さてと。『かぐや様は告らせたい』第265話の感想です。
前回意味深だった四条眞妃ちゃんの未来の幸せ編は特に続きを描かれることもなく,物語は進行しております。大恋愛に破れた後の眞妃ちゃんに誰を出してきても難しいところだし,読者の想像に任せるということなのかしら。それはそれでアリの。
で,まさかの大仏さん回です。
ふむ。残り話数も少ないし,まさか大仏さんの冠タイトル回がまだあるとは思わなかったぜ。思わず「...いたな......今驚いているところだ...」ってトラファルガー・D・ローみたいなリアクション取っちゃいましたからね,僕。
てっきり生徒会長選挙は石上とセットかなと思っていたのでこれは意外ッ!って感じですけれど,昨年の経緯を考えれば大仏さんが応援演説をするのは特段不思議なことじゃないんだよな。確かに喧嘩はしたけれど,二人の間で区切りはつけていますからね。
とはいえ,応援演説するには気まずさがなくもなくってのは分からなくもない話で,腰が引けるのは高校生らしいっちゃらしい。そんな大仏さんに石上が背中を押してあげるのもまた因果である。ずっと石上を見続けてきた彼女を石上もまたこれまでの関わり合いの中で大仏さんをみてきたってことですからね。むしろ気になるのは
でも 私は嫌われ者だよ
という一言ですね。作中で大仏さんが嫌われ者っていう評価はどこかにあったっけ...? 学内随一の美少女で,確かに親のアレコレで噂が立ったこともありますし,風紀委員として伊井野さんとつるんでいたから特段高評価ってわけじゃないのは分からなくもないですけれど。
それともあれでしょうか。読者からの評価が微妙にアレなことに対するメタ表現でしょうか。そうだとしたら中々キッツいな!
とまあそんなわけで,伊井野ミコと大仏こばちの生徒会長選の第265話の感想です。
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藤原千花は乗っかりたい
とはいえよ。
今回の生徒会選挙は昨年とは大きく異なります。伊井野さんは生徒会役員として1年間立派に勤め上げただけでなく,文化祭実行に関しても数々の功績を上げその信頼を高めてきました。加えて,元生徒会副会長にして四宮家令嬢の四宮かぐやの認定があるわけですからね。むしろ楽勝でなければおかしいってもんです。
1年間の生徒会での積み重ねではいろんな出来事がありました。兄のように慕ってきた白銀会長。厳しくもある中で成長を促してきてくれた四宮副会長。ガンガンに対立しながらもいつしかお互いを認め合い,ほのかな恋心を抱くに至った石上優。そして時におもちゃとして遊ばれ,時に尊敬してきた藤原パイセン...パイ,パイ,藤原先輩!?
対立候補の槙原こずえの応援演説は藤原先輩です。
もう一度いいます。応援演説は藤原先輩です。
結論から言うと藤原パイセンは麻雀にまけて応援を強いられているんだッ!なだけだったのですが,そこはそれ何というかその,もうちょっと手心と言うか。これまでの生徒会関係を思えばスパッっと断るべきだとは思うんですけれどね。
そんな藤原先輩の裏切りに対してポジティブに捉える伊井野ミコもまたポジティブ無限大だなって感じがするし,そこに簡単に乗っかる藤原パイセンもいつもどおりで安心できますね。よかった...こいつらいつもどおりのアホで...。
大仏こばちは讃えたい
そんな場外乱闘はさておき,応援演説である。
この応援演説,個人的には良かったと思うんですよね。ちゃんと「選挙に勝つための応援演説」になっていたから。
昨年,伊井野さんは白銀会長の前に健闘しつつも敗れ去ったわけですけれど,当然そこには敗因があるわけです。相手があっての自分だから,自分のことだけが選挙の勝敗の要素とはいえません。でも昨年の選挙ではっきりしたことは,当時の「伊井野ミコの正義」に反発する生徒が沢山いたという事実は否めないわけです。
そんな否定された「伊井野ミコの正義」とは,ほかならぬ二人の喧嘩で顕になった正義の独りよがりなところです。伊井野ミコの正義はたしかに正論だったかもしれないけれど,その正義の尺度はあくまで自分の主観だった。「幼い正義」と大仏さんが触れたポイントはかつて四宮かぐやが指摘したことであり,多分に秀知院学園の生徒全般の共通認識だったのでしょう。
そうした過去の正義のあり方を振り返り確認した上で,「今の伊井野さんは違う,成長している」と主張する。そしてそれは言葉だけのものではなく,実際に伊井野ミコが成長したことを秀知院学園の生徒たちは彼女の行動を通じてちゃんと見てきている。
だからこそ,この応援演説と続く伊井野ミコの演説には聴衆たる生徒たちにとって説得力があったわけですよね。
そして伊井野ミコの最終回へ...
とまあ,そんなわけで伊井野さんは圧勝で生徒会長に選出されたわけです。登場時より目標にしてきた生徒会長当選は感無量といったところでしょうが,これが「伊井野ミコの最終回」ではなく大仏こばちの最終回だったのはやはり彼女の最終回は別にあるからなんでしょうね。
伊井野ミコにとって残る課題は石上優との恋の結末である。生徒会人事で石上が副会長というパターンも想定されるわけですが,そうした生徒会絡みのお話を含めての最終回となるのか,あるいは純粋に二人の恋心がどうなるのかという恋愛話としての最終回となるのか。どっちもありだと思いますけれどね。
残り話数に余裕があれば,伊井野さんと石上双方の視点で恋の決着を描いてもいいとおもいますけれど,どうなるんでしょうか。私,気になります!ってなわけで第265話感想はまる。
【再掲】
相互さんのお茶さんに「渚・眞妃の仲良しイラストが見たいです」と無茶振りしたら描いてくださいました。お茶さん,ありがとう!
かぐや様
— お茶 (@ocha_grey) 2022年9月5日
なぎまき pic.twitter.com/Weenw32QFP
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*画像引用は行っておりません。文章は個人の感想です。