さてと。『かぐや様は告らせたい』第240話の感想です。
ていうか,推しの子!
ふむ。ここに来て「敵と想定していた人間は死んでいた」がくるか。でもなあ...。ちょっとやっぱり変だよね,これ。
ゴローちゃんは,アイを殺した人間にアイの住所を教えた人間を「父」と断定していたんだよね。で,その父は既に他界していたと。故に人生の目標を失った元ゴローちゃんは自らにアイ性を保てなくなって目から星の輝きが消える...
ただ,これは「アイの現住所を教えたのは父」という前提に立った話なんだよね。実際,アイの住所を知り得た人間は他にもいたわけだ。今はほぼ絶滅危惧種となった「公衆電話」からアイは電話していたわけでさ(第8話より)。
公衆電話ってのは別に防音になっているわけじゃない。
そばに立っていれば話している内容はダダ漏れである。盗聴器をつけておけば聴き放題である。アイが父親に電話している時に,現住所をペラペラ喋っていた以上,アイに関心がありそうな人間...ストーカーか...芸能界の人間か知らないがが聴いていたら,それを「リョースケくん」みたいなやべぇ奴に伝達してなきものにしよう...みたいなことはできるわけですからね。
となると,まだ物語は振り出しに戻ったわけじゃない。
星野アイを邪魔に思っていた人物,それは男女関わらず誰でもいいのですが直接的に利害関係があった人間。そんな人間が立ち聞きしていた可能性がある以上は,元ゴローちゃんのアクアの謎解きは終わりじゃないね。ただ,その可能性にアクアが気づくのはもっとあとでしょうけれどね。
ゴローの死体も見つかっていない。そんなことを考えると一筋縄で物語は終焉しそうにもないですね。
というわけで(どんなわけ?),「かぐや様は告らせたい」第240話の感想です。
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御行殿は兵を集める
さて,かぐや様である。
前回は青龍と取引と見せかけてまんまと10億の軍資金をだまし取った白銀御行殿。しかしまあ10億という金があれば何でもできるというわけではありません。あぶく銭で高価なものを買い漁るようにすればいいわけじゃなくて,具体的に四宮かぐやを救うための手段を整えるための軍資金ですからね。
となると,そこには情報と策が不可欠となる。必要となる情報をかき集め,それらをかぐや奪還に結びつく方策につなげていかねばならない。となると,具体的に四宮家内部の情報が必要となりますし,直接的にかぐやを「その結婚待ったぁぁぁぁ!」と
その点,表面上は「青龍と手切れの盟約」を打ったことになっている白銀御行が働きかけるわけには行かないですからね。平清盛に腹を見せながら降伏した佐殿よろしく「わしゃぁ,兵など挙げん」という形をとっておかねばならないわけです。
故に必要となるのは「人脈と信用」というわけですね。わかってんじゃん。
信頼できる口の堅さをもち,四宮に歯向かうことであり得る圧力にも蹴落とされない協力者が必要なわけです。そしてそれは秀知院学園におけるこれまでの御行の活動で「得られている」。
しかしまあ,1年生ズで思いつくような内容はまだまだ稚拙というか,高校生の想像の範囲内だな〜という感じがします。ネット民を動かすとか,まあ今風ではあるんですけれど,なかなかね?
一私人たる四宮家内部抗争に影響力があるかといえば,多分無いだろうなあ。そういうのは民意を失ったら困る政治家とか,人気商売の芸能人とか,もそっと直接的に利害関係があるタイプの相手じゃないと通用しない気がする。
もちろん,御行が腹案として念頭にだけおいていた「四宮雁庵」の影響力を行使させるというのは一つの手である。雁庵がかぐやに対する愛情を持ったいた以上,かぐや自身が雁庵の「急所」となりうるわけで,そこをうまく突けば四宮かぐやは短期的には助かる可能性がある。
「四宮かぐやの名誉を貶める事になる」という表現からして,たぶんネタは妾筋云々ってやつですかね。しかしそれは御行のとる選択肢には入ってこないだろう。
藤原千花は助けたい
からーの,藤原千花である。
ふ,藤原...お前...今回は蚊帳の外じゃなかったのか...? (そこ?)
