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『かぐや様は告らせたい』 第99話 四条眞妃は頼りたい 感想

さてと。それでは『週刊ヤングジャンプ2018年第25号』かぐや様は告らせたい」 第99話 四条眞妃は頼りたい 感想(かぐ活)です。


稀代の名作となれるのではないかと巷で評判の新感覚ラブコメかぐや様は告らせたい」もついに99話までやってまいりました。九十九(つくも)です。白寿です(違)おめでとうございます。


 


つまり次回はいよいよ100回目ということで,なんとYJ連載100回記念特設サイトが開設されるとか。5/25(金)AM10時オープン。これはもしかして何かクルー!の予兆なんでしょうか。期待が高まります。

 

 


?


 

 



さて,そんな記念すべき99回目のかぐや様は告らせたいは,みんな大好き四条眞妃さん再登場であります。四条さんといえば「残念な四宮さん」「氷の解けた四宮さん」ともいうべき存在。彼女の魅力は何なのか。一言で言えば,「負け犬」であるという点に尽きます。


 



そう,四条さんはとっても「残念な娘」なのである。


かつてヤマカムさんにおいて筒井先生は残念な子を描くのが上手いと評されていましたけれど,いやいや,赤坂先生もポンコツ娘を描くのはなかなかにどうしてよ。偏差値77の秀才どもがこれでもかというくらいに残念な天才であることを描いてきたわけですが,こと四条さんはそれがとても際立ちます。

国の心臓とも言われた四宮家...の血筋を引くものでありながら,「負け犬」。こんなおいしい立場があるでしょうか。いやない(反語)



限りなく四宮かぐやに近しい血筋であり,面影があり,可愛らしさがある。にもかかわらず,四宮かぐやが体験したことが無い「敗北の味」を知る女。それが四条眞妃さんです。


限りなく高慢かと思いきや,ぽっきり折れやすい。意地をはるかと思えば張り切れず,素直な心情を吐露したりする。涙は流せ枯れるまで...といわんばかりに感情をむき出しにすることもできる。そんなしぐさのすべてがお可愛いのです。


 



いわば四宮かぐやが敗北した世界のシミュレーションというべき四条眞妃さんですが,ぶっちゃけた話かぐや様以上にお可愛いところがある。それはきっと,負けを認めているからこそ至れる境地なんだろうねえ。負け犬だからこそ,素直になれる。敗北者だから強くなれる。素直な女の子はお可愛い。ズバリそういう構図なわけですよ。





それはこの石上の四条さんに対する距離感からもわかりますよね。

 


こんなふざけた態度,四宮さんにとるのは距離感が近づいた今であっても中々難しい。彼女の琴線に触れるようなことであれば,「讎」とか言われるのが関の山だというのに,容赦なく突っ込みますからね。実に生き生きと。

まさに四宮バリアが解けた感のあるこの距離感こそが,彼女の可愛らしさの源泉なのでしょう。


...
......


とまあ,そんなわけで今回は久々登場の四条眞妃さんの大相談会その2ということになります。

流れ的にはいつものように柏木神とその彼氏の間で葛藤する四条さんの悩み相談,というわけですがポイントが3つありますね。振り返ってみましょう。



『1.ボランティア部における女たちの暗闘』

まあ,今回の相談のそもそものきっかけは,他ならぬ柏木夫婦が運営する「ボランティア部」の部員不足に起因する人材募集に応じてあげたからであります。


 



出来上がったカップル,それも神っているカップル。しかも相手の男は自分がずっと恋焦がれている人。そんな状況にもかかわらず,敢えて応えてあげるところに四条眞妃さんの「人の良さ」が見え隠れします。うむ,そういうとこだぞ,お前が残念なところは。



 


あ,はい。
まあこうなる。当然のことながら,二人がイチャイチャするところを陰ながら見せつけられるという展開に相成るわけです。畜生。人はどうして傷つくと分かっていてわざわざ傷つきに行くのか。それが「恋」というものなのか。難しいところですね。


まあ相談を受けている石上と白銀会長からすれば「わざわざ傷つきに行かなくっても...」という気持ちもあろう。しかしそうと分かっても相談に乗ってあげるのは,二人の人としての優しさか。否,石上会計は人の恋の不幸にワキワキして。白銀会長は仄かに過ぎる自責の念に駆られて。


