現実逃避

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「かぐや様は告らせたい」の感想を書いている漫画感想ブログ

『かぐや様は告らせたい』 第65話 かぐや様は集めたい 感想

 




 


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まあ話の大筋はベルマークを如何に集めるかということと,誰が何枚集めたかという競争というだけのことで,これだけ取り上げても感想にならないというか,あらすじ書いて終わりになってしまいます。むしろ着目すべきはこのベルマーク集めを通じた四宮かぐやさんのドタバタなのかなと。


今回のお話からわかることは,基本的に四宮さんは白銀会長からの「承認欲求」に飢えているってことなんですよね。







もちろん承認欲求の根源は白銀会長に好かれたい,愛されたいという恋愛なのですけれど,今回の場合それが「役に立つ女として認められたい」という形の行動基準になる。

役に立つ,立たないというのは白銀御行にとって本来意味が無いことです。最初にかぐや様を生徒会に誘った時はその実無能力を買ったのでしょうけれども,今はそれがメインではありません。白銀会長はかぐや様が好きだから,生徒会という二人を結びつける組織をダシにして副会長にお願いしているわけですからね。


なので「優秀で使える女」であるかどうかは,基本的に会長が四宮さんを測る物差しにはなっていないのです。にもかかわらず,今回の「ベルマーク集め」を通じたかぐや様の言動は,自らの優秀性を示せるか否かで行われている。



このギャップが「かぐや様は告らせたい」のコメディ部分の根幹だと思うのです。

基本的にラブコメって男女のギャップやすれ違いでコメディを描くわけじゃないですか。今回も白銀御行とかぐや様の物差しのギャップがコメディの根幹になっているわけですが,こうしたすれ違いの表現が上手いなあと改めて思った次第。



そういう視点で見てみると,今回のお話における四宮さんの右往左往は本当に一人相撲なわけですよ。


「ベルマーク」集めよりも募金をしたほうが効率がよい,という対案に対して藤原書記が「ベルマーク運動は慈善の心をはぐくむ活動」という超正論を吐くわけです。当然それを会長は支持する。







自分が承認されなかったこと,藤原さんより劣る評価をされてしまったと思い込んだこと,そのことで意気消沈するかぐや様はお可愛い。ですが,本来落ち込む必要なんか無いわけですよね。会長はそんなことで四宮さんを測っていないのだから。



ですが,その最初のボタンの掛け違いからかぐや様のドタバタが始まるわけです。

コメディの構成として面白い所以ですが,身の回りにベルマークが存在しないかぐや様が慌て始める。このままでは会長からの承認されることもなく使えない女認定されてしまうという勘違い。動き始めた暴走列車感がパないです。







日本有数の資産家である四宮家にはベルマークのついた国産品など置いていない。あの広い四宮別邸を探し回っても全く無いのは四宮家には舶来ものしかないためです。さりとてベルマーク運動の趣旨からすれば「金で解決する」のもアウトです。


四宮さん詰んでる。超詰んでる。ああ...でも...







優秀な近侍である早坂さんが助けてくれるわけです。幼き頃,忙しい母とのやり取りを遺した連絡帳についていたベルマーク。そんな早坂さんの宝物を切り刻んでベルマークを拠出するわけです。


なのに。

 



早坂さんの貴重な思い出を切り刻んだ10点を軽々と越えてくる藤原・石上ペア。


ちくしょう。

いつも四宮さんに虫けらを見るような目で蔑まれるだけの存在の二人のクセに。どうしてこんな時だけこいつらは強いのか。本来「点数を競うもの」ではなかったはずなのに,いつのまにか競争始まる。


もとより四宮さんは「会長から見て使えるか否か」がポイントだったのに,藤原書記のせいで「誰が一番ポイントを集められたか(=誰が一番使える人材か)」に無理やり評価尺度をゆがめられているわけです。しかもそのことに四宮さん自体が気付かない


この辺の作劇が実に上手いというかね。そこからの四宮・藤原・石上・伊井野の台詞回しがまたよくできているわけですよ。

藤原会計の足を引っ張る時のかぐや様のセリフ。
石上会計の足を引っ張る時の藤原書記のセリフ。
言いだしっぺなのに一番点数が低かった伊井野さんのセリフ。








黒い。黒すぎる。

「そこ(点数)」は関係ないというのに,こういうところで競ってしまうところが秀知院学園の生徒なのかもしれませんけれど。まあそれぞれセリフの背景にある意図は違います。

