現実逃避

現実逃避 - hatena

「かぐや様は告らせたい」の感想を書いている漫画感想ブログ

『かぐや様は告らせたい』 第266話 早坂愛の最終回 感想 : ずっと心に描く未来予想図はほら思ったとおりに叶えられてく...の巻

 

さてと。『かぐや様は告らせたい』第266話の感想です。

 

ほほう。

今回はこれまでとは趣向を変えた演出になっておりますね。

 

秀知院を卒業した後の「少し未来の話」と断ることで現在の時系列じゃないんですよ,と強調されています。かぐや様でリアルタイム進行ではない時に背景が暗転していることもそれを裏付けています。一方で最後にこれは「早坂愛が見ていた『あるかもしれない未来』の夢」であったことも示唆されています。

 

この表現,なかなか上手いなと。

実際に起きた出来事のように「少し未来の話」と断っておいて,かつ「早坂愛がそうであってほしいと思っていた夢ですよ」と〆ている。読者的には実際に未来に起きる出来事を夢見の形で回想しているとも,これからあるかもしれない早坂が理想とする未来を回想形式の夢という形で描いたとも捉えられるように描かれているんですよね。

 

今回のお話内容が気に入った人は前者で受け止めればいいし,今回描かれた未来予想図がファンとして思い描いていたものとズレていればこれはあるかもしれない早坂が望む未来と受け止めることもできる。そうであるとも言えるし,そうでないとも言える。どう見るかだ...という構成になっているわけです。

 

解釈は読者に委ねる形にしてあるのが小憎いですね。いいんじゃないでしょうか,こういうの。どんな未来を描いたって読者一人ひとりの理想の未来予想と一致するわけないですからね。個人的には早坂愛が望む未来がこんなものなんだろうな...そしてそれは実際に起きる未来とそんなにズレてはいないんだろうなと思っています。

 

とまあそんな前提の上で,早坂愛の最終回となる第266話の感想です。



 

最新コミックス 【単行本】

 

 

 

 

 

 

 

早坂愛は懐かしみたい

というわけでフッフッフ...早坂だ(唐突なドフラミンゴやめろ)

 

夢の中の設定では卒業後,世界を放浪して来て久しぶりに日本に帰国した体の早坂愛である。かぐや達の世代が大学卒業して就職したり,院に進学しているので少なくとも4年半程度は未来の話ですね。冒頭,早坂さんが街中を歩く風景の中に溶け込むB小町にほっこりします。

 

状況的には久しぶりに帰国する早坂愛と元秀知院生徒会メンバーの会合という状況で,まあ現実世界に生きる我々にもよくある奴ですよね。大学卒業して,久しぶりに遠くに行っていたアイツが帰ってきたからみんなで飲むか!ってやつですよ。

 

かぐや世界は秀知院学園における諸々を描いていたので「メンバーで酒を飲む」なんてことはリアルタイムでは描きようが無いわけですが,未来の話(早坂の夢の中だけれど)と断ることでこんなお話も作れるんじゃないか...って感心してみたり。

 

ラフな格好で髪もロングを下ろしたままだった早坂が,車のサイドミラーで高校時代を思い出すようなサイドテールにするのも「あの頃の仲間たちとの再会にあたって,当時の髪型にしてみた」というちょっとしたノスタルジーを感じさせます。こういうのあるよな,実際。

 

 

早坂愛は語りたい

でもって,懐かしい面々と出会ってのその距離感よな。

 

高校生時代とは大きく変わったのはその距離感である。早坂メイド時代→早坂愛独立時代を通じて変化は合ったものの,生徒会メンバーとの距離感は今回描かれたそれよりもずっと距離感あったからね。

 

石上が早坂を「あっちゃん」呼びしたり。それに応えて早坂が石上を「石上っち」と呼んだり。高校生時代には考えられない距離の近さに,この4年半の面々との友達としての時間の蓄積を感じます。

 

早坂愛が自分を演じながらすべての人間に距離を取って生きてきたこと,それを捨て去ることでようやくかぐやと友達になれたことを思い出せば,こうやって彼女が普通に石上のような後輩と気さくに友達関係を築いているのは感慨深いではありませんか。