そう,そうなのである。
考えてみればこの二人が「ボランティア部」をすることになったのも白銀会長の助言がきっかけだし,そもそも何故そんな助言をしたかといえば,お付き合いし始めてすぐ別れようとした柏木渚に二人が仲良くなるキッカケづくりをしてあげるつもりだったからであった。


 


つまり四条さんから見てみれば,なにもかも「白銀御行会長のせい」なのである。知らぬは本人ばかりというところがシュールですね。まさに秀知院のバルカンの火薬庫。いつかこれが爆発するのかと思うと,おらワクワクしてきたぞ!



で。
もう一つ気になるのは,他ならぬ柏木さんの行動ですね。

ボランティア部の部員が足らないからというのはまあ本当のことなんでしょうが,それにしてもピンポイントで四条さんを誘うのかいな。なるほど,幼等部からのお友達とならば当然それはアリ寄りのありなんでしょうが,しかし以前浮気を疑った相手である。ちょっとはてなが頭に過ぎる。


こうしてみると,柏木渚の「思惑」というのも気になります。本当に邪気の無いことだったのかなと。日頃物腰も柔らかい常識人にみえる柏木さんですけれど,あれで恋が絡むと病んでますからね! まあ女はみんなあんなものかもしれませんが。




となると,やはり四条さんが推測したように「イチャイチャを見せ付けるため」という背景がある可能性は否定しきれない。一方で仮にも幼等部からの親友にそこまでやるかという気もしなくもない。うーむ,このあたりどうなんですかね。


それでですね。このようにかぐや様がいないところでお話が進む時というのは裏で別の進行があるケースが「かぐや様は告らせたい」では多いんですよねえ。前回の柏木渚の相談のときにも裏進行で会長は藤原母にラップを教えっこしていましたし。

そんなことを鑑みると,もしかしてこの進行の裏では柏木さんが四条さんの件についてかぐや様に相談しているとかいう可能性はあるんじゃないかなと思ったり。さすれば今回の策の際どさもわからなくもないかなと。なんというか発想が「敵を狩る」スタンスというか。この思想,四宮流に通じるものを感じなくもない。

もっとも「えげつない人たち」に含まれる柏木さんですから,ご自身の発想で四条さんを牽制しようと考えたのかもしれませんけれどね。その真相は今後の展開を注視したいと思ったり。



『2.柏木さんの彼氏』

さて四条さんと柏木さんの想い人である「柏木さんの彼氏」なんですが。誰もが思いつつも誰も突っ込まなかった案件に鋭く切り込んでいく石上会計がカッケーですね。さすが言葉のナイフ使いのことだけはある。

 



だってねぇ。
登場時にはいかにも「モブ」みたいな体裁で現れたしなあ...。これといった特徴も無いうだつの上がらない優男...という印象しか読者にも無かっただけに,現在の「振り切った柏木さんの彼氏」なんて予想しようもないのである。なんで?どうして?ってなもんですよ。

そんな不調法者に対する四宮家の血筋を引く者であらせられる四条眞妃さんに言わせると,あれで「包容力がある」「心が安らぐ」「あったかい人」ということになるそうです。ふうむ...まあ確かに柏木さんに対する態度を見る限り優しそうではあるけれど。

まあ蓼食う虫も好き好きといいますからね(辛辣)

好きになっちまったら,もうどうしようもねぇんだ...てなもんですよ。はい。昔誰かががそう言ってました。



そして今回明らかになる,衝撃の事実がこちらになります。





柏木さんの彼氏の名前は「翼」


てっきり彼の名前は「柏木さんの彼氏」という名前なんじゃ...という思いを読者どころか登場人物までが抱き始めたところでのまさかの情報開陳です。

ふうむ。姓はまだ非公開ですが,とりあえず「柏木さんの彼氏」などという記号じゃなくて,「翼」という名前を持つアイデンティティを有する人物なんだということが証明されましたね(UMAかよ)。