かぐや様は「自分が相対的に一番になることによって会長から『1番使える女』として承認されたい」のであり,藤原会計は「単純に点数で一番になりたい」のであり,伊井野さんは言いだしっぺだったのに一番点数が少なかったことに対する「申し訳なさ」が背景にあるのですけれどね。


自分より点数が少なかった伊井野さんをいとおしく抱きしめるかぐや様の構図が滑稽なのは,言いだしっぺの伊井野さんと最後のギャップが面白いというのは当然なんですけれど,同時にかぐや様が最後まで「ずれた尺度」で行動しているというところがもうね。



さてと。『週刊ヤングジャンプ2017年第38号』かぐや様は告らせたい」第65話 かぐや様は集めたい の感想(かぐ活)です。


前回,まさかの水族館デートキャンセル昇龍拳だったかぐや様。1週お盆休みを挟んだ今回,水族館ネタの続きではなく普通に日常に戻っていた。てゆうか,安定の前フリ伊井野さんだった。





「前フリだってこなせるもん」って...。安定のオチ要員となりつつあった伊井野さんのアイデンティティの拡張のために何でもぶっこんで来るな!



で,今回のお話は「ベルマーク」ですか...。
正確には「ベルマークを素材にしたかぐや様のドタバタのお可愛らしさを楽しむ回」ですが。

ベルマークって昔集めたよな...ぐらいの記憶しかない世代としては,ベルマークの仕組みを半ページで説明してくれる安心の赤坂アカ画法に助けられます。なるほど。あれは1点=1円計算で景品交換できるものだったのね。



それが最後の白銀会長のセリフに凝縮されていると思われます。「それだけ集めれば十分だと思うが」というセリフからは,そんなことで人を測ってはいないという証左だからね。そんな最初から最後までボタンを描け違えていたかぐや様の滑稽さが面白かったと思ったり。



...
......



ていうか,今回の感想は書きにくかったわ。

なんというか,感想なんていらないよねー...みたいな切り口のお話が「かぐや様」には時々入るんですよ。今回はまさにそれで,とにかく漫画読め!みたいな日常コメディぶっこまれて来ると感想書きは辛い。単純にお可愛らしさをペロリンするような感想は書けないからなあ,自分。


というわけで余禄



『今日の藤原書記』

普段はふざけた人なのに,こんな時だけ超正論な藤原書記。会長の輔弼があったとはいえ,四宮さんを言い負かすとは凄いことです。



気のせいですかね。伊井野さんがいる時だけは「真っ当」でいなかった時はいつもの藤原さんだったというのは。

石上会計に負けて「ズル」を主張する当たり,ゲームに負けていい訳にもならない駄々をこね始める子どもと反応が全く一緒です。伊井野さんがいた時はあんなにキリッとして四宮さんにも正論でぶっ叩いたのに。なにこのギャップ,可笑しいです。



『今日の石上会計』
 



相変わらずの喋る凶器ぷりが凄い。と同時に,すぐに無効でいいと切り替える大人ぷりも凄い。伊井野さんが入ってからというもの,石上会計も少し精神的に成長したのでしょうか。



『今日の伊井野さん』





「前フリもできる」から安定の「オチ」。やはり伊井野さんは高慢な姿勢から怯えた姿に堕ちるシーンに限る(おい)



『今日の早坂姉妹』


早坂さんが優しい。
というか,基本的に早坂さんはかぐや様に対してはかなり優しいのです(表現はともかく)。

幼少の砌,忙しい母親とのコミュニケーションの記録であったジャポニカ連絡帳。そんな大切な想い出のノートを切り刻んででもかぐや様の思いに応えたいという近侍の鏡みたいな行動の背景には,かぐや様を妹のように思うその気持ちからなんですねえ。

時に辛らつに。時に優しく。その姿勢は自身をかぐや様の「姉」に見立てていたからなのか。



こうしてみると,赤坂先生は「兄妹」「姉妹」関係は美しく描いてきますね。対して親子関係は厳しく描いてくることが多いのですけれど,今回の早坂親娘の話は心暖まる話で意外でした。もっとも,早坂母が忙しかった背景が出てきたらまた異なる感想になるかもしれませんけれど。

そんなことが気になる第65話でした。まる。





画像はヤングジャンプ2017年第38号「かぐや様は告らせたい」第65話より引用しました。
 
 
画像引用は中止しました。