蚊帳の外の訳がないのである。
藤原千花にとって四宮かぐやは「友人」ですからね。かぐやを愛し,かぐやを想う。その想いは白銀御行のそれとはベクトルが違うけれど,深さは同じであるからに。
しっかし,急に藤原さんがまともなことをいい出したり,ポイントを突いた献策とかしてくるとびっくりしちゃうなぁ,もう...。最初に述べたように,いま白銀御行にとって必要なのは四宮家に直接影響力を行使できる協力者であり,その協力者を動かすための情報と策が必要なのである。
それが!こんなに!ポンポンと!
ご都合主義と言うなかれ。四宮家の間取り図と警備配置,各派閥の資産状況と人間関係。四宮家に関する秘密情報。さすがは日本の政治トップの血脈...
交渉のネタとなりそうなものを全部用意できるのは,やはり政財界的にも「いつか四宮の首を抑えてやるぜ」みたいな勢力もあったということなんでしょうね。力に頼るものは力によって滅ぼされる。大帝ズォーダーも山南修もそう言っていましたからね。驕る平家も久しからずってやつだ。
そして意外だったのは藤原千花が「内部影響力行使者」として睨んだのが四宮雲鷹だったという点ですよ。いや,僕も以前にそんな予想を立てていましたよ。雲鷹あたりがトップになれば丸く収まるんじゃないかって。その辺,彼女が本当に四宮かぐやと周囲の人物をよく見ていたんだな〜...ってのがわかるじゃないですか。
さすがは偏差値73...もとい偏差値78のクラースな秀知院学園の秀才の一人にして,四宮かぐやの第一の友人である。すげぇ!藤原千花を見直した!(大丈夫,すぐに暴落するから)
佐殿,挙兵したってよ
藤原千花の説明を聞いてぽんと「四宮雲鷹」が出てきたあたり,御行もある程度影響力行使の相手として睨んでいたんでしょうね。そしてこの点に関して雲鷹の協力は保証されている。
もともと四宮雲鷹が白銀御行に接近してきたのは,それなりに愛情を抱いていた妹の想い人であり,妹の連れ合いとして「自分の味方」になってくれる可能性があると推定したためであろう。そして短い関わりの中で,雲鷹と御行にはある種の緊張感を保ちながらの協力関係めいたものが構築できている。
そしてなにより,御行がかぐやの安堵を条件に雲鷹を四宮家総帥に押し上げる協力をしてくれるなら,雲鷹にとってそれを断る理由はない。四宮家のトップが取れるならそれに越したことはないからである。あからさまに形勢不利にならない限り,雲鷹と御行は協力関係を保てるわけだ。
おそらく落とし所は,藤原千花の言っているように「四宮雁庵」の後継指名なんでしょうね。ろくに見舞いにも来ない黄光や青龍よりも,こんな状態になっても自分に気をかけてくれる雲鷹やかぐやに想いがいくのは人の情というもの。人でなし一族の見本市みたいな四宮家にとって,それが「鍵」となったら皮肉である。
からーの,四条眞紀!
ふむ。役者が揃ってきましたね。
四条家は四宮家「外」から四宮に...特に四宮黄光と青龍に影響力を行使できる存在である。なぜなら,かぐやの結婚相手として見込んでいるのが四条家の血筋,多分に「四条帝」ですからね。
黄光らが主導で今回の四宮家の危機をなんとかする急所は「四条家との和解・協力」が前提なんですから。ここが御行殿の方についてくれれば,肝心要のところで長男グループの足を掬うのに繋がる可能性がある。
なんか,トントン拍子過ぎて,こんなに簡単(?)に解決に至っちゃうのかな?みたいな懸念はありますが。一応,生徒会室も秀知院学園ですからね。理事長がなんの細工もしないか?って気がしますが。このあたりの子供の悪巧み,筒抜けなのかもしれない。そんなことにも一応気を配りつつ,この先の御行殿の戦いぶりを見せてもらおうじゃありませんか。
てなところで,今回の感想はまる。
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