さてと。それでは『週刊ヤングジャンプ2017年第42号』「かぐや様は告らせたい」第69話 かぐや様は診られたい の感想(かぐ活)です。
前回,体育倉庫でキス未遂状態を伊井野さんにとがめられ,親指を立てながら溶鉱炉に沈んでいった白銀御行(おい)。その後何も無いような日常に戻っているということは,伊井野さんの誤解(?)はなんとか解けたようでなによりである。
髪についたゴミを自然にとる姿からは,キス未遂事件などまるでなかったかのよう....
バタリ。
かぐや倒れる!
好事魔多しとはよく言ったものですが,ここまで順調に距離を縮めてきた二人。それが突然の四宮さんの心臓の痛みに白銀会長も不安が隠せない。
日頃の傍若無人振りからは想像もつきませんが,体が丈夫ではないそうですし。四宮さんのお母さんは既に他界されているようですが,心臓病が原因であることが暗に示されていますし。そりゃ不安も募るっていうの。
そんな四宮さんに対する世界の名医十選の診断はこちら。
あ。はい。
なるへそ。シリアスに始まってこういう展開ですか。どうやら今回は四宮さんの恋する気持ちが赤裸々に明らかになるにつれて,居たたまれなくなる早坂さんの反応を楽しむ回のようです。
「恋の病」と診断されて血の気が引く早坂さんである。
生徒会室で胸の痛みを感じて倒れたと聞いて,きっと早坂さんはとても心配されたのでしょう。なんといっても主人に仕える近侍としてだけではなく,気持ちは「姉」という人ですからね。どれだけ動揺したでしょうか。
かぐや様との関係は基本的に学校には秘密ですから,救急車に同乗するわけにもいかず,タクシーを飛ばして追いかけていったんでしょうね。そこまで気を使って病院に同行してみれば,まさかのこの診断である。主(妹)の恋の病はそこまでかよ!って思わず突っ伏したくなるような結末に同情を禁じえない。
うわぁぁぁ...
もし僕が早坂さんの立場だったらもはや顔を上げることもできない恥ずかしさである。一体全体どこの世界に「恋のドキドキ」で救急車で運ばれる乙女がいるであろうか。その後も続く恥ずかしい問答にもはや耐え切れず同室を断る早坂さんがいと憐れなりけり。
この滞在するだけで恥ずかしくなる空間が生じてしまうのは,とにもかくにも四宮さんが白銀会長に恋をしていることを認めないからである。問診で!最新鋭の先端医療機器で!四宮さんが否定すればするほど滑稽に見えてくる。
早坂さんから見れば,最新鋭の医療で診断するまでもなく明らかな事実が次々と晒されていく。これまではまだよかった。せいぜい,自分と主の間でのみ共有する「恥ずかしい空間」だったから。
それがこの展開はどうよ?
なまじ四宮さんが会長に対する恋心を認めないばかりに,四宮さんの恋する気持ちが世界の名医とその医療チームという第三者にどんどん暴かれていく。近侍としてこれほど恥ずかしくも悲しいできごとがあろうか。いやない。(反語)
というかね。
結局のところ四宮かぐや自身も分かっているんですよね。会長に迫られたり,肩をがしって掴まれたり,その勢いで思いっきり心配されてしまったり。
四宮さんの綺麗で健康な心臓が爆発しそうになるのは,みんな貴方のせいである。
分かっているけれど「恋」であることだけは認めない。そんな四宮さんの信念がこもる無言の叫びがとてもお可愛らしい第69話であった。まる。
?
以下余談。
四宮さんが倒れたというのに生徒会の面々が一切付き添わない不自然さが気になったのですが,展開がこれならば仕方がありませんね。まさか会長を始め生徒会の面々に四宮かぐやの恥ずかしい心情を暴露するわけにはいかないからなあ...。
というわけで,次週は休載ですか。そろそろ,アニメ化発表とか来てもおかしくないと思いますけれど,どうなりますかねえ...。
画像はヤングジャンプ2017年第42号「かぐや様は告らせたい」第69話より引用しました。