現実逃避

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「かぐや様は告らせたい」の感想を書いている漫画感想ブログ

『かぐや様は告らせたい』 第81話 藤原千花は膨らませたい 感想

さてと。それでは『週刊ヤングジャンプ2018年第03・04合併号』かぐや様は告らせたい」第81話 藤原千花は膨らませたい の感想(かぐ活)です。


あ,はい。

サブタイトルは「藤原千花はシコらせたい」ではないのですね...。まあそれは薄い本のサブタイトルになりそうな悪寒がしなくもないので,まあいいのですけれど。


石上優が「一皮剥けた」体育祭編もようやく終わり,日常生活に舞い戻った生徒会の面々。でまあ,先日までのシリアスモードからの緩急ということで,今回はめっちゃスローカーブって感じのお話なんですが,その中にもいろいろ含みがあるような無いようなお話でしたね。


まずは冒頭の藤原千花さんのこのセリフですよ。







世の中には青年誌に掲載しているのにパンツ一つ見せないラブコメがあるらしいです。そんな天然記念物みたいなマンガが存在するとは俄かには信じがたいのですが,まあ世界で一つぐらいそんなラブコメがあるのかもしれません。

まあそんな自虐ネタを用いるほど,赤坂先生はかぐや様に関しては「エロい方向には持っていかない」という縛りをかけていて,その縛りの中で如何に「エロイ意味を持たせていくか」という挑戦を楽しんでおられるような感がありますね。

冒頭の藤原さんのセリフも,言葉に意味を持たせることによってエロじゃないのに「エロっぽさ」を醸し出させようとする,そんな漫テクを駆使されているような。






実際,にこやかに藤原さんがこんなセリフを述べられれば,「絶対違う」とわかっていても「何か意味を期待したくなる」という男の子の心理がうまく表現されているような。冒頭の白銀会長と石上書記の反応は,そのまんま青年読者の反応の先読みキャッシュみたいな表現となっております。このあたりの描写が上手いですね。


というわけで,今回の藤原書記の遊びは「風船ゲーム」。ま,風船ゲームで通じると思うのですけれどね。

それを敢えて

「何回でもシコシコしてよくて
 でも最低一回はシコってしなぎゃいけなくて
 限界に達した人が負けっていうゲーム!」


と言われてしまえば,「シコ」「シコシコ」って言葉の響きに騙される男の子がいるのはやむを得ないわけですよ。やりたい盛りですからなあ...(遠い目)


 


ちゃんとそんな言葉の響きを捉えている伊井野さんと,狙って言っているのか謎のミラクル属性なのかよく分からない藤原書記の反応がなんとも言えないシコ



さて,罰ゲーム無しの遊びということで軽く誘い込まれた生徒会面々なのですが,気がつけば「風船が割れる衝撃をもろに食らう」という罰の存在するゲームに早変わり。

思うんですけれど,藤原書記って成績がめっちゃよいわけでもないし,漢字も間違えるような書記ですけれど,生徒会に誘われているのは「天然の地アタマ」があるからなんでしょうね。こんな風に優秀な頭脳を持つ面々を無意識に罠に誘い込むって,地頭が良い証拠なんだと思ったり。


そして繰り広げられる「頭脳戦」

いちおうサブタイトルには「天才たちの恋愛頭脳戦」って書いてありますからね。コミック4巻あたりで赤坂先生が自虐的に反省していたのも記憶に新しいですが,天才かどうかはともかく久々の頭脳戦です。低級頭脳戦という感がなくもないですけれど。


 




大きく膨らんだ風船を前にルーティーンを駆使して対処しようとしてしそびれるかぐや様とか。

恐れる事をやめたことで一皮向けたために現実を直視してびびってしまった石上優とか。

先輩後輩の立場を上手く利用して後輩を限界まで追い込んでいく藤原さん(とクズ仲間たち)とか。

愛する人だろうと自分より前の白銀会長二風船を割らせようと吹き矢を吹くも空ぶってしまうかぐや様とか。

「愛する仲間,愛する女が困っていたらなんとしても守ってやるのが男だ」という父の言葉をガン無視する白銀会長とか。

藤原さんを陥れようとミカンを用意したはよかったものの,最後仇となって返ってくるかぐや様とか。



 



「頭脳戦」という枠をかろうじて保ちつつ,藤原書記が用意したしょうもないゲームという中で暴かれていくそれぞれの人間性が生々しくて素敵です。こいつら,基本的に「仲間」とか「恋愛相手」とかよりも自分が...という行動しかしていないわけですが,そこに日頃描かれる人間性とのギャップというか,人としての未熟さというか魅力が描かれているような気がしますね(そうか?)。

まあ客観視している我々から見れば,かぐや様が用意したミカンを藤原書記が「あとで頂きます」と言った瞬間にオチが予想できるわけです。そして予想どおり最後にそのミカンのせいでかぐや様(と白銀会長)がババを引く。


 


お約束の芸をお約束の芸人がテンプレ通りにやる姿を見る安心感といいますか。いっそ清清しいと言いいますか。優秀な人間たちが垣間見せた「素の弱さ」が堪能できた第81話でした。まる。

 

   

 

 

 

 


?


 



余談

何気ない一コマの中に,石上会計と伊井野さんの類似性が見て取れますね。







「ぼくがゲームやるとすぐ怒るのに自分は良いんだ」というのは,日ごろ風紀委員の伊井野さんに「突っ込まれている」石上会計ならば当然思うことですよね。これ,めっちゃ正論なわけです。

伊井野さんの正義もまた「正論」に基づくわけで,清く・正しく・美しくを建前に突き詰めれるその行為は「正論なんだけれど相手もにも感情があるんだからさあ...」という石上会計がいつぞや伊井野さんに突っ込んだソレそのものである。

そんな正論を受けて反駁する伊井野さんの理屈は,「エコの精神」という言い訳をしめしているもののそこに「説得力」はなく,「細かいところでグチグチとうるさいのよ」というそんまんま伊井野さんへのブーメランになりそうなセリフを引き出しています。

これは単純に石上会計に対する個人的な反発...すなわち「感情」そのものであり,「相手にも感情があるんだからさあ」という石上会計自身に対するブーメランにもなっているわけです。なかなかスゲエよ,この表現の妙は。


このセリフから分かることは,石神優と伊井野ミコはやはり「よく似ている」のであり,特に伊井野さんの石上に対する態度は「同属嫌悪」と言って差し支えないそれである。



......そしてもう一つ。

「石上のそういうところが本当に嫌い」という伊井野さんのセリフからは,「それ以外の部分は全てが嫌いなわけではない」という風に読めなくも無い。事実,体育祭のリレーで頑張っている石上優に対しては「がんばれ,石上」と声がけをしていたわけで。





伊井野さんが嫌っている「そういうところ」が実は自分も持っているもので,二人は良く似ていると気がついてしまった時,伊井野さんの反応がどうなるのか気になります。無論、最初は猛反発するでしょう。そこを嫌うことは自分を否定することとと認識せざるを得なくなる。

そのとき,伊井野さんが石上優をどう思うのか。いまから楽しみだったりするのである。再度まる。





画像は週刊ヤングジャンプ2018年第03・04合併号「かぐや様は告らせたい」第81話,同80話より引用しました。
 
 
画像引用は中止しました。