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『戦隊大失格』 第1話 R1000 (春場ねぎ先生)感想 : これは,正義と悪の物語...の巻

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さてと。『戦隊大失格』(春場ねぎ先生)第1話の感想です。

 

あの春場ねぎ先生がマガジンに帰ってきました!

前作,『五等分の花嫁』はラブコメでしたが今度は空気ががらりと変わって「戦隊もの」です。

 

 

 

『五等分の花嫁』を読んできた読者の皆さんからしてみると,あまりにもジャンルが異なりすぎて期待と不安が半々といった人もいたかもしれません。僕自身,「戦隊...? 一体全体どういうお話づくりをするんだ...」という漠然とした感情がなくもなかったですからね。

 

しかしなかなかにどうしてよ。

第1話を読む限り,『五等分の花嫁』で鍛え抜かれたお話構成の妙はそのままに。単純なバトルだけではなく,成長ものとしても,ラブがコメりそうなサイドストーリーにしても,楽しめそうな逸品になっております。

 

というわけで,第1話感想です。

 

   

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今作の世界観は「戦隊もの」!

というわけで始まりました「戦隊大失格」。

 

 

まずタイトルからして「戦隊」「大失格」ってどういうこと?と思うじゃないですか。主人公5人が戦隊ヒーローやっているんだけれど,戦隊というにはあまりにも弱いとか,臆病すぎるとか,そういうコメディ戦隊ものなのかな...と思うじゃん?

 

だが事実は全く異なるのであった。

この世界の戦隊ヒーローは「竜神戦隊ドラゴンキーパー」。地球を防衛する大戦隊の頂点に立つ5人組はぶっちゃけ滅茶苦茶強かった。

 

 

思い出してほしい。日曜朝のお楽しみであるニチアサ戦隊。彼らは毎週のように外敵となる悪の軍団を破り続けてきた。地球の平和を守るため,日夜活躍する正義のヒーローは決して負けたりしない。多少危ない時はあっても,最後は必ず「正義は勝つ」。それが戦隊モノのお約束である。

 

 

本作『戦隊大失格』に登場する竜神戦隊ドラゴンキーパーもまた,地上1万mに巨大浮遊城を要する悪の怪人軍団を相手に毎週日曜日に決戦を挑んでは勝ち続けてきた。その回数なんと998連勝中である。無双!強い!敗北の味を知らない!

 

 

 

 

なんと。物語が始まったら戦いは既に終わっていたのか...状態であります。何だこの手際の良さ。お前らは根付栄三か?となる。既に怪人軍団の幹部は壊滅し,残っているのはいわゆる戦闘員のみ。

ほらあれですよ,ニチアサで名乗る事も無ければろくに話す事も無い,数合わせで登場する三下やられキャラいるでしょ。あれ。あれしか残っていない。

 

 

お前たちは一体何と闘っているんだ...?

 

残された戦闘員「ダスター」はもはや何のために戦っているのかも分からないまま,毎週ノルマの「興行」をこなしているだけなのであった。なるほど...話が見えてきましたね。

 

 

要するに利害関係である。

 

地球の平和を守るためのヒーローである大戦隊とその頂点「竜神戦隊ドラゴンキーパー」には敵が必要である。いわゆるレーゾンデートル(存在意義)として仮想敵は必要。故に,幹部を全て壊滅しいつでも悪役軍団を倒せる状態にあるにも関わらず滅ぼさない。敵を滅ぼしてしまったら抑止力は必要なくなるから。この世界の戦隊と悪役の関係は,ニチアサにおける玩具販促以上に世知辛いそれなのであった。

 

おかしいと思いませんでしたか? 1ページ目では天の川市の上空に漂っていた巨大浮遊城。時系列の進んだモノクロページに移ったとたん,巨大浮遊城は「鎖」でつながれている。

 

 

なぜか。

それは「敵に逃げられてしまったら困る」からだよ。こいつらが逃げてしまっては大戦隊(ひいてはそのトップたる竜神戦隊ドラゴンキーパー)は存在意義がなくなってしまうからである。日曜日のお子様向け特撮番組の中と違って彼らにとってはこれは「仕事」であり「生きる糧」である。逃がしたら最後,意味がなくなる存在である。だから鎖で縛りつけているのであった。

 

 

何が正義で何が悪なのか

 

意識高い系戦闘員Dが嘆くのも無理はない。

 

これは文字通り鎖に結び付けられて強制労働している「奴隷」に他ならない。週1回,勝てるはずもない戦いに駆り出されて正義のヒーローにぶっ飛ばされる。そんな状況に他の戦闘員は慣れきっていて疑問すら持たない。「身を弁えて」「多少痛い想いをしながらも生き延びられる」そんな生活に甘んじている。

 

ぶっ飛んでも,再生される怪人にとってこれは無間地獄である。永久の奴隷状態

 

 

 

「正義のヒーロー」ドラゴンレッドはいう。

 

「俺たちが正義だ」

 

しかしそれは単なる茶番,強き者が弱き者を蹂躙する「ショー」の主人公の弁に他ならない。一体全体これのどこが正義の味方なのか。ヒーローなのか。

 

 

だから「戦隊大失格」というわけか。

もとよりニチアサにみられるヒーローもの,あれは創作物である。おもちゃの販促という社命を背負って作られた興行である。しかしニチアサヒーロータイムで描かれる正義と悪の関係は少なくとも創作物上のドラマとしての関係であった。悪の軍団は悪の軍団なりの理由を,正義のヒーローは正義のヒーローなりの戦う理由を背負って物語を紡いでいる。

 

しかしこの世界ではそもそも「物語」にすらなっていない。

物語が終わると困るから延々と続けられている興行。悪を滅ぼすためではなく,物語を続けさせるために正義の側が悪に興行を強いているだけの構図である。こんなもの見方を変えればただのイジメと変わらない。

 

 

ただ黙ってやられるだけの奴隷状態。

この物語は,正義の戦隊が主人公ではない。ただ搾取されているだけの一戦闘員,意識高い系の名も無き戦闘員Dが自由と勝利を目指す物語である。

 

 

「敵」である竜神戦隊ドラゴンキーパーを倒し,悪としての存在意義をつかみ取る。そのためには,敵である戦隊に入隊し「力」を身に着けるところから始まる。

 

 

なるほど。これは面白い。

敵に入り込みその強さの秘密を知り,己を磨き,敵の弱点を知り。その力で相手(竜神戦隊ドラコンキーパーと大戦隊)を倒す。なかなかの腹破り作戦である。誰にも相談せず,たった一人で始めた戦争。この絶望感とここからの成長譚に期待が高まります。これは面白くなってきたでー!

 

 

 

そんな彼を入隊に誘ってくれたヒロインと思しめきお姉さんの存在も気になります。戦闘員Dがどんな風に彼女らと関わっていくのかも気になりますね。敵同士,男女...それだけでラブがコメる可能性に妄想が膨らみます。そんなサイドストーリーも気になるところ。今後の展開が期待大なのである。

 

というわけで,第1話感想はまる。

 

 

 

おまけ

 

 

これ,絶対筆記試験がある奴だろ....

 

 

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*画像引用は中止しました。