 

 

そんな石上と早坂との会話の中で語られる近況からは,かつての秀知院学園生徒会メンバーがそれぞれの道を進み成功していることが伺えます。

 

白銀御行は会社を復興し,四宮かぐやはカメラマンの夢を着々と実現している。そんな二人が結婚した未来になっている。石上は御行の会社に就職内定済であり,四条眞妃は四条グループに入社,大仏は院に進学。田沼翼と柏木渚は無事結婚するなど,それぞれが思い描いた未来がそれなりに実現しています。

 

そんな中,渚さんが息子に四条さんと同じ名前を付けるといった狂気ぶりも健在で,作中人物ではない僕ですらドン引きだったりするわけですががが....。どんだけ眞妃ちゃんが好きなんだよ,お前...

 

とまあ,多分にそれは高校生の早坂愛が「こうなったらいいのにな」と思うような未来予想図なんですよね。こんな風になっていたら嬉しいなという深層心理が思い描いた以来の夢。彼女の願望なんですよね。

 

それが「少し未来の話」と断られていることで,実際の未来も多分ここからそんなに大きくずれてはいないんだろうな...と読者に想像させる程度の描き方になっているのも良いですよね。

 

 

仲間たちと語り合いたい

さて,時系列的には未来ということで気になるのはやはり伊井野ミコと藤原千花ですよ。

 

伊井野ミコに関しては結局石上とどうなった?って部分が読者関心的にあるわけです。その点,今回の描き方は二人の恋がどうなったかは「想像に任せますという表現なんですよね。

 

石上自身は相変わらず「伊井野」呼びですし,当の伊井野ミコはのん兵衛になっています。まあ彼女はそういうタイプかもしれない...と読者に想像させる程度の表現ではありますよね。かつてつばめ先輩のクリスマスパーティーではノンカクテルとは言え注文の仕方がバーに詳しい女子のそれだったし,その後の崩れっぷりも酒に飲まれそうな予感を漂わせていましたしね。

 

で,そんな酔い崩れた伊井野ミコの介抱をしに石上が走り回ったことも,それを聞いて「仲良くしてるみたいで何より」と答える早坂の態度から見ても「付き合っているようにも見えるし,仲の良い友達のように見える」微妙な距離感になっていますよね。

 

恐らく伊井野ミコと石上優の最終回で物語上の「真の恋の結末」は描かれると思うので,現段階ではどちらともとれるような表現にされているというわけですね...。なるほど。

 

 

あと意外でもあり当然そうなるか...って感じだったのは藤原千花ですね。

政治家家系ということが疑わしいくらい素っ頓狂にみえる行動が多かった藤原さんですけれど,無事大学を卒業されて政治家稼業を手伝うようになっていたらすっかり大人になっていた。

 

立場もすっかり逆になっていて,しっかり者の藤原さんに早坂愛が甘えるという事態になっています。

この辺も多分,早坂愛の願望なんだよね。虚構で固めていたころの自分は何でもしっかりして書記ちゃんのコントロールもあれこれやるようなバリキャリウーマンだったわけですけれど,四宮の枷を外して自由人となった今はやりたいように生きている。

 

本当はこんな風に自分もなりたかったんだという彼女の願望と,それを実現するような未来であってほしいという気持ちが見せている「未来予想図」なわけですよね。そしてそれは実際にそんなふうになるんだろうな,と思わせてくれたり。

 

 

そして一足早くお友達になれた四宮かぐやとの友情もそのままのようで。「今も十分楽しいですけどね」と言ってくれる,そんな関係であり続けたいなという早坂愛の夢が描かれていてほっこりしたり。

 

「実際にそんな未来になるんでしょうね」と読者に想わせてくれる,終始楽しかった第266話感想でした。まる

 

 

【余談】

ちなみに伊井野ミコが頼んでいた酒はこちら。高ッ!(めっちゃいい香りがするお酒です)

 

 

 

 

 

最終話まで残り6話

 

現実逃避のご案内

Google検索で記事が出なくなったら、検索語に「現実逃避」を付け足すと見つかりやすいです。

 

 

 

   

 

最新コミックス

 


*画像引用は行っておりません。文章は個人の感想です。