さて。今回はフォビドゥン澁川先生の『スナックバス江』に注目である。
僕はヤングジャンプ定期購読をしているわけですが,すみっこから隅っこまで精読しているとは言い難い読者です。むろん主なお目当ては「かぐや様は告らせたい」でありますが,それ以外にいくつかの作品に目を通しつつ...くらいなライトなYJ読者です。
そんなライトYJ読者の僕が毎週楽しみにしている漫画の一つが「スナックバス江」である。キャラクター,取り上げる題材,わずか数ページのギャグコメディの中に面白さが詰まっている。そんな作品じゃないかと思っています。
時々こっちがドキっとするようなテーマを取り上げてくれるのも個人的には好印象なんですが,今週はきたよ...「恋愛漫画」だよ。弊ブログはラブコメ感想主体なだけに,今回の題材は中々来るね...というわけで,感想です。
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「スナックバス江」の面白いところ
一応,今回俎上となったのは恋愛漫画です。明美ちゃんが手に取っているのはもしかしたら少女漫画の類なのかもしれませんが,ここで語られている文脈はまんま「ラブコメ」にも通じています。
普通に客(おっさん)に薦めているしな。薦めておいて読んでいたら引くあたり明美ちゃんですけれど。ですが,世のラブコメ読者の一定数はおっさん(30代以上)という仮説はだいたい正しそうな気もするし,現に僕のTLの4分の1は30代以上です。五等分より多い。
そう,おっさんはラブコメを読むのである(たぶん)。
以前にも調査した気がするけれど,皆さんの世代は?
— ayumie (@ayumie) 2020年3月4日
(個別の回答は誰にも分かりませんのでご安心を)#TL世代調査
それはさておき,こうしておっさんに対するナチュラルな刺激を与えてくれるところも「スナックバス江」らしい。僕,こういうノリ好きですよ。そしてリアルをぶっ込んでくるところも。
既婚者が一定数を占めると考えられるおっさんはよく知っていることですけれど,ラブコメみたいな恋の行く末に結婚があるわけじゃなくて,もっと「現実的なアレコレ」を経て世の中のカップルは結婚しているわけで。
でももしかしたらそんなことを知らない魔法つかいなおじさんもいるかもしれないというフォビドゥン澁川先生の思い遣り,泣けてきます(多分違う)
いいですか,卒業間近の男子高校生諸君!
きちんと「好き」って伝えなければ相手には伝わらないからな!
勇気を出すんだ(pluck !: 名詞)
そんな当たり前の事実を非モテ代表である森田ちゃんらを通じて喜劇化しているのも,個人的に面白く感じます。
スナックバス江,ラブコメを語る
さて話題はハーレムラブコメへ。
森田ちゃんの「ヒロインがたくさん出てくるラブコメ」という表現に,ラブコメ慣れしていないおっさんを感じますね(謎目線)。いや,むしろ知らなくていい知識ですけれど。
そんな森田ちゃんのハーレムラブコメ理論がいろんな意味でどこかに突き刺さっている。「馬券の代わりにアンケや人気投票のはがきを出す...競馬や!」ってそれはぼく勉のことかー!
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ふふっ...お前...いま,桐須真冬を笑ったか...? (矢車の兄貴)
そんな声が空耳アワーで聞こえてきそうなギリギリの発言です。本当にありがとうございます。
そう,ラブコメファンは無我夢中で推しを応援しがちなのです...。一生懸命アンケ出したり,人気投票で5000枚投票すると予告したり....。(こうどなじょうほうせん)。
でも14000票とっても結ばれないこともある。それが分かっても止まれないのがラブコメ民というものなのです。森田ちゃん,ぐいぐい煽ってくるな!
そんなラブコメおじさんをあざ笑うかのように,さらに明美ちゃんがぶっこんで来ます。
そうは言っても結局第一話から出てる子が勝つんじゃないの...?
一番の表紙で目立っているような....
ああ...そうかもな...ニセコイだったらそうかもしれないな...。
だがぼく勉だったらどうかな...?
ご存知の通り,「ぼくたちは勉強ができない」では第1話から登場していたヒロイン2名は告白することもなく恋愛的に退場してしまいました。結ばれたのは第4話(修正しました)から登場したヒロインです。明美ちゃんのセリフ,タイミングが良すぎぃ!
明美ちゃんのセリフがそのまんま「ぼく勉」を煽っているように思えるくらいに突き刺さってくる。矢車の兄貴も草葉の陰で「笑え...笑えよ...」ってきっと呟いている。
フォビドゥン澁川先生,ぼく勉と五等分読んでいるでしょ(憶測)
一つ一つのセリフがじわじわ来るわぁ...。
訓練されたラブコメ民のような会話は,まるで実家に帰ってきたようだ
その後も続く,訓練されたラブコメ民みたいな会話がまた面白い。
森田ちゃん「ワイが推すキャラは早々に負けが確定」
森田ちゃん「自分が賭けた奴の勝ち負けしかみてない」
辰兄 「推しが振られた時点で自分にとっての最終回感」
辰兄 「俺が応援するキャラ大体世話焼きの幼馴染系」
辰兄 「下手したら告白せずに勝手に身を引く」
これでもかっ!と言わんばかりの怒涛の連携である。
ハーレムラブコメに夢中になり,結ばれなかったヒロインを推していた愛読者の大半が言いそうなことでもうお腹いっぱいである。
もうやめて!「五等分の花嫁」と「ぼく勉」の話は!
(注:作中誰もしてません)
この段階でかなりお腹いっぱいなのですが,それにしてもこの森田ちゃんのセリフには笑った!
まるで昨今流行の「主人公には最初から好きな人はおらず,ただ一人の女性を選ぶハーレムラブコメの主人公」みたいなイメージですが,ニセコイ以降そんな主人公が増えていますからね。ラブコメ読んでいないはずの森田ちゃん,めっちゃ寄り添ってくるのである。
しかしそれ以上に笑えるのは,それをあざ笑うかのように最近にょこにょことタケノコのように生えてきた「だったらいっそハーレムを楽しんじゃいましょうよ?」系の主人公の登場ですよ!
本当にたまたま偶然だと思うけれど,先日始まったばかり「カノジョも彼女」とまさかのシンクロである(YJ的には「君のことが大大大大大好きな100人の彼女」でしょうけれど)。
試し読み(外部サイト)
カノジョも彼女 - ヒロユキ / 【第1話】それが正しい道じゃなくても | マガジンポケット
試し読み(外部サイト)
堂々と二股を試みる新感覚ラブコメが週刊マガジンで始まったばかりのこのタイミングでの森田ちゃんの主人公批判....(偶然です)。フォビドゥン澁川先生は未来から来た少年か?ってなる。
そんなラブコメあるあるがいっぱい詰まった今週の「スナックバス江」(フォビドゥン澁川先生)。毎回いろんな題材を取り上げてキレッキレのギャグを飛ばしてくれます。
週刊ヤングジャンプで絶賛連載中ですので興味があったら是非。
というわけで まる。
(参考)今回のお話の掲載号
- 作者:ヤングジャンプ編集部
- 発売日: 2020/03/05
- メディア: Kindle版
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