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『かぐや様は告らせたい』 第78話 そして石上優は目を閉じた③ 感想

さてと。それでは『週刊ヤングジャンプ2017年第52号』かぐや様は告らせたい」第78話 そして石上優は目を閉じた③ の感想(かぐ活)です。


なかなか忙しくて感想を書く時間が取れずじまいだったわけですが,そんな時に限ってヘビーなお話というタイミング。なかなか重うござんすねえ。既に発売から相当時間も経過していますし,ポイントを捉えて情報整理しておこうかな。

 

 


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『そして石上優は目を閉じた』

なるへそ。
子安つばめさんをはじめとする面々の描写,これは相手側の問題じゃなくて「石上優」の問題だったわけですね。他ならぬ石上優自身が「相手を見ようとしない」「見ることができない状態」を表しているのがこの無表情ののっぺらぼうだったのかあ。



大友さんとの遭遇で動揺した石上優会計。

引き起こされるトラウマ。消すことの出来ない失敗。そんなトラウマが自らの殻の中に閉じ篭らせる。いつものように接してくる白銀御行会長と四宮かぐや副会長の表情すら認識することができないのは,石上優が自ら殻をつくり「見ようとしない」「認識しようとしない」「避けようとする」からである。






こうしてみると子安つばめ副団長や,団長の表情が無表情だったのも意味深でありますよね。石上優はウェーイ系のリア充な二人に対して「心の壁」がどこかに残っていたからこそ,二人の表情は描かれていなかったわけです。実際に,子安副団長らが石上をどう想っているかなんてわかりっこないのに。


だって,石上会計は彼が中学時代にやらかした案件のために同級生からは嫌われているわけですけれども,特段上級生から何かされているわけじゃない。他ならぬ生徒会の面々の接し方がそれを裏付けます。実際,大仏こばちさんが団長らに確認したように,また子安さんが石上の連絡係を買って出たように,二人は普通に石上優を受け入れて接していたんじゃないか。そういう風に受け取れますよね。


それが分かるのが,団体戦リレーのアンカーの件ですよ。
団長だって石上優が同級生に蛇蝎のごとく嫌われていることは知っているはずです。なのに石上優の脚力を買ってアンカーを託そうとする。伝聞による評価だけではなく,ここまで一緒に応援団活動をやってきた石上優を認めたからこそ,石上にアンカーを託す気になったわけですから。






そう考えると,最終的に「二人は味方」であって,純粋に石上優を応援してくれるような気がしますね。

いま,石上優は「目を閉じて」いるわけですけれど,結局のところこれは石上会計の心のうちの問題なわけです。なるほど,トラウマではある。大友さんという存在が彼の気持ちを閉じさせるような「忘れたい過去」だったとしても,彼女は既に学園を去り,石上優は生徒会や応援団で新しい人生のスタートを切っている


で,あればだよ。
石上優の中の気持ちさえ「整理」がつけば,この問題は大友京子との決着というプロセスを経ることが無くても解決は可能なんじゃないのか。だって石上優は既に一歩を踏み出しているんだもの。






そう考えると,いまは絶望の最中にいる石上優は最終的に「目を開ける」ことになるんでしょうねえ。そしてそれはリレーの最中で起きるのでしょうね。石上優のアンカーを応援する応援団の面々の姿を石上優が目を開けて「見た」時に,はじめて子安つばめさんや団長たちの表情が描かれる。そんな風に思います。



『石上優のやらかした件』

さて後回しになりましたが件の案件。

結局のところ,石上優は大友さんに対する「彼氏」の悪行から守ろうとし,大友京子を守るために「正義」を行使したというのが事件の真相だったわけですね。一応,前回の予想のとおりということになるのかな。






石上優は理不尽を嫌う人間であり,ある意味,伊井野ミコさん同様に「正義の人」である。


大友さんとお付き合いしていた荻野の不義理に対し,彼女を傷つけさせまいと行使した「正義」は裏目にでる。逆に彼女を餌に感情を逆撫でされる形となり,石上の「正義」は空振りに終わる。


人のためを思い,人を守るために行動した石上の「正義」はなぜ空振ってしまったのか。無論,荻野の作戦がうまかったということなんでしょうけれど,石上を誘惑し,通じなければ感情を逆撫でするようにリベンジポルノを匂わせて脅迫する。

これは荻野の作戦勝ちというか,実行するかしないかは問題ではないんですよね。それで石上が「切れて」くれれば罠に嵌められるのですから。自分の彼女に勝手に懸想して,いきなり殴りかかってきた狂人。そんなイメージを生み出すために,恣意的に感情をあおり殴らせた可能性が高い






実際,客観的に見れば石上優の「正義」の行使方法は直情的過ぎた

石上の怒りの理由は他ならぬ荻野しか知らないわけで,しかもそれを大友さんやクラスメートに伝えることは「彼女を守るために」できない。そんな状況にありながら怒りにまかせてこぶしを振るったのは,方法として失敗だったのでしょう。


石上の正義はただしい。だけれど行使の方法は間違っている。

このあたり,伊井野ミコさんと石上は良く似ていますよね。以前,「相手にも感情があるんだから言い方って物が」と伊井野さんを諭していたことがありますけれど,まさに石上会計からしてみれば身をもって知った真実なわけです。正義であることは良いけれど,正義の行使方法を間違えてはいけない。二人は似ているという大仏こばちさんの見立てはなかなかに当たっていたようで。



閑話休題

そうするとですね,一つ不可解なことがある。
この状況下では,大友京子さんが転校する理由が無いんですよね。リベンジポルノされたわけじゃないし,悪者となっているのはただ一人,石上優です。

彼女は一体なんで転校したのか。そのあたりも,きな臭い第78話でした。まる。



『小野寺さんと子安さん』

さて,そうしてみると小野寺さんの表情は最初きちんと描かれていたんだよね。

つまりあれか。石上会計的には自分を否定する「トラウマ側」の人間だけれども,一歩前に進んでみようというポジティブシンキングな状態にあったから,クラスメートの小野寺さんの顔はしっかりにんしきできたってことなのかな。そうだとすればマンガとしての芸が細かい。




一方,石上麻呂が手に入れそびれた燕の子安貝の象徴と想われる「子安つばめ」さんがどうなるのか気になります。

石上優が最終的に「子安つばめ」さんを認識して「見た」ときに,一目ぼれしてしまうとかそういう展開なんですかねえ。でもって子安さんは既に団長と付き合っているとか。そういう試練が石上会計を待っているのかもしれない,とか思ったり。再度まる。












画像はヤングジャンプ2017年第52号「かぐや様は告らせたい」第78話・第75話より引用しました。

 

 
画像引用は中止しました。