さてと。それでは『週刊ヤングジャンプ2017年第41号』「かぐや様は告らせたい」第68話 かぐや様は怯えない の感想(かぐ活)です。
祝! 第3回「次にくるマンガ大賞」 コミックス部門第1位 を記念して,『かぐや様は告らせたい』は巻頭カラーとなった模様。
のアオリに期待感が高まります。てかこのシチュエーション何!?ってくらい「見てはいけないものを見ている感」といいますか,「ラブが暴走する直前感」みたいな雰囲気になっているのはかぐや様の脇腹がもろ出しだからでしょうか。
まあぶっちゃけ,『かぐや様は告らせたい』でかぐや様に色気といいますかエロさを感じたことはこれまで一度も無いのですが,こいつはなんかエロい。
両腕を上げて上着を脱ごうとするシーンの二の腕の感じとか,シャツがちょっとめくれて見える横腹のくびれラインとか,本来色気も何も無い体育ジャージがちょろっと下がって見えてしまっているパンティラインとか。
そしてそんな状況に少しほほを朱に染めているかぐや様というのがまたね。なんともね。「どうした,四宮かぐや!」って叫びたくなるくらいくっそエロいですよ! 赤坂アカ先生の全力の本気を感じます。
で,どうしてこうなったかというと,こうしてこうなったわけです。
ふむ。なるほど。今回はラブコメの定番中の定番,密室に男女が閉じ込められてしまうシチュ(体育倉庫イベント)というわけですか。
ま,ラブコメの基本ではある。
どんくらい基本かといえば,「女湯にまぎれこんでしまった男子を女の子が庇ってくれるイベント」とか,「女子パンツになってしまった男子が女の子に穿かれて意識が飛ぶイベント」ぐらいの基本です。
逆に基本料理だからこそ難しいっていうかね。それを如何に料理するのかってのがポイントなわけですよ。
これが一般的な作品(ラブコメ)になりますと,①密室空間に閉じ込められて,②ちょっと距離が縮まるようなエピソードが入って吊り橋効果が来た後に,③「変な姿勢」になったところで,④助けられる。まあ一般的な調理法になろうかと思います。
まあそれも「家庭の味」的な良さがあるわけですけれど,そこは非凡な赤坂アカ先生ですからね。こっちとしては「速水も○みち」みたいなスタイリッシュさ(?)というか,一工夫ほしいじゃないですか。それにきちんと応えられる赤坂先生にはまさに感服するしかない。
『かぐや様は告らせたい』にかかるとテンプレ材料が一味違ったものになるのは,この作品の登場人物関係の基本設定が優れているからに他ならない。
『かぐや様は告らせたい』という漫画(第1話より)
という基本設定が他のラブコメとは一線を画するものとしているのである。まさに「次にくる漫画」(もう来ていると思うけれど)といわざるを得ない,漫画として尖がった特徴を引き出しているわけです。
なのでどこかで描かれたような「体育倉庫イベント」という状況設定にもかかわらず,そこから紡がれる漫画世界はどこかか異質なものになる。
お互いに「仕掛け」を仕込んで嵌めに来ていると勘違いするシチュエーション。
体育倉庫イベントという誰でも作れる卵料理に,近所のスーパーでは売っていないオシャな食材とオリーブオイルでスタイリッシュな皿を出してくるアカ'sキッチンにはまさに感服せざるを得ない(注:イメージです)。
一体お前らは何と戦っているんだと突っ込みたくなることが多い漫画ですけれど,ホント毎回驚かされるね。本当に閉じ込められているのにお互いの策だと思い込んでコメディが展開していく様は,まさにラブコメ界のニヤリング工場である。
ピンチを演じていくうちに,演技が「分かりやすいアタック」なって演技だったものが本当の「吊り橋効果」となっていく流れには頬が緩んでいくしかない。
なんだこの可愛らしい生き物は。
そしてそんなニヤリングな状況下ですっと入ってくる「陽が暮れ始めた」というフレーズが,よい突っ込みになっていてまた別の笑いを誘います。こういうセンス本当に好き。
でまあいい感じにドキドキ・キュンキュン成分が二人の脳内に回り始めたところでこの妄想です。
ふむ。
「相手がこうしてくる」という想定問答なわけですが,結局のところこれは本人による単なる「願望」にすぎないからね。かぐや様は「キス」,会長は「上着をかけて肩抱き」です。単純に比較してみてよりラブ度が高いのは四宮さんぽく見えます。
じゃあ,かぐや様の方が想いが強いとか,誘う意志があるのかというと,そういうことでもないわけです。『かぐや様は告らせたい』というタイトルからしても,最終的には四宮かぐやに白銀御行が告白してエンドにならざるを得ないと思っていますが,この何気ない着席シーンとセリフは実は「素」だったりする。
白銀会長が誤解したのは状況的に仕方が無いですけれど,本人は誘う意図は無かったからね!
興味はある。会長が自分をどう想っているかも知りたいし,どう行動してくれるのかも知りたい。でもまだキスするなんて早すぎるし(そもそも付き合ってない),実際に目と鼻の先に会長の顔が浮かんだ時にはトキメキよりも「怖さ」が出ているんです。
自分が好きな人ではある。
でもお互い気持ちを確かめ合ってもいないし,いろんな過程をすっ飛ばしすぎているように感じる。なにより好きな人とこの距離で接するということ,そしてキスをするということを「意識」したときにどうなってしまうのだろうという未知の領域への恐怖。現実を直視したときの怖れ。
ここまで,相手に告白させて精神的優位に立った状態で付き合ってやろう...的な,ある意味子どもっぽくもあり愚かしい駆け引きの空間が二人の日常だったわけです。
それが密室の暗い体育倉庫で顔と顔がくっつきそうなその空間は「付き合うということ」「キスをするということ」がおとぎ話の中のお話ではなく,現実の自分に起こりうることなんだと認識させられた瞬間,恋をした人が知っている,怖れを伴うようななんとも言えない「あの一瞬」を引き起こす。
複雑な恋愛感情と怖れの中で,どうしようもなくなってしまったから四宮さんは目を閉じるしかない。それとも日頃,天才たちの恋愛頭脳戦で鍛え上げた二人のやり取りを体が無意識に再現してしまったのか。
告白はまだである。でもキスという行為で伝わる告白だってありうるわけですからね。
ここで白銀御行がキスをしていれば,二人の長き恋の闘いは終わりを告げて「白銀御行が四宮かぐやにキスすることで恋愛感情を伝えた」が成立しただろうに。かぐや様は告らせたい(完)だったのに。
もちろん,四宮さんは「キスしてほしい」わけではなくて,「キス(告白)してほしいけれど怖い」だったと思うので,そんな怖れが目を閉じさせたんですけれどね,実際は。
というわけで,安定の伊井野さんオチ。
かぐや様のガチな反応と伊井野さんの「く...くずめ...!!」が心地よい。なまじその気になりかけていただけに否定できない会長が哀れです。
出足からオチまでほぼ完璧な料理を出してくれた赤坂先生に一日千回の感謝の正拳突きをして,今週もまる。
画像はヤングジャンプ2017年第40号「かぐや様は告らせたい」第68話,同第1話,『ニセコイ』第9話より引用しました。
祝! 第3回「次にくるマンガ大賞」 コミックス部門第1位 を記念して,『かぐや様は告らせたい』は巻頭カラーとなった模様。
いつもと違う
過激な瞬間を、
あなたは目撃する――――。
過激な瞬間を、
あなたは目撃する――――。
のアオリに期待感が高まります。てかこのシチュエーション何!?ってくらい「見てはいけないものを見ている感」といいますか,「ラブが暴走する直前感」みたいな雰囲気になっているのはかぐや様の脇腹がもろ出しだからでしょうか。
まあぶっちゃけ,『かぐや様は告らせたい』でかぐや様に色気といいますかエロさを感じたことはこれまで一度も無いのですが,こいつはなんかエロい。
両腕を上げて上着を脱ごうとするシーンの二の腕の感じとか,シャツがちょっとめくれて見える横腹のくびれラインとか,本来色気も何も無い体育ジャージがちょろっと下がって見えてしまっているパンティラインとか。
そしてそんな状況に少しほほを朱に染めているかぐや様というのがまたね。なんともね。「どうした,四宮かぐや!」って叫びたくなるくらいくっそエロいですよ! 赤坂アカ先生の全力の本気を感じます。
?
で,どうしてこうなったかというと,こうしてこうなったわけです。
ふむ。なるほど。今回はラブコメの定番中の定番,密室に男女が閉じ込められてしまうシチュ(体育倉庫イベント)というわけですか。
ま,ラブコメの基本ではある。
どんくらい基本かといえば,「女湯にまぎれこんでしまった男子を女の子が庇ってくれるイベント」とか,「女子パンツになってしまった男子が女の子に穿かれて意識が飛ぶイベント」ぐらいの基本です。
逆に基本料理だからこそ難しいっていうかね。それを如何に料理するのかってのがポイントなわけですよ。
これが一般的な作品(ラブコメ)になりますと,①密室空間に閉じ込められて,②ちょっと距離が縮まるようなエピソードが入って吊り橋効果が来た後に,③「変な姿勢」になったところで,④助けられる。まあ一般的な調理法になろうかと思います。
まあそれも「家庭の味」的な良さがあるわけですけれど,そこは非凡な赤坂アカ先生ですからね。こっちとしては「速水も○みち」みたいなスタイリッシュさ(?)というか,一工夫ほしいじゃないですか。それにきちんと応えられる赤坂先生にはまさに感服するしかない。
『かぐや様は告らせたい』にかかるとテンプレ材料が一味違ったものになるのは,この作品の登場人物関係の基本設定が優れているからに他ならない。
『かぐや様は告らせたい』という漫画(第1話より)
相思相愛であることが確実な男女なのにくっつかない状況。それは二人が恋愛とは「告白したほうが負け」という前提で相手に向かい合っているからであり,「いかにして相手に告白をさせるか」ということに全力を尽くすラブコメディ
という基本設定が他のラブコメとは一線を画するものとしているのである。まさに「次にくる漫画」(もう来ていると思うけれど)といわざるを得ない,漫画として尖がった特徴を引き出しているわけです。
なのでどこかで描かれたような「体育倉庫イベント」という状況設定にもかかわらず,そこから紡がれる漫画世界はどこかか異質なものになる。
お互いに「仕掛け」を仕込んで嵌めに来ていると勘違いするシチュエーション。
体育倉庫イベントという誰でも作れる卵料理に,近所のスーパーでは売っていないオシャな食材とオリーブオイルでスタイリッシュな皿を出してくるアカ'sキッチンにはまさに感服せざるを得ない(注:イメージです)。
一体お前らは何と戦っているんだと突っ込みたくなることが多い漫画ですけれど,ホント毎回驚かされるね。本当に閉じ込められているのにお互いの策だと思い込んでコメディが展開していく様は,まさにラブコメ界のニヤリング工場である。
ピンチを演じていくうちに,演技が「分かりやすいアタック」なって演技だったものが本当の「吊り橋効果」となっていく流れには頬が緩んでいくしかない。
なんだこの可愛らしい生き物は。
そしてそんなニヤリングな状況下ですっと入ってくる「陽が暮れ始めた」というフレーズが,よい突っ込みになっていてまた別の笑いを誘います。こういうセンス本当に好き。
でまあいい感じにドキドキ・キュンキュン成分が二人の脳内に回り始めたところでこの妄想です。
ふむ。
「相手がこうしてくる」という想定問答なわけですが,結局のところこれは本人による単なる「願望」にすぎないからね。かぐや様は「キス」,会長は「上着をかけて肩抱き」です。単純に比較してみてよりラブ度が高いのは四宮さんぽく見えます。
じゃあ,かぐや様の方が想いが強いとか,誘う意志があるのかというと,そういうことでもないわけです。『かぐや様は告らせたい』というタイトルからしても,最終的には四宮かぐやに白銀御行が告白してエンドにならざるを得ないと思っていますが,この何気ない着席シーンとセリフは実は「素」だったりする。
白銀会長が誤解したのは状況的に仕方が無いですけれど,本人は誘う意図は無かったからね!
興味はある。会長が自分をどう想っているかも知りたいし,どう行動してくれるのかも知りたい。でもまだキスするなんて早すぎるし(そもそも付き合ってない),実際に目と鼻の先に会長の顔が浮かんだ時にはトキメキよりも「怖さ」が出ているんです。
自分が好きな人ではある。
でもお互い気持ちを確かめ合ってもいないし,いろんな過程をすっ飛ばしすぎているように感じる。なにより好きな人とこの距離で接するということ,そしてキスをするということを「意識」したときにどうなってしまうのだろうという未知の領域への恐怖。現実を直視したときの怖れ。
ここまで,相手に告白させて精神的優位に立った状態で付き合ってやろう...的な,ある意味子どもっぽくもあり愚かしい駆け引きの空間が二人の日常だったわけです。
それが密室の暗い体育倉庫で顔と顔がくっつきそうなその空間は「付き合うということ」「キスをするということ」がおとぎ話の中のお話ではなく,現実の自分に起こりうることなんだと認識させられた瞬間,恋をした人が知っている,怖れを伴うようななんとも言えない「あの一瞬」を引き起こす。
複雑な恋愛感情と怖れの中で,どうしようもなくなってしまったから四宮さんは目を閉じるしかない。それとも日頃,天才たちの恋愛頭脳戦で鍛え上げた二人のやり取りを体が無意識に再現してしまったのか。
告白はまだである。でもキスという行為で伝わる告白だってありうるわけですからね。
ここで白銀御行がキスをしていれば,二人の長き恋の闘いは終わりを告げて「白銀御行が四宮かぐやにキスすることで恋愛感情を伝えた」が成立しただろうに。かぐや様は告らせたい(完)だったのに。
もちろん,四宮さんは「キスしてほしい」わけではなくて,「キス(告白)してほしいけれど怖い」だったと思うので,そんな怖れが目を閉じさせたんですけれどね,実際は。
というわけで,安定の伊井野さんオチ。
かぐや様のガチな反応と伊井野さんの「く...くずめ...!!」が心地よい。なまじその気になりかけていただけに否定できない会長が哀れです。
出足からオチまでほぼ完璧な料理を出してくれた赤坂先生に一日千回の感謝の正拳突きをして,今週もまる。
画像はヤングジャンプ2017年第40号「かぐや様は告らせたい」第68話,同第1話,『ニセコイ』第9話より引用しました。
画像引用は中止しました。