りなんかを見るからに,「黄光が四宮家を立て直すために四条家と和解する形で自身の権力基盤を維持しようとしている。そのためにかぐやを帝に嫁がせる」みたいな背景があるんじゃないか,という「匂わせ」をしきているんですよね。この辺りはこれまでの予想の範疇から大きく外れていない。

 

 

そして四宮かぐやによる白銀御行に対する「ここで終わり」発言。流れ的にはかぐやはもう闘いを諦めていて,その路線に乗っかるようにも見えるし,帝もまた自身の幼き頃の想いを遂げると同時にかぐやを守るという一石二鳥の路線に乗っかっているようにも見える。

 

 

 

しかしな。

この流れはちょっと「怪しい」んだよなぁ...。本当にそんな単純な話か?という予感がプンプンするのである。

 

最初に述べたように,四宮かぐやは黄光と闘う意思を見せていたんだよね。その時は黄光だけではなく,四宮雁庵も健在であったわけだから現在の状況よりさらに困難な戦いだったわけで。

 

 

それが京都に幽閉されたくらいで諦めるか?

そんなの僕らが知っている「四宮かぐや」か?

 

っていう気がしてしまうんですよね。彼女はもっとタフだし,戦う意思を持っているし,なにより惚れた男と添い遂げたいと思うくらいに白銀御行にぞっこんなわけだからさあ。あれだけの想いをしてやっと結ばれた二人がだよ。思い出を大切にして生きていきたい...って諦めたい心境になるのかなと思うんですよね。

 

 

四宮かぐやは闘いたい

柏木渚と四条帝のやりとりも,表現的には難しい。一見,黄光の策に乗っかっている帝を責めているようにも見える。一方で帝の「...まぁ今の所は」という受け答えからは含みを感じるわけである。

 

 

四条帝もまた「白銀御行がかぐやを守れるならそれに越したことは無い」と考えていたわけで。御行はまだ戦ってもいないし,ただ守られているだけである。そう考えるとこれは四宮かぐやを助けるための周囲の暗躍と見たほうが筋が通りそうな気がするんだよな。

 

柏木渚は彼女なりの思惑の中で生徒会の後輩たちに含みを入れる必要があった。そのために動いている。その指揮を執っているのは恐らく四条帝ではなく,四宮かぐや本人と見たほうが彼女の本質からずれない気がするんですよね。

 

 

 

僕の見立てはこうです。

四宮かぐやは黄光と闘い,自由を勝ち取るために四宮家での覇権を取ることをまだあきらめていない。その過程のためには一端は白銀御行と別れる形をポーズとして取る必要があるのでしょう。そのことに信憑性を持たせるためにクラスメートたちも協力し合って「黄光を出し抜く状況を作り出している」んじゃないかなって。

 

四条帝とかぐやの結婚話は恐らく出てくるでしょうし,その路線に乗ったふりをして...みたいな流れはあると思うんだよね。そのためには白銀御行自身に「別れ」を信じ込ませる必要があったりするのかなって。

 

ここに来て四条眞妃ちゃんと藤原千花の動きが見えないのも気になりますし。おすし。早坂も白銀のガード以外に動いている気配がないのも怪しいし。四宮雁庵が未だ他界していない事実もまた,彼が最後のキーマンになりそうな予兆がありますし。そう考えるといろいろ「フェイク」が入っている気がするんですよね。

 

白銀御行は闘いたい

石上に言伝したのは,そうした衝撃的な「嘘」を自ら伝えたくなかった。偽りでも別れを切り出すということを言いだしたくなかったからじゃないかな...って気がするんですよね。好きな相手に別れを切り出すのはやはり嫌なものですし。それが演技でも相手を傷つけるわけですからね。

 

しかしまあ,このまま「石上優は言い出せない」ままだと四宮かぐやの思惑通り作戦が進まないとか。だから自分で言うしか無い...的な発言につながったんじゃないかな...とか思ったり。

 

とはいえ,かぐやの切り出し方には「本物」の重みがなくもなかったわけで,この辺が読者としては迷いがでるところですね。果たしてどっちだ...的な意味で。個人的には四宮かぐやの強さや周囲のサポートを信じたいですけれどね。

 

 

だがそんなことよりも,何よりも。当の白銀御行である。

あれだけの思いをして添い遂げた人を「はいそうですか」と手放すわけもないんだよな...

 

彼は「かぐや」を手放さないその手を絶対離さないことを明言している。

 

 

かつて夜空を見上げながら,竹取物語のかぐやたちと自分たちを重ねてこういった。

そんな白銀御行が「四宮かぐや」を手放すはずがないんですよね。

 

「俺たちの白銀御行を信じろ...」ってところで,今回の感想はまる

 

 

 

 

 

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