その姓ですけれど,情報が小出しで敢えて出てこないというのはなんかがありそうではある。翼くんはボールは友達な人ではなくて,どこぞの大病院の跡取り息子というのが既知情報であります。そしてこれまで登場した病院関係者といえば,ズバリこの人ですよね。


 


世界名医十選に選ばれし神の手を持つ名医・田沼正造その人です。

以前コメントでもそうではないかという指摘があったような気がしますが,ここで姓が隠されたことでもしかしたら本当に「田沼」かも知れない可能性が出てきた気がします。そうでなかったら姓も明らかにしても良さそうですし(今回のシーンにおける文脈的には「名前呼び」は理解できますが)。

こちらも今後の展開を見守りたいと思います。




『3.似たもの同士』

さて,今回は四条眞妃さんが石上と会長に相談するという体を取ったわけですが,その実こいつら実に似た者同士だったりする。かぐや様を含めてだけれど。

四条眞妃さんが「時代の敗北者」となってしまったのは他でもない。告白すべき時に告白しなかったからです。いや,まあ多分告白するつもりはあったのでしょう。

瀬踏みのつもりで盟友・柏木渚に彼女の存在を探らせたら,まさか相手が勘違いして柏木神に告白して勢いで応諾してしまう...そこに天才ならぬ天才肌の白銀御行が絡んでいたという普通ならありえないような状況がそこに存在してしまったから...。だからこそ「タイミングの悲劇」が際立つわけです。


 


さっさと告白すればよかった。でもできない。

断られたらどうしよう。彼女(彼氏)がいたらどうしよう。そんな思いが先に立てば,自分が動くのではなく相手に動いて欲しいなどという小賢しい「逃げ」に行きたくなるのも当然至極であります。

確かに断られるのは怖い。僕にもそういう時代があった。その昔,職場の新人研修でめっちゃ仲良くなった女の子がいて,これは絶対イケると思ったら文字数(聞きたくありません,そんな話!)


話がそれました。
しかしそんな四条さんと白銀会長,石上,かぐや様との違いはまだあります。君たちはまだ負け確じゃない!ということです。





もしも自分が然るべきタイミングで然るべき告白をしなかったなら。もしも自分よりも先に他の誰かが告白してしまったなら。実際問題として「ありえない妄想」だとしても,自分以外の誰かが想い人に告白し,相手がそれを受け入れてしまう可能性は確かに存在する!


それに対する明快な答えははっきり出ているんです。嫌というほど分かりきっているんです。


 


石上にせよ,会長にせよ特大のブーメランが頭に突き刺さっているわけですが,真実は一つ。好きになったら速攻で告白すべきなんですよ。そうじゃないと5歳の時から相思相愛の想い人を横から掻っ攫われるような悲劇が起きてしまうんです!

そんな分かりきったことを理解した上で速攻で告白できないのは,拒絶されるのが怖いからでさる。告白し,断られることで「もう二度と成就しない自分の恋」と向き合うことができないからである。その心理たるやよく分かります。


よく分かりますが,「その壁」を乗り越えた者のみがたどり着ける真の境地。「恋人同士になれる」という"中間地点"にたどり着く事ができるわけです。いうならばハンター試験で言うところの表の試験に過ぎないんですよ,「告白」って。


 


四宮さんと白銀会長は両片思い状態でありますし,傍から見ればそれは「両想い」にしか見えない状態です。ほんの少しの勇気があれば,ほんの少しプライドをかなぐり捨てさえすれば,そこには恋の中間駅がまっている。そこから先の長い長い「恋」(裏ハンター試験)における息継ぎをすることができる。

既に決着してしまった恋をじりじりとこねくり回しているだけの四条さんとは違い,二人には「その先」の可能性すらある。まだだ,まだボールは生きている!キャプ翼)ってやつですよ。





...そして,失敗を恐れて告白できなかったらどうなるのかという「先例」は目の前の四条眞妃さんが体現している。そのことも四条さんも認識していて,石上や会長にそうならないように助言している。


 


なんやかんやで今回「友達」になった3人ですが,こうしてみるとなかなか良いトリオになりそうですね。かつて失敗してしまった先行者が,これから未来がある二人に助言をする。相談をしにきていたのに,結果として彼らに助言をしている容易なっている構図が面白いです。


そして,もうひとつ,四条眞妃VS四宮かぐやという構図も面白いですね。

言うまでもなく,四宮さんは白銀会長を憎からず想っていますし,石上会計にしても彼の成長を促したり,恋愛を見守ったりと一種の「姉」的なポジションでいるわけですが。

そんな関係性の中に,四条さんが「友達」という距離感で入り込んでくるとなかなかに波乱要素ではある。四宮さん的には四条さんも「女」です。四宮家の分家筋とはいえそれなりの格と才能,要望を兼ね備えた「天才」の一人なわけですから,気にならないわけないですよね。言うならば,かぐや様が勝手に一人相撲を取りに行ってしまうかもしれない予感がある。


 


加えて,石上に対するサポート役としても「姉争い」をしそうな雰囲気がなくもない。特段石上のことなんて虫けらぐらいにしか扱っていなかった四宮さんですけれど,気がつけば変わり始めた自分の世界にいる仲間の一人となっています。そんな人間関係に踏み込まれたら,思いもよらず(姉としての)対抗意識を持つのは想像に難くない。


ましてや四宮家は「人を見たら従わせろ」な家系ですからね。勝負とならば四条さんはかぐや様の敵ではないでしょうが,そもそも四条さんに争うつもりがないからね。ここ,ポイントですよ。

ハーサカの一件の傷が癒えないところあれですが,勝手に空回りして,勝手にお可愛い姿を露呈する四宮さんの姿が今から目に浮かびます。そんな小咄がやがてはいることも期待したいところです。まる


...
......

さて。さてさて。

四宮さんは四条さんから見て「再従祖伯叔母」だそうですが,そんな遠い遠い縁石関係にも関わらず,二人はとっても似ているところがあります。そこがまた会長の心をくすぐるのかもしれませんが。

 


そんな二人がよく似ていた今日のシーン。
初体験=キスの誤解もそうですけれど,やはりセッ...についても同程度の知識と羞恥心らしい。実に似通っておられる。

以前も予想しましたが,このまま生徒会室に入り浸るようになって最終的に生徒会に入る日が来るのかどうか。あるいはヤマカムさんのところで議論されていたように,竹取物語に由来のある人物が生徒会に入るのか。そんなところも気になります。


 


というわけで,再度まる



...
......


【おまけ】天才たちの恋愛心理戦:鉄の四条眞妃







眞妃 :「ああ。
(そうだ。私たちが今まで積み上げてきたもんは全部無駄じゃなかった。これからも私たちが告白を止まらないかぎりは続く)」






 


会長 :「ぐわっ!」
石上 :「先輩?何やってんだよ?四条先輩!」





 


眞妃 :「ぐっ!うおぉ~~!」
柏木神:「チュッ!チュッ!」
眞妃 :「はぁはぁはぁ...。なんだよ、結構辛いじゃねぇか。ふっ...。」




(BGM : フリージア♪)






 


石上 :「し...四条先輩...。あっ...あぁ...。」
眞妃 :「なんて声出してやがる...石上。」

石上 :「だって...だって...。」
眞妃 :「私は四宮家の血を引きし者...四条眞妃。こんくれぇなんてこたぁないわ。」

石上 :「そんな...。」
眞妃 :「恋を守るのは私の仕事よ。」






 


石上 :「でも!」

眞妃 :「いいから行くよ。好きな人が待ってんだ。それに...。」
(渚、やっと分かったんだ。私たちにはたどりつく場所なんていらねぇ。ただ進み続けるだけでいい。告白を止めないかぎり、は続く




(回想)

柏木神:「告白したら許さない。」)
眞妃 :「ああ分かってる。」)









眞妃 :「私は止まんねぇからよ、お前らが止まんねぇかぎり,その先に私はいるぞ!











 

だからよ...,(告白を)止まるんじゃねぇぞ...

(「天才たちの恋愛心理戦:鉄の四条眞妃」48話 終)


 

   

 






画像は週刊ヤングジャンプ2018年第25号「かぐや様は告らせたい」第99話 ,第61話,第69話,第6話(コミックス第2巻16話)より引用しました。
画像引用は中止しました。