現実逃避

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「かぐや様は告らせたい」の感想を書いている漫画感想ブログ

『かぐや様は告らせたい』 第67話 藤原千花は聞き出したい 感想

 



ほほう。今回は女子会ですか。伊井野さんが主役ですか。

なのになぜなんでしょう...「本日の主役」のタスキがにじんで見えるのは。一コマ目から放たれる「これは出オチですよー。この後伊井野さんは放置ですよー」という空気が何とも言えません。


いやいや,そんなことを考えてはいけない。
今日は伊井野さんの歓迎会です。それも女子だけによる女子会です。女子会といえば当然,「コイバナ」ですよねー。


 



あ,はい。

この段階で藤原書記は歓迎会やる気は(表面上はあっても)実質無いなというのがわかります。だってそうじゃないですか! 伊井野さんは風紀委員。生徒会選挙では「恋愛禁止」を公約に掲げるようなお堅い人ですよ。







関心あるんかい!

ふむ。こと藤原書記が絡むと伊井野さんのガードが緩むっていうか,自身に科している枷を取っ払う傾向がありますね。それは敬愛する(?)藤原書記に好きな人がいるということだからでしょうか。藤原書記の妄想恋愛を真剣に聞き入っている姿が意外です。

具体的な人物がだれか切り込む伊井野さん。せめてイニシャルだけでも...とまで粘るのは面白い。「恋愛禁止」が完全に形骸化しているかがわかります。まだ生徒会に入って間もないのに,何ターンも藤原書記にルカナンをかけられてすっかりガードが下がっておられる。


 


?


 




...というわけで,伊井野さんの出オチは思っていたより引っ張られたわけですが,今回のお話は「かぐや様と藤原書記との友情の話」である。(伊井野さん,残念!)




三度の飯よりもコイバナが好き。な藤原書記の奸計により,歓迎会からコイバナへと強引に展開していく様は相変わらず狂っていて素敵です(誉め言葉)。


まあなかなかの策士でありましたよねー。藤原書記も。






こんな表情されたら,本当に好きな人がいたのかと思うもん。正直,動揺しましたよねー。一応,『かぐや様は告らせたい』のヒロインですからね,藤原書記は。伊井野さんじゃないけれど,どこの馬の骨がってなもんですよ。



しかしそれが全てコイバナを成立させるための,藤原流の策であったとはね。どんだけコイバナ好きなんだよ! これが恋愛脳ってやつですね,わかります。



にへらさてと。それでは『週刊ヤングジャンプ2017年第40号』かぐや様は告らせたい」第67話 藤原千花は聞き出したい の感想(かぐ活)です。



ついにやってきた,伊井野ミコさんの歓迎会!




にへらと笑うその姿が性格の物騒な藤原書記の妹・萌葉ちゃんにそっくりです。やはり血は争えない。





ここから藤原書記とかぐや様との間の認識ギャップがはじまるわけですが...。

四宮さんは当然ながら藤原さんが異性の好きな人について語っていると考えます。当然ですよね,コイバナなんですから。
一方の藤原書記はかぐや様を借りて偽りの恋について語っているわけです。四宮さんは恋愛脳,藤原さんは友情脳で話が進むという。


かぐや様は告らせたい』はギャップによるコメディを楽しむ漫画だと思うのですけれど,今回はそれがばっちり決まったというか,いい意味で緊張感のあるギャップのやりとりになりましたね。


というのも,かぐや様にとって恋は真剣だからです。そして恋と友情はどちらかを選べないくらい,大切なものだったからです。


四宮さんにとって恋は人生そのものです。ある意味,本当には恋をしていない藤原書記なんかよりもはるかに恋愛脳だったりする。

いかにして白銀会長に告白させるか。偏差値77の秀智院高校においてトップ2に君臨する四宮かぐやが,その高校生活の大半の時間と自らのリソースを割いて取り組んでいるのが白銀会長に対する恋です。

だからこそ,藤原さんが「イニシャルはS」と答えた瞬間からモードは一気に切り替わる。まさか自分(SHINOMIYA)のこととは思わないですから,会長(SHIROGANE)だと思うのは当然です。








戦争始まる。


この後,かぐやさんは偽の恋愛について喜々として語る藤原書記に切り込んでいきます。その姿は真剣そのものです。なぜなら,恋において白銀御行は絶対に譲れないものだから。そしてそれと同じくらい藤原千花との友情は大切だから。


「自分も白銀会長が好き」と告白することでブラフを打つ策もありながら,あえてそれを取らずに切り込んでいったのは,直接的な対決をすることで友情を壊したくないから。そのくらいには藤原さんは大切な存在というわけですよね。




 
「三度の飯よりも」とふざけた藤原さんに「茶化さないで」と真摯に切り込んだのは,彼女の本気度を測るため。最初に述べたように,四宮さんは恋に真剣です。




友情は大切。でも恋も大切。








「誰よりも好きと言えますか?」「それは軽い気持ちですか?」「その人のためなら命を捨てられますか?」「その思いは本物ですか?」と畳みかけるように行われた問いかけは,そのまんま四宮さんの会長への想いそのものである。

四宮かぐやは白銀御行が誰よりも好き。その気持ちは重く,その人のためなら命すら捨てられるくらいに好き。そんな本物を想いを抱いているからこそ,自分と同じくらい白銀御行が好きなのか確実に確認する必要がある。

藤原さんは大切な友達だから。白銀御行に対する恋とつりあうくらい大切な,友達だから。








だからこそ,ロープにつかまる二人の例えで,迷った末に手を放すぐらい好きという藤原千花の答えに真実性を見出した上で,「コスイ手」を使ったわけです。これ,結構難しい判断だったと思いますよ。


自分と同じくらい白銀御行が好きと認定するくらい藤原さんの恋(実際には自分に対する友情)を認めたわけです。その上で,自分の恋と友情を成立させるには,「藤原書記が傷つかずに手を引く」ように仕向けるしかない。


直接的に自分も同じ人が好きと答え,対立する道を選ばずに藤原書記自身に身を引かせようとする策。やっていることはコスイです。しょーもないです。でも仕方がないじゃないですか。








好きになっちまったから,もうどうしようもねぇんだ...





てな世界ですよ。恋も友情も両立したかったら,藤原書記に身を引かせるしかない。これ,意外と思慮深い作戦だったと思いますよ僕は。



そしてここから二人のギャップが真剣なコメディになっていって,いいシーンでしたよ。

四宮さんが藤原さんから感じ取った「真実性」は本物です。違うのはそれが恋ではなくかぐやさんとの「友情」だったということです。






「そう思うくらいには...本当に好きです.........よ」




プライドが異常に高い,保身に走る,正確に問題がある,家柄の差...

かぐや様が藤原書記を諦めさえるために用いた「会長の悪口」は藤原さんと会長の関係ではなく,そのまま四宮さんと藤原さんとの関係にも当てはまる。このギャップの演出が素晴らしかったと思うのですが,そこでこの藤原書記の反応が素晴らしかった。端的に言って素晴らしかった。


 


「......そんな風に思っていたんですか」


ほかならぬ四宮かぐやの口から「友情」を否定される形となった藤原書記のこの表情はどうよ!最高だね!

恋に見立てた四宮かぐやとの友情に対する藤原千花の想いは本物である。それは四宮かぐやが会長に本気に恋していると勘違いした程度に。そりゃ悲しくなるっていうの。泣きたくなるっていうの。

そんな二人の友情の深さがなんともしみじみね。伝わってきてね。素晴らしかった。



誤解が解けた後の二人の会話がまたいいんだ。
「私があなたと距離を取るなんてあるはずがないでしょ」
「貴方も知っているでしょう」
「私,大事なものは手元に置いておく主義なの」








からのいつもの表情に戻る藤原書記の"ぱあ!"と 嬉しさのあまり"かぐやさん!" と飛びつく姿まもうね。








こんなシーンが見られるから「かぐや様は告らせたい」は侮れないのである。見返すたびに頬が緩みまくって,こっちまで幸せになってしまうのでした。まる。



...
......
.........


以下余談。


『今週の藤原千花』

すれ違ったままからぶっちゃけモードに入る藤原書記のこのセリフがまたいい。





冷たさもズルさも兼ね備える四宮かぐやは人々から恐れられ,徐々に遠ざかっていきました。そんな中,藤原さんだけが残ってくれたわけです。その理由がまさにこれなんでしょうね。

そういう四宮さんの一見マイナスなところも含めて全部好き。読んでいるこっちが赤面してしまいます。


 


でもってこの「かぐやさんが言えって言ったから」のデジャブ感

かぐや様の無茶ぶりには早坂さんも半ギレしていましたけれどね。
早坂さんは「かぐや様」,藤原さんは「かぐやさん」と表現の違いが「使用人(兼 姉妹)」と「友人」という関係性の違いを浮き彫りにしています。



『今週のかぐや様』

とまあ,藤原さんのいたずら心で思わぬ友情を確認する形になったわけですけれど,そこに至るまでのやり取りが相変わらず面白いです。


 


どおりで会長を見る目がいやらしいと思っていたのよ


時々見せる「下賤の女」シリーズ,藤原書記の言動に対するリアクションですけれど,よく考えてみると白銀御行会長に対しては母性を向けたことはあっても恋愛的ないやらしさは実際に向けてはいない

それを「いやらしい」ととらえるのは外ならぬ四宮かぐやさんが「恋」というフィルタを通して見るからですが,そんないつもの一幕が見えてをかし。


...それにしてもなあ。

今回のお話から見ても明らかなんですけれど,四宮さんは本当の最後の最後まで「好き」と自分からは言わなさそうだなと確信を抱いたり。


"友達相手でも「好きという言葉」は恥ずかしいタイプ"
というのはかなり重症ですよ。どっちが先に好きというか駆け引き以前の問題として,相手に対して「好き」というのは恥ずかしいとはね。

三者に対しては「真実の愛」とか恥ずかしい言葉を口走れるのにね。女心はわかりません。


なんにせよ,最後は作品タイトル通り,白銀御行に告らせるしか,このほぼ出来上がっているけれども遠いカップルが結びつく日が来ることはないんだろうなと思ったり。



『今週の主役』

とまあ,案の定「出オチ」と「オチ」の両方に出演して終わった伊井野さん。安定すぎる。


 


まあ途中ちょこちょこといい味出してはいましたよね。この藤原書記と四宮さんのズレているくせに緊張感ある会話に挟まれて,面白いことになっています。このオロオロする伊井野さんの小動物感が何とも良い。


ちなみに,この伊井野さんがしているタスキは第33話「白銀御行は歌いたい」の扉絵で藤原さんがかけていたタスキですね。






あれも藤原書記が白銀会長につきっきりで歌を指導するという,一種の「かぐや様が白銀会長を奪われた話」なわけですけれど,それを今回のエピソードで持ってくるとは非常にメタい

こんなところまで芸の細かい赤坂先生は改めて天才だと思いました。

再度まる。




画像はヤングジャンプ2017年第40号「かぐや様は告らせたい」第67話, 及び第33話より引用しました。
 
 
画像引用は中止しました。