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『かぐや様は告らせたい』 第270話 天才たちの 感想 : 幸せな結末きっと見つける...! の巻

さてと。『かぐや様は告らせたい』第270話の感想です。

 

 

最終話まで残り2話

 

 

自分がかぐや様は告らせたいという作品に出会ったのは6年前でしょうか。当時まだヤングジャンプに移籍したばかりで,たまたま「ジャンプ+」で何話か無料公開されていたことがきっかけで読み始めたのが始まりです。

 

ほぼ出来上がっているカップルがいかに相手に告白させるのか。この「ほぼ出来上がっているカップル」というジャンルは今でこそ隆盛を極めていますが,当時は先行者として「からかい上手の高木さん」があったくらいと記憶しています。

 

 

そういう意味では先駆者の一つであっても最初の作品ではなかったのですけれど,それでも僕はこの作品は「この作品は一味違う!凄い!」って思わせてくれました。それは多くの読者の皆さんが感じたことだと思いますが,コメディとしての演出が飛び抜けて上手かったからと思います。

 

「天才たちの恋愛頭脳戦」と銘打たれたその物語は「恋愛は戦」と定義づけ,その駆け引きを中心に演出されていました。その演出にラブ・「コメディ」としての面白さを感じたのはもちろんですが,縦軸としての二人の「背景」もきちんと描かれてコメディもいける!ラブもいける!そんな「傑作」と呼べる作品であったと思います。

 

 

割と僕もラブコメを長く読んでいますが,いわゆる一対多の「ハーレム型ラブコメ」に対して一つの区切りをつけ,全く新しいラブコメジャンルの作品として金字塔を打ち立てた名作品であると思っています。

 

そんな「かぐや様は告らせたい」もいよいよ次回で最終回です。

 

 

 

少し寂しい気持ちもありますが,この作品に出会えたことを感謝して残り2話の感想を記したいと思います。

 

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天才たちは語りたい

さて今回のサブタイトルは「天才たちの」です。対となる最終回は「恋愛頭脳戦」となるのか「最終回」になるのか。その辺りも気になるところですが,ラスト2話にして最後に取り上げるテーマは「天才とはなにか」でした。

 

当作品の主人公たち・登場人物の大半は成績優秀な秀才たちです。そんな秀才たちの中でトップを取れる者。どこか人とは次元の異なる「何か」を持つ者を指して「天才」というのだと思います。

 

そんな「天才」という素材を用いながら描かれてきたラブ・コメディですが,作品を振り返ってみれば「天才」と呼ばれつつもどこか「抜けているところ」があったからこそ成立した恋愛頭脳戦であり恋の駆け引きであったことを思い出します。

 

 

この作品の主人公である四宮かぐや。もうひとりの主人公である白銀御行。そして御行の「壁」として描かれた四条帝

 

卒業式を明日に迎えて御行と帝で行われる問答は,天才と呼ばれた者たちのそれぞれの背景や今後の選択が描かれていたと思います。この三者はそれぞれの社会的仮面ペルソナをかぶり続けて来ました。それに対してどう思うのか。今後どうしていくのかという観点から語られた二人の会話は,本作品が取り上げ続けてきた「天才」というものが何であったのかを描いてくれたかなと思うのです。

 

 

天才たちの不完全性 〜四宮かぐやと四条帝〜

四条帝は白銀御行の「壁」として想定された登場人物です。

 

そもそも白銀御行が天才であったのか?という点に関して言えば「たゆまない努力の結果,学業一本で得られた『天才』という立場」であり,才能に依拠する天才というよりは秀才の類の人物として描かれてきました。そんな勉学という御行のアイデンティティを脅かす者として用意されたのが四条帝だったと思います。

 

全国1位をとったのは親の言うことを聞きたくなかったから賭けをしてたまたま猛勉強して...とか言っていましたが,実際のところはそれはペルソナであることを御行は見抜いていた。天才であるがゆえに持つ歪さ。四宮かぐやにも通じるその歪さをごまかし,人間らしくあろうとするが故に「不完全性」を装っているだけ。

 

帝もまたその「歪さ」や「不完全性」を認識していて,それ故に感じる天才であることに対する「不幸」に葛藤している。それに対して御行は「天才ゆえの歪さ」を指摘した上で好きなように生きればいいじゃないかと促す辺りが良いですね。

 

 

この御行の考えの背景にあるのはもう一人の天才にして自らが愛する四宮かぐやから得られた経験則でもある。天才であること,孤独であること,人として不完全であることを自認し苦しんでいたかぐや。

 

そんなかぐやが御行と出会い,多くの優しい人達と出会い,その関わりの中で新たな価値観を見出し,自らの強さを打ち捨てて「普通」になることを選んだ。そうすることで四宮かぐやは天才の束縛から逃れると同時に,「幸せ」になれた。ずっと普通になりたかった少女が普通になれたことで幸せになれた。

 

まさに二人の恋愛頭脳戦を描ききってきた物語の結実として今の四宮かぐやを形作っているわけであり,物語の総括として非常に綺麗でしたね。

 

 

天才たちの不完全性 〜白銀御行〜

一方で白銀御行の選んだ道は,これまでの自分の肯定でした。

 

否定するのではなく,これまで以上に天才として生きる。それはきっと白銀御行がほんとうの意味での「天才」ではないからでしょう。世間的に見れば優秀で,天才としか言いようがない御行であってもその根源となっているのは「不断の努力」です。どこまでいっても御行は天賦の才ではなく自身の努力によって積み上げる「天才」なのです。

 

だから挑まれた学力勝負に対しては万全の準備を行って対抗する。

四宮かぐやや四条帝のような「真の天才たち」が集う異国のスタンフォード大学においても努力一本で才覚を伸ばす。自らが求める家族の幸せ...父が四宮家によって閉ざされた事業の復興を通じて,自らの全世界に認めさせる。

 

そんな野望に邁進するその姿は「ほんとうの意味では天才ではない不完全な存在としての白銀御行」だからこそですよね。四宮かぐやと白銀御行は選ぶ道が違う。それはそれでいいんです。そうすることで白銀御行もまた「幸せ」なんでしょうから。

 

そして天才たちの... 恋愛頭脳

そんな白銀御行の覚悟をこっそりと聴く四宮かぐやさんの姿がある。

御行がかぐやを驚かせようとしたけれども,かぐやはちゃんと御行の行動を把握していてしっかりとその姿を眺めている。この勝負,「四宮かぐやの勝利」と言って差し支えないでしょう。

 

それにしてもだ...

入国管理とかチケットの手配とか諸々で把握したのだとは思いますが,正確に帝と御行が落ち合う場所まで承知しているのはどうしてなんだろうな。もう内偵者・ハーサカもいないしな。まさかと思うけれど御行にジオタグがついているのかしら。などと軽く震えつつも,まあコメディだからそういうのもありの。

 

てなわけで,最終回前,ラス1の第270話の感想はまる

 

 

 

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*画像引用は行っておりません。文章は個人の感想です。