現実逃避

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『かぐや様は告らせたい』 第70話 そして石上優は目を閉じた② 感想

さてと。それでは『週刊ヤングジャンプ2017年第44号』かぐや様は告らせたい」第70話 そして石上優は目を閉じた② の感想(かぐ活)です。


ついに本当にやってきた,伊井野ミコ監査が主人公のお話。

伊井野さんといえば,ドがつくほどの真面目です。生徒会に参加する傍ら,日々風紀委員として栄光ある秀智院学園の規律を維持するために自ら警邏活動を行うほどのまじめさぶりです。


 


その彼女がいままさに,生徒会を辞めようとしていた!


あ,はい。
思いっきりアオリに書いてありますけれど,この流れは生徒会第4のメンバー・石上優会計が生徒会をやめようとした時のセルフパロですね。






とはいえ四宮さんの恐怖支配に怯えていた石上会計とは趣を異なります。生徒会に入って数日にもかかわらず,警邏活動の結果,彼女が目の当たりにしたのは乱れきった生徒会の姿であった!






ふーむ。
なるほど。彼女が認識している生徒会で起きた出来事はまごうかたなき「真実」である。にもかかわらず,そこから得られる推論は,「白銀会長は性欲の権化である」という誤ったそれに他ならない。これはおかしい。真実はいつも一つって,江戸川コナンくんも言っていたじゃないですか。


仮説と検証!



真実を明らかにするためには,仮説を立ててそれを検証することが必要です。


命題に対して仮説をたて,それが真であるか偽であるか。
どうやらそこに伊井野さんの疑問を解くがありそうですね。







そこで伊井野さんは一つ発想の転換をしてみることにしました。そもそも白銀会長が性欲の権化であると認識するに至ったきっかけである四宮発言は正しかったのかどうか,という仮説です。


そもそもあの四宮かぐやさんがですよ。男に良いように弄ばれるような女じゃないってのは「真実」ですよね。久しぶりに出てきたメガネちゃんの仮説も冴え渡ります。振り返ってみればたしかにおかしい。むしろ会長は陥れられたのではなかろうか。


(検証1)四宮さんは「会長のヤリチン」といったのか?
 





(検証2)藤原さんは会長たちに無理やりガムテで縛られたのか?
 





(検証3)四宮さんは本当に「押し倒された」のか?
 





つながった!脳細胞がトップギアだぜ!





会長は悪くないという仮説に基づきこれまでの記憶を辿ってみれば,白銀会長は決して悪くないという「真実」にたどり着きます。つまり四宮かぐやさんが諸悪の根源だったんだよ!(な,なんだってー!! AA略






「どうしてそうなったの!?」のメガネちゃんの声が虚しく響き渡る。


ていうかどうしてそうなったもクソもないです。
お前の最初の「仮説」が間違っておるではないか。




本当は「焼印」とか「闇金」っていったんじゃない?




検証するためのエビデンスを取り違えたら,そりゃ結論も間違えるに決まっているじゃないですか,やだー!


それに輪をかけてしまったのが,伊井野さんの「妄想癖」ですね。夢見がちで想像力ゆたかと言えば表現が良いですけれど,検証に「妄想」を使ったらいけないんです(力説)。



ある事柄を説明するのに辻褄が合う状況なんていくらでもあるんです!



具体的な例を挙げてみましょう。例えば,


ある男が好きでもなかった女の子と偽物の恋人をさせられることになったとします。

そいつには本当に好きな人がいます。そいつはいつもいつも本当に好きな人のことばかり想っている言動をし続けます。しかもそいつはとても誠実な奴と言われています。

したがって,最後は「本当に好きな人と結ばれなければ辻褄が合わない」



ほらね。一見説明がつくじゃないですか。でも,


その男は最後に女の子を選ぶ時に「どちらが本物の恋か」で選ぶんじゃなくて,「偽物の恋が大切になっちゃった」から最後に「偽物の恋人」の方を選ぶ。



選択の尺度を変えてしまえば,これでも説明がつきますよね(白目)




...つまり,状況は一つでも,解釈次第では物語はどうとでもなってしまうのですよ。検証の「手段」に妄想を使った段階で,伊井野さんは破れていたのだ...。



まあその妄想の中身はなかなか「美味しかった」んですけれどね。四宮さんに蔑まれながら脚先で顎をくいくいとか,どんなご褒美だよ!(違)






それにしてもこの四宮さん「悪(い)い顔」してますよねえ。伊井野さんはそんなふうに四宮さんを思っていたんだ,ふーん(ニヤニヤ)ってなもんですが,そこからのオチがまさ素晴らしかったですね。

正しい情報源から間違った仮説を導入し,妄想というアクセルを踏んだ結果,誤った結論を導いた伊井野ミコさんが感情の赴くままに四宮さんを問い詰めた結果がこちらになります。



 


おかわいいこと!


最後に炸裂する「最初と最後のギャップ」テクに驚愕する。

むろん,読者視点では「会長をどう思っているのですか!」などと聞かれれば四宮さんがデレるのはいやというほど分かりきっているんです。分かりきっているのにこの表情を出された瞬間,おもわず「お可愛いこと!」と思わずにはいられない。

そんな四宮さんの完全勝利と伊井野さんの完全敗北の対比が面白かった第70話でした。まる。


 


?


 




以下余談。

『メガネちゃんの罪』

こうしてみるとメガネちゃんが伊井野さんにしでかした「誤った仮説」の導入は随分尾を引きましたね。

 

というかね。
そんな地味目で「恋愛なんて興味ないです」的なキャラ作りをしておきながら,そういう乱れた風紀に巻き込まれたい願望というがあるのか,おまいさんは。彼女の性癖は今後注目ですね(なにが)



『妄想の中の藤原さん』

なまじ物語中はエロ禁止...という縛りがあるのか青年誌にあるまじき純潔ぶりな「かぐや様は告らせたい」ですけれど,こうして妄想を駆使すればエロイのも行けるという判断なんでしょうか。

 


赤坂先生の試行錯誤が見られる。



『伊井野さんの花』

伊井野さんの心の支えとなっているというのが登場しました。






なるへそ,真面目で一生懸命だからこそ敵の多かった人生,そんな悲しい時に励ましてくれた匿名の手紙と花が彼女の心の支えという。なんというピュアなお話なんでしょう...



...ていや,これ贈ったの絶対に石上会計だろ!



なんのかんので伊井野さんを見守った発言もあるしね。昔やらかしたのか,石上会計に対する伊井野さんの評価はどん底ですし,妄想の中ですら登場を拒否られていますけれど。

でもこの微妙にナルティスティックな文章,いかにも柏木さんが読んだら「うわー無理無理気持ち悪い」って言いそうなアレですし,こいつはまず石上会計で相違あるまい。


 


なまじ嫌いまくっていた相手の思いやりを心の支えにしていた,という状況からの伊井野さんのギャップが今から楽しみではある。なお,これもエビデンスに基づかない妄想だから,当たらなくても仕方がないので悪しからず。再度まる。





画像はヤングジャンプ2017年第44号「かぐや様は告らせたい」第70話,第3巻 24話より引用しました。
 
 
画像引用は中止しました。