さてと。『かぐや様は告らせたい』第264話の感想です。
相互さんのお茶さんに「渚・眞妃の仲良しイラストが見たいです」と無茶振りしたら描いてくださいました。お茶さん,ありがとう!
かぐや様
— お茶 (@ocha_grey) 2022年9月5日
なぎまき pic.twitter.com/Weenw32QFP
というわけで,前回の続き。
長らく翼くんに諦めきれない片恋をしていた四条眞妃ちゃんですが,思いがけずにその気持ちが柏木さんにバレてしまう→柏木・翼ペア破局という展開と相成ったわけですが,そのあとのお話である。
前回の感想では,
- いきなり片恋相手がフリーになったからといって,これ幸いと告白できるものではない。
- 仮に告れたところで,そんな簡単に人の気持ちは変わらない(翼は柏木さん一途)
- そもそもそんな不自然な破局を四条さんが訝しまないわけがない。
といった展望を予想したんですが,今回の流れは案の定である。
翼君は「なんで振られたのか分からない」ので泣いているし,そんな翼を見て眞妃ちゃんがこれ幸いと告白する気分にならないのも当然である。柏木さんを問い詰めてみれば,あっという間に底の浅い「気遣い」は眞妃ちゃんに割れてしまうといった展開である。
流れるように予想通りの展開過ぎて,なんかもう書く事も無いんだけれど,そんな柏木さんと四条さんの最後の顛末を描いた第264話の感想です。
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二人はお互いを守りたい
ただまあ,四条さんの気持ちを知った柏木さんの感情というものも考慮しなければならない。かねてより,柏木さんにとって大切なものは「眞妃ちゃん>翼」という優先順位にあることは示されていたわけで。
今回,長らく突き合って...もとい付き合ってきた翼を眞妃ちゃんに献上しようとしたのもそうした感情の流れが根底にある。いや,馬鹿馬鹿しいことではあります。
そんな風に献上される翼くんもかわいそうだし,お情けでお下がりを献上される眞妃ちゃんもかわいそうです。ちょっと冷静に考えればその程度の事,偏差値78の秀知院学園の生徒でなくても常識で「あり得ない」ことは分かる。
そんな当たり前の思考ができないほど,柏木さんにとっては眞妃ちゃんは大切な人なんだってことなんですよね。
と同時に,四条眞妃にとっても柏木渚は大切な友人なわけである。
もし自分が翼と付き合ったら...の中で例に挙げられるいちゃつき事例が全部柏木さんにやられたことってのがなかなか業ですけれど,そうして柏木さんの気持ちをしっかりと露わにさせた上で
もう大好きなんでしょ 翼君が
手放しちゃ駄目でしょ
と言ってあげるその度量。四条さんの方が冷静かつ客観的に自分と友人と翼くんの関係をきちんと捉えて,柏木さんを諭してあげる。そこにもやはり,叶わない恋よりも自分の大切な友人との友情を優先する気持ちがあるんですよね。二人は同じように友人を大切にする想いを抱えているというわけよ。
四条眞妃は砕けない
自分の気持ちではなく,相手を思いやる気持ち。
翼君を見事に吹っ切って 次の恋愛に向かっていく
そんな逞しい私の姿を見てなさい!
そこには,恋の敗北者たる自分に情けをかけさせるような見っともないことをさせるのではなく,自らが失恋から立ち直り,幸せをつかみ取ろうとすることで,友人を安心させようとする姿がある。
その堂々たるや,さすがは四条家筆頭の娘としての「王」の姿そのものである。そう,四条眞妃はこの程度では砕けない!
からーの,突然の立ち眩み&田沼病院。
予定調和的に発覚する「柏木さん懐妊(三か月)」である。
前回の感想で私は書きました。
僕には今からオチが見えています。もろもろ片付いたときに,柏木渚のご懐妊が明らかになるという展開を。田沼家17歳の呪いが発動することを。
まんまやん!
みんな想像していたけれど,そのまんまやん!オッキーじゃなくても「え,嘘やん」って言いたくなるくらいのどストレートな展開にもはや笑うしかない。
砕けそうな心はポット満タンのハーブティで癒されるのか。
そんな彼女に幸せは来るのか。と思ったら,案外遠くない未来にあるようである。ふむ。
眞妃ちゃんは誰と幸せになれるのか?
涙目の眞妃ちゃんの目に留まった生徒会室に入ってきた人物は一体誰なのか。一つ謎である。
かの四条家のご令嬢が恋に陥るくらいの人物であるならば,半端な人間であっても困るわけですけれど,それ以上にラブコメ的に気になるのは「四条眞妃が惚れてもおかしくない人物なのか?」という点ですよ。
初等部からの初恋が友人の妊娠という形で決定的に砕け散ったばかりの眞妃ちゃんである。その失恋をふっとばせ,恋に陥るような事案に展開するためには,やはり「それなりのフラグ」みたいなものが欲しい。フラグというとあれですけれど,要するに「そりゃ惚れて当然だよな」みたいな文脈が存在してほしいわけです。
ラブコメあるあるでよく見かけるのが「恋の敗北者にぽっと出の人物がカップルとして当てがわれて救済したことにする」という展開です。これは大概評判が悪い。長らく繰り広げてきたラブコメという競馬にはそれなりの積み重ね描写があります。
そうした長い長い恋の積み重ねを断ち切って,負けた側のヒロインに「ほらほらいい男当てがったから許してよ」的な展開はラブコメラーが最も忌避するものの一つなわけです。
そうならないためにも,四条眞妃ちゃんが惚れる経緯みたいなものが分かる,そんな描写がきちんと欲しいわけですよね。あと8話しかないけれど。
まあここまできたら「一目ぼれ」ぐらいしか手段は残っていないと思いますが。そもそも候補者がいない。3年生のクラスメートはまず除外されます。普段一緒に過ごしている人間に改めて一目ぼれなんてあり得ないからです。
となると学年の異なる人物しかない。既出の人物で一番眞妃ちゃんと関わっているし,お付きあいしてもおかしくないのは石上優ですけれど,こっちはこっちでつばめ先輩の失恋から立ち直ったばかりにして伊井野ミコといい雰囲気な状態である。石上は除外するしかない。
そうなるともうネームドで生徒会室に入ってきそうな異性がいないんだよね。一人を除いて。これまで名前が出ている下級生男子で,かつ生徒会に関わりがありそうな人物。そんなの阿倍一二三ぐらいしか思いつかない。
彼の愛猫が生徒会室に出入りしているのは既出ですが,阿倍という姓からもわかるように,「竹取物語」の登場人物を組んだ名前の持ち主故に生徒会に関わるのではないか...といわれてきました。白銀会長らも引退ですし,当然1年生から役員の補充というものが推測されるわけで。
このあたりで伊井野さんの生徒会長選&新人事で阿倍一二三ってのは普通にありそうなんだよね。生徒会と関わる人物ならば,生徒会室にカウンセリングに来る四条眞妃との接点も生じそうですし。いや,分からんけれど。
まあ,仮に阿倍一二三だったとしても眞妃ちゃんと付き合うとならば「ぽっと出をあてがわれた」みたいな雰囲気は残りますが,持ち駒は全てきっちり使うみたいな考えを赤坂先生がお持ちならばそういう展開は十分にあり得る。どうなんでしょ。
そんな与太予想になりましたが,もとより眞妃ちゃんが幸せになる日がありそうだってだけでも目出度いんですよね,本当は。というわけで第264話感想はまる